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【伊達淳一のデジタルでいこう!】オリンパスE-510 量産試作機実写速報

〜超望遠レンズで試したい手ブレ補正機能搭載機
Reported by 伊達 淳一

E-510
 ボディ内手ブレ補正機構を搭載したオリンパスE-510が6月29日に発売になる。すでに発売されているE-410とは姉妹機の関係で、撮像素子や画像処理エンジン、AFセンサー、ファインダーなどの仕様は共通。超音波モーター駆動による撮像素子シフト方式の手ブレ補正機構を搭載しているほか、E-330のBモードに相当するライブビュー機能やダストリダクションを装備しているのが特徴だ。



E-510(左)とE-410(右)
 E-410は、従来のEシリーズとは互換性のない薄型バッテリーを採用することで、グリップのでっぱりがほとんどなく、ボディの厚みが非常に薄く、そしてバッテリー込みの重量が約421gと驚くほど軽量なのに対し、E-510はE-1から踏襲されている従来型のバッテリーを採用しているのでしっかりと握れるグリップが付いている。また、ダストリダクションユニットごと撮像素子を上下左右に迅速に動かせるパワフルな手ブレ補正機構も搭載していることもあって、バッテリー込みの重量は約548gと、E-410に比べ約127gも重い。といっても、軽量なE-410と比べるからであって、他社のエントリーモデルと同等か、わずかに軽いくらいだ。


E-510(左)とE-410(右)

E-510(左)とE-410(右)
 外観の違いとしては、グリップの有無とペンタ部の形状、ストラップ通し穴の仕様くらいで、ボタンの配置など非常に良く似ている両機だが、E-410は背面の十字キーによるダイレクト設定が禁止されているのに対し、E-510は、WB、ISO、AFモード、測光モードを各方向キーで呼び出せる(誤操作を防ぐためメニューで禁止も可能)。

 また、ISモードボタンも新設されている。ちなみに、E-510には2種類のISモードがあり、モード1が通常撮影、モード2が流し撮り撮影用だ。E-510の手ブレ補正はボディ内補正なので、ファインダーの像はまったくブレが補正されない。ソニーや旧コニカミノルタのαDIGITALのように手ブレ状態を示すインジケータもないので、どの程度手ブレが補正されているのかは写してみるまではわからない。

 ライブビュー表示に切り替えISボタンを押し込むと、手ブレ補正ユニットが動作した状態でライブビューできる。しかし、ISユニットにかなりの負荷がかかってしまうためか、数秒間で動作が停止する仕様だ。実際の撮影でISユニットが動作するのは、シャッターを切った瞬間だけなので、ISユニットの寿命を考えるとそうむやみに動作させるわけにはいかないのだろう。なにしろE-510の手ブレ補正は、前述したように撮像素子だけでなくダストリダクションシステムごと動かしているので、その大きさ、重さは、コンパクトデジカメの比ではない。E-510のISユニットを見せてもらった時に、指先で撮像素子を上下左右に動かそうとしても、かなりの力を加える必要があった。とても強力に枠で挟み込まれているからだ。作動にはかなりのトルクが必要なユニットが、超音波モーターにかかれば実に俊敏に上下左右に動く。採用されたモーターの瞬発力の凄さがうかがえるというものだ。


ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5
 さて、E-510の量産試作機が手元に届いたので、さっそく実写してみることにした。せっかく手ブレ補正機構が内蔵されているので、できるだけ望遠レンズで撮影しようと思ったものの、手元にあるフォーサーズ用交換レンズのなかでもっとも焦点距離が長いのが、ZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5。これに1.4倍の純正テレコンバージョンレンズのZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter EC-14を装着しても、焦点距離280mmにしかならないのだ。E-410/E-510発表時に開発発表されたZUIKO DIGITAL ED 70-300mm F4-5.6やZUIKO DIGITAL 2.0x Teleconverter EC-20の発売がとても待ち遠しい。

 E-410のレビューのように、シグマのAPO70-300mmズームをマウントアダプタ経由で装着することもできるが、それではせっかくのボディ内手ブレ補正の恩恵を享受できないのだ。ペンタックスK100DやK10Dの、レンズの焦点距離を手動入力して手ブレ補正に活かせる、という懐の広さは大きな魅力なのだから、E-510もマウントアダプタ経由で装着したレンズで手ブレ補正が効くようになれば、もっと別のユーザーを惹きつけることができるはずだ。フィルムカメラのOMユーザーに対する贖罪という意味も込めて、E-1後継機にはぜひ焦点距離の手動入力機能を付けて、マウントアダプタ経由で装着したレンズでも手ブレ補正が効くようにしてほしいと思う。


ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter EC-14
 と、話が少々脱線してしまったが、例によって近所の川にカワセミを探しながらのお散歩に出かけたのだが、やはりカワセミを撮るにはZUIKO DIGITAL ED 50-200mm F2.8-3.5 + 1.4倍テレコンでは望遠がまったく足らない。シグマ APO 50-500mm F4-6.3 EX DG/HSMでもあれば35mmカメラ換算で1,000mm相当の画角で撮れるんだけどなぁ〜、と思いつつも、キヤノンのゴーヨンという恐ろしく高い買い物(しかも24回の分割払い)をした後だけに、衝動買いもままならず。仕方がないので、飛行場や動物園、それに暗くなってからの撮影にトライしてみることにした。

 帰ってからE-510で撮影した写真をチェックしてみると、確かに手ブレしているカットがかなり少ないことが実感できた。シャッタースピード4段分、というのはおそらく望遠撮影時の話だと思うが、レンズキットの標準ズームで夜景撮影にチャレンジしてみたところ、ワイド端(28mm相当の画角)で1/4秒までなら、かなりの確率で手ブレせずに撮影できた。約3段分の手ブレ補正効果だ。ただ、さすがに1/2秒となると、カメラをしっかり構えたつもりでも10枚に1枚手ブレしないカットがあるかどうか。身体やカメラを壁や手すりで支えるなどの工夫が必要となる。

※「仕上がり設定」、「ISO感度比較」の作例を除き、作例下の撮影データは、使用レンズ/実焦点距離/撮影モード/シャッター速度/絞り値/露出補正/ISO感度/ホワイトバランス/仕上がり設定を表します。

※作例はすべてE-510(量産試作機)で撮影しています。


仕上がり設定

NATURAL VIVID

FLAT モノトーン

 E-410やE-510の仕上がりは「NATURAL」がデフォルト設定なのだが、個人的にはVIVIDが好みなので、大半のカットをVIVIDで撮影している。それでも、E-300やE-500のようなオリンパスブルーの空や濃厚な発色にはならず、どちらかというとナチュラルな優等生的発色に仕上がった。果たしてこれが1,000万画素LiveMOSセンサーの特性なのか、それともオリンパスが意図してナチュラルな発色を目指したのかはわからないが、個人的には仕上がりをVIVIDにしたときくらいは、E-1やE-300のような深みと濃さがある絵作りに仕上がってほしいと思う。


ISO感度比較

 高感度撮影時の画質は基本的にE-410と同等だが、ISO1600で発生していた筋ムラがE-510ではかなり抑えられている。E-410よりも背景のグレーが明るめのライティングになっているのでその影響かもしれないが、もしかするとなんらかの改良が加えられたのかもしれない。

 また、ノイズフィルターが「OFF」の状態でもカラーノイズはかなり少なめ。ノイズフィルターを「強」にすると、輝度ノイズがボケてザラザラ感は少なくなるが、かえってノイズが雲のようにボケて不自然だし、解像感も大きく低下する。ノイズフィルターは「標準」がもっともバランスがいいようで、ISO800までは十分実用になる画質だ。ISO800の高感度とシャッター3〜4段分の手ブレ補正効果を組み合わせることで、コンパクトデジカメでは撮れないようなシーンも撮れる可能性が高まるカメラだ。

ノイズフィルター「標準」


ISO100 ISO200 ISO400

ISO800 ISO1600

ノイズフィルター「OFF」


ISO100 ISO200 ISO400

ISO800 ISO1600

ノイズフィルター「強」


ISO100 ISO200 ISO400

ISO800 ISO1600

そのほかの作例

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / スポーツ / 1/500秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / VIVID ED 50mm F2 Macro / 50mm / 絞り優先AE / 1/400秒 / F2 / +1EV / ISO100 / WB:オート / VIVID

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / 絞り優先AE / 1/80秒 / F4.9 / 0EV / ISO400 / WB:オート / VIVID ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 130mm / 絞り優先AE / 1/160秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / VIVID

ED 50-200mm F2.8-3.5 / 200mm / プログラムAE / 1/200秒 / F3.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / VIVID ED 50mm F2 Macro + EC-14 / 70mm / 絞り優先AE / 1/125秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO400 / WB:オート / VIVID

ED 40-150mm F4-5.6 / 119mm / 絞り優先AE / 1/200秒 / F5.3 / 0EV / ISO400 / WB:オート / VIVID 野毛山動物園で撮影
ED 40-150mm F4-5.6 / 150mm / 絞り優先AE / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / VIVID

野毛山動物園で撮影
ED 40-150mm F4-5.6 / 132mm / 絞り優先AE / 1/200秒 / F5.4 / +0.3EV / 800 / WB:オート / VIVID
ED 40-150mm F4-5.6 / 150mm / 絞り優先AE / 1/15秒 / F22 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / VIVID

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 18mm / 絞り優先AE / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID ED 14-42mm F3.5-5.6 / 14mm / 絞り優先AE / 1/640秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID

ED 40-150mm F4-5.6 / 86mm / 絞り優先AE / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID 山手イタリア山庭園で撮影
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 14mm / プログラムAE / 1/40秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID

ED 14-42mm F3.5-5.6 / 14mm / プログラムシフト / 1/40秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID ED 14-42mm F3.5-5.6 / 17mm / マニュアル / 1/4秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / WB:ワンタッチWB / VIVID

ED 40-150mm F4-5.6 / 150mm / マニュアル / 1/30秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID ED 14-42mm F3.5-5.6 / 14mm / 絞り優先AE / 1/40秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / VIVID

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / 絞り優先AE / 1/250秒 / F4.9 / 0EV / ISO400 / WB:オート / NATURAL ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / 絞り優先AE / 1/320秒 / F4.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / NATURAL

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / 絞り優先AE / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 258mm / 絞り優先AE / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / プログラムAE / 1/320秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:オート / NATURAL ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / プログラムAE / 1/200秒 / F4.9 / 0EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / マニュアル / 1/400秒 / F7.1 / 0EV / ISO200 / WB:5300K / NATURAL ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / プログラムAE / 1/320秒 / F6.3 / 0EV / ISO400 / WB:オート / NATURAL

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / 絞り優先AE / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / プログラムAE / 1/200秒 / F5.0 / 0EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 239mm / プログラムAE / 1/200秒 / F5 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL ED 50-200mm F2.8-3.5 / 200mm / プログラムAE / 1/200秒 / F3.5 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 153mm / プログラムシフト / 1/8s / F4.1 / +0.7EV / ISO400 / WB:オート / NATURAL ED 14-42mm F3.5-5.6 / 36mm / プログラムAE / 1/4秒 / F5.3 / 0EV / ISO400 / WB:オート / NATURAL

14-54mm F2.8-3.5 / 54mm / 絞り優先AE / 1/640秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / NATURAL ED 50mm F2 Macro / 50mm / 絞り優先AE / 1/320秒 / F2 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / VIVID 野毛山動物園で撮影
ED 40-150mm F4-5.6 / 102mm / 絞り優先AE / 1/1250秒 / F5.1 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID

野毛山動物園で撮影
ED 40-150mm F4-5.6 / 150mm / 絞り優先AE / 1/320秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / WB:オート / VIVID
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 14mm / 絞り優先AE / 1/80秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID ライブビューで撮影
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 14mm / 絞り優先AE / 1/40秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID

ED 40-150mm F4-5.6 / 90mm / プログラムAE / 1/320秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID ED 40-150mm F4-5.6 / 61mm / プログラムAE / 1/400秒 / F7.1 / 0EV / ISO100 / WB:オート / VIVID 山手イタリア山庭園で撮影
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 14mm / プログラムAE / 1/30秒 / F3.5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / VIVID

ED 50-200mm F2.8-3.5 + EC-14 / 283mm / プログラムAE / 1/200秒 / F4.9 / +0.7EV / ISO100 / WB:オート / NATURAL ED 50-200mm F2.8-3.5 / 60mm / プログラムAE / 1/250秒 / F4 / +0.7EV / ISO200 / WB:オート / NATURAL


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e510/
  オリンパス E-510 関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2007/03/12/5812.html



伊達 淳一
1962年生まれ。千葉大学工学部画像工学科卒業。写真、ビデオカメラ、パソコン誌で カメラマンとして活動する一方、その専門知識を活かし、ライターとしても活躍。黎 明期からデジタルカメラを専門にし、カメラマンよりもライター業が多くなる。自ら も身銭を切ってデジカメを数多く購入しているヒトバシラーだ。ただし、鳥撮りに関 してはまだ3か月のド・初心者。飛びモノが撮れるように日々精進中なり

2007/06/28 00:31
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