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OMデジタルソリューションズが事業開始。Webサイトで社長メッセージを公開

オリンパスカメラを継承 社名の由来も明らかに

OMデジタルソリューションズ株式会社は1月5日、同社が1月1日付で事業を開始したことを発表した。Webサイトもオープンしている。なお1月4日には、オリンパス株式会社が映像事業の譲渡完了についてニュースリリースを配信した。

オリンパス映像事業の分社化は、オリンパス株式会社が2020年6月24日に方針発表。9月30日に新会社の名称が「OMデジタルソリューションズ株式会社」と明らかになり、2021年1月1日に事業を開始した。本社所在地は東京都八王子市高倉町49-3。資本金は約370億円、連結従業員数は約2,000人(いずれも2021年1月1日現在)。

事業内容は「カメラ等の光学機器やその他精密機器の製造販売、修理並びに賃貸」。新たな経営体制のもと、経営・研究開発・製造・販売統括部門が一体となって運営し、OM-D、PEN、ZUIKOをはじめとする各ブランドの製品へのサポートを継続しながら、サービス向上、新製品開発、製品ラインナップ強化に努めていくとしている。また、当面の間はオリンパスブランドを継承することも決まっている。

以下に、同社代表取締役社長の杉本繁実氏によるメッセージと、社名「OMデジタルソリューションズ」の由来について、同社Webサイトから引用する。

代表取締役社長 杉本繁実氏のメッセージ(引用)

2021年1月1日、私たちはOMデジタルソリューションズ株式会社として新しいスタートを切りました。昨今、社会情勢の変化に応じてデジタル化の勢いは加速し、さまざまな領域で新しい技術開発が進められています。それと同時に価値観の見直しが始まっていますが、いま本当に求められているのは心豊かな生活の実現であると私たちは考えています。

私たちの前身は、オリンパス株式会社の映像事業部門です。カメラ、レコーダー、双眼鏡などの製品を通して、社会に貢献してきました。とりわけカメラ事業は、従来にない発想で開発に取り組み、新たな価値を創出してきました。フィルム時代には、35ミリ一眼レフのOMシリーズで画期的な小型軽量化を成し遂げました。その情熱と開発フィロソフィーはデジタル時代に受け継がれ、ミラーレスのOM-Dシリーズでは小型軽量化に適したマイクロフォーサーズ規格を先導しました。そして、高い光学性能を持つレンズ群、世界最高レベルの手ぶれ補正や高解像度のハイレゾショットなど数々の先進技術を開発してきました。

その事業を支えてきたのは、モノづくりの力です。それは先を見通す洞察力、挑戦する精神、そして生産現場との緊密なつながりがあって初めて成り立ちます。受け継がれてきたモノづくりの力と先進のデジタル技術を掛け合わせて、これからもカメラ、レコーダー、双眼鏡といった既存の事業分野で画期的な製品を世に送り出し続けるとともに、既存製品の枠を超えて、新たなソリューションを提供していきます。

新会社の発足によって、私たちは大きな船から飛び出し、小回りが利く体制となりました。これから私たちは、ますますフレキシブルに、これまで以上に熱い心を持って、社会に貢献する事業を創出していきます。

社名に込めた想い(引用)

当社の社名「OMデジタルソリューションズ」には2つの想いが込められています。

「OM」は私たちの原点であり、アイデンティティの表れです。1970年代に、それまでの⼀眼レフカメラが抱えていた「⼤きい」「重い」「シャッターの作動⾳、ショックが⼤きい」という3つの⽋点を克服する形で⽣まれたのが「オリンパスOMシステム」です。性能機能は最⾼⽔準を保つことを前提に、ショック⾳を⼩さくし、⼩型軽量化を実現。⼿にした瞬間に⼩さくて軽いと実感できるコンパクトさを追求し、設計や製造に関わる⼈々の⼀切の妥協を許さない姿勢があったからこそ実現することができました。

社名のOMは、「常に困難なことに挑戦し、新しいものを⽣み出す姿勢」を体現しています。現在、OMは「OM-D」として⽣まれ変わり、主⼒のミラーレスカメラとして私たちの映像ブランドを牽引しています。

そして、「デジタルソリューションズ」には、これまで培ってきた映像関連の事業を広げながら、映像の枠を越えたデジタル領域に挑む企業姿勢と未来への決意が込められています。

モノづくりとしての誇りを抱きながら、フォトグラファーを中⼼とした⼈々の豊かな暮らしにつながるソリューションを提供する、既成概念に捉われない先進的な提案型企業を⽬指します。

本誌:鈴木誠