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【伊達淳一のデジタルでいこう!】デジタル一眼6機種の高感度画質を比較

Reported by 伊達 淳一

左上からE-520、EOS 50D、SD14、α350、D90、K20D
 高感度でどれだけノイズが少なく、キレイな写真が撮れるかは、デジタル一眼レフを選ぶ際の重要なポイントだ。前回の細部描写力比較テストに引き続き、APS-Cサイズとフォーサーズのデジタル一眼レフカメラ6機種での高感度画質をテストした。

 何のためらいもなく高感度を使えるカメラなら、それほど開放F値が明るくないレンズや光量が不足するシーンでも、感度を上げてより速いシャッタースピードで撮影できる。高感度が使えると、撮影領域がグンと広がるのだ。ただ、パッと見た目のノイズの少なさばかりに目を奪われてはダメだ。最近のデジカメはどの機種も、高感度NR(ノイズリダクション)でノイズを低減していて、ざらつきを抑えているのだが、高感度NR処理によって、ディテールが喪失したり、シャドー部の彩度が低下するなどの副作用もあるからだ。

 高感度ノイズは、輝度ノイズ(ザラザラとした粒状ノイズ)と、カラーノイズ(緑や赤紫など色の粒が浮くノイズ)に大別できるが、輝度ノイズを強引に目立たなくさせると、低コントラスト部分のディテールまでノイズと一緒に塗りつぶされてしまう危険性が高い。せっかく画素数が増えても細部がベタッとつぶれてしまったのでは本末転倒だ。ディテール喪失を伴う輝度ノイズ低減は、できることなら避けたいものだ。

 一方、カラーノイズを低減すると、シャドー部などの色のちらつきが少なくなり、非常にスッキリとした描写になり、ノイズ低減効果が高い。ただ、カラーノイズを除去しすぎると、シャドー部の彩度が下がってしまい、彩度の低い色が無彩色(グレー)になってしまう恐れがある。こうした不自然な描写に陥らず、高感度でもノイズが目立たないのが、高感度に強いカメラだ。

 本連載では、感度別比較でグレーバックに布製のぬいぐるみを写すことが多いが、それにはちゃんとした理由がある。具体的には、背景の濃いめのグレー部分で輝度ノイズやカラーノイズの出方をチェック。ノイズが筋になっていないかも、グレーバックだとよくわかる。また、マクベスカラーチャートの紫や青、赤、深緑など濃い色にはカラーノイズが浮きやすい。最大のチェックポイントは、ぬいぐるみ人形の顔の布目や毛糸の髪の毛の描写だ。ISO100など低感度で撮影したカットと高感度で撮影したカットを見比べて、人形の顔の布目や毛糸の髪の毛の解像感やディテール描写がどれだけ低下しているかが、もっとも注目すべきポイントだ。

 単色のチャート部分のノイズのバラツキで、高感度ノイズの良し悪しを論じているカメラ誌もあるようだが、テクスチャーのない単色部分(ベタ部分)のノイズを減らすのは一番簡単なこと。ノイズリダクションを強めにかければ、ザラザラのノイズもツルンとなめらかに修正できるが、前述したように、低コントラスト部分のディテールが喪失したり、シャドー部の彩度が失われたり、中途半端なノイズの残骸でかえってデジタル臭い描写に陥ったりする。単にベタ部分のノイズの多い少ないだけでなく、ノイズリダクションの副作用で本来の画質が損なわれていないかも、重要なチェックポイントだ。


 撮影に使用したカメラとレンズは以下の通り。

  • オリンパス「E-520」(1,000万画素)+「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」
  • キヤノン「EOS 50D」(1,510万画素)+「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS」
  • シグマ「SD14」(470万画素×3層)+「17-70mm F2.8-4.5 DC Macro」
  • ソニー「α350」(1,420万画素)+「DT 18-70mm F3.5-5.6」
  • ニコン「D90」(1,230万画素)+「AF-S DX NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6 G VR」
  • ペンタックス「K20D」(1,460万画素)+「DA 18-55mm F3.5-5.6 AL II」

●作例

※サムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

※各機種のRAWファイルは、記事末のリンクからダウンロードできます。


テスト1「高感度NR[OFF]で撮影」

 まずは、高感度ノイズリダクションに頼らない素のまま(といっても、内部的に最低限のノイズリダクションを行なう機種もあるようだが……)の高感度画質を比較してみよう。

 高感度でどれだけ画質が低下しているかを比較するため、常用設定範囲の最低感度で撮影したカットと、ISO1600、ISO3200で撮影したカットを掲載している。

 基本的に、各機種とも仕上がり設定は出荷時設定、アクティブD-ライティングなどの自動階調補正機能はOFFにして、マニュアル露出で露出レベルを揃えて撮影している。ただ、ペンタックス「K20D」だけは、カスタムイメージ[ナチュラル]でシャープネスを[ファインシャープネス]に変更して撮影している。高感度で[ファインシャープネス]をかけるとノイズが目立ってしまうのだが、前回の細部描写力比較テストで[ファインシャープネス]で比較した以上、ここは不利であっても同じ条件で比較することにした。

※SD14は、RAWで撮影しSIGMA Photo Proの「オート」で現像したものを掲載しています。


●E-520


3,648×2,736 / 1/1.6秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 40mm 3,648×2,736 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 40mm

●EOS 50D


4,752×3,168 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm

4,752×3,168 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm

4,752×3,168 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


●SD14

・470万画素×3


2,640×1,760 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 48mm

2,640×1,760 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


・画素補間4倍


4,573×3,048 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 48mm

4,573×3,048 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


●α350


4,592×3,056 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,592×3,056 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,592×3,056 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm


●D90


4,288×2,848 / 1/3秒 / F11 / 0EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,288×2,848 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,288×2,848 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm


●K20D


4,672×3,104 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm

4,672×3,104 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm

4,672×3,104 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm


 背景のグレーバックに注目するとノイズの出方やクセがわかりやすいが、ピクセル等倍で見てノイズが少なく感じるのはニコン「D90」とキヤノン「EOS 50D」の2機種。D90はカラーノイズが不自然なほど少なく、グレーバックにわずかな色味も感じられないが、EOS 50Dは適度にカラーノイズが残っていて、その分、うるさい感じはするが、微妙な色味の違いが感じられる。

 K20Dは[ファインシャープネス]に設定していることもあって、ノイズの粒が非常に鮮明だが粒が揃っているので、ざらつきはあるがさほど不快には感じない。オリンパス「E-520」もノイズの粒が非常に鮮明だが、他機種に比べるとざらつきが大きめのようだ。

 一方、対照的なのがソニー「α350」で、高感度ノイズリダクションをかけていないにもかかわらず、すでにノイズがボヤッとぼけている。しかも、輝度ノイズだけでなくカラーノイズまでボケていて、まるでフィルムの伸ばしボケのよう。人形の顔の部分を見ても、細部がボヤッとしてきて感心しない画質だ。シグマ「SD14」は、もともと高感度に強い機種ではなく、ノイズ自体はさほどひどくはないが、全体に彩度が低く、色ムラも生じている。


テスト2「高感度NR[ON(標準)]で撮影

 高感度ノイズリダクションを効かせると、どの機種も輝度ノイズもカラーノイズもかなり目立たなくなってくる。ISO1600ではノイズリダクションによるディテール喪失も少なく、画素数の多さも相まってそれほど不自然な画質ではないが、ISO3200になると、ノイズリダクションも効かせても輝度ノイズを抑えきることができず、その痕跡の残し方によっては不自然に感じる機種もある。


●E-520


3,648×2,736 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 40mm


●EOS 50D


4,752×3,168 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm

4,752×3,168 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


●α350


4,592×3,056 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 35mm

4,592×3,056 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 35mm


●D90


4,288×2,848 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,288×2,848 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm


●K20D


4,672×3,104 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm

4,672×3,104 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm


 D90はISO3200になると、輝度ノイズを押さえ込んだ影響で、モザイク的な描写になっている部分も見受けられるが、ニコン「D300」のISO3200(高感度ノイズリダクションあり)の描写に比べれば長足の進歩。従来のニコン機で見られた細部がボヤボヤになってしまう現象はかなり改善されている。

 EOS 50Dも、ISO3200になるとさすがにディテールが喪失気味になり、毛糸の髪の毛などを見るともはや1,510万画素の画素数が感じられない解像感だが、A4サイズのプリントならこの程度のディテール喪失はほとんどわからないだろう。低コントラスト部分へのシャープネスのかかり方が甘いが、他機種に比べると細部の情報がしっかり残っている。

 K20Dは、高感度ノイズリダクションに[標準]がないので、真ん中の[弱]に設定。K20Dの持ち味であるキレの良さはかなり失われているが、ざらつきは大幅に低減され、プリントには適した画質になっている。

 α350は、連続撮影やオートブラケット[連続]に設定していると、高感度ノイズリダクションを設定しても、実際には機能しない。実は、画質を比較検証していて差がまったく見えないので、改めて取扱説明書を読んでみたところ、前述の事実に初めて気がついた(汗)。そのため、α350の高感度NRを効かせたカットだけは後日撮り直している(できるだけ条件が同じになるように努力しているものの、完全にはイコールにできないので厳密な比較には不適かもしれないが……)。

 こうして再撮影したものをチェックしてみると、高感度ノイズリダクションをOFFに撮影したカットよりも、輝度ノイズやカラーノイズはかなりおとなしくなっていて、それでいてノイズのボケ方は大きくなっていないので、これならノイズリダクションを効かせた方が自然。ただ、前述したように連続撮影時には、高感度ノイズリダクションが勝手にOFFになってしまう仕様なので、高感度を多用するであろう、超望遠でのスポーツ撮影などではちょっと不便だ。


テスト3「カメラ付属のソフトでRAW現像」

 JPEGと同時記録したRAWを、カメラ付属のソフトでRAW現像してみた。カメラに比べると、ノイズリダクションのパラメータを柔軟に設定できるので、パラメータの設定次第でノイズと解像感のバランスは大きく変化するが、ここではノイズリダクションの初期設定で現像してみた。


●E-520


3,648×2,736 / 1/1.6秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 40mm

3,648×2,736 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 40mm


●EOS 50D


4,752×3,168 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm

4,752×3,168 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm

4,752×3,168 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


●α350


4,592×3,056 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,592×3,056 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,592×3,056 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm


●D90


4,288×2,848 / 1/3秒 / F11 / 0EV / ISO200 / マニュアル露出 / WB:PRESETオート / 45mm

4,288×2,848 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:PRESETオート / 45mm

4,288×2,848 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:PRESETオート / 45mm


●K20D


4,672×3,104 / 1/1.7秒 / F11 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm

4,672×3,104 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm

4,672×3,104 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm


 ニコンには「Capture NX2」というフォトフィニッシングソフトが存在するが、これは別売品なので、カメラ付属の「ViewNX」で簡易RAW現像している。高感度ノイズリダクションがまったく効いていないようで、D90の高感度ノイズリダクションをOFFにして撮影したカットと比べても輝度ノイズが目立つ。ただ、カラーノイズはきわめて少ないのが特徴的だ。

 EOS 50Dは、「Digital Photo Professional」というRAW現像ソフトが付属していて、輝度ノイズ、カラーノイズをそれぞれ20段階に設定可能。撮影感度によって、高感度ノイズリダクションの初期値が変化するので、その初期値で現像している。カメラ内生成のJPEGよりもノイズは多少目立つものの、その分解像感は高い。さらに輝度ノイズ低減を低めにすると解像感は向上するが、ザラザラ感が強くなるので、そのさじ加減がむずかしい。そういう意味では、カメラ内のJPEGはノイズを目立たせないという意味では、絶妙のさじ加減だ。

 α350は、「Image Data Converter SR Ver.3」というソフトが付属。非常に多くの項目をさまざまに調整できるソフトで、ノイズリダクションも、適用量とカラーノイズリダクション、エッジノイズリダクションの3項目をそれぞれ0~100までマニュアル調整可能だが、ここではお任せの[オート]を選択。高感度ノイズリダクションOFFで撮影したJPEGと比べても、ノイズの粒がしっかりボケずに再現されている。ザラザラ感は多少あるもものの、不自然にノイズがボケているよりも自然な描写で、解像感も高い。

 K20Dは、「PENTAX PHOTO Laboratory」という現像ソフトが付属しているが、ファインシャープネスと同等の処理は備えておらず、その分、JPEG撮影したものよりもパッと見た目のシャープさは低め。「E-520は、「OLYMPUS Master 2」で現像したが、JPEGで撮影したカットとかなり似ている仕上がり結果だ。


テスト4「NeatImageでノイズ低減」

 世の中には、さまざまなノイズ低減ソフトがあるが、ここでは「NeatImage」という海外のオンラインソフトを使用。非常に豊富なパラメータを駆使して高度なノイズ低減処理が可能なソフトだが、今回は高感度ノイズリダクション[OFF]で撮影したJPEGに対して、自動的にノイズレベルを解析し、輝度ノイズ低減の適用量を[15%]に減らしてノイズ低減を図ったものを掲載している。


●E-520


3,648×2,736 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 40mm


●EOS 50D


4,752×3,168 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm

4,752×3,168 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


●SD14

・470万画素×3


2,640×1,760 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


・画素補間4倍


4,573×3,048 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 44mm


●α350


4,592×3,056 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,592×3,056 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm


●D90


4,288×2,848 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm

4,288×2,848 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 45mm


●K20D


4,672×3,104 / 1/25秒 / F11 / 0EV / ISO1600 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm

4,672×3,104 / 1/50秒 / F11 / 0EV / ISO3200 / マニュアル露出 / WB:オート / 47.5mm


 輝度ノイズ低減の適用量を少なめにしたことで、多少ざらつき感は残っているが、少なくとも高感度ノイズリダクション[OFF]にして撮影した元のJPEGよりもノイズは少なくなっていて、しかも、解像感もそこそこ保っている。

 NeatImageのほかにも、「NoiseNinja2」、「Dfine2」などのノイズ低減ソフトが有名で、選択した色ごとにノイズリダクションの強度を変えたり、ブラシを使ってノイズリダクションを効かせる範囲や、逆に効かせたくない範囲を指定し、局所的にノイズリダクションを行うこともできる。カメラ内のノイズリダクションの特性に不満があるなら、こうしたノイズ低減ソフトで後処理するという選択肢もある。


まとめ

 以上、各社6機種の高感度画質を比較してみたが、画素数が少ないから高感度に強い、という単純な時代ではなくなってきているのがわかる。もちろん、同じ技術を駆使すれば、(センサーサイズが同じで)画素数が少ないほうが高感度特性は有利だろうが、レンズ性能さえ伴えば、画素数が多いほうがより緻密な撮影ができる。そういう意味では、現状の1,000~1,500万画素のAPS-Cサイズ、フォーサーズのデジタル一眼レフは、感度も画素数も精一杯頑張っていると思う。

 特に、D90とEOS 50Dは、最新機種ということもあって、画素数と高感度を非常にうまく両立している。高感度特性を気にして、いまだ600万画素機にこだわっている人もいるとは思うが、少なくとも600万画素全盛時代のISO1600の画質はもはや完全に超えたといっていいだろう。後は、ノイズを目立たせず、低コントラスト部分のディテールにうまくシャープネスをかけて、ディテール強調する技術が向上すれば、低感度の画質も含め、高感度の画質もさらに見栄え良く、画素数なりの解像感が得られるようになると思う。

●RAWファイルダウンロード

 各機種のRAWファイルはこちらからダウンロードできます(233MB、ZIP形式)。



URL
  NeatImage
  http://www.neatimage.com/
  オリンパスE-520関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/05/20/8468.html
  キヤノンEOS 50D関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/09/18/9156.html
  シグマSD14関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2006/10/24/4887.html
  ソニーα350関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7906.html
  ニコンD90関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/09/18/9154.html
  ペンタックスK20D関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7800.html

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伊達 淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌で カメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎 明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自ら も身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。ただし、鳥撮りに関 してはまだ半年。飛びモノが撮れるように日々精進中なり

2008/11/10 00:01
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