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【新製品レビュー】パナソニック LUMIX DMC-FX50

〜コンパクトデジカメユーザーの“あったらいいな”が形になった
Reported by 大浦タケシ

 2005年8月に発売された「DMC-FX9」の後継機となる「DMC-FX50」は、35mm判換算でワイド端28mm相当の3.6倍ズームレンズを採用するLUMIXシリーズの新モデルだ。

 FX9から引き続き、光学式手ブレ補正機能を搭載する。有効画素数はFX9の有効600万画素から720万画素になり、液晶モニターは2.5型11.4万画素から3型23万画素になった。

 パナソニックでは、広角28mmから始まるズームレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラをいくつか展開しており、その中でもミドルレンジに位置するモデルとなっている。量販店での実売価格は執筆時点で「DMC-FX01」よりもわずかに高い約49,800円位である。





バッテリー容量は1,150mAh。CIPA規格準拠で約300カットの撮影が可能だ。SDHCメモリーカード対応のメディアスロットを装備する

アスペクト比の設定はデフォルトの4:3のほか、35mm判フィルムと同様の3:2とワイドテレビに合わせた16:9を搭載する スローシャッターに制限がかけられる機能がユニーク。定常光でブレてしまうのであれば、ストロボを使えということか

フィルター効果とモノトーンが楽しめるカラーエフェクト機能。クールとウォームはホワイトバランス設定を応用したような色みだ 画質調整は標準のほか、定番ともいえる「ナチュラル」と「ヴィヴィッド」が選択できる

光学3.6倍ズームレンズ。光学式の手ブレ補正機能「MEGA O.I.S.」を搭載する。開放F値はF2.8〜5.6
 搭載されるズームレンズは35mm判換算で28〜102mm相当する。通常、コンパクトタイプのカメラというとデジタル、フィルムに関わらずワイド端が35mm前後の画角のものがほとんど。そのため、引きのない場所やちょっとパースを付けたいとき、あるいはぐっと被写体によって迫力ある写真を撮りたいときなど、もうちょっと広い画角だったらなぁということも多い。

 前述のとおりパナソニックでは28mmの画角を持つカメラのラインナップ充実に力を注いでおり、このFX50もそのなかの1台である。乱暴な話ではあるが、より狭い画角が必要であればトリミングすればよい。しかしながら広い画角を必要とするならば、物理的にもレンズ自体の焦点距離を短くするしかない。個人的にもパナソニックのこうした考えには賛成できるものであり、外出時などはいくつかあるコンパクトデジカメのなかでも、ついつい手を伸ばしてしまうのがこのカメラだった。
 
 レンズの明るさはF2.8〜5.6。テレ端が暗いのはカメラの大きさやズーム比から致し方ないところである。しかし、FX50は光学式の手ブレ補正機能(MEGA O.I.S.)を搭載しており、望遠端の暗さを十分カバーしてくれるものといえる。

 光学式手ブレ補正の機能には、シャッターボタンの半押しで常時補正を行なう「MODE1」とシャッターを切った瞬間のみ補正を行なう「MODE2」がある。バッテリーの持ちからいえばアクチュエーターの動きが必要最小限となるMODE2の使用が最適である。最短撮影距離はワイド端5cm、テレ端30cm。いうまでもなくマクロ撮影では、手ブレ補正はより有効な機能である。


500万画素以下の記録画素数にはEX光学ズーム対応を表す「EZ」マークが表示される
 撮像素子には1/2.5型有効画素数720万画素CCDを採用する。FX50には一般的な光学ズームのほかにEX光学ズームを搭載している。これは記録画素数が有効画素数よりも少ない場合に機能するもので、簡単にいうと有効画素数から画面の真ん中を中心に選択し、トリミングした残りの周辺部の画素をズーム域とするもの。

 例えば記録画素数が500万画素の場合、有効画素数の720万画素からトリミングした残りの220万画素分がズーム域となる。そのため記録画素数が小さいほどズーム倍率は高くなる。しかも、一見通常のデジタルズームのようにも思えるが、選択した記録画素数は変わらないので、テレ端側にズーミングしても記録画素数の減少による画質の劣化はない。

 ところが、実はほんのわずかではあるが、EX光学ズーム域になるとシャープネスがゆるくなってしまうのは残念。以前から他のメーカーの同様の機構でも指摘されていたが、残念ながらFX50も例外ではないようだ。ただし、あくまでも大きく拡大したときにわかる程度であり、このカメラの使用目的からしてズーム比率が高くなることで得られるメリットのほうが大きいように思える。

 ちなみに記録画素数が500万画素の場合ズーム比率は4.4倍(35mm判換算でテレ端123mmに相当)、300万画素では5.5倍(同154mmに相当)となる。


使用目的に合わせて液晶の明るさが調整できるLCDモード。ハイアングルモードは液晶モニターを斜めから見たとき通常どおりの画像が見られるモードだが、正面から見ると白っぽくてほとんど見えない
 液晶モニターには23万画素の3型を採用。高精細であるとともに彩度が高くメリハリのある画像を表示する。FX50で見たときと、PCで表示したときでは、その画質のギャップに戸惑うこともありそうだ。

 コンパクトデジカメの場合、液晶モニターをビュワー代わりに撮影した画像を見せ合う機会も多そうである。そのため、一眼レフカメラのように実際の画像とシビアに比較しても致し方ないところではあるが、個人的にはあまりにも極端に離れ過ぎないような画質に留めてほしいところでもある。

 なお、液晶モニターの明るさを使用目的に合わせて設定できるLCDモードを搭載する。通常の使用では「OFF」に設定。屋外など明るい場所での撮影の際、画面を明るく表示して見やすくする「パワーLCD」、カメラを持つ手を上に伸ばして撮影する際、視野角によって見にくくなる液晶モニターを見やすくする「ハイアングル」が選択できる。FX50はバリアングルタイプの液晶モニターを搭載しているわけではないだけに、とても重宝するものである。


 操作部はわかりやすく実にシンプル。スライドタイプの電源スイッチは一目で電源の状態が把握できるし、モードダイヤルは設定されたモードが認識しやすく、2/3ほどがボディの外装に覆われているため不用意に動くことも少ない。ズームレバーも使い勝手のよいものである。カメラ上部はパナソニックの他のコンパクトデジでもほとんど変わることがなく、同社はこのレイアウトに自信があるようだ。
 
 カメラ背面もシンプルなものだが、目新しいところとしては今までの十字ボタンがジョイスティックへと変更された。一見単なる押しボタンのようだが、上下左右にも動くためひとつのボタンで5つの操作が行なえる。スピーディに各設定を決定できるとともに、操作感もギクシャクしたところがなくスムース。ファンクション機能として露出補正、オートブラケット、セルフタイマー、ストロボ、レビューが備わるが、ジョイスティックを上下左右のいずれかに動かすと素早く設定できるため使い勝手のよさは特筆すべきものである。


ボタン類がシンプルにレイアウトされたカメラ背面。メインのコマンドボタンには、見慣れた十字キーでなくジョイスティックが装備される
小さいながらも節度ある動きをするジョイスティック。押すと設定したメニュー項目が決定される

インテリジェントISO感度機能を備える。被写体ブレには強い味方だ
 ISO感度設定はAUTOとマニュアル(ISO100〜1250)のほか、インテリジェントISO感度コントロール機能を搭載する。この機能は被写体の明るさのほかに動きも感知してISO感度をアップし、より速いシャッタースピードを選択して被写体ブレを軽減するというもの。単純に明るさだけでISO感度を調整する通常のAUTOを進化させた機能といっていいだろう。この機能を使用すると最高ISO800までゲインアップする。

 ノイズはISO200までなら実用レベル。ISO400となるとさすがにノイズが目立ちはじめ画面がザラついてくる。ISO800ともなるとシャープネスも大きく劣る。手ブレ軽減のために高ISOの感度域を持つコンパクトデジが増えてきているが、そのようなカメラと各ISO感度別のノイズレベルはほぼ同じような感じである。そのため、手ブレ補正機能を搭載するFX50は、同じ条件下の撮影の際、低ISO感度で同等となり画質的に有利といえる。


 FX50は、これまでのコンパクトデジカメユーザーの“あったらいいな”を形にしたカメラだ。35mm判換算で28mmに相当する画角で始まるズームレンズや手ブレ補正機能の搭載。720万画素のCCDおよび3型の液晶モニターの採用などおいしいところ全部入りともいうべきものである。

 画質的にもデフォルトではほどよい派手さの画づくりで、低感度ではノイズの発生もよく抑えられているほうである。突出したところは少ないが、だれでも十分満足するカメラに仕上がっていると思う。


作例


※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
※一部の作例については、作例データの一部項目を別の行で強調表示しています。


●EX光学ズーム


広角端
2,048×1,536 / 1/125秒 / F8 / -0.66EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm
記録画素数「3M」でEX光学ズームを使用してみた。35mm判換算で28〜154mm相当のズームとなる。
望遠端
2,048×1,536 / 1/320秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 16.8mm
テレ端ではわずかではあるがシャープネスとコントラストが不足するように感じられる

●ISO感度


ISO100
3,072×2,304 / 1/250秒 / F3 / 0EV / WB:オート / 5.4mm
ISO200
3,072×2,304 / 1/500秒 / F3 / 0EV / WB:オート / 5.4mm

ISO400
3,072×2,304 / 1/1000秒 / F3 / 0EV / WB:オート / 5.4mm
ISO800
3,072×2,304 / 1/250秒 / F9 / 0EV / WB:オート / 5.4mm

ISO1250
3,072×2,304 / 1/500秒 / F9 / 0EV / WB:オート / 5.4mm

●一般作例


3,072×2,304 / 1/250秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm 3,072×2,304 / 1/125秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm

3,072×2,304 / 1/320秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm 3,072×2,304 / 1/800秒 / F5.6 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 16.8mm

3,072×2,304 / 1/400秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm 3,072×2,304 / 1/640秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm

3,072×2,304 / 1/400秒 / F2.8 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm 3,072×2,304 / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm

3,072×2,304 / 1/640秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm 3,072×2,304 / 1/400秒 / F4.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 12mm

3,072×2,304 / 1/320秒 / F2.8 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm 3,072×2,304 / 1/160秒 / F2.8 / 0.66EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm

3,072×2,304 / 1/60秒 / F5.6 / 1EV / ISO100 / WB:オート / 16.8mm 3,072×2,304 / 1/100秒 / F5 / -1EV / ISO100 / WB:オート / 14.2mm

3,072×2,304 / 1/200秒 / F5.6 / -0.66EV / ISO100 / WB:オート / 16.8mm 3,072×2,304 / 1/50秒 / F2.8 / 0.33EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm

3,072×2,304 / 1/640秒 / F2.9 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 4.6mm


URL
  パナソニック
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://panasonic.jp/dc/fx50/

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大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2006/08/23 01:34
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