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レンズ交換式カメラ市場に、ベーシックモデルの新しい価値を提示するソニー「α7 III」

新たな基準と変革をもたらすか

ソニーは2月27日、新製品のミラーレスカメラ「α7 III」の発売を発表。都内で記者説明会を開いた。そこで繰り返されたのは「ベーシックの概念を打ち破る」というキーワード。好調続くフルサイズαの新モデルは、どのようなキャラクターの製品なのだろうか。

説明会に登壇したのは、長田康行氏(ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社デジタルイメージング本部第2ビジネスユニットゼネラルマネジャー)。

ただのベーシックにあらず

長田氏はα7 IIIについて、まずこう切り出した。「あえて呼ばせてもらいましょう。フルサイズミラーレスカメラのベーシックモデルと」。しかし続けて「ベーシックの概念を打ち破るExpect Moreでもあります」と添える。

「α9」(高速)、「α7R III」(高解像度)という、尖った性格の上位2機種に対して、α7 IIIがベーシックモデルと位置付けられるのは仕方がない。しかしソニーとしては、「ベーシックモデル=スペックを抑えたエントリーモデル」としてではなく、もう少し異なる価値をα7 IIIに込めているようだ。

α7 IIIをごく簡単に説明すると、昨年発売されたα9、α7R IIIのAFや操作性、デュアルスロット、大容量バッテリー、拡張性などを引き継ぎ、イメージセンサーを新開発の裏面照射型CMOSセンサーにした製品だ。前モデル「α7 II」からは大幅に機能アップしているものの、対動体捕捉力や高画素記録については、上位2モデルにかなわないだろう。

それでもレンズ交換式デジタルカメラ市場において、α7 IIIの存在感は決して小さくない。むしろ有効2,420万画素、ISO204800、ボディ内手ブレ補正、約10コマ/秒(AF追随)、4K HDR動画記録といったスペックが今後、フルサイズミラーレスカメラのスタンダードになることは、一眼レフカメラを含めた市場において、それなりにインパクトのある話かと思う。店頭予想価格はボディのみ23万円(税別)だ。

レンズ交換式デジタルカメラの市場では、昨年よりミラーレスカメラの構成比がいよいよ顕著になってきている。とりわけ金額ベースでの伸びが目立つ。2018年は一眼レフカメラとミラーレスカメラが逆転すると予想されている。

全国のαプラザで「CP+スペシャルイベント」が開催

ソニーではα7 IIIをミラーレスシフトの加速を図る機種と位置づけており、プロモーションメッセージを「一眼、ミラーレス時代。」に据えるとのこと。CP+2018でも最大のブース規模を展開し、そこでもα7 IIIは展示の目玉となるはずだ。

さらに全国のソニーストア内αプラザでも、CP+2018の会期(3月1日〜3月4日)にあわせてスペシャルイベントが実施される。CP+セミナーの上映会や、CP+セミナー講師によるトークショー、モデル撮影による瞳AF体験、センサークリーニングサービス、限定オリジナルグッズのプレゼントなどが実施される。

αプラザはソニーストア札幌、ソニーショールーム/ストア銀座、ソニーストア名古屋、ソニーストア大阪、ソニーストア福岡天神の5カ所に所在している。CP+2018に来場できない方は、ソニーが謳う新たなベーシックモデルの基準を体験するためにも、足を運んではいかがだろうか。

本誌:折本幸治