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Adobe、Lightroomなどの写真向けアプリケーションをアップデート

ディテールの強化、HDRやパノラマ合成機能を追加

Lightroom Classic CCで富士フイルムX-T1で撮影したRAWデータに対して「ディテールの強化」を実行しているところ。

アドビは2月14日、Adobe Camera Raw、Lightroom Classic CC、Lightroom CCのアップデートプログラムの提供を開始した。各ソフトウェアの対象OSは、MacおよびWindowsのほか、Android、ChromeOS、iOSとなっている。

追加される機能は、「ディテールの強化」(Adobe Camera RawやLightroomシリーズが対象)とLightroom CC向けのいくつかの新機能。

本アップデート内容は、2019年2月28日~3月3日に開催される「CP+2019」で紹介を予定しているという。

ディテールの強化

RAWデータの現像処理時にディテールの描画を改善することで、細かな色の再現性が高まるというもので、解像度を最大で30%向上できるとしている。

同社の機械学習フレームワーク“Adobe Sensei”を活用した機能で、対象アプリケーションはMac/Windows版のAdobe Camera Raw、Lightroom Classic CC、Lightroom CCとなっている。

適用可能なデータ形式はCamera RawでサポートしているRAW。Bayer配列や富士フイルムのX-Transセンサーによって撮影されたデータが対象となっている。これにより、富士フイルムのX-Transセンサー搭載カメラで撮影されたデータで一部のユーザーから指摘されていた、細かな色のディテールなどに関する問題が解決したとしている。

なお、リニア画像化されたRAWデータのほか、結合後のHDRまたはパノラマ(結合前のファイルにディテールの強化を適用してから結合することは可能)、スマートプレビュー、非可逆圧縮されたDNGファイル、バージョン1.1互換として保存されたDNGファイルは対象外としている。

Lightroom CCの新機能:MacおよびWindows版

「ディテールの強化」に加えて、HDR、パノラマ、HDRパノラマの結合ツール、ターゲット調整ツール、ヒストグラムクリッピングインジケーターが追加される。

HDR、パノラマ、HDRパノラマは、複数のRAWデータまたは非RAWで撮影された写真をHDRまたはパノラマ写真に結合できる、というもの。

ターゲット調整ツールは、色と色調のコントロールができる。トーンカーブやカラーミキサー、B&Wミキサーの各ツールで使えるとしている。

ヒストグラムクリッピングインジケーターは、ハイライトがとんでしまったり、シャドウが潰れてしまっている部分を赤または青でプレビューできるという機能。

露出が明るめの写真と暗めの写真を用意して、「HDR結合」の操作を実行しているところ。操作方法はプルダウンメニュー「写真」→「写真を結合」→「HDR結合」で実行する。
「HDR結合」のプレビュー画面。かなりコントラストが強まった。

Lightroom CCの新機能:iOS版

「アドホック写真共有」のサポートのほか、現行機能の改善や、将来の新機能への準備を実施したとしている。

アドホック写真共有では、任意の写真を直接オンラインで共有可能なセットが作成できるようになっている。これにより、あらかじめアルバムを作成してから共有するという段階を踏む必要がなくなる。

Lightroom CCの新機能:Chrome OSおよびAndroid版

基本機能に関する改善とバグ修正が行われた。iOS版で実装された機能に関するアナウンスはないが、「近々予定している新機能の準備に注力している」としている。

Lightroom Classic

ニコン製カメラ利用時のパフォーマンスと安定性を改善したとしている。これにより、2018年10月のアップデート以降で実現したキヤノン製カメラ利用時のスピードと安定性をニコン製カメラ利用時も発揮できるようになるという。

このほか、テザー撮影時の写真転送スピードの高速化や、テザー撮影バーへのISO、シャッター速度、絞り、ホワイトバランスといったカメラの基本機能コントロールが追加された。

本誌:宮澤孝周