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【伊達淳一のデジタルでいこう!】オリンパス E-3

~実写サンプル&インプレッション編
Reported by 伊達 淳一

 オリンパスE-3が発売された。メーカーから製品版を借りることができたので、その実写サンプルをインプレッションを添えてお届けしよう。また、仕上がり設定、ISO感度別比較、シャドー・アジャストメント・テクノロジーの効果例も掲載しているので参考にしてほしい。

※サムネールをクリックすると、等倍の画像を別ウィンドウで表示します。


仕上がり設定

※使用レンズはZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4 SWDです。


VIVID
NATURAL
FLAT

PORTRAIT
モノトーン

ISO感度別比較

※使用レンズはZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4 SWDです。

●ノイズフィルタ設定による高感度画質の比較(仕上がり設定はNATURAL)
 標準OFF
ISO100
ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200

●仕上がり設定による高感度画質の比較(ノイズフィルタは“標準”)
 VIVIDFLATPORTRAIT
ISO100
ISO200
ISO400
ISO800
ISO1600
ISO3200


シャドー・アジャストメント・テクノロジー(SAT)の効果

※使用レンズはZUIKO DIGITAL 12-60mm F2.8-4 SWDです。

●AE撮影
 AE撮影でSATを設定する(「階調」をオートにする)と、ハイライトの白トビを軽減するため、露出を切り詰め気味にし、信号処理でシャドーや中間調を持ち上げる処理を行なうようだ。そのため、高感度でSATを設定すると、シャドー部にかなりノイズが目立つケースもあるので要注意だ。


階調=標準 階調=オート

【お詫びと訂正】記事初出時、オートと標準の作例が入れ替わっておりました。お詫びして訂正させていただきます。

●マニュアル露出
 マニュアルで露出を設定した場合には、ハイライトの明るさは変わらず、シャドー部や中間調が明るく持ち上がる。輝度差の大きなシーンでハイライト基準で撮影しても、黒ツブレしにくい効果が期待できる。低感度で夜景撮影する場合などには有効な設定だろう。


階調=標準
階調=オート

高速連写作例

 11月17日に開催された「レッドブル フライト・パフォーマンス イン ヨコハマ」で撮影した、室屋義秀選手によるフライトパフォーマンスを、大桟橋から高速連写。使用レンズは、従来タイプの50~200mmズームなのでフォーカシングスピードは必ずしも速くはないが、追従性能はなかなかのものだった。5枚/秒というコマ速はもはや高速な部類ではなく、シャッターボタン押しっぱなしの連写ではこのような高速に動く被写体では、シーンとシーンの間隔がかなり開いてしまうが、自分のタイミングで小刻みにシャッター連写を繰り返すのには十分なスピードだろう。

※使用レンズはZUIKO DIGITAL 50-200mm F2.8-3.5です。




実写作例

※画像下のデータはレンズ/実焦点距離/露出モード/絞り/シャッター速度/露出補正値/感度/ホワイトバランス/仕上がり設定/階調です。


中野駅前の植え込みにいたネコを、ボディ内手ブレ補正の効果を信じてパチリ。バッグの上にカメラを乗せてライブビューで撮影したこともあって、1/5秒という超スローシャッターでもなんとか手ブレせずに撮れた。ネコの瞳がまん丸だとやっぱりカワイイ
12-60mm F2.8-4 SWD / 60mm / 絞り優先AE / F4 / 1/5秒 / 0EV / ISO800 / オート / NATURAL / 標準
オートホワイトバランス(AWB)で撮影すると、落ち葉のアンバーを補正しようと全体に色調が青っぽくなりやすいが、E-3はグリップ横に外部光源センサーを備えているので、AWBのふらつきは従来よりも少なめになっているように感じた
12-60mm F2.8-4 SWD / 45mm / 絞り優先AE / F4 / 1/60秒 / 0EV / ISO640 / オート / NATURAL / 標準

OLYMPUS Masterでは設定を確認できないのだが、前半のカットはノイズフィルタをOFFにして撮影しているはず。ピクセル等倍で見るとノイズはしっかり出ているのだが、粒が非常に細かく、解像感も高い。フォーサーズのISO640としては立派な描写だ
12-60mm F2.8-4 SWD / 52mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/60秒 / 0EV / ISO640 / オート / NATURAL / 標準
E-410やE-510はハイライト側の階調レンジが若干狭く、他機種に比べると1/3EVほど白トビするタイミングが早い。E-3はほとんど画素数は変わらないがまったく別のセンサーを搭載していて、かなりハイライトの階調がなめらかになっている。12-60mmズームも非常にヌケが良く、耐逆光性能もなかなかのもの
12-60mm F2.8-4 SWD / 60mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/1,250秒 / 0.3EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準

11月17日に開催された「レッドブル フライト・パフォーマンス イン ヨコハマ」で撮影した、室屋選手によるフライトパフォーマンス。あいにくの曇り空でAE任せだと露出アンダーになってしまうので、マニュアル露出で決め打ち。“階調=オート”でシャドー部を持ち上げている分、多少ノイジーになってしまった
50-200mm F2.8-3.5 / 200mm / マニュアル露出 / F4 / 1/3,200秒 / 0EV / ISO500 / オート / VIVID / オート
残念ながらSWDタイプの50-200mmズームが借りられなかったので、従来の50-200mmズームで撮影しているが、それでも小型機のスピードには十分すぎるほどAFは追従。しかも、これだけシャープな描写が得られたのには少々ビックリしている
50-200mm F2.8-3.5 / 147mm / マニュアル露出 / F4 / 1/3,200秒 / 0EV / ISO500 / オート / VIVID / オート

自宅近くの川でカワセミを撮るには、50-200mmズームでは明らかに力不足だったので、メーカーにお願いしてサンニッパを貸し出してもらった。それでも画角不足なので新発売の2倍テレコンも装着して1,200mm相当の画角で撮影。日差しが強く陰がきついが、その描写力の高さには脱帽だ
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / マニュアル露出 / F6.3 / 1/500秒 / 0EV / ISO200 / オート / VIVID / オート
“階調=オート”に設定すると、“シャドー・アジャストメント・テクノロジー(SAT)”により、シャドー部の黒つぶれを抑える方向に自動階調補正が行なわれる。ただ、シーンによってはシャドー部を大きく持ち上げるので、その分ノイジーになりやすい。このカットも“ノイズフィルター=OFF”で撮影していたこともあって、シャドー部がノイジーだ
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / マニュアル露出 / F6.3 / 1/800秒 / 0EV / ISO200 / オート / VIVID / オート

これがオリンパスのサンニッパ、絞り開放の描写だ。コサギの白い羽根を明るく再現したかったので、+1EVの露出補正を行なっているが、ハイライトの階調が非常に滑らか。木陰にもかかわらず、緑カブリすることもなく、意図通りにコサギの白い羽根の美しさを再現できたと思う
300mm F2.8 / 300mm / 絞り優先AE / F2.8 / 1/500秒 / 1.0EV / ISO160 / オート / VIVID / オート
羽根の手入れに余念のないコサギ。少し被写体ブレしてしまったのでキレには欠けるが、それでも600mm相当の画角でこの描写はすばらしい。ただ、オリンパスのサンニッパは3,290gと想像以上に重く、手持ち撮影は非常に疲れる。小型軽量化こそフォーサーズの大命題なのだから、SWD化の際には2.5kg程度に軽量化してほしいものだ
300mm F2.8 / 300mm / 絞り優先AE / F2.8 / 1/500秒 / 0.7EV / ISO160 / オート / VIVID / オート

E-3のAFは11点測距になり、画面中央以外でもAFでピント合わせができるようになった。ただ、AFが過敏すぎるのか、被写体によってはハンチング(ピント位置が小刻みに微動する現象)を繰り返すこともあるのがちょっと気になる点。しかし、ファインダーが大幅に改善されているので、最悪MFでも快適にピント合わせできる
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / 絞り優先AE / F5.7 / 1/125秒 / 0EV / ISO160 / オート / VIVID / オート
通常ならもっとカルガモが暗く写ってしまうところだが、SATの効果で完全にシルエットにはならず、カモの毛並みや表情もわかる。また、デフォルトの仕上がり設定は“NATURAL”だが、いろいろ撮影してみた結果、ボクの好みは“VIVID”なので、一部の作例を除き、“VIVID”で撮影している
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / 絞り優先AE / F5.7 / 1/800秒 / 0EV / ISO320 / 5300K / VIVID / オート

小川の対岸から撮影しているので1,200mm相当の画角でもこのサイズ。それでも証拠写真としては上々のレベルだ。ボディ内手ブレ補正があるので1,200mm相当の画角で1/200秒でも手ブレしていないが、ファインダー像は揺れまくり。やはり、超望遠レンズはレンズ内手ブレ補正のほうが快適だと思う
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / 絞り優先AE / F5.7 / 1/200秒 / -0.3EV / ISO320 / オート / VIVID / オート
川を散歩している人から「バンが戻ってきているよ」という情報を聞いていたので、ポイントを注意深く観察していると、黒い鳥発見! 夕暮れ間際で、しかも黒い鳥なのでうまく写るか微妙だったが、SATの効果でなんとか明るめに再現できている。ただ、高感度でSATを使うとノイジーになってしまうので、この日以降、SATを使うのは低感度限定にしようと心に決めた
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / 絞り優先AE / F5.7 / 1/320秒 / -0.7EV / ISO320 / オート / VIVID / オート

せっかくサンニッパを借りたので多摩動物公園に出撃。ここは坂がきついのでヘビー級レンズを抱えていると疲れる、疲れる。途中、紅葉がキレイだったので、休憩も兼ねてしばし紅葉撮影を楽しんだ。わざと太陽を入れてみたが、いきなりゴソッと白トビすることもなく、自然なバランスで撮影できた
12-60mm F2.8-4 SWD / 29mm / 絞り優先AE / F5.6 / 1/200秒 / -0.3EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準
同じ場所を今度は望遠ズームで撮影。ちょうど光が当たって光っている紅葉を狙ってみた。光っている感じを出したかったので+0.3EVの露出補正をかけてみたが、仕上がりを見ると無補正のままのほうが色が濃く出て良かったかもしれない。反省
50-200mm F2.8-3.5 / 200mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/200秒 / 0.3EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準

一般的なデジタルカメラはベイヤー配列のカラーフィルターで色分解を行なっているので、赤や青に感じる画素は、総画素数の1/4しかない。つまり、E-3だと赤に感じる画素は250万画素しかないので、真っ赤な紅葉を引きで撮影するとどうしても描写が甘くなってしまう。それを避けるにはある程度アップで写すしかない
50-200mm F2.8-3.5 / 118mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/250秒 / -0.3EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準
赤一色ではアクセントに欠けるので、背景に緑を入れて撮影。高彩度のVIVIDで撮影しているが、あからさまな色飽和も起こさず、非常にインパクトのある仕上がりが得られた。こうした被写体ではどこにピントを合わせるかで悩むが、E-3のファインダーは視野も広く、ピントの山もくっきり掴めて快適だ
50-200mm F2.8-3.5 / 62mm / 絞り優先AE / F4 / 1/200秒 / 0.3EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準

こんなにド・アップで撮影したのでは、どこで撮っても同じになってしまうが、それでも状態がキレイな紅葉を見つけると、ついアップで撮影したくなる。青空の青と樹木の緑を大きくボカして、色彩のアクセントにしてみた。JPEG“撮って出し”でこの色と階調が得られるなら大満足だ
50-200mm F2.8-3.5 / 200mm / 絞り優先AE / F4 / 1/250秒 / 0.3EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準
紅葉にはそれほど執着していないので、遠征してまで紅葉を撮ってこようとは思わないが、それでも目の前にキレイな紅葉があれば、ついついシャッターを切ってしまう。ましてや自分好みのド派手な色で写るカメラとなればなおさらだ。赤い紅葉のハイライトの色相が黄色くなることもなく、非常に自然な再現だ
50-200mm F2.8-3.5 / 130mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/200秒 / 0.3EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準

アムールトラの“シズカ”。動物園の撮影には晴れすぎるのも考えモノで、日が直接当たっていると陰がきつくなるし、日陰は青空カブリで色がキレイに出ない。このカットも日陰で青空カブリになってしまうので、色温度を6,400K(曇天相当)に指定して撮影している。
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / 絞り優先AE / F6.3 / 1/125秒 / 0EV / ISO200 / 6,400K / VIVID / 標準
シズカのお父さんもお母さんも他の動物園に移動してしまったので、今はシズカ1頭だけ。ボロ布を加え1人遊びする姿をよく見かけるようになった。木陰の隙間から日が差してきたので、ホワイトバランスを5,300Kに変更して撮影。ボタンON保持時間を設定しておくと、WBボタンによる色温度指定のダイレクト操作がしやすくなる
300mm F2.8 / 300mm / 絞り優先AE / F2.8 / 1/800秒 / 0EV / ISO200 / 5,300K / VIVID / 標準

イヌよりもネコが好きなので、これまでオオカミはほとんど撮影したことがなかったのだが、寒くなってきてオオカミの凛とした表情に引かれて、思わずシャッターを切っていた。なんとなく上下関係が見て取れるようでおもしろい。でも、やっぱり中・大型犬の顔は苦手だ
300mm F2.8 / 300mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/200秒 / -0.3EV / ISO320 / 5,300K / VIVID / 標準
こうしたアンバーの毛並みをAWBまかせで撮影すると、必要以上に黄色みを抜いてしまい、グレーっぽい毛並みになりやすいが、E-3には外部環境光センサーが搭載されているためか、比較的そういった失敗は少ないようだ。5,300Kで撮影したカットよりは青っぽくなっているが、自然な色調だ
300mm F2.8 / 300mm / マニュアル露出 / F2.8 / 1/500秒 / 0EV / ISO400 / オート / VIVID / 標準

うるさいことを言えば、ISO400くらいからシャドー部のノイズが目立ち始めてくる。動物園のカットからは“ノイズフィルタ=標準”で撮影しているが、意外とカラーノイズが目立つ(VIVIDで撮影している影響もあるが……)。ノイズフィルタを設定したときは、もっとカラーノイズを抑えてくれるとスッキリした描写になると思う
300mm F2.8 / 300mm / マニュアル露出 / F2.8 / 1/500秒 / 0EV / ISO400 / オート / VIVID / 標準
再びアムールトラのシズカ。後ろから見ると、某巨大テーマパークのキャラクターにそっくりな耳をしているが、耳の後ろが黒地に白い点になっていて、まるで目のようにも見える。後方の敵に対する威嚇効果だとか、認識斑とも言われるが、本当のところはどうなのだろう?
300mm F2.8 / 300mm / マニュアル露出 / F2.8 / 1/500秒 / 0EV / ISO400 / オート / VIVID / 標準

少し薄雲が出てきて青空カブリが弱まり、拡散光が柔らかく回ってきた。インパクトには多少欠けるが、もっとも無難に動物を撮影できる光線状況だ。ちょうどシズカもキリッとした表情を見せてくれたので、すかさずパチリ。気持ち前ピンになってしまったが、一脚併用とはいえ1,200mm相当で1/80秒で止まるのはスゴイ
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / 絞り優先AE / F6.3 / 1/80秒 / 0EV / ISO400 / 5,300K / VIVID / 標準
顔のド・アップばかりじゃつまらないので、あわててテレコンを外し、全身を撮影。レンズ交換をする際には必ず電源を入れ直して、ダストリダクションを効かせるようにしているが、オリンパスEシステムでゴミが付着して画面で目立ったことは今まで3回しかない。非常に信頼のおけるシステムだ
300mm F2.8 / 300mm / 絞り優先AE / F3.2 / 1/400秒 / 0EV / ISO400 / 5,300K / VIVID / 標準

レッサーパンダを撮影するときはマニュアル露出が基本。レッサーパンダのお腹は真っ黒なので、ほとんどの機種はAEだと1EV以上露出オーバーになってしまう。しかも、頬の毛並みは白いので、マニュアル露出で決め打ちしても、白トビ、黒ツブレさせずに撮影するのは困難だが、このカットを見るとE-3のハイライトの階調の良さがわかる
300mm F2.8 / 300mm / 絞り優先AE / F3.2 / 1/200秒 / 0EV / ISO640 / 5,300K / VIVID / 標準
ユキヒョウの子ども「マイヤ」をオリ越しに撮影。日陰でかなり暗かったのでやむを得ずISO1000まで上げて撮影しているので、かなりノイズは目立つが、E-410やE-510よりも高感度特性は向上していて、暗部の筋ノイズはほとんど出なくなっている
300mm F2.8 / 300mm / 絞り優先AE / F2.8 / 1/250秒 / 0EV / ISO1000 / 5,300K / VIVID / 標準

オランウータンの「ジプシー」。Tシャツを器用に着たり、ぞうきんでお掃除することもある好奇心旺盛なおばあちゃんだ。カメラにもしっかり目線をくれるので、目にしっかりピントを合わせてパチリ
50-200mm F2.8-3.5 / 200mm / マニュアル露出 / F3.5 / 1/320秒 / 0EV / ISO800 / オート / VIVID / 標準
ジプシーばあちゃんに近づき、顔をすり寄せる孫のポピー。なんともほほえましい光景かと思いきや、この後、おばあちゃんがかぶっていた布を奪い去るといういたずらっ子だ。かなり光が弱くなってきたが50-200mmズームは開放F値が明るく、絞り開放から安心して使えるので、結構重宝する。SWDタイプの高速フォーカシングをぜひ試してみたいものだ
50-200mm F2.8-3.5 / 158mm / マニュアル露出 / F3.2 / 1/250秒 / 0EV / ISO800 / オート / VIVID / 標準

多摩動物公園のメンフクロウ。かなり光線状況が悪く(ISO800でF3.3 / 1/15秒という露出からその暗さがわかると思う)、あまりキレイには撮れなかったが、それでもオリ越しの望遠撮影でこれくらい写れば上出来。ボディ内手ブレ補正の効果もバッチリで、50-200mmズームを持ち出す機会が増えそうだ
50-200mm F2.8-3.5 / 169mm / マニュアル露出 / F3.3 / 1/15秒 / 0EV / ISO800 / オート / VIVID / 標準
日陰に咲いていた黄色い花をAWBのままで撮影。もっと青みが強く出るかと思ったが、想像以上に自然な色調が得られた。シーンによっては、多少色調がふらつくケースもあるが、従来よりもAWBの精度はかなり向上していることが実感できた
12-60mm F2.8-4 SWD / 35mm / 絞り優先AE / F3.7 / 1/125秒 / 0EV / ISO200 / オート / VIVID / 標準

オリンパスブルーの青空がどうなったか気になっている人も多いと思うが、仕上がり設定をVIVIDにして、1/3EVほど露出アンダーにするとかなり好みの青空に写る。ただ、E-1のブルーに比べると彩度が高めで、個人的にはもう少し青の明度と彩度を落としたい。このカットは夕方に近く、AWBでアンバーが抜かれたこともあり、かなり濃厚な青空になった
12-60mm F2.8-4 SWD / 19mm / 絞り優先AE / F8 / 1/250秒 / 0EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準
キレイな夕景が撮れそうだと、東京都庁の展望台へ。すでに陽は沈んでいたが、夕焼けの空に富士山がクッキリと浮かんできた。それほど赤みが強くなかったので、コントラストと彩度を+1にアップ、さらにWB補正でアンバーとマゼンタ方向に色調をシフトして、赤さを強調している
50-200mm F2.8-3.5 / 158mm / 絞り優先AE / F4 / 1/60秒 / +0.7EV / ISO100 / 5,300K+R1+M3 / VIVID / 標準

いい感じにトワイライトの空になってきたので、窓ガラスの写り込みに配慮して、レンズ周りを黒手袋で覆いつつ撮影。写り込みしないよう気を遣いすぎて、ちょっと水平が狂ってしまったが、ほぼ狙いどおりの夕景が撮影できた
12-60mm F2.8-4 SWD / 12mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/3秒 / 0EV / ISO100 / 5,300K+R1+M3 / VIVID / オート
トワイライトの空が一番美しく撮れるのは、日没から30分くらいしてから。深みのある青からマゼンタ、オレンジ色、黄色と変化していく空のグラデーションと、街の水銀灯の緑カブリをうまくバランスできるかがポイントだ。都庁の展望台は「三脚撮影禁止」なので、カメラバッグの上にE-3を置いて撮影している
7-14mm F4 / 9mm / 絞り優先AE / F4.5 1秒 / 0EV / ISO100 / 5,300K+ R1 + M3 / VIVID / オート

さらに8分ほど後に撮影したカット。かなり空が暗くなってきて、街の明かりのほうが明るくなってきている。シャッタースピードも1秒を超え、ブレるカットが多くなったが、これは奇跡的にブレが少なかったカット。これ以上は感度を上げて撮影するのが賢明だが、“階調=オート”は解除したほうがいいだろう
7-14mm F4 / 9mm / 絞り優先AE / F4.5 1秒 / 0EV / ISO100 / 5,300K+ R1 + M3 / VIVID / オート
展望台の反対側に回り、東京タワー方面を撮影。さすがにとっぷりと暮れてしまったので、感度をISO250に上げ、階調も“標準”に戻してシャドーが不必要に荒れるのを抑えている。また、WB補正で好みの色調に微調整してみた
12-60mm F2.8-4 SWD / 19mm / 絞り優先AE / F3.2 / 1/2.5秒 / 0EV / ISO100 / オート+B6+M4 / VIVID / 標準

展望台を後にして都庁前広場のオブジェと都庁を超広角の7-14mmズームで撮影。14mm相当の画角なので、シャッター4段分の手ブレ補正なら2秒近く耐えられるはず、と無謀にも手持ち撮影にチャレンジ(そもそも三脚を持って行かなかったのだ)。歩留まりは悪かったが、結構ピタッと止められたカットもあった
7-14mm F4 / 7mm / 絞り優先AE / F4 / 1/1.3秒 / 0EV / ISO400 / 3,500K / VIVID / 標準
月が非常にキレイだったので、サンニッパに2倍テレコンを装着して撮影。手持ちではなく三脚撮影だ。月は意外に明るく、ISO125でF5.7 / 1/250秒という高速シャッターが切れたこともあってブレの心配はなし。だったらということで、デジスコ撮影にもチャレンジしてみたが、ミラーショックがあるので1/60秒ではブレブレ。低振動モードで2秒後にシャッターが切れるようにすれば多少マシになる
300mm F2.8 + EC-20 / 600mm / マニュアル露出 / F5.7 / 1/250秒 / 0EV / ISO125 / オート / VIVID / 標準

青空の再現を確かめるため、汐留の高層ビル群でも撮影しようと出撃。でも、その前にお腹が空いたので、一駅先の築地市場で「マグロほほ肉ステーキ丼」でお腹を満たす。あまり遅い時間だと売り切れてしまうからだ。電灯光と外光がミックスしていたが、自然な色調で撮影できた
12-60mm F2.8-4 SWD / 40mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/60秒 / 0EV / ISO200 / オート / VIVID / 標準
築地市場のお店に飾ってあった剥製。赤いひさしで色反射しているシーンだが、見た目に近い自然な色再現になっている。ピントも目にバッチリ合っている。AFターゲットサイズも“小”を選ぶことができるので、狙った位置にピンポイントでAFできるのも特徴だ
12-60mm F2.8-4 SWD / 27mm / 絞り優先AE / F4.5 / 1/40秒 / 0EV / ISO200 / オート / VIVID / 標準

12-60mmズームのワイド端の歪みと、斜線の消失具合を見るために撮影したカット。わずかにタル型歪みはあるが、ズームでこの程度の歪みなら十分許容範囲ではないだろうか。シャッターや壁面を見ても、斜線もさほどギザギザ感がなく、自然に消失していっている
12-60mm F2.8-4 SWD / 12mm / 絞り優先AE / F5.6 / 1/125秒 / 0EV / ISO100 / オート / VIVID / 標準
恩賜浜離宮庭園入り口の橋から撮影。白い船やビルの壁など高輝度の部分があるので、階調=オート(SATを有効)にして撮影してみた。最低感度で撮影する場合は、シャドー部を持ち上げてもさほどノイジーにならないが、よく見るとやはり不自然な部分も出ているので、SATを使うべきかどうかの判断に迷うところだ
12-60mm F2.8-4 SWD / 12mm / 絞り優先AE / F5.6 / 1/800秒 / 0EV / ISO100 / オート / VIVID / オート

汐留の高層ビル群を撮影するには午後になりすぎていたので、汐留シオサイト5区イタリア街まで足をのばしてみた。年に数度しか持ち出さない7-14mmズームを夜景撮影に引き続いて持ち出し、14mm相当の画角で撮影。ニコンから14-24mmズームという強力なライバルが出現したが、このズームも周辺画質は負けてはいない
7-14mm F4 / 7mm / 絞り優先AE / F9 / 1/80秒 / -0.3EV / ISO100 / 5,300K / VIVID / 標準
同じく汐留のイタリア街で撮影。標準的な露出だと青空の発色もほぼノーマル。オリンパスブルーは、もっと露出を切り詰め気味にしないと出ない。もしくはPLフィルターを使って空を暗く落とす必要はあるが、7-14mmズームにはフィルター類が装着できないのが痛し痒しだ
7-14mm F4 / 7mm / 絞り優先AE / F10 / 1/100秒 / 0EV / ISO100 / 5,300K / VIVID / 標準

ハロウィーンが終わると、一気に街はクリスマスモードに突入。VIVIDにすると色飽和しやすくならないかと気になるが、このカットを見る限り、サンタの真っ赤な衣装もしっかり階調が残っている。白い髭も白トビするかしないかの絶妙のバランスだ
12-60mm F2.8-4 SWD / 40mm / 絞り優先AE / F3.8 / 1/125秒 / 0EV / ISO100 / オート / VIVID / オート
APS-Cサイズのデジイチ(デジタル一眼レフ)に比べ、フォーサーズのレンズはちっとも小さくないと言われるが、これほど高い周辺画質が得られるレンズをAPS-Cサイズで作ると、やはりそれなりの大きさと価格になる。ZUIKO DIGITALの松、竹グレードのレンズは本当に絞り開放から安心して使用できるのが魅力だ
12-60mm F2.8-4 SWD / 43mm / 絞り優先AE / F6.3 / 1/640秒 / 0EV / ISO100 / オート / VIVID / オート


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/product/dslr/e3/
  オリンパスE-3関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2007/10/18/7222.html



伊達 淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌で カメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎 明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自ら も身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。ただし、鳥撮りに関 してはまだ半年。飛びモノが撮れるように日々精進中なり

2007/11/30 00:04
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