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ソニー、繰り返しフルカラー描画できるフィルムを開発

熱で発色状態を変化 装飾のみならず写真画質も

"印刷した写真画質並み"という描画イメージ。

ソニーは、フルカラーでの描画と消去を繰り返し行えるフィルムと、それを高速で実現するレーザー照射技術を新たに開発。米国で開催されているディスプレイ関連学会SIDで5月16日に発表した。

レーザー光を熱に変換する光熱変換材と、シアン、マゼンタ、イエローの各色を有するロイコ染料、熱によってその発色状態を変化させられる材料などをソニー独自技術で配合・積層した。

描画には非接触のレーザー光を用いるため、形状の自由度も高く、従来の印刷物では難しかった透明なガラスやプラスチック越しでも、素材の表面質感を保ったまま描画できるという。

また、発色には熱を用いるため、階調が段階的なドット表現ではなく、細やかな濃淡で表現できる点を特徴する。写真画質レベルの鮮やかな色彩表現も可能だという。加飾用途だけでなく、フルカラーで繰り返し描画する様々な応用先への展開が考えられるとしている。

透明なプラスチックの下に描画したところ。

本誌:鈴木誠