ソニー、世界初の裏面照射型CMOS搭載デジカメ「サイバーショットDSC-TX1」

~強化ガラスのタッチパネル液晶も採用

サイバーショットDSC-TX1

 ソニーは、裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」を搭載した薄型コンパクトデジタルカメラ「サイバーショットDSC-TX1」を9月4日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は4万3,000円前後の見込み。同日発表の「サイバーショットDSC-WX1」と併せて、裏面照射型CMOSセンサー搭載のデジタルカメラは世界初としている。

 薄型スタイリッシュモデル「サイバーショットTシリーズ」のデザインを継承したモデル。最薄部14.1mmを実現した。撮像素子には新開発となる1/2.4型有効1,020万画素のExmor Rを搭載した。

 Exmor Rは、ソニーが2008年6月に開発発表した撮像素子。センサーの表面から光を照射していた従来のCMOSセンサーとは異なり、背面から光を入射させることで、センサー上の配線やトランジスタの影響を受けることなく、フォトダイオードに入る光の量を増大させることが可能。従来の表面照射型に比べ、約2倍の感度を実現している。2月20日に発売されたデジタルビデオカメラ「HDR-XR520V」と「同XR500V」で初の実用化を果たしており、デジタルカメラへの搭載が待たれていた。なお、HDR-XR520V/XR500Vに搭載していたのは1/2.88型の有効600万画素タイプだった。


DSC-TX1(ピンク)DSC-TX1(ピンク)
DSC-TX1(ピンク)DSC-TX1(ピンク)
DSC-TX1(ピンク)

 今回Exmor Rを搭載したことで、ノイズリダクションをより弱めに施すことが可能になった。これにより解像感が従来より高まったとしている。また、「サイバーショットDSC-HX1」でも採用していた「手持ち夜景モード」も搭載する。1度のシャッターで6枚を高速連写し重ね合わせることでノイズを1/2に低減するもので、Exmor Rと合わせてノイズ低減効果1/4を謳う。感度はISO160~3200。ダイナミックレンジを拡張できる「Dレンジオプティマイザープラス」も利用できる。

DSC-TX1の内部構造スイングパノラマ撮影時のイメージ

 CMOSセンサーの高速読出しを利用した連写機能も備え、フル画素で10コマ/秒の連写が可能となっている。連写撮影時は、動体歪みが発生しないメカシャッター式を採用している。カメラを横または縦に動かすだけで自動的にパノラマ撮影ができる「スイングパノラマ」も搭載する。画角は185度。映像エンジンは「BIONZ」(ビオンズ)を継承する。自動シーン認識機能「おまかせオート」にはあらたに動き検出を追加している。大人と子どもを識別する顔検出機能「顔キメ」も引き続き利用できる。最大1,280×720ピクセル、30fpsのHD動画も撮影可能。記録形式はMPEG-4。録画中の光学ズームに対応する。

 液晶モニターはタッチパネル式の約23万ドット3型クリアフォト液晶プラス。タッチパネル面に強化ガラスを採用し、従来比約2倍の強度を持たせた。色滲みも発生しないという。タッチ操作では、あらたになぞり操作に対応。スクロールなどの操作性が向上したまた、撮影設定のアイコンをドラッグアンドドロップしてよく使う機能を並べるなど、カスタマイズが可能になった。

 サイバーショットTシリーズの特徴であるスライド式のレンズバリアを引き継いでいる。カラーはブルー、ゴールド、グレー、ピンク、シルバーの5色。全体に曲線を帯びたシルエットになっている。

DSC-TX1(ブルー)DSC-TX1(ブルー)
DSC-TX1(ゴールド)DSC-TX1(ゴールド)
DSC-TX1(グレー)DSC-TX1(グレー)
DSC-TX1(シルバー)DSC-TX1(シルバー)
DSC-TX1(シルバー)DSC-TX1(シルバー)

 レンズは、屈曲式のカールツァイス・バリオテッサー。35mm判換算の焦点距離は35~140mm、F3.5~4.6の4倍ズームで、球面レンズを4枚使用した。最短撮影距離は広角端で約8cm、望遠端で約50cm。拡大鏡モードでは最短1cmでの撮影が可能。光学式手ブレ補正機構を実装する。新たに、拡大鏡モードが自動シーン認識能「おまかせオート」に追加され、被写体に接近すると自動で切り替わるようになった。

 記録メディアはメモリースティックデュオ/PROデュオ/PRO-HGデュオ。内蔵メモリーは約11MB。コンポーネント出力にも対応する。電源はリチウムイオン充電池「NP-BD1」。CIPA準拠の撮影可能枚数は約250枚。本体サイズは93.8×16.5×58.2mm。重量は約119g(本体のみ)、約142g(バッテリー、記録メディア、付属アクセサリーを含む)。

付属品

専用ケース「LCH-TW1」

LCH-TW1

 DSC-TX1およびDSC-WX1専用のハードケース。発売は9月4日。価格は6,300円。カラーはレッド、ゴールド、シルバー、ブルー、ブラックを用意する。

 外装にポリカーボネート、内装にエラストマーを使用することで100kgの荷重に耐えられるほか、約1.5mからの落下でもカメラを保護できるという。また、汚れや傷も付きにくいとしている。米国防軍用規格「MIL Standard」に準拠している。エラストマー製のハンドストラップが付属する。


専用ケース「LCJ-THE」

LCH-THE

 DSC-TX1専用のケース。発売は8月6日。価格は4,200円。カラーはピンク、ホワイト、ブラウン、ブラックを用意する。

 外装は本革エピ風仕上げ。ロゴバッジ部分をスタイラスとして使用できる。開閉はマグネット式で、カバーを開ければそのまま液晶モニターを閲覧できる。


水中ハウジング「MPK-THHB」

 水深40mまで対応するDSC-TX1専用のマリンパック。発売は9月4日。価格は2万6,250円。

MPK-THHBMPK-THHB

※記事初出時、センサー配列を「クリアビット配列」と記載しておりましたが、DSC-TX1はクリアビット配列ではありませんでした。またスイングパノラマの画角を256度と記載しておりましたが、正しくは185度です。

※記事初出時、HDMI端子を搭載していると記載しておりましたが、HDMI端子は搭載しておりません。

(本誌:武石修)

2009/8/6 14:00