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キヤノン、10コマ/秒連写のAPS-C一眼レフ「EOS 90D」

DIGIC 8搭載 瞳AFなどライブビュー機能も充実

キヤノンは新たに有効約3,250万画素のAPS-Cセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「EOS 90D」を9月中旬に発売する。ラインアップはボディ単体と、EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USMとのレンズキット。同社オンラインショップでの販売予定価格はボディのみが税別15万円前後。レンズキットは税別19万7,500円前後の見込み。

2016年3月25日に発売されたEOS 80Dの後継に位置づけられる機種。操作性と連写性能、コストのバランスをとった機種として、スペックにこだわりを持つ人や動体を撮影することが多いハイアマチュアに向けて訴求している。

イメージセンサーや映像エンジン、操作系などが一新されており、ライブビュー撮影時にサーボAFで瞳AFに対応するなど、最新機能への対応も盛り込まれ、多くの点でEOS 80Dから進化している。

バッテリーグリップ「BG-E14」(EOS 70D、同80Dと共用)を装着した状態

2つのマルチコントローラーを搭載

EOS 90Dでは背面の操作系が一新された。まず特徴的なポイントが、マルチコントローラーが2つ搭載されている点だ。

ライブビュー切り替えボタンの下にスティック状のマルチセレクターが設けられており、さらにホイール形状のコントローラーが配されている。

記録メディアはSDカードを使用する(UHS-II対応)。スロット数は1つだ。

ライブビュー切り替えボタンの直下に配されているマルチコントローラーは、EOS 7DやEOS 5D系統の上位機種にも搭載されているおなじみのコントローラーだ。ファインダーをのぞきながらでも親指で直感的にAFポイントなどの操作が可能だとしている。なお同社によれば、バリアングル式の背面液晶モニターを搭載する一眼レフ機では初めての搭載になるという。

このほか、EOS 80Dなどに搭載されていたホイール形状の従来型マルチコントローラーも搭載している。これまで上位機種を使用していたユーザーやEOS 80Dからの買い替えユーザーが違和感なく使用できるようとの配慮だという。

上位機種と同様のインターフェース強化はシャッターボタンにもみられる。連続撮影に配慮した機種らしく、シャッターボタンは半押しと全押しで圧力が変化するタイプに。最小限の指の動きで連続撮影が可能になっているとしており、数多く撮影する場合でも疲れにくい仕様になっているという。

撮影性能

イメージセンサーには有効約3,250万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーが採用された。映像エンジンも35mm判フルサイズセンサーを搭載するEOS RやEOS RPと同じDIGIC 8を搭載している。

ファインダーの視野率は上下左右約100%。倍率は約0.95倍(50mmレンズ使用時)で、アイポイントは約22mm。フォーカシングスクリーンは固定式。

測距点数はオールクロス45点に対応。また、新たに搭載したAEセンサーとDIGIC 8により、ファインダー撮影時でも顔認識が可能となった。

ライブビュー時のAFフレームは45点のAFポイントから任意の1点を選択できる1点AFから、さらに細かな被写体にフォーカスしたい場合に便利なスポット1点AFを新たに搭載。AFフレーム自体が小さくなるため、細かなAFポイント調整がやりやすくなっている。

1点AF
スポット1点AF

ライブビュー撮影性能も強化された。まずAFエリアは横約88%、縦約100%で測距が可能になった。選択できるAFポジション数も最大で5,481点となっており、構図の自由度が高められているほか、サーボAF時の瞳AF対応や、EV−5での合焦など低輝度合焦性能も向上している。

メカシャッターは最高1/8,000秒まで使用可能となっており、ライブビュー撮影時には最高1/16,000秒の電子シャッターも搭載した。連写速度はファインダー使用時で最高約10コマ/秒。ライブビュー撮影では最高約11コマ/秒。

ISO感度はISO 100〜ISO 25600に対応。拡張でISO 51200まで使用できる。

このほか、流し撮りをサポートする「流し撮りアシスト機能」を搭載。対応レンズと組み合わせて使用した時にライブビュー利用時だけでなく、ファインダー撮影時でも被写体の速度とカメラを振る速度を自動で計算・補正することで被写体ブレを抑制できるとしている。

動画撮影やスマホ連携機能も強化

動画撮影機能ではクロップなしで4K 30pに対応している。また、フルHDでは120pのハイフレームレートにも対応し、スローモーション撮影も可能となっている。

強化された動画撮影性能とあわせて、SNS等との連携への配慮も盛りこまれている。スマートフォンなどへの動画転送時に4K動画をフルHDに変換しながら転送することで、より扱いやすくするという機能だ。

通信モジュールはWi-Fi(IEEE 802.11b/g/n)とBluetooth Ver.4.1(LE)を搭載。

バッテリーはLP-E6NまたはLP-E6を使用する。

外形寸法は、約140.7×104.8×76.8mm。質量は約701g(バッテリー、カード含む)。本体のみの場合は約619g。

本誌:宮澤孝周