●マクロレンズと相性抜群の高性能ファインダー
ソニー「α700」 / 吉住志穂
α700
コニカミノルタからソニーへのカメラ事業の譲渡に合わせ、それまで愛用していた「α Sweet Digital」から「α100」に切り替えたのが2006年夏。徐々に手持ちの交換レンズも増えてきました。
しかし何より好きなのが、コニカミノルタ時代から愛用している「100mm F2.8 Macro」です。ピントが合ったところはあくまでもシャープで、ボケにいたるまでの面が自然で滑らか。円形絞りによる角がないきれいな丸ボケも、私にとって重要なことです。これらすべてを満たす100mm F2.8 Macroがあるからこそ、α Sweet Digitalからα100へと撮り続けてきたのだと思います。α Sweet Digitalを使い始めた頃は、画角が狭くなることにとまどいましたが、今ではすっかり慣れました。というより、今となってはデジタルではAPS-Cサイズでの100mmの画角の方が、しっくりくるほどです。
作品を撮る場合、私の基本は三脚を使っての絞り優先AE、そしてマニュアルフォーカス。なので、デジタル一眼レフカメラを選ぶ際、AF性能と手ブレ補正にはあまりこだわりません。その代わり、ファインダーの見やすさが一番気になります。それと、ホワイトバランスなどの操作が、簡単でスピーディーに行なえること。その点、α100は小さいボディながらこのクラスにしてはファインダーが見やすく、ピント合わせにも大きな不満はありません。ボディが小さくて軽いのも魅力でした。
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「α100」と間違えるほどの軽さ
そんな中、α700が発表されました。発売前から出版社やソニーのお仕事などで使用させていただいてましたが、最初見たときα100と大きさがずいぶん違うので驚きました。それに、「ボタンがたくさんあって難しそうだなあ」と思ったものです。
しかし、しばらく使ってみて印象が変わりました。「新製品レビュー」に書いたこととかぶりますが、液晶モニターの情報表示(クイックナビ画面)から、直接数値などの設定を変更できるようになったので、慣れればα100よりスピーディーです。オリンパスのE-410も同時に使ってますが、α700はそれらと良く似た操作性なので、とまどうことがありません。ソニーとオリンパスはボディ上面のモノクロ液晶パネルがない分、背面の液晶モニターでの操作が良くできています。
それに、見た目の割に軽いことにびっくり。ロケ先で「間違えてα100を持ってきてしまった?」と不安になることも。三脚やレンズを抱えて山道を上り下りすることがよくあるので、軽ければ軽いほどありがたいものです。
そしてファインダー。α100でも仕事に使えるクオリティなので、大きな文句はなかったのですが、α700のファンダーは格が違います。大きさはそれほどでもありませんが、クリアさとピントの山の見やすさは、中級機でトップクラスではないでしょうか。アイポイントがα100より長めなのも有利です。
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液晶モニターの精細さはPCいらず
本格的に使い始めて1カ月が経ちますが、見やすいファインダーと100mm F2.8 Macroとの相性は抜群。クリアな視界でフレーミングできるのは気分がいいし、フォーカスリングをまわすと眼に飛び込んでくるようなピントの山が素晴らしいですね。3型液晶モニターの精細さと見やすさも最高。PCで見なくても、ほぼ間違いなくピントの確認ができるようになりました。防塵防滴ボディも、野山で撮影することが多い私にはうれしい点です。
連写速度やAFセンサーでライバルたちにスペック面で差をつけられていますが、正直言って私にはあまり関係なし。100mm F2.8 Macroが気持ちよく使えることが重要です。ただ、オリンパス機で常用しているだけに、ライブビューがないことだけは本当に残念。電池の持ちが悪かったり、拡大画像が見づらかったりと、中途半端なライブビューが搭載されるよりはマシといえるので、ソニーの底力に期待しましょう。
あと、ネオプレーン製のふわふわした新ストラップ(STP-SB1AM)が最高! 次に出るフラッグシップモデルにも期待していますが、これからも素晴らしいレンズや変わった(?)アクセサリーを充実させてください、ソニーさん!
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吉住志穂
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。「デジタルフォト」や「日本フォトコンテスト」で連載中。日本自然科学写真協会(SSP)会員。
http://www.geocities.jp/shihoyoshizumi/
2007/12/25 12:19
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