【伊達淳一のデジタルでいこう!】キヤノンEOS Kiss Digital Nの連写性能を最大限に引き出すメモリカードを探す
Reported by
伊達 淳一
EOS Kiss Digital N
これまでのEOS Kiss Digitalは連続撮影枚数が最大4コマと少なく、高速記録のCFを使っても時間当たりの連写枚数は大して増えなかった。EOS Kiss Digitalは、撮像素子から読み出されたデータをいったんバッファメモリに格納してからデジタル現像やJPEG圧縮処理を行ない、メモリカードに書き込みを行なっていた(と思われる)。そのため、JPEG撮影であってもバッファメモリにはRAWと同じデータ量を溜め込むため、連続撮影枚数がRAWとまったく変わらない。しかも、内部の信号処理スピードもさほど速くなかったので、ここがボトルネックとなって、高速CFの能力を引き出せないでいたのだ。
しかし、今度のEOS Kiss Digital Nは、DiGIC IIを搭載しているので、内部処理がとにかく速い。撮像素子から読み出されたデータは瞬時にデジタル現像され、JPEG圧縮されるので、バッファメモリには圧縮済みのJPEGデータが格納される。そのため、RAWなら最大5コマ分のデータしか格納できないが、ファイルサイズの小さなJPEGなら14コマ分のデータが格納できるわけだ。しかも、メモリカードへの書き込みも速いため、書き込みスピードが高速なメモリカードを使えば、どんどんバッファメモリのデータは掃けていく。
テストしたメモリカード
したがって、できるだけ高速記録のCFを使ったほうが最大連続撮影枚数も多くなるし、単位時間当たりの連写枚数も増えるというわけだ。そこで、EOS Kiss Digital Nの連写性能を最大限に引き出せるメモリカードを探すため、主要なメモリカードで実写ベンチマークを行なってみた。
テストする項目は
LARGE FINEで途切れず連写できるコマ数
RAW+JPEGで5コマ連写後、記録が終了するまでの秒数
30秒間にLARGE FINEでシャッターが切れる回数
の3つ。構図が変わるとファイルサイズが変化し、連続撮影枚数が変化するので、EOS Kiss Digital Nを三脚に固定し、AFのタイムラグを除外するため、MFに切り換えて連写を行なっている。
撮影した画像
なお、連続撮影枚数は撮影する絵柄や感度、画質モードによって変化するので、今回のテスト結果の数値はあくまで相対的なものだ。今回は、白バックにぬいぐるみという比較的単純な絵柄なので、1コマあたりのファイルサイズは2.34MBとKiss Digital Nとしてはやや小さめだ。もっと複雑な絵柄を撮影したり感度が高くなれば、ファイルサイズが大きくなるので連続撮影枚数は少なくなる。
【EOS Kiss Digital Nでの連写結果】
連続撮影枚数 (LARGE FINE)
RAW+JPEG 5コマ連写記録時間
30秒間の ショット数
サンディスク 1GB
16
44"82
28
サンディスク UltraII 2GB
39
9"92
71
サンディスク ExtremeIII 1GB
37
9"52
68
レキサー 80X 2GB
36
10"02
68
レキサー 12X 512MB
23
15"51
53
トランセンド 45X 2GB
24
13"30
56
Microdrive 340MB
15
28"97
33
Microdrive 1GB
17
18"14
42
Microdrive 4GB
17
12"92
47
Microdrive 6GB
19
11"99
50
松下電器 SD1GB(10MB/s) +BN-CSDABP3
18
23"79
40
EOS Kiss Digital Nでもっとも好成績を収めたのは、意外にもサンディスクUltra II。予想では、20MB/s(133倍速)の書き込みスピードを誇るサンディスクのExtreme IIIがダントツの成績を収めると思っていたが、実際には10MB/s(66倍速)の書き込みスピードのUltraIIのほうがわずかに撮影枚数が多かった。ただ、RAW+JPEGを5コマ連写後の記録時間はExtreme IIIのほうが上。80倍速のレキサーメディア 80Xも公称値ではUltra IIを上回る書き込みスピードを誇るが、EOS Kiss Digital Nとの組み合わせでは、ほんのわずかにUltra IIに及ばなかった。