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キヤノン、AF追従最大約30コマ/秒の「EOS M6 Mark II」

瞳AFの静止画・動画対応など撮影機能も強化

キヤノンは、EOS Mマウントを採用したミラーレスカメラ「EOS M6 Mark II」を9月下旬に発売する。ラインアップはボディ単体とレンズキット(EF-M18-150 IS STMまたはダブルズーム[EF-M15-45 IS STM+EF-M18-150 IS STM])とこのレンズキットに外付けEVFがセットになったパッケージ。ボディカラーはブラックとシルバーの2色で展開する。同社オンラインショップでの販売価格は税別11万5,000円〜税別16万7,500円の見込み。

2017年4月に発売されたEOS M6の後継に位置づけられる機種で、イメージセンサーおよび画像処理エンジン約3,250万画素のAPS-CセンサーとDIGIC 8の組み合わせに刷新された(M6は、有効2,420万画素のAPS-CセンサーとDIGIC 7)。

ファインダーを排するなど前機種のEOS M6のデザインを踏襲しているが、背面側にAF/MFの切り替えセレクターが新たに搭載された。このほかEOS M6にあった天面の露出補正ダイヤルが、カスタマイズ可能なサブ電子ダイヤルに変更されているなど、操作系に細かな変更がなされている。

ボディ単体のパッケージ
ダブルズーム+EVFのキット

RAWバーストモードを搭載

基本的な撮影性能は、同日に発表されたEOS 90Dとかなり近い構成となっており、約3,250万画素のAPS-Cセンサーの採用とDIGIC 8の搭載など共通部分が多くみられる。ISO感度もISO 100〜ISO 25600(拡張時ISO 51200に対応)と、高感度面についても同様だ。

EOS M6 Mark IIならではのポイントとなっているのが、連続撮影枚数だ。

連写速度はAF固定・追従ともに最高約14コマ/秒を実現。連写中もブラックアウトせずに動体を捉えつづけることができるとしている。

さらに、電子シャッターでの撮影となるが、AF追従で約30コマ/秒の連写が可能となるRAWバーストモードも搭載する。この機能の使用時は、シャッターを切る前から記録を開始(最大で約0.5秒前まで遡ることができる)するプリ撮影のオン/オフが選択可能となっており、予測できない動体の撮影などで撮りたいシーンを逃しづらくなっているという。本機能は2019年8月に発売された1インチのイメージセンサーを搭載するコンパクトデジタルカメラ「PowerShot G5 X Mark II」および「PowerShot G7 X Mark III」でも搭載されていた。なお、シャッター機構は、メカニカルシャッター(最高1/4,000秒)と電子シャッター(最高1/16,000秒)の双方を搭載している。

瞳AFは、サーボAFだけでなく、動画サーボAFでも設定が可能になった。

AF測距エリアは横約88%、縦約100%で、選択可能なAFポジションの数は最大で5,481ポジションとなっている。

AFの低輝度限界はEV−5で、EOS 90DやEOS RPと同等の暗所AF性能となっている。

その他

背面に新たに搭載されたAF/MFの切り替えスイッチは、ボタン機能も有しており親指AFにも対応している。また、カスタマイズ可能なサブ電子ダイヤルの搭載など、同社一眼レフ機と同じようにダイヤル操作で露出補正などが可能になっている。

撮影モードは、P、AV、TV、Mといったおなじみの撮影モードに加えてEOS Rなどで新たに搭載されたFVモードも搭載している。

動画撮影性能は、4K30pの記録に対応。さらにフルHDでは120pのハイフレームレート動画撮影に対応するなど、表現の幅がひろがっている。

背面液晶モニターは3.0型で、約104万ドットの表示に対応している。手前側に大きく引き出して前面に向けて展開することも可能となっており、自撮りなどのニーズにも応える仕様となっている。

外付けでEVFのとりつけも可能(EVFはEVF-DC2に対応)で、EVF搭載時はEOS RやEOS RP同様に背面液晶をタッチアンドドラッグすることでAFポイントの移動が可能になる。

フラッシュはリトラクタブル式を採用している。

通信モジュールはWi-FiとBluetooth LEに対応。USB Type-C端子を有しており充電に対応する。

記録メディアはSDカードを使用する(UHS-II対応)。メディアスロットは1つで、バッテリー室と共用。なお、バッテリーはLP-E17を使用する。

主な仕様

対応マウント

EF-Mマウント

撮像素子

約3,250万画素(APS-Cセンサー)

映像エンジン

DIGIC 8

シャッター速度(最大)

メカニカルシャッター:1/4,000秒
電子シャッター:1/16,000秒

ISO感度

ISO 100-25600(拡張時ISO 51200)

連写枚数

最高約14コマ/秒(ワンショットAF、サーボAFともに)
RAWバースト時:最高約30コマ/秒

背面液晶

3.0型約104万ドット

ネットワーク

Wi-Fi、Bluetooth LE

外形寸法

約119.6×70.0×49.2mm

質量

約408g(バッテリー、メモリーカード含む)

インターフェース

USB Type-C端子を搭載

本誌:宮澤孝周