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【フォトキナ】フォクトレンダーの参考出品レンズ、3製品4モデル

50mm F1.2のEマウント版 色被り対応のVM用21mmも

NOKTON 50mm F1.2 Aspherical E-mount。左からType1、Type2。

フォトキナ2018のリングフォトブースに、参考出品のフォクトレンダー新レンズがあった。リングフォトは、コシナのフォクトレンダー製品をヨーロッパで扱う企業。

NOKTON 50mm F1.2 Aspherical E-mount Type1、Type2(仮)

VMマウントで発売済みの同名レンズをソニーEマウントに最適化したモデル。鏡筒デザインが異なるType1、Type2の2種類を検討中。どちらか1モデルになるのは、2モデルとも登場するかは未定。

どちらも最短撮影距離は45cm(VMは距離計連動で70cm)。電子接点を持ち、対応するEマウントカメラボディでは5軸手ブレ補正を利用可能。

Type1はフォクトレンダーのEマウントレンズに共通する、Eマウントの大径に合わせたスタイリング。絞りクリックのオン/オフ切り換え機構が備わる。

NOKTON 50mm F1.2 Aspherical E-mount Type1
絞り環の操作で絞りクリックをオフにできる。
ねじ込み式フードが付属。

Type2は、VMマウントレンズに近い鏡筒デザイン。絞り環の回転方向はソニーEマウントレンズに合わせられていた。レンズ銘板にAsphericalの文字がなくシンプル。

NOKTON 50mm F1.2 Aspherical E-mount Type2
こちらは絞りクリックのオンオフ切り換えを持たない。
バヨネット式フードが付属。レンジファインダーカメラ用ではないためスリットをなくし、機能的な構造とした。

レンジファインダーカメラ用のVMマウントレンズも2本

VMマウントレンズ2本も参考展示。こちらは2本とも製品化が決定しており、発売時期や価格が未定というステータス。どちらもフードは別売になる予定。

ULTRON Vintage Line 35mm F2 Aspherical VM

新規の光学系を採用するモデル。「外観はクラシックで、中身は最新」をコンセプトとするVintage Lineに属する。すでに35mm F1.7が存在するが、開放から高性能を狙ったF1.7に対し、F2はコンパクトと高性能の両立を目指した。

設定される別売フードは、ライツOLLUX風デザインに結晶塗装を施したアルミ製。また、スリットタイプの丸形フードLH-4N(カラースコパー35mm F2.5用)も使えるという。

「今の技術で8枚構成のレンズに取り組めば、ここまでできる」というテーマもあったそうだ。ライカの35mm F2レンズでは60年前に登場した“8枚玉”が神格化されているので、非球面レンズを使いながらも8枚構成を追求したところにロマンを感じる。鏡筒は全長28mmと現代の基準では大変にコンパクトで、60年の技術進歩を味わえそうだ。

最短撮影距離は0.58m。距離計連動は0.7mまで。フィルター径は39mm。絞り羽根は10枚。

ピントレバー。ねじっても緩まないのが嬉しい。

COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5 Aspherical VM

先にEマウント版が発表された同名レンズ(10月11日の発売が決定)を継承。フォクトレンダーの21mm F4はミラーレスカメラやライカMデジタルで周辺色被りが起きるため、それに対策した。ライカMデジタルユーザーが待望していた1本だろう。

アルミ製で結晶塗装を施した対応フード。
操作部のつくりは35mm F2と共通。

Eマウント用に比べると、大径マウントや電気部品の制約を受けないため更にコンパクトな仕上がり。全長30mmという実にレンジファインダーカメラ向けのサイズ感だ。新規の光学系で射出瞳を前方に動かしたことにより、小ささを維持しながらデジタルセンサーでも色被りのない超広角レンズが実現した。

最短撮影距離は0.5m。距離計連動は0.7mまで。フィルター径は39mm。絞り羽根は10枚。

COLOR-SKOPAR Vintage Line 21mm F3.5 Aspherical VM(左)、ULTRON Vintage Line 35mm F2 Aspherical VM(右)。21mmのフードは35mmにも使える。

本誌:鈴木誠