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富士フイルム、ボディ内手ブレ補正を搭載した「X-T4」

シャッターユニットを新設計 銀残しを再現したシミュレーションも

富士フイルムは2月26日、Xマウント採用のミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T4」を発表した。シルバーとブラックの2色展開で、発売日は4月の予定。価格はオープン。店頭予想価格はボディ単体が税別20万4,500円前後、レンズキット(キットレンズはXF16-80mmF4 R OIS WR)は税別26万4,500円前後の見込み。

レンズマウントに、Xマウントを採用したAPS-Cミラーレスカメラ。X-Tシリーズとして初となるボディ内手ブレ補正機構を搭載した。バネを使わずに磁力を駆使した新構造とすることで、X-H1(2018年3月発売。Xシステムのミラーレスカメラで初めて手ブレ補正機構が搭載された)から、さらに機能を向上させたとしており、シャッターの微振動を抑制する衝撃吸収機構とともに、その効果は最大でシャッタースピード約6.5段になるという。

センサーは前モデルX-T3(2018年9月発売)と同じく、有効約2,610万画素のX-Trans CMOS 4(裏面照射型)を搭載し、画像処理エンジンX-Processor 4を組み合わせている。

X-T4では、シャッターユニットの刷新が図られており、メカシャッターで約15コマ/秒の連写を実現。また、約0.035秒のレリーズタイムラグで高い応答性を誇るとしている。このほか、シャッター耐久性は30万回に向上し、静音動作も実現したという。

また、AFのアルゴリズムも改善されており、最速約0.02秒の合焦速度を実現。顔・瞳AFの追従性能も向上しているという。

このほか、シャッター速度ダイヤルと同軸に静止画/動画切り替えスイッチ(STILL/MOVIE切替レバー)が設けられた。

他のハード面の変更点は、バッテリーが大容量のものに刷新された。新たに「NP-W235」(リチウムイオンタイプ)が採用され、撮影可能枚数は標準モードで約500枚だとしている。また、従来のブースト / ノーマルモードに加え、新たにLCDのフレームレートを低下させ、またオートパワーセーブをONにすることで撮影枚数を向上させる省電力モード「エコノミーモード」が追加された。このモードでは撮影可能枚数が約600枚になるとしている。バッテリーグリップ「VG-XT4」併用時は、本体内のバッテリーとあわせて最大1,700枚の連続撮影が可能になるという。

フィルムシミュレーションは、新たに「銀残し」を再現した「ETERNAブリーチバイパス」モードを追加。彩度を低く抑えながらもコントラストの高い、重厚感のある表現が可能になるという。

オートホワイトバランスでは、既存の「AUTO」に加えて「ホワイト優先」、「雰囲気優先」機能が追加された。ホワイト優先では、白熱電球下で白色が再現されやすくなるとしており、雰囲気優先では、より温かみのある雰囲気を出すことができるとしている。

動画面では、電子式の手ブレ補正機能を搭載。また、フルHD・240Pの動画撮影が可能となっており、撮影した動画を最大10倍のスローモーション映像として再生することもできるという。

バッテリーグリップ「VG-XT4」
VG-XT4を装着した状態

主な仕様

センサー

有効約2,610万画素(X-Trans CMOS 4センサー)

画像処理エンジン

X-Processor 4

ISO感度

標準:ISO 160~12800
拡張時:ISO 80 / 100 / 125 / 25600 / 51200

シャッター速度

メカニカルシャッター:4秒〜1/8,000秒、バルブ最長60分
電子シャッター:4秒〜1/32,000秒、バルブ1秒固定

フラッシュ同調速度

1/250秒以下

手ブレ補正

センサーシフト方式5軸補正(最大6.5段・CIPA規格準拠、ピッチ / ヨー方向)
電子防振:有(動画のみ)

連写

メカニカルシャッター:最大約15コマ/秒
電子シャッター:約20コマ/秒、(1.25倍クロップ時:約30コマ/秒)

ファインダー

0.5型有機EL(約369万ドット)
アイポイント:約23mm(接眼レンズ最後尾から)
ファインダー倍率:0.75倍(35mm判換算50mmレンズ、無限遠、視度-1m-1のとき)

背面モニター

3.0型、バリアングル式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター(約162万ドット)

無線

Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n
Bluetooth:Bluetooth Ver. 4.2(Bluetooth low energy)

記録メディア

SD / SDHC / SDXCメモリーカード(UHS-II対応)

入出力端子

USB Type-C(USB3.2 Gen1)
HDMIマイクロ端子(Type D)
3.5mmステレオミニジャック(マイク用)
2.5mmリモートレリーズ端子
ホットシュー
シンクロターミナル

バッテリー

NP-W235(リチウムイオンタイプ)

連続撮影可能枚数・時間

静止画(XF35mmF1.4 R使用時):約600枚(エコノミーモード時)、約500枚(ノーマルモード時)
動画:4K約110分(29.97p時、顔検出はOFF)

本体外形寸法

幅134.6×高さ92.8×奥行63.8mm

質量

約607g(バッテリー、SDメモリーカードを含む)
約526g(バッテリー、SDメモリーカードを含まず)

本誌:宮澤孝周