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【新製品レビュー】オリンパス「μTOUGH-6000」

〜タフモデル初の手ブレ補正を搭載
Reported by 吉住志穂

 オリンパスお得意の防水・防塵・耐衝撃の「μSW」シリーズが、この春から「μTOUGH」(ミュータフ)シリーズに名前が代わりました。ラインナップは本格路線の「μTOUGH-8000」と、カジュアル路線の「μTOUGH-6000」の2モデル。今回はこのうち、μTOUGH-6000を試用してみました。

 撮像素子は有効1,000万画素の1/2.33型CCD、レンズは28mmからの3.6倍ズームです。発売は1月29日。実勢価格は4万2,000円前後。カラーは、イエロー、ホワイト、ブルー、オレンジから選べます。


ついに手ブレ補正を搭載

 外観は、μSWシリーズの現行機種「μ1050SW」よりもポップなイメージで、どちらかといえば、よりカジュアル路線の「μ850SW」などを思わせるデザインです。カラーリングも派手で、パステル調だったμ1050SWとは違った雰囲気。カメラというより、スポーツアイテムのような楽しい見た目です。

 また、頑丈でしっかりした作りの良さもタフカメラの特徴。分厚そうな外装に加えて、今回は前面に「自己治癒コート」と呼ばれる処理が施され、傷にも強くなっているそうです。表面は滑りそうで滑りにくい不思議な感触で、前面の縦のくぼみと合わせて、ホールディングにも役立っている印象です。






 タフネス性能はμ1050SWと同等。水深3mまでの防水性能、1.5mの耐衝撃構造、マイナス10度の耐寒性能を持ちます。上位機種のμTOUGH-8000(水深10m、耐衝撃2m、マイナス10度)にはかないませんが、普通にアウトドアで使う分には充分な性能といえるでしょう。今回も雨の中で撮影しましたが、水滴に気を使うことなく撮影できました。この気軽さと撮影シーンの広さがタフカメラの特徴だと思います。

 この春からのμTOUGHシリーズの目玉は、ついにCCDシフト式の光学手ブレ補正を搭載したことでしょう。タフモデルとしては世界初の装備だそうで、手ブレ補正のおかげで、使い勝手が大幅に良くなりました。

 また、レンズが28〜102mm相当(35mm判換算)になり、広角撮影に強くなったのもポイントです。これまでμSWシリーズで28mm撮影が可能だったのは本格路線のμ1030SWなどに限られ、カジュアル路線のμ850SWやμ1050SWでは、38〜114mm相当と広角に弱かったのです。


28〜102mm相当、F3.5〜5.1の5倍ズームレンズを搭載

金属製のレンズバリアを装備


右下が新搭載の「OR」ボタン コネクターのカバーもしっかりした造り

 液晶モニターは2.7型約23万ドットの「ハイパークリスタルIII液晶」になりました。今までのハイパークリスタルII液晶よりも明るく、屋外でもクリアで見易い液晶モニターです。視野角にも不満はありません。歪曲収差も少なめです。

 主な操作はほかのμに似ていますが、春の新製品からは「OR(オリンパスリコメンド)ボタン」が追加されました。といっても、今まで顔検出パーフェクトショットが割り当てられていたボタンと同じ位置にあり、μTOUGH-6000では、「パノラマ」、「タップコントロール」、「顔検出パーフェクトショット」、「比較ウィンドウ」のオンオフなどをここから操作します。特殊な機能のオンとオフがひとまとめになっているのは便利に感じました。

 タップコントロール(トン♪トン♪操作)はμ1050SWと同じです。撮影モードで本体の右側面をトントンと指で軽くつつくと、ストロボのメニューが表示されます。左側面をつつくとマクロモードの切替。上を2回つつくと決定になります。再生モードでは画像送りに使えるなど、ほかの製品にない新鮮な操作感です。手袋をはめた手でも操作し易いのがポイントです。

 ただしμ1050SWから精度は変わっていないようで、思った通りに操作するのは慣れが必要に感じます。これから期待の機能といえるでしょう。


撮影メニュー。μ1060のようにアイコンがアニメーションするようになった メニューの配色は4種類から選べる。写真はグリーン

ORボタンを押したところ。4つの機能の起動やオンオフが行なえる。写真はパノラマ機能

同じくORボタンのタップコントロール


顔検出パーフェクトショット

μでおなじみの比較ウィンドウも搭載


タップコントロールは設定メニューからもオンにできる

「アジャスト」を選ぶと、タップに関する細かな設定が可能


上、左、右、背面のそれぞれを好みのタップ設定にできる

シーンモードの「スノー」にすると、タップコントロールがオンになる


比較ウィンドウのメニュー。露出補正をしようとすると、自動的に比較ウィンドウになる


女性の心をつかむ「ビューティーモード」

ビューティーモードはモードダイヤルから起動する
 この春に発売されるオリンパス製品の多くに搭載されているのが、「ビューティーモード」です。カシオの「メイクアップモード」に近い機能で、同じように人物の肌をなめらかにしてくれます。モードダイヤルに専用の「BEAUTY」ポジションがあることからも、とにかくオリンパス一押しの機能なのでしょう。

 ビューティーモードで撮影すると、検出された顔の肌がなめらかになり、シミや小ジワが目立たなくなります。また、顔が少し明るくなります。カシオのメイクアップモードと同じく、少しでもきれいに写りたいという、女性の希望を実現する機能といえます。ただし、12段階から効果を選べるカシオと違い、あくまでもカメラ任せオンリー。そのままでも肌がつるつるになる効果はあるので、機能としては充分満足できるものです。記録メディアには、補正前と補正後の2枚が保存されるのも気が利いてます。ただし、補正後の画像は200万画素以下に制限されます。顔が検出できなかったときは撮り直しです。

 機能そのものより衝撃的なのは、ビューティーモード全体を通しての過剰な演出です。女性の私から見てもやり過ぎに思えて、思わず笑ってしまいました。最近のμはメニューの動きが凝ってますが、特にビューティーモードは一見の価値ありです。


ビューティーモード

 これで物足りない人には、再生モードの「ビューティメイク」を利用することで、さらに効果を効果にできます。ビューティメイクには、肌をなめらかにする「クリアスキン」、瞳の輝きをアップさせる「シャイニーアイ」、目を大きくする「ドラマチックアイ」の3つがあり、それぞれ何度も上書きして効果を高めることが可能です。やりすぎるとすごい顔になりますが、それもまた面白いと思います。


再生モード内の「ビューティーメイク」

4種類の機能を選べる


シャイニーアイを試してみたところ

使用前・使用後が表示される

まとめ

 ボタンが少し固めなのは、タフモデルとして仕方がないところだと思います。それでも、昔のμSWよりはずいぶん押し易くなりました。何よりも、薄いボディのまま手ブレ補正が搭載されたのはうれしいところでしょう。レンズバリアも安心できる装備ですし、明るい液晶モニターは、タフモデルらしくアウトドアでの使用時に心強いはずです。

 また、カラフルなメニュー画面やビューティーモードのメルヘンな演出など、全体を通して遊びごころが感じられるのもポイント。使っていて楽しい気持ちになるのは重要です。

 上位モデルμTOUGH-8000との価格差は5,000円ぐらい。ヘビーな環境で使わないのなら、あるいは1,200万画素に興味がないのなら、カジュアルな本機を選ぶのも手だと思います。


シーンモードには水中関連が豊富に揃っている。写真は「水中スナップ」

シャッター全押し前のムービーを一定時間記録する「プリキャプチャームービー」


 

●作例

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。


ビューティーモード

 1回のシャッターで適用前と適用後の2画像を保存してくれます。肌をなめらかにする効果はそれなりに感じられますが、記録画素数が200万画素になるのが残念。

※共通データ:μTOUGH-6000 / 1/100秒 / F5.1 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 18.2mm / 102mm(35mm判換算)


通常撮影
約4.1MB / 2,736×3,648
ビューティーモード
約799K / 1,200×1,600

ビューティメイク

 再生モードで重ね掛けできる「ドラマチックアイ」を試しました。ビューティーメイクにさらに重ねがけしています。目が大きくなっているのがわかるでしょうか。しかし、2回以上かけると瞳が縦長に……。1回ぐらいが適当なようです。

※共通データ:μTOUGH-6000 / 約591K〜788K / 1,600×1,200 / 1/3秒 / F4.3 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 14.7mm / 82mm(35mm判換算)


ビューティーモード ドラマチックアイ1度目 ドラマチックアイ2度目

画角

広角端
μTOUGH-6000 / 約3.5MB / 3,648×2,736 / 1/400秒 / F5 / 0EV / ISO50 / WB:晴天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)
望遠端
μTOUGH-6000 / 約3.5MB / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F7.1 / 0EV / ISO50 / WB:晴天 / 18.2mm / 102mm(35mm判換算)

歪曲収差

望遠端
μTOUGH-6000 / 約4.2MB / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F4 / 0EV / ISO50 / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)
望遠端
μTOUGH-6000 / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/50秒 / F5.1 / 0EV / ISO50 / WB:曇天 / 18.2mm / 102mm(35mm判換算)

ISO感度

ISO50
μTOUGH-6000 / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F4 / 0EV / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)
ISO100
μTOUGH-6000 / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F5 / 0EV / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)
ISO200
μTOUGH-6000 / 約3.9MB / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F5 / 0EV / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)

ISO400
μTOUGH-6000 / 約3.9MB / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F5 / 0EV / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)
ISO800
μTOUGH-6000 / 約4.1MB / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F5 / 0EV / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)
ISO1600
μTOUGH-6000 / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/1,000秒 / F5 / 0EV / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算)

自由作例

μTOUGH-6000 / 約3.7MB / 3,648×2,736 / 1/40秒 / F4.1 / +0.3EV / ISO64 / WB:蛍光灯1 / 6.5mm / 36mm(35mm判換算) μTOUGH-6000 / 約3.8MB / 2,736×3,648 / 1/200秒 / F6.3 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 14.7mm / 82mm(35mm判換算)

μTOUGH-6000 / 約3.9MB / 2,736×3,648 / 1/125秒 / F3.5 / 0EV / ISO50 / WB:曇天 / 5mm / 28mm(35mm判換算) μTOUGH-6000 / 約4.3MB / 3,648×2,736 / 1/30秒 / F4 / -0.7EV / ISO50 / WB:曇天 / 13.2mm / 73mm(35mm判換算)

μTOUGH-6000 / 約3.9MB / 3,648×2,736 / 1/6秒 / F4.3 / -1.3EV / ISO50 / WB:曇天 / 7.6mm / 42mm(35mm判換算) μTOUGH-6000 / 約4.3MB / 2,736×3,648 / 1/30秒 / F4.3 / 0EV / ISO50 / WB:オート / 14.7mm / 82mm(35mm判換算)

μTOUGH-6000 / 約3.7MB / 2,736×3,648 / 1/2.5秒 / F4.7 / -0.3EV / ISO50 / WB:オート / 11.8mm / 65mm(35mm判換算) μTOUGH-6000 / 約4.3MB / 2,736×3,648 / 1/2秒 / F5.1 / -1.3EV / ISO50 / WB:曇天 / 18.2mm / 102mm(35mm判換算)

μTOUGH-6000 / 約3.8MB / 3,648×2,736 / 1/2.5秒 / F5.1 / -0.7EV / ISO50 / WB:蛍光灯1 / 18.2mm / 102mm(35mm判換算)


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/compact/2009/01/13/9979.html

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吉住志穂
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。「デジタルフォト」や「日本フォトコンテスト」で連載中。日本自然科学写真協会(SSP)会員。http://www.geocities.jp/shihoyoshizumi/

2009/02/06 00:28
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