ニュース

ライカ新製品「M10 Edition Zagato」「C-LUX」レポート

ドイツ本社でお披露目 実機写真を掲載

ライカM10 Edition Zagato

独ライカカメラAGは6月15日から16日にかけ、本社が所在するドイツ・ウェッツラーのライツパーク拡張を記念したイベントを開催。本稿では現地でお披露目されたカメラ新製品について、実機写真を交えてお届けする。

ライツパーク(今回拡張された部分)。6月17日から一般公開される。こちらの詳細も追ってレポートする。
ライツパーク内のライカカメラ本社(2014年オープン)。拡張されたスペースとは道路を挟んで向かい合わせ。

1型センサー+15倍ズームのスタイリッシュ機「ライカC-LUX」

ライカC-LUX(ライトゴールド)
ライカC-LUX(ミッドナイトブルー)

特に日本で根強い人気というコンパクトデジタルカメラ「ライカC」(1/1.7型センサー)の後継。有効約2,000万画素の1型センサーに24-360mm相当の高倍率ズームレンズを組み合わせた。2018年7月に日本でも発売予定。国内価格は未定。

従来のライカCよりセンサーサイズが大きく、ズームレンジも広いことから、より汎用性の高いカメラと言える。Wi-Fi/Bluetooth対応でスマートフォンとの親和性が高い点もアピールしていた。グリップ部分にラバーは貼られていないが、貼り革の摩擦とボディの張り出しがありホールド性は十分に高い。

ライトゴールド
ミッドナイトブルー。真っ黒のようで濃紺のボディカラーが独特。
貼り革の採用は、このクラスの同社コンパクトデジタルカメラで初という。
様々なテイストのケース類を用意している。

ライカM10初の限定モデル「ライカM10 Edition Zagato」

ライカM10 Edition Zagato

イタリアのカロッツェリア(自動車の車体を作る業者)「Zagato」(ザガート)がデザインした特別仕様のライカM10。販売数は世界250台限定。日本でも2018年7月からライカストアのみで取り扱う製品。国内価格は未定。

Zagatoはアルミを自動車デザインに用いることで広く知られたと言われる。ライカとのコラボレーションは双眼鏡に続いて2度目で、今回のライカM10 Edition Zagatoも上下カバー、本体、操作部まで全てアルミ製。通常モデル(上下カバーが真鍮製)から約70g軽くなっているという。ライカM10の重量から70gを引くと、およそバッテリーを抜いたぐらいの重さで、フィルムのM型ライカに近い数値となる。

ザガートCEOのアンドレア・ザガート氏(左)がアンベールに立ち会った。
ライカカメラ社主のアンドレアス・カウフマン氏。これに合わせて(最もカメラバッグらしくないという)カメラバッグも発表。内部にカメラ収納スペースを設けている。
ライツパーク内の撮影スタジオに被写体として搬入されていた「ザガート イソリヴォルタ」

外観は通常モデルと大きく異なり、貼り革の代わりにアルミ表面に微細な溝を設け、ボディ一体型のグリップもある。わずかにスリバチ状になっているダイヤル類、ファインダー部分のせり出し、平紐がそのまま通るストラップアイレットなど、昨今の限定ライカに通じる強い個性が与えられている。

同梱レンズは特別デザインのズミルックス35mm F1.4 ASPH.。
グリップ部分がある。平紐用のアイレットもM型ライカでは珍しい。
ISO感度ノブは形状だけでなく構造も異なる。通常のライカM10のようにつまんで引き上げることなく、そのまま回せる。
ライカの35mmレンズで初という一体型のレンズフード。M用のアポ・ズミクロン50mmに採用されている回転繰り出し式。
ピントノブの形状が独特。
ボディキャップに赤いアクセント。
背面。ボタンまで全てのパーツがアルミ製。

ライツパーク限定の記念モデルが登場

ライカM10(ブラック、シルバー)、ライカQ(ブラック)、ライカD-LUX(ブラック)をベースとした「Leitzpark Edition」を、ライツパーク内のLeica Store Wetzlar限定で各50台発売。「LEITZPARK」のロゴをパターンとした貼り革を採用するなど外観上の違いがある。

特にライカM10は、正面の赤ロゴを取り除き(ライカM10で初)、トップカバーのライカクラシックロゴと「LEITZPARK WETZLAR GERMANY」という文字を刻印。シリアルナンバーもフィルムのM型ライカのように刻印されており、マニア好みな仕様と言えるだろう。

クラシカルなトップカバーの刻印。

通常は追加料金となるトップカバー刻印とカスタムの貼り革がありながら、ライツパーク内ライカストアでの販売価格は通常のライカM10と同じ(化粧箱や品番も通常品と同じ)。ファンサービスの色合いを強く感じるアイテムだった。

本誌:鈴木誠