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記録メディア転送速度テスト【
SDHCメモリーカード編 】
容量4GBの4製品を比較
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- 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
- 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
- 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。
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左からATP「ProMax SDHC」、エレコム「MF-FSDH04G」、パナソニック「RP-SDR04GJ1K」、サンディスク「SDSDBR-4096-J85」
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秋冬商戦を迎え、デジタルカメラ市場におけるSDメモリーカードからSDHCメモリーカードへの移行が鮮明になってきた。ただし、ボディ側の対応は増えたものの、メディア側の選択肢はあまり多くない。ここでは、容量4GBの4製品を簡易に計測してみた。
SDHCメモリーカードの特徴についておさらいしたい。SDメモリーカードより有利な点は、まずファイルシステムの変更(FAT16→FAT32)により、容量がSDメモリーカードの最大容量である2GB以上が可能になったこと。デジタル一眼レフカメラはもとより、将来を考えると、高画素化が止まらないコンパクトデジタルカメラにおいても喜ばしい。動画記録の面でも有利だ。
もうひとつは、「Speed Class」という統一表記で最低速度を保証していること。SDメモリーカードでは、理論値を元にした最大転送速度を表記するのが一般的だった。あくまで理論値であり、実際の速度との乖離や、カメラ側での実効速度の限界を考慮していない。そのため、利用者にはさほど意味のない、宣伝文句としての一面が強かったことは否めない。
Speed Classは、「Class6」、「Class4」、「Class2」の3タイプが存在する。それぞれの最低転送速度は、6MB/sec(48Mbps)、4MB/sec(32Mbps)、2MB/sec(16Mbps)となる。いずれも最大20MB/secクラスが一般化したSDメモリーカードの世界においては物足りない数字だが、最低保証速度のため、従来の表記と簡単に比べることができない。現在のSpeed Class表記は、どちらかというと「HD動画コンテンツを安定して読み書きできるか」を考慮したものといえ、その意味では、従来の最大転送速度表記よりも実際的といえる。しかし、より大きな容量を瞬間的に扱うデジタルカメラでは、最低速度より最大速度が気になるところ。今のところデジタルカメラでは効力が感じられないSpeed Class表記だが、その違いが市場価格に反映されているのは間違いない。メディア選びにまたひとつ悩ましい要素が加わったといえる。
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計測に試用したパナソニックのPCカードアダプター「BN-SDDBP3」
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メディアの移行期において気になるのは、従来製品との互換性だ。ファイルシステムの変更に伴いホストコントローラーもFAT32対応が必要なため、SDHC非対応機器でSDHCを使うことはできない。大容量を目当てに入手しても、自分のカメラで使えない可能性は十分ある。ファームウェアの更新で対応したデジタルカメラもいくつかあるが、一部を除いて2006年以前に発売されたデジタルカメラでSDHCを使うのは、あくまでも自己責任で試すことになる。逆にSDHCメモリーカード対応機器でSDメモリーカードを使うことは可能だ。
今回、計測用に用意した4製品はすべて4GB。ATP「ProMax SDHC」(Class6)、エレコム「MF-FSDH04G」(Class4)、サンディスク「SDSDBR-4096-J85」(Class2)、パナソニック「RP-SDR04GJ1K」(Class2)。Class6とClass4が1製品ずつ、Class2が2製品となっている。
Speed Classはあくまでも最低保証速度だが、最高速度にも何かしらの差が出るのか興味深いところだ。また、参考までにSDメモリーカードのサンディスク「Extreme III」(1GB、SDSDX3-1024-903)を同じ条件で計測した。
■ ニコンD80での書き込みテスト
- カメラ内のバッファをすべて開放した状態から、30秒間で記録できたRAWデータ(約6.5MB)の枚数を調べた
- Exifに記録された撮影時間をもとに撮影開始から30秒間の記録枚数をチェックしている
- Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している
- フォーカスはマニュアル。レンズキャップを閉めたまま撮影
- 露出はマニュアルモードでF5.6、1/2,000秒に固定
ニコンD80での計測結果(枚数)
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容量 |
発売元 |
Speed Class |
平均枚数 |
MF-FSDH04G |
4GB |
エレコム |
Class4 |
31.0 |
ProMax SDHC |
4GB |
ATP |
Class6 |
29.2 |
RP-SDR04GJ1K |
4GB |
パナソニック |
Class2 |
28.0 |
SDSDBR-4096-J85 |
4GB |
サンディスク |
Class2 |
17.4 |
[参考]SDSDX3-1024-903 (Extreme III) |
1GB |
サンディスク |
― |
36.8 |
■ PCカードアダプター経由でのテスト
- HDBENCH Ver.3.30のDISK測定を使用。5回測定し、HDBENCHが割り出したRead、Write、Copyにおける1秒間の各転送バイト(KByte/秒)を平均して記載
- テスト環境はWindows XP Professional SP2、ThinkPad T60(Core Duo T2400 1.83GHz、メモリ1.5GB)
- PCカードアダプターには32bit CardBus対応のパナソニック「BN-SDDBP3」を使用
各カードの転送速度(KByte/s)
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容量 |
発売元 |
Speed Class |
Read |
Write |
FileCopy |
ProMax SDHC |
4GB |
ATP |
Class6 |
21,914.8 |
14,093.2 |
2,192.8 |
MF-FSDH04G |
4GB |
エレコム |
Class4 |
18,935.8 |
14,115.0 |
754.6 |
RP-SDR04GJ1K |
4GB |
パナソニック |
Class2 |
11,235.4 |
7,591.2 |
1,342.6 |
SDSDBR-4096-J85 |
4GB |
サンディスク |
Class2 |
11,147.4 |
4,812.2 |
2,236.6 |
[参考]SDSDX3-1024-903 (Extreme III) |
1GB |
サンディスク |
― |
22,225.8 |
14,625.4 |
848.8 |
■ まとめ
D80への書き込みテストでは、ATPとエレコムが健闘。Class2のサンディスクとパナソニックをしのぐ結果となった。といっても、ATPとパナソニックの差はほとんどない。実用面でも大きな差は生じないだろう。
一方、PCカードアダプターを使ったテストでは、ほぼSpeed Class表記に準じた順位となった。Speed Class表記は最低保証速度を示すものだが、ある程度は実効値の優劣判断に利用できるかもしれない。もちろん、今回の結果がたまたまそうなっただけという可能性はある。
それよりも、どのSDHCメモリーカードも非SDHCメモリーカードのExtreme IIIに敵わないのが興味深い。特にD80への書き込みは圧倒的に速く、バッファフルの状態でも、一般的な薄型コンパクトデジタルカメラ並みの連写速度が得られる。市場はすでにSDHCへ移行しつつあるが、未だに高級SDメモリーカードの品質の高さが印象に残った。
■ URL
エレコム
http://www.elecom.co.jp/
製品情報(MF-FSDH04G)
http://www2.elecom.co.jp/data-media/sd/mf-fsdh/
ケンコー
http://www.kenko-tokina.co.jp/ATP/
製品情報(ATP ProMax SDHC)
http://www.kenko-tokina.co.jp/ATP/
サンディスク
http://www.sandisk.co.jp/
製品情報(SDSDBR-4096-J85)
http://www.sandisk.co.jp/retail_sd_card.html
パナソニック
http://panasonic.co.jp/
製品情報(RP-SDR04GJ1K)
http://prodb.matsushita.co.jp/product/info.do?pg=04&hb=RP-SDR04GJ1K
■ 関連記事
・ ケンコー、ATP製のClass 6対応4GB SDHC(2006/10/24)
・ エレコム、SDHCに対応したメモリカードリーダー(2006/08/25)
・ 松下電器、SDHCに対応した初のCardBusアダプター(2006/06/20)
・ 松下電器、世界初の4GB SDHCメモリーカードなど(2006/06/08)
( 本誌:折本 幸治 )
2006/11/28 02:10
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