オリンパスPROレンズ 写真家インタビュー

地元・九州の風景を慕い、その中で新しい表現を追い求める…清家道子さん

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO

撮影:清家道子
OLYMPUS E-M1 Mark II / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 12mm(24mm相当) / マニュアル露出(F2.8・25秒) / ISO 1600 / ライブコンポジット

オリンパスPROレンズをお使いの写真家にお話をうかがう連載「オリンパスPROレンズ 写真家インタビュー」。

今回は大分県の風景撮影を得意とする清家道子さんに、作品のこと、撮影のこと、そして「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」について語ってもらいました。

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清家道子
福岡県生まれ。九州を中心に日本全国で撮影活動をしており、特に大分県の風景撮影をライフワークとしている。2012年より多数の企業カレンダーを手掛ける他、雑誌への寄稿、講演などを行う。2016年に写真展「またまの宇宙」を開催。おもな写真集に『またまの宇宙』(2016年、日本写真企画)、『The Gift from Ranunculus』(2016年、風景写真出版)など。


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写真を撮り始めたきっかけは?

Webページを作る仕事をしていた時にイメージ写真が必要になり、自分で撮るようになったのがきっかけです。スナップやお祭りなどなんでも撮っていました。

本格的に風景写真を始めたきっかけは10年前。菊池渓谷の美しい光芒との出会いでした。あの光を見てから、風景写真の世界にどっぷりと入ることになりました。

影響を受けた写真集はありますか?

数多くあります。中でも20歳の時に手にした浅井慎平さんの「WINDS 風の絵葉書」をみて、写真に興味を持ち始めました。

その中の1枚に、海岸にある水道の蛇口から落ちる水滴が、風で横に飛んでいるカットがありました。それを見て「写真ってすごいなあ」と感動したのを覚えています。とてもシンプルでおしゃれで、真っ直ぐな浅井さんの気持ちが伝わる写真集でした。

結局その後、私が本格的に写真を始めるまでずいぶんと時間を要してしまいましたが、(笑)いまでも時々見返しながら初心に帰っています。

撮影:清家道子
OLYMPUS E-M1 Mark II / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 12mm(24mm相当) / マニュアル露出(F2.8・1/30秒) / ISO 1250 / ライブコンポジット

清家さんにとって日本の自然風景とは。

海外にも行きますが、日本の独特の美しい風景が好きです。日本で生まれ育ったからこそ、美しく感じるものがあると思います。たった1本の草花に思いを寄せるような「侘び寂び」の感覚も日本人らしい感覚でしょう。

そういう目で風景を捉えることができる、日本人としての感受性を大事にしていきたいです。

撮影:清家道子
OLYMPUS E-M1 Mark II / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 40mm(80mm相当) / 絞り優先AE(F4・1/250秒・-1.7EV) / ISO 800

地元の風景を撮影することについて。

九州に在住していることもあり、九州の里山や美しい水辺、山々の風景に心惹かれています。雪の中に残る緑、春に落ちる常緑樹の落葉など、九州にしかない自然風景も数多くあります。

そして奥ゆかしく濃密で、秘境と呼ばれる美しい場所がまだ手付かずで残されているのです。

近年、自然災害により多くの美しい風景が失われつつあります。そこにある風景を記録として、記憶として残していくことが、風景写真家の使命だと思っています。

撮影:清家道子
OLYMPUS E-M1 Mark II / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 24mm(48mm相当) / 絞り優先AE(F4・1/100秒・-0.7EV) / ISO 64

風景を撮る機材で大事なこととは?

以前はフィルムカメラや、大きいイメージセンサーのカメラにこだわっていましたが、カメラも日々進化し、軽く小さいながらも素晴らしい描写の機種も多くなりました。

自分の体力や撮影スタイルに合うものをチョイスして、自分らしい表現力をもって写真を撮ることこそ、重要だと感じます。

撮影:清家道子
OLYMPUS E-M1 Mark II / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 21mm(42mm相当) / 絞り優先AE(F7.1・1/40秒・-0.7EV) / ISO 64 / ハイレゾショット

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの使い勝手は?

一度使うと手放せなくなるレンズです。35mm判換算で24-80mm相当ということで広角から中望遠まで対応でき、しかも20cmまで寄れるため近接撮影までできてしまう。しかも軽量でボケ味も良く防塵防滴という、何拍子もそろったレンズです。風景作品で気になる周辺光量不足もありません。

OM-D E-M1 Mark IIと組み合わせて使うと、まさに向かうところ敵なし。補正効果5.5段分のボディー内5軸手ぶれ補正は驚異の世界で、これまで撮れなかった場所でもどんどんチャレンジできます。

ただこんなすごいカメラとレンズに頼って撮るのは、ちょっと甘やかされすぎかな? と感じることもありますね(笑)

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
焦点距離:12-40mm(35mm判換算24-80mm相当) / レンズ構成:9群14枚(非球面EDレンズ1枚、非球面レンズ2枚、DSAレンズ1枚、EDレンズ2枚、HDレンズ1枚、HRレンズ2枚) / 防滴処理:防塵防滴機構 / 最短撮影距離:0.2m / 最大撮影倍率:0.3倍(35mm判換算 0.6倍相当) / 最近接撮影範囲:58×44mm / 絞り羽枚数:7枚(円形絞り) / フィルター径:62mm / 最大径×長さ:69.9×84mm / 質量:382g

今後のテーマや目指すことは?

これからもライフワークとして九州を撮影していき、その中でさらに自分らしい表現を追い求めていきたいです。

撮影:清家道子
OLYMPUS E-M1 Mark II / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO / 12mm(24mm相当) / マニュアル露出(F2.8・1/40秒) / ISO 1250 / ライブコンポジット

デジタルカメラマガジンにも清家道子さんが登場!

デジタルカメラマガジン2018年8月号の連載「PRO's SIGHT—PROが見た風景—」には、清家道子さんによるM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROの解説が掲載されています。あわせてご覧ください。

制作協力:オリンパス株式会社

デジカメ Watch編集部