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【新製品レビュー】10倍ズームコンパクト3機種を試す

~「小型ボディ×高倍率ズーム」の使い勝手は?
Reported by 北村 智史

左からサイバーショットDSC-H3、PowerShot SX100 IS、LUMIX DMC-TZ3

 普通のデジタルカメラの3倍ズームでは物足りない。でも、高倍率ズーム機はかさばってしまう。で、その両方を、そこそこ満たしてくれるのが、最近ちょっぴり脚光を浴びはじめたコンパクト10倍ズーム機だ。

 昨年3月発売の松下電器「LUMIX DMC-TZ1」が口火を切ったこのジャンル。徐々に人気が高まってきている感があって、今年はキヤノン、ソニーからも登場。今回は、DMC-TZ1の後継モデル「LUMIX DMC-TZ3」と「PowerShot SX100 IS」、「サイバーショットDSC-H3」の3機種にスポットを当ててみた。

 10倍ズームというと、以前は一眼レフ的なルックスの大きくて重たいカメラが幅を利かせていたが、DMC-TZ1あたりから、コンベンショナルなデザインのボディに10倍ズームを搭載したモデルが顔を出すようになってきた。

 3倍ズーム機よりは大きく重いが、これまでの10倍ズーム機よりは格段に小型軽量なこのクラス。まあ、少しばかりオシャレ感に欠けるのが難と言えば難だが、普通の3倍ズームのさらに3倍を超える迫力の望遠撮影が楽しめる。普段使い用や旅行に持っていくのに苦になることはないし、学芸会などのイベントにも強いというハイパフォーマンスがセールスポイントになっている。


キヤノン「PowerShot SX100 IS」。オープンプライス(実勢価格:約3万5,300円) ソニー「サイバーショットDSC-H3」。オープンプライス(実勢価格:約3万2,200円) パナソニック「LUMIX DMC-TZ3」。オープンプライス(実勢価格:約3万3,100円)

 以下の表は今年発売された10倍以上の光学ズームを搭載したモデル(すでに販売が終了している機種は省いた)をまとめたもの。大きさの目安として、ボディサイズの幅と高さ、奥行きを掛け合わせた数字を計算してみた。本来は体積を基準にするべきだが、凹凸を無視したこの数字でも、ある程度の目安にはなってくれるだろう。

メーカー名 機種名 発売 実売
(円)
ズーム比 焦点距離
(35mm判相当)
幅×奥行き×高さ
(mm)
体積
(立法mm)
重量
(g)
備考
オリンパス CAMEDIA SP-560UZ 9月 54,800 18倍 27~486 116.0×78.0×78.5 71.0万 365  
キヤノン PowerShot S5 IS 6月 44,800 12倍 36~432 117.0×77.7×80.0 72.7万 450  
キヤノン PowerShot SX100 IS 10月 39,900 10倍 36~360 108.7×46.7×71.4 36.2万 265
キヤノン PowerShot TX1 4月 38,100 10倍 39~390 29.0×59.9×88.5 15.4万 220
三洋電機 Xacti DMX-HD1000 9月 84,700 10倍 38~380 54.5×90.0×112.6 55.2万 268  
三洋電機 Xacti DMX-HD2 3月 50,700 10倍 38~380 36.0×80.0×119.0 34.3万 210
ソニー サイバーショットDSC-H3 9月 37,500 10倍 38~380 106.0×47.5×68.5 34.5万 264
ソニー サイバーショットDSC-H7 4月 40,900 15倍 31~465 109.5×85.7×83.4 78.3万 375  
パナソニック LUMIX DMC-FZ18 8月 54,800 18倍 28~504 117.6×88.2×75.3 78.1万 360  
パナソニック LUMIX DMC-TZ3 3月 41,400 10倍 28~280 105.0×36.7×59.2 22.8万 232
富士フイルム FinePix S8000fd 9月 49,800 18倍 27~486 111.3×79.3×78.2 69.0万 410  


 備考欄に★印を付けたのは、この数字が40万立方mm未満かつ重さが300g未満のもので、平均値は26.6万立方mm。一方、無印の6機種の平均値は70.7万立方mmだから、比べ物にならないぐらいにコンパクトなことがわかる。重さも、サイズに比べればたいしたことはないが、20%ちょっと軽くなる。ひとくくりに「高倍率ズーム機」とは呼べない状況なのである。

 もっとも、キヤノンの「PowerShot TX1」や三洋電機の「Xacti DMX-HD2」あたりはスタイル自体がちょっと変わっているので(サイズだけならTX1が最小だけど)、今回は残りの3機種をとり上げることにした。


それぞれ微妙に異なる仕様

 スタイリッシュ系の3倍ズーム機と、マニア層に人気の高い高倍率ズーム機の隙間といえなくもないジャンルのこのクラスは、各社とも気合いの入り具合がまちまち。それがもっともよく現れているのが液晶モニターのスペックである。

 PowerShot SX100 ISは2.5型で17.2万画素、DSC-H3は2.5型で11.5万画素、DMC-TZ3だけは3型で23万画素。ちなみに、DSC-H3はソニーご自慢のクリアフォト液晶ではないし、反射防止効果の高いARコートもほどこされていない。

 実使用で気になりやすい液晶モニターの視野角は、PowerShot SX100 ISがもっとも広く、どの角度からも見やすかった。DMC-TZ3の液晶モニターは例によって上下方向の視野角が狭い。ハイアングルモードがあるのはいいが、ローアングルへの対策がないのは物足りないところである。

 スタイリッシュ系の3倍ズーム機に比べるとレンズはかなり大きくなってしまうが、それをどれだけコンパクトに収納できるかによって、ボディの奥行きがかなり違ってくる。ある程度薄ければシャツの胸ポケットに収まってくれるが、そうでなければバッグの中に押し込むことになる。服装などにも左右されるが、手ぶらで歩けるか、それともバッグやポーチが必要になるのかという違いは案外に大きい。


PowerShot SX100 IS。ボディサイズも大きいが、電源をオンにしたときのレンズの出っ張り具合も一番大きい DSC-H3。ほかの2機種に比べてゴツゴツしたデザイン。一眼レフのαをイメージしたという DMC-TZ3。3機種の中ではもっとも薄く、電源オン時のレンズの出っ張りも小さい

 数字上ではDMC-TZ3がもっとも薄い。といっても36.7mmもあるので、こじゃれたシャツの胸ポケットには収まらないかもしれないが、PowerShot SX100 ISの46.7mm、DSC-H3の47.5mmに比べれば10mmほども薄い。しかも、同じ10倍ズームでも広角側が広い分小型化はより難しくなることを考えると、筆者個人としてはニジュウマルを付けてあげたいところである。

 また、PowerShot SX100 ISとDMC-TZ3がレンズバリアを内蔵しているのに対して、DSC-H3だけはレンズキャップ式。ちなみに、DSC-H3には大型のレンズフードが付属しているが、サイズが大きすぎて携帯性がかなり犠牲になってしまう。こういうところも要チェックのポイントである。

 操作性については慣れの問題もあるし、好き嫌いもあるので一概には言えないが、筆者個人としては露出補正のしやすさがもっとも気になる点。PowerShot SX100 ISは独立した露出補正ボタンを備えていて、十字キーを兼ねたコントローラーホイールで補正値を設定する方式。DMC-TZ3は十字キーの上キーに露出補正が割り当てられていて、左右キーで補正値の設定となる。一方、DSC-H3はメニュー内に露出補正機能があって、設定にも解除にも手間がかかる。

 電源はDSC-H3とDMC-TZ3がリチウムイオン充電池、PowerShot SX100 ISは単3形電池×2本仕様。CIPA準拠の撮影可能コマ数は、DSC-H3がトップの330コマ、DMC-TZ3が270コマ、PowerShot SX100 ISはアルカリ乾電池で140コマだが、ニッケル水素電池を使えば400コマ撮れる。ただし、ニッケル水素電池は別売なので、あらかじめ予算に含めておく必要がある。


PowerShot SX100 IS。ボディが大きめなので2.5型液晶モニターが小さく見える。画素数は17.2万画素でまずまず。視野角が広いのはいい DSC-H3。液晶モニターは2.5型で11.5万画素。視野角が狭いので人に見せたりするときには不便を感じる DMC-TZ3。3型で23万画素の液晶モニター。左右方向はいいが、上下方向からは見づらくなってしまうのが難点だ

レンズの仕様やマクロに個性が

 高倍率ズーム機の中には起動時間が長いものがあるが、このクラスのカメラはそれほど遅くはない。ズームのスピードも10倍ズームだけに広角端から望遠端までの移動にはそれなりに時間はかかるものの、一般的な3倍ズーム機と比べて画角変化が遅いわけでもない。DMC-TZ3だけはややゆっくりめな感じだが、小型化のしわ寄せが出ているのかもしれない。とは言え、3機種ともに撮影していてストレスを感じたことはなかった。

 レンズはいずれも光学10倍。DMC-TZ3は28~280mm相当、F3.3~4.9で広角側がもっとも広い。PowerShot SX100 ISとDSC-H3は、それぞれ36~360mm相当、F2.8~4.3、38~380mm相当、F3.5~4.4という仕様。室内や風景を撮るときを考えると、広角側が広いほうがうれしい。筆者個人としては、望遠の迫力を犠牲にしてでも広角の広さを重視したいところである。

 3機種とも光学式の手ブレ補正機構を内蔵している。シャッター速度何段分といった数字はWebサイトなどには掲載されていないが、試用した印象では3機種とも2~3段分程度の補正効果があるように思えた。ちなみに、開放F値はPowerShot SX100 ISが微妙に明るいが、ベース感度がISO80(ほかの2機種はISO100なので、1/3段分低い)なので、手ブレへの耐性で考えるとほぼ同レベルと考えていい。

 広角端で気になりやすいタル型の歪曲収差は、DMC-TZ3がもっとも少ない。が、これは画像処理でソフト的に補正しているから。まあ、ズルと言えばズルではあるが、まっすぐのものがまっすぐに写ってくれるのは気持ちがいい。画像処理による補正を行なっていない(と思われる)DSC-H3も比較的よく抑えられていて好ましい。もっとも、PowerShot SX100 ISもズームの広角端としては標準的なレベルなので、目くじらを立てるほどのことはない。

 なお、DMC-TZ3は大きめのCCD(1/2.35型)を搭載することで、画面の比率を変えて撮っても画角が保たれる「マルチアスペクト」としている。PowerShot SX100 ISやDSC-H3も16:9や3:2比率での撮影は可能だが、画面の上下をカットするだけなので画角が狭くなってしまう。その点、DMC-TZ3はどの画面比率で撮っても28mm相当の広さがきちんと得られる。広角好きのユーザーには楽しい機能だと思う。


PowerShot SX100 IS。36~360mm相当F2.8~4.3のキヤノンレンズ。もちろん、手ブレ補正機構を内蔵 DSC-H3。38~380mm相当、F3.5~4.4。カールツァイスのバリオ・テッサー(こちらもバリオ・ゾナーよりは格下)。当たり前だが手ブレ補正機構を内蔵 DMC-TZ3。28~280mm相当、F3.3~4.9のレンズは、ライカDCバリオ・エルマー(FXシリーズのエルマリートよりはやや格下)。当然、手ブレ補正機構内蔵

 マクロ機能はいずれも広角端で最も寄れるタイプ。レンズ前から被写体までの最短撮影距離はPowerShot SX100 ISが1cm、DSC-H3が2cm、DMC-TZ3は5cmとなっている。数字の上ではPowerShot SX100 ISがトップだが、被写体によってはレンズとの干渉のせいで近づききれないケースもある(花びらがぶつかるなど)。広角が広いこともあって、DMC-TZ3は一番弱い。こういうのも一長一短なわけだ。

 一般的な撮影であれば、3機種ともに十分なAF性能を持っているが、望遠側での人物撮影では多少差が出た。DMC-TZ3は顔検出AFがないため、9点AFで撮影を行なったが、人物と背景との距離は近くないにも関わらず、両方に合っているかのような表示が出ることが多く、背景にピントが合ってしまったカットが目立った。また、顔検出AFを備えている2機種では、DSC-H3のほうが若干ピントがアマいカットが見られた。

 一方、オートホワイトバランスは曇天の木陰、白熱灯と自然光のミックス光の室内の2つの条件でテストしてみたが、PowerShot SX100 ISだけが赤みが強かったり青みが強かったりという結果となった。


PowerShot SX100 IS。「コントローラーホイール」は、十字キーとEOSのサブ電子ダイヤルを足したような操作デバイス。Fnメニューから露出補正が独立したボタン操作になったのが新しい DSC-H3。十字キーには4つの機能が割り当てられているが、露出補正はメニューの中。「MENU」と「HOME」を一本化して、片方を露出補正ボタンにしてもいいと思うのだが DMC-TZ3。ボディの横幅が十分にあるので、ジョイスティックではなく十字キーを装備。上キーが露出補正ボタンになっていて、左右キーで補正値を設定する

PowerShot SX100 IS。顔検出での撮影。液晶モニター画面は明るくはないがコントラストが高くて見やすい。顔検出AFはスピード、ピントの精度とも良好 DSC-H3。明るいが、コントラストが低めなモニター画面。画素数が少ないため、ザラツキが気になる。顔検出AFは速いが、精度的にはややSX100 ISに譲る感じ DMC-TZ3。顔検出AFはなし。人物と背景との距離が近いわけではないが、両方にピントが合っているかのように表示されることが多かった

まとめ

◆PowerShot SX100 IS

 3機種の中ではもっとも大きいものの、グリップがゆったりめにつくられているので持ちやすい。背面の「コントローラーホイール」はEOSのサブ電子ダイヤル的に回して使うだけでなく、十字キーとしても使えるので、好みに合った操作法が選べるし、いじっていて楽しかったりする。露出補正もやりやすい。プログラムAEだけでなく、絞り優先やシャッター優先AE、マニュアル露出も使える。

 微妙な条件のときに少々ハテナな結果が出たものの、オートホワイトバランスは高精度だし、露出もピントもいい。発色をカスタマイズできる「マイカラー」機能もけっこうハマれる。ある程度カメラ慣れした人には楽しいし、使いやすいカメラだと思う。

◆DSC-H3

 内蔵ストロボの膨らみが一眼レフカメラのペンタ部のようで、グリップの形状も後付け的。数字のわりにコンパクト感があるが、武骨な印象を与えるデザインで、好き嫌いが出そう。「MENU」ボタンと「HOME」ボタンが別々にあるのは最近のソニーのスタイルだが、個人的にはあまり使いやすいと感じない。露出補正がメニュー内というのもうれしくない。シャッター速度の範囲は上限が1/2,000秒で、低速側は自動モード(一般的にいうところのフルオート)では1/4秒から、プログラムオートモードでは1秒から、マニュアル露出モードでは30秒と変化する。

 広角側が38mm相当なところが物足りない点だが、別売でワイドコンバーター(27mm相当)やテレコンバーター(646mm相当)、クローズアップレンズ(No.3)なども用意されていて、男の子的にうれしかったりする。その一方、BGM付きのスライドショー「音フォト」や「BRAVIAプレミアム・フォト」に対応しているなど、ハイビジョンテレビでの観賞といった、ファミリー向け機能も備えている。

◆DMC-TZ3

 基本的なスタイルは主力のFXシリーズに近く、ほかの2機種に比べてスリムでコンパクト。液晶モニターが3型と大きいところに松下電器の気合いを感じる。基本的にはフルオートで使うカメラであり、マニアックな撮影機能はあまりない。背面の操作部はほかのLUMIXとほぼ同じで、露出補正操作もやりやすい。

 今どき顔検出がないのはアピールしづらいとは言え、28mm相当の広角が使えるのは大きな強み。これでマクロ機能がもっと強化されればとか、ぜいたくを言えばキリはないが、老若男女を問わず、万人におすすめしやすいカメラに仕上がっている。このあたりは、先駆者の強みだろう。


作例

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、機種名/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/35mm判相当の焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。


◆顔検出AF

 PowerShot SX100 ISとDSC-H3が顔検出機能を備える。合焦率は若干PowerShot SX100 ISがいい。色味的にはDSC-H3が美白系でポートレートにはよさそうな感じ。顔検出AFのないDMC-TZ3は、背景にピントが合ってしまったコマが少なからずあった。


PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/200秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 189mm DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/200秒 / F4 / 0EV / ISO125 / WB:オート / 160mm

DMC-TZ3/3,072×2,304 / 1/125秒 / F4.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 170mm

◆オートホワイトバランス

 通常の撮影では気になることはなかったが、テストした条件ではPowerShot SX100 ISだけがちょっと外した感じ。条件1では赤みが強く、条件2では白熱灯に合わせすぎたのだろう、自然光の成分が強い青みになってしまっている。

 ・条件1:曇天の日陰


PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/30秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 280mm DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/30秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 287mm DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/20秒 / F4.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 280mm

 ・条件2:白熱灯と自然光のミックス光


PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / ISO200 / 1/13秒 / F2.8 / 0EV / WB:オート / 36mm DSC-H3 / 3,264×2,448 / ISO400 / 1/15秒 / F3.5 / 0EV / WB:オート / 38mm DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / ISO200 / 1/5秒 / F3.7 / 0EV / WB:オート / 35mm

◆画角変化

 DSC-H3とPowerShot SX100 ISの差はそれほど大きくはないが、28mm相当からのズームレンズを搭載したDMC-TZ3はかなり違う。遠くのものを大きく写す力は前2者が上だが、広角側が広いほうが有利なケースは多い。


広角端(36mm相当)
PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/1,250秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:晴天
望遠端(360mm相当)
PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/1,000秒 / F4.3 / 0EV / ISO80 / WB:晴天

広角端(38mm相当)
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天
望遠端(380mm相当)
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/250秒 / F10 / 0EV / ISO100 / WB:晴天

広角端(28mm相当)
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天
望遠端(280mm相当)
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/250秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:晴天

◆マクロ機能

 スペック上はPowerShot SX100 ISのレンズ前1cmがトップ。しかし、花びらが鏡胴にぶつかってしまったせいで、DSC-H3とほとんど変わらない画面になってしまっている。ちなみに、望遠端での最短撮影距離はPowerShot SX100 ISとDMC-TZ3が100cm、DSC-H3が90cmとなっている。


PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/640秒 / F4 / +0.7EV / ISO80 / WB:晴天 / 36mm
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 38mm

DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/1,300秒 / F3.3 / +1EV / ISO100 / WB:晴天 / 28mm

◆歪曲収差

 広角端での歪曲収差はDMC-TZ3がもっとも少ない。画像処理による補正を是とするか非とするかで受け止め方は違ってくるが、筆者個人としては画質劣化が気にならなければ可。DMC-TZ3のは許せる範囲である。


PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/1,000秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:晴天 / 36mm DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/500秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 38mm
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/400秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 28mm

◆フレア・ゴースト

 望遠端で夕陽を撮ったときのフレアやゴーストの出具合をチェックしてみた。一般的な撮影で問題になることはあまりないが、強い光源が画面に入ったときなどには気になるケースがあるかもしれない。PowerShot SX100 ISのは光源の対角位置に出る一般的なタイプで、あまり嫌な感じはしないが、DSC-H3は十字状に4か所に出る。それに対してDMC-TZ3はフレアやゴーストが気になることはなかった。


PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/2,000秒 / F8 / -2EV / ISO80 / WB:晴天 / 360mm
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/2,000秒 / F10 / -1EV / ISO100 / WB:晴天 / 380mm

DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/1,000秒 / F11 / -2EV / ISO100 / WB:晴天 / 280mm

◆そのほか

 ・PowerShot SX100 IS


天気がいい順光の条件だとかなりヌケのいいクリアな青空が撮れる
PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/1,000秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:晴天 / 36mm
画面の右端だけ片ボケしている。個体差なのかどうかは不明。でも、それ以外はシャープだ
PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/80秒 / F3.5 / 0EV / ISO80 / WB:晴天 / 77mm

歪曲収差のチェックで撮ったオブジェのアップ。ステンドグラス(?)の色がきれい。メリハリがあって、シャドー部のトーンもよく出ている
PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/640秒 / F4 / 0EV / ISO80 / WB:晴天 / 86mm
葉影から望遠端で月を望む。もちろん手持ち撮影。手ブレ補正内蔵の10倍ズームでなければ狙わなかったカットだ
PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/80秒 / F4.3 / -2EV / ISO80 / WB:晴天 / 360mm

このぐらいのシャッター速度になると、さすがに手持ちではブレる。感度を上げれば手持ちも可能だが、AFが先に音を上げてしまうケースも多い
PowerShot SX100 IS / 3,264×2,448 / 1/4秒 / F3.5 / -0.7EV / ISO80 / WB:晴天 / 86mm

 ・DSC-H3


水上バスの船上から撮った1コマ。タル型の歪曲収差がちょっと気になる
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/400秒 / F8 / -0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 38mm
お台場のあの建物の一部をどアップでねらってみた。ピクセル等倍で見るとややアマい感じもするが、プリントで見るには十分なシャープさだ。それにしてもヘンテコな構造だと思う
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/500秒 / F4.4 / -0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 380mm

カモというと池とか湖のイメージがあったので海で見かけると不思議な感じ。で、撮ってみた。背景の屋形船のボケ具合はあまり好みではない
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/400秒 / F4.4 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 380mm
こちらもお台場名物。380mm相当で1/60秒の手持ち撮影。3コマ撮ってブレていたのは1コマだけだった
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1/60秒 / F4.4 / -1.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 380mm

日が暮れるとAFではピントが合わないケースが増えてくる。このカットはピントを無限遠にセットして撮ったのだが、ちょっとピントがあやしい感じ
DSC-H3 / 3,264×2,448 / 1秒 / F4 / +2EV / ISO100 / WB:晴天 / 92mm

 ・DMC-TZ3


葛西臨海公園からお台場に向かう水上バス。天気がよくて満潮でなければ(低い橋げたにぶつかる危険性があるらしい)屋上デッキが楽しい。広角端が28mm相当まであるとこんな感じで撮れる
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 28mm
どのカメラでも、こういう条件だとAFではピントが合いにくくなる。これは運よくピントが合ったカット。レンズ性能がよくないと、水面のキラキラがパープルフリンジだらけになるが、ライカレンズは優秀だ
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/1,000秒 / F11 / -0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 280mm

広角端が36mm相当とか38mm相当とかだともう少し離れてからでないと撮れないが、28mm相当ならわりと近い距離で撮れて大きさが見せやすい
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 28mm
画像処理で補正しているとは言え、広角端の歪曲収差がほとんどないのは気持ちいいし、ゴーストやフレアがまったく気にならないのも立派
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/400秒 / F8 / -2EV / ISO100 / WB:晴天 / 28mm

暗くなってもAFが粘る。夜景でもほとんど迷わずに合焦してくれる。これも立派
DMC-TZ3 / 3,072×2,304 / 1/2秒 / F4.6 / -1EV / ISO100 / WB:晴天 / 77mm


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報(PowerShot SX100 IS)
  http://cweb.canon.jp/camera/powershot/sx100is/
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報(サイバーショットDSC-H3)
  http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-H3/
  パナソニック
  http://panasonic.co.jp/
  製品情報(LUMIX DMC-TZ3)
  http://panasonic.jp/dc/tz3/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー(DMC-TZ3)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2007.htm#dmc_tz3

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北村 智史
(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。最初に買ったデジタルカメラはキヤノンPowerShot S10。 ブログ:http://ketamura08.blog18.fc2.com/

2007/11/29 15:17
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