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【特別企画】「D700スペシャルギャラリー」――スナップ

Reported by 藤井智弘

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 4,256×2,832 / 1/320秒 / F4 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 70mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート




 街のスナップでは、軽快に撮影できることが重要だ。「D3」は大柄だが、「D700」なら持ち歩ける大きさと重さだ。しかも焦点距離50mmが50mmの画角として撮れるFXフォーマットは非常に扱いやすい。広々としたファインダーも魅力で、35mm判一眼レフカメラの感覚のまま撮影できる。ファインダーは被写体と視神経を繋ぐインターフェース。ファインダーの視野が広いと、それだけで撮影のモチベーションが上がる。

 D700を持ってどこへ行こう、と考えた時、ふと思い浮かんだのが東京都世田谷区の下北沢だ。下北沢はファッションや雑貨など多くのショップが並び、レストランやカフェ、居酒屋、そして演劇の劇場なども多い。下北沢ならではのモチーフをD700で狙おうと考えた。

 レンズは「AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED」と「Ai AF Nikkor 85mm F1.4 D (IF)」の2本。24-70mm F2.8は、街のスナップならこれ1本でほとんど撮れてしまう。大口径ながらスリムなデザインで、D700とのバランスも良好だ。70mmで足りない場合や、極端に被写界深度を浅くしたい場合に85mm F1.4の出番となる。私はもともと大口径の85mmが好きで、馴染んだ距離感で撮影できるのは、FXフォーマットのありがたさだ。

 D700は、AFやシャッターの感触は申し分ない。撮影している時の気分の良さ、つまり一眼レフカメラとしての作りの良さは、さすがニコンの高級機だ。ピクチャーコントロールはスタンダード、そしてホワイトバランスとアクティブD-ライティングはオートが中心。スナップは瞬間の出会いなので、どんな条件でもこなせるよう、最もオーソドックスな設定がメインになる。ただアクティブD-ライティングは便利だが、露出がややオーバー寄りになりやすい気がする。そのため、条件によっては頻繁にオフにしていた。

 D3譲りの画質は見事だ。特に高感度はご存知のように非常に強い。ISO3200でも十分実用的だ。これはスナップでも強力な武器となる。暗い場所や夕方、夜間でも高速シャッターが切れるのだ。表現の可能性を大きく飛躍させたと言えるだろう。

 唯一気になったのが、エプロン部にあるフォーカスモードセレクトダイヤルが動きやすいことだ。これはD700に限ったことではないのだが、バッグの出し入れやレンズ交換時に、知らないうちにS-AFからC-AFになっていたことがあった。ここはもうひとつ工夫が欲しい。

 D3の画質と機動力の高いボディを併せ持つD700は、気合いを入れたスナップに向いているという印象を受けた。


※サムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。





Ai AF Nikkor 85mm F1.4 D (IF) / 4,256×2,832 / 1/320秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 85mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 4,256×2,832 / 1/1.000秒 / F4 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 24mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート

Ai AF Nikkor 85mm F1.4 D (IF) / 2,832×4,256 / 1/320秒 / F2 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 85mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:しない AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 4,256×2,832 / 1/800秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 70mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 2,832×4,256 / 1/320秒 / F4 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 62mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 4,256×2,832 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 35mm / ピクチャーコントロール:風景 / アクティブD-ライティング:オート

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 2,832×4,256 / 1/40秒 / F5.6 / -1.3EV / ISO3200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 62mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 2,832×4,256 / 1/80秒 / F8 / -0.3EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 70mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート

AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 4,256×2,832 / 1/250秒 / F22 / -1.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート
(ストロボ使用)
AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 4,256×2,832 / 1/200秒 / F11 / +0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 24mm / ピクチャーコントロール:スタンダード / アクティブD-ライティング:オート




AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8 G ED / 2,832×4,256 / 1/250秒 / F8 / +0.7EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:オート / 52mm / ピクチャーコントロール:モノクローム / アクティブD-ライティング:オート


URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d700/
  D700関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/07/03/8783.html



藤井智弘
(ふじいともひろ)1968年、東京生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1996年、コニカプラザで写真展「PEOPLE」を開催後フリー写真家になる。現在はカメラ雑誌での撮影、執筆を中心に、国内や海外の街のスナップを撮影。社団法人日本写真家協会会員。ホームページはhttp://www.fujiitomohiro.com/

2008/08/29 00:50
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