デジカメ Watch

パナソニックの「女流一眼」を女性写真家が使ってみた

~LUMIX DMC-G1で“お出かけ写真”を楽しもう
Reported by 吉住志穂

筆者とLUMIX DMC-G1。レンズは標準ズームレンズのLUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.
 いつぐらいからでしょうか。カメラを肩に掛けて街を歩く、若い女性をよく目にするようになりました。女性向けの写真セミナーで講師をしている関係上、私はこうした人を見かけるたびに、うれしくなります。

 そんな流行を意識してか、最近話題のパナソニックDMC-G1は、ずばり女性に向けた「女流一眼」をキャッチコピーにしたカメラです。本誌の読者ならご存じの通り、新規格マウント「マイクロフォーサーズシステム規格」の1号機であり、これまでのフォーサーズ以上に、軽量コンパクトなシステムを可能にしています。詳しい説明はほかの記事を見ていただくとして、ここでは実際に使いながら、DMC-G1の特徴を女性の視点で紹介したいと思います。

 最初にDMC-G1を使ったのは、カメラ月刊誌での紹介記事を書くときでした。ボディ(コンフォートレッド)を初めて手にしたときの印象は、今でも忘れません。ほかの一眼レフにない柔かい感触で、しかも角が丸められた優しいフォルム。しかも渋い赤。カメラと良質なデザイングッズが合わさった感覚を受けました。いうなれば、パナソニックのスタイリッシュコンパクトデジカメ「LUMIX DMC-FX」シリーズと同じテイストを感じたものです。マット調の触感塗装もLUMIXお得意の表面処理ですよね。


標準レンズ込みでの小ささなら、どのデジタル一眼レフカメラにも負けない!
 実際DMC-G1は、「おまかせiA」や「追っかけフォーカス」など、パナソニックがコンパクトデジカメで搭載している「簡単機能」が特徴。その一方で、レンズ交換式デジタルカメラらしく、自分のこだわりを反映させられる凝った撮影モードも使えます。ライブビューが中心のコンパクトデジカメからステップアップした人や、すでに一眼レフカメラでバリバリ作品を撮っている人の両方にも楽しめそうなカメラです。

 これはDMC-G1のキャラクターというより、フォーサーズ規格の兄モデル「LUMIX DMC-L10」から受け継いだ性格なのでしょう。マイクロフォーサーズ規格が決まったことで、ライブビューとコントラストAFがより強化され、パナソニックとして理想のレンズ交換式カメラに近づいたのだと思います。

 能書きはともかく、さっそくDMC-G1を持って街に出てみましょう。メモリーカードは8GBを1枚。レンズはダブルズームの2本ですが、2本ともコートのポケットに入るほど小さくて軽量です。夜景を撮るため、三脚も持っていきました。


    ●マイクロフォーサーズとは●


     フォーサーズシステム規格を拡張した新しいマウント規格、それがマイクロフォーサーズシステム規格です。フォーサーズよりフラングバックが約半分となるため、ボディを薄くできるのが特徴。この薄さになるとクイックリターンミラーをボディに収めることが難しくなりますが、DMC-G1ではライブビューとコントラストAFを実用化し、高性能なEVFを搭載することで、従来の一眼レフカメラに似た操作感を可能にしています。

     いまのところ交換レンズは、LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.とLUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S.の2本。パナソニックでは、高倍率ズームレンズ、パンケーキレンズ、超広角ズームレンズなどの発売を2009年内に予定しています。


    マイクロフォーサーズのフランジバックは、フォーサーズの約2分の1。だから薄いボディが可能

    マウント径も6mm小さくなっている。より小さなレンズが期待できる


    通信用のピンはフォーサーズより2本多い。コントラストAFの高速化や動画対応に使われるとのこと





街で――マイカラーモードでスナップ

こんな風に液晶モニターの端を持つと、しっかりホールドできます
 ボディとLUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.の組み合わせはとても軽快。大げさにいえば、レンズ交換式のカメラを持っているとは思えないほどです。グリップも持ち易く、カメラを片手にぶらぶら歩くのが楽しかったです。できれば、手の甲を覆うグリップストラップをおしゃれなデザインで製品化してほしいです。

 このカメラの基本モードは、自動でシーン認識してくれる「おまかせiA」(インテリジェントオート)でしょう。特に誰かと旅行に行ったときなど、人物が絡む写真が多くなりそうなときは有効です。顔認識の精度はコンパクトのLUMIXと同程度で、十分な速度と精度を持っています。

 ただ、今回のように一人でぶらぶら散歩しながらゆっくりと被写体を探すときは、「マイカラーモード」の方が面白いかもしれません。このモードは、「光の色」、「明るさ」などのパラメーターを操作し、自分のすきなテイストの写真を撮るモードです。もちろん、パラメーターを動かすとライブビューに反映されます。設定したパラメーターをマイカラーとして保存できるので、心ゆくまで自分らしい絵作りに励んでください。

 こうした機能はこれまでも、露出補正やホワイトバランスを変えることで可能でしたが、わかりやすく1画面に収まっているのがすごい。若い女性の撮る銀塩写真には、個性的な色味やトーンがよく見られますが、これをライブビューで味わえるわけです。しかも、カラーを白黒にすると、EVF内も白黒に。銀塩カメラでこんなカメラはありません。コンパクトデジカメの世界では当たり前ですが、ちょっと感動しました。

 今回のようなスナップだと、DMC-G1のコントラストAFは充分な速度に感じました。人の動きや決定的瞬間を狙うとなると心配ですが、身の回りの美しい光景や、可愛いディスプレイを記録するのに問題ありません。むしろコンパクトデジカメよりレスポンスが良く、快適に撮れます。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。


DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約4.6MB / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:白熱灯 / 45mm / マイカラーモード DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.6MB / 3,000×4,000 / 1/40秒 / F5.5 / +0.7EV / ISO400 / WB:曇り / 34mm / マイカラーモード

DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約4.7MB / 3,000×4,000 / 1/400秒 / F11 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 29mm / 白黒 DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約2.8MB / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 14mm / 白黒

DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約3.9MB / 4,000×3,000 / 1/125秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO160 / WB:オート / 14mm / 白黒 DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.7MB / 4,000×3,000 / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:日陰 / 200mm

DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.1MB / 4,000×3,000 / 1/25秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO800 / WB:オート / 45mm DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約4.0MB / 3,000×4,000 / 1/160秒 / F5.6 / +1EV / ISO100 / WB:晴天 / 45mm

    ●おまかせiA vs. マイカラー vs. シーン●


     多彩な撮影モードが本機の特徴ですが、大きく分けて「カメラが設定してくれるもの」と、「自分の意図を反映させるもの」の2種類に分けられます。「おまかせiA」は前者の代表。カメラがシーンを選んでくれるわけで、簡単なだけでなく、フレーミングとシャッターチャンスに集中できる利点もあります。

     一方、後者の代表はP/A/S/Mの各モードでしょう。加えて、本文でも触れた「マイカラーモード」が秀逸です。両者の中間にあるのが「シーンモード」。というのも、本機には通常のシーンモードに加えて、ユーザー側で絞り変化が可能な「クリエイティブシーンモード」があるため。ボケがコントロールできる一眼ならではのシーンモードといえます。


    おまかせiA(インテリジェントオート) マイカラーモード。「光の色」「明るさ」などを調整できます クリエイティブ夜景。夜景モードをベースに、絞り値を変えられます





カフェで――マクロ撮影で便利な「MFアシスト」

早く食べたいのを我慢して、ケーキをじっくりと撮影。手ブレ補正が良く効くので、窓際で明るければ、手持ちでも接写は可能です
 散策に疲れたので、おしゃれなカフェで一休みします。ただし、せっかくカメラを持ってお出かけしているのです。ここはひとつ、明るくて光がきれいな窓際の席を狙い、絵になるスイーツを頼みたいところ。もちろん、ほかのお客さんに迷惑をかけないように。ストロボはオフが良いでしょう。DMC-G1はシャッター音が小さいので、こういう場所で助かります。

 スイーツや料理を気軽に撮るには換算50mm程度の標準マクロレンズが便利ですが、マイクロフォーサーズにはまだありません。そこで標準ズームレンズを使ってテーブルフォトに挑戦しました。最短撮影距離は30cmで、望遠側にすると、ほどよくケーキとハーブティーが収まりました。

 ここで試したのは、EVFでのマニュアルフォーカス。ピントのピークは思ったより見やすく、むしろ下手な光学ファインダーよりわかり易い。質感や色など、実際の被写体との差は感じますが、ことピントの山については問題ありません。

 しかも「MFアシスト」をオンにしておくと、MF時にフォーカスリングを回すことでピント位置が拡大表示されます。背面液晶モニターに拡大画像を写す機種はこれまでにもありましたが、ファインダー内で拡大してくれるのは、レンズ交換式カメラでは初めてでしょう。拡大時にシャッターボタンを半押しすると、元の構図に戻ります。この機能は大変気に入りました。ぜひ将来、マイクロフォーサーズ専用のマクロレンズと組み合わせて使いこみたいものです。


「ダイレクト1点AF移動」ON、「MFアシストON」にして……
フォーカスリングを回すとピント位置が拡大。ダイヤルで拡大率を上げることも可能

 当然ですが、MFとは別にAFを使うことも可能です。その場合、追尾AFが便利です。例えばイチゴにフォーカスを合わせてロック、その後は自由にフレーミングしても、フォーカスはイチゴに合い続けます。上下左右だけでなく、前後方向も追いかけるので、どんどん違った構図をどんどん試したくなります。コンパクトデジカメのLUMIXにもある機能ですが、特に前後方向の追随が良くなっており、実用性が増した印象です。


追尾AFをバラの花に合わせて縦位置に
DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約3.3MB / 3,000×4,000 / 1/30秒 / F4.5 / +1.3EV / ISO125 / WB:曇り / 19mm
そのまま横位置でカメラ位置を下げても、バラの花を追尾したまま
DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約3.0MB / 4,000×3,000 / 1/30秒 / F4.7 / +1.7EV / ISO160 / WB:日陰 / 23mm

MFアシストを使い、ほぼ最短距離でピント合わせ。手前のバラにあわせています
DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約4.2MB / 4,000×3,000 / 1/50秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO250 / WB:曇り / 40mm

    ●使える「追尾AF」●


     本文中でも触れましたが、DMC-G1の追尾AFは強力です。動く被写体にも便利ですが、動かない被写体にもフォーカスロックの一種として使えますし、前後方向にも追尾するので、動くか動かないかわからない被写体にも便利。今までの一眼レフなら、コンティニュアスAFにして測距点で合わせ続けて待つようなケースでも、楽に瞬間を待てます。

     もちろん被写体によっては、何かの拍子に追尾をあきらめるケースもありますが、コンパクトのLUMIX以上に食いつきが良い印象。ニコンのデジタル一眼レフカメラにも似た機能がありますが、測距点に依存しない分、よりスムーズな追尾に感じました。残念なのは白黒モードだと追尾AFが働かないこと。色を見て追尾していると思われます。


    追尾AFを開始。これはロックする前の状態 ロックが完了するとターゲット表示が黄色になる





動物園で――400mm相当を楽々手持ちで撮影

 次は動物園で望遠撮影です。ダブルズームキットのLUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S.を使ってみました。35mm判換算で90~400mmという、ほかのメーカーにない焦点域のズームレンズ。もちろん、レンズ内手ブレ補正機構を搭載しています。

 マイクロフォーサーズはボディの小型化が期待できるため、カメラマニアの間では、パンケーキレンズなど、小振りな単焦点レンズの登場が待たれているようです。しかし、本レンズのような汎用性の高い望遠ズームレンズも重要でしょう。今回の動物園をはじめ、運動会などイベントでは、軽くて扱い易い望遠ズームレンズが大活躍するからです。


望遠ズームレンズのLUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S.を装着したところ 遠くにいる動物を撮るには望遠レンズが必須。うまく撮れば、手前の金網をぼかして消すこともできます

 実際に使ってみると、軽量でなかなか快適なレンズです。フォーサーズのZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6より大きいのは意外でしたが、その分、400mm相当の焦点域は動物のアップにはうってつけです。というわけで、今回は動物のユーモラスな顔をテーマにしてみました。

 被写体が動物ということで、EVFの性能が気になります。はっきりいってDMC-G1は、大きく動くものをすばやく追いかけるのは苦手。例えば飛び跳ねるカンガルーは、どうしても連写で抑え切ることができませんでした。シャッタータイムラグもそれなりにあるようです。

 でも、今回のようにおとなしくてのほほんとした動物たちの表情を撮るには、十分な性能です。また、店頭でちょっと試した人で多いのが、「カメラを大きく振ると色ずれが起こる」という意見。しかし明るい屋外だと、室内ほど色ずれは気になりません。

 また、手ブレ補正が良く効く印象なので、無理にEVFを使わず、液晶モニターでフレーミングしても良いでしょう。撮影者の腕にもよるのでしょうが、私の場合、カメラを手すりや柵に押し付けて、フリーアングル液晶を自分に向けて撮ることで、EVFをのぞくよりも手ブレが少なくなりました。


DMC-G1 / LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S. / 約5.6MB / 3,000×4,000 / 1/250秒 / F5 / 0EV / ISO400 / WB:日陰 / 103mm DMC-G1 / LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S. / 約4.9MB / 3,000×4,000 / 1/250秒 / F5.3 / 0EV / ISO160 / WB:オート / 166mm

DMC-G1 / LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S. / 約4.7MB / 3,000×4,000 / 1/100秒 / F5.6 / +1EV / ISO400 / WB:曇り / 200mm DMC-G1 / LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S. / 約4.0MB / 3,000×4,000 / 1/50秒 / F5.1 / -1EV / ISO400 / WB:日陰 / 140mm / 白黒

DMC-G1 / LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S. / 約5.7MB / 4,000×3,000 / 1/80秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO400 / WB:曇り / 200mm

    ●使い易いダイヤル押し込み操作●


    ダイヤルが押し込めるのは新鮮
     DMC-G1の特徴のひとつに、「前ダイヤルが押し込める」点があります。今までありそうでなかった操作方法でしょう。

     押し込むことで行なえることは、撮影モードによって異なります。基本的には露出補正と優先設定がトグルで切り替ります。

    • プログラムオート:プログラムシフト/露出補正
    • 絞り優先オート:絞り値/露出補正
    • シャッタースピード優先オート:シャッタースピード/露出補正
    • マニュアル露出:シャッタースピード/絞り値


     中でも、ほかのボタンとの同時押しを必要とせず、ひとつのダイヤルでマニュアル露出を操作できるのは新鮮。とても使い易いので、マニュアル露出を多用する人には重宝すると思います。





夜の遊園地で――スローシャッターや“まるボケ”で遊ぼう

「シャッター速度効果確認」を試したところ。実際に撮影した写真より光の軌跡は短くなりますが、光が流れる雰囲気が事前にプレビューできます
「シャッター速度効果確認」を試したところ。実際に撮影した写真より光の軌跡は短くなりますが、光が流れる雰囲気は事前に伝わると思います

 動物園で少し遊びすぎました。日がくれたので、夜景を撮りに遊園地に向かいます。

 DMC-G1には面白い機能があり、絞り値のプレビューだけでなく、シャッター速度のプレビューができます。設定したシャッター速度で、どれだけ動く被写体が流れて表現できるかを撮影前に見せてくれるものです。

 ただし使ってみると、1秒を超えるような長い露出では、正しく効果を反映できないようでした。遊園地の遊具の動きをシャッター速度プレビューで確認してみましたが、もっと光の軌跡が長くなるはずなのに、プレビュー画面上では軌跡が一定以上まで伸びませんでした。それでも、こうした試みはライブビュー専用機ならではのユニークなものといえるものでしょう。

 夜景撮影で面白いのは、アドバンスシーンモードの「夜景」。自動的に絞られて、光源に光芒が出るようになります。絞っても光芒が出ないタイプのレンズだとどうなるのかわかりませんが、今回使ったLUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.については、美しい光芒が出ました。

 DMC-G1と標準ズームレンズの組み合わせなら、重量が軽いので、比較的小型の三脚でも何とかなりそう。これなら気軽に夜景を撮りにいけそうな気がします。また、LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S.を使えば、背景の点光源を円くぼかすことができます。ただし望遠端は400mm相当と超望遠域になるので、しっかりした三脚の使用をお勧めします。


DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.6MB / 4,000×3,000 / 10秒 / F20 / -1.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 14mm DMC-G1 / LUMIX G Vario 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. / 約5.4MB / 4,000×3,000 / 1/4秒 / F5.2 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 29mm

DMC-G1 / LUMIX G Vario 45-200mm F4-5.6 MEGA O.I.S./ 約4.0MB / 4,000×3,000 / 1/1.3秒 / F5.3 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 158mm

    ●ISOオートと暗部補正●


    最新LUMIXが搭載する「インテリジェインと暗部補正」も使えます
     LUMIXお得意の「インテリジェントISOオート」(i ISO)も利用できます。おまかせiA(インテリジェントオート)など、自動的に設定されるケースもありますが、P、A、Sでは感度の上限が設定できます。

     「インテリジェント暗部補正」も、最近のLUMIXではおなじみの機能でしょう。本機の暗部補正もコンパクトのLUMIXと同様の機能のようで、インテリジェントオートでは「中」に設定されています。もちろん、オフにすることも可能。有効時にはアイコンが黄色くなるので、シルエットを生かしたい夕景など、効き過ぎが心配なときにも安心です。こうした各種警告表示は、EVFへも表示できます。





まとめ

 DMC-G1を使って感じたのは、写真に興味を持つ若い女性の気持ちを良く知っているなあ、ということ。ひとことに写真を撮るといっても、気に入った被写体を前にして、自分らしい表現を試行錯誤したい時があれば、難しいことを考えずに気楽に撮りたいときもあります。マイカラーモードやおまかせiAのおかげで、それらを簡単に切り換えられるのが魅力に感じました。もちろん、画質やレスポンスはコンパクトデジカメと比較にならないほど。

 しかもボディ、レンズとも小さくて可愛い。手の小さな女性でもしっかり持てるグリップ、明るくて見易い上、少ない力で動く可動式液晶モニターなど、女性が使ってストレスを感じさせない設計だと思います。本誌の読者のほとんどが男性だと思いますが、写真に興味を持ち始めた彼女へのプレゼントにどうでしょうか。マニュアル露出が操作し易かったりと、実はマニアックな側面もあるので、たまには自分で使っても楽しいと思いますよ。



URL
  パナソニック
  http://panasonic.co.jp/
  パナソニックLUMIX DMC-G1関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/10/02/9224.html



吉住志穂
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。「デジタルフォト」や「日本フォトコンテスト」で連載中。日本自然科学写真協会(SSP)会員。http://www.geocities.jp/shihoyoshizumi/

2008/12/22 17:27
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