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【新製品レビュー】松下電器 LUMIX LZ2

〜手ブレ補正付き光学6倍ズームを搭載した有効500万画素機
Reported by 中村 文夫

 最近、電源に単三電池を使用するデジタルカメラが増えている。単三電池は体積が大きくカメラのコンパクト化の妨げになる反面、設計上・運用上のメリットも多い。特にコストパフォーマンスに優れる点が入門機に適しており、カメラ量販店では「単三電池を使用するカメラコーナー」が登場するなど、デジカメの一ジャンルを形成している。

 これまで松下電器は単三電池を使用する製品として「DMC-LC70」(2004年4月)、「DMC-LC50」(国内未発売)を発売してきたが、今回取り上げる「DMC-LZ2」は、電源に単三電池を使用するだけでなく、手ブレ補正機構を新たに搭載した製品である。またLC70の画素数が400万、LC50が320万であったのに対し、LZ2は有効500万画素にアップ。レンズのブランドネームはライカからパナソニックに変わり、ズーム比が3倍から6倍に引き上げられている。

 LZ2に搭載されている手ブレ補正機構は、光学式手ブレ補正ジャイロ方式。ボディ内のセンサーが手ブレを検知し、光学系を移動させ手ブレを打ち消す方式である。手持ち撮影で使うことの多いコンパクトタイプのデジカメには必須の機能だが、コストや消費電力の問題から、あまり積極的には採用されていなかった。またズーム比の高倍率化にともない、手ブレ補正機構の重要性はますます高まっている。そんな意味でLZ2は、これからの入門機クラスの方向性を示す製品といえるだろう。





記録メディアはSDメモリーカード 右側面にコネクター類を装備

高い効果を発揮する手ブレ補正機能

2種類の手ブレ補正モードを備え、目的に応じて使い分けることができる
 LZ2の手ブレ補正機構は、常時手ブレ機能が作動する「モード1」と、シャッターを押した瞬間だけ手ブレ補正機能を作動させる「モード2」の2つを備えている。モード1は、液晶モニターの表示画像が安定する反面、場合によってはレンズの可動範囲が制限されてしまうことがある。これに対しモード2は、レンズの可動範囲を最大限に利用できるので、より高いブレ補正効果を得ることができる。動画にはモード1、静止画撮影にモード2と使い分けると良いだろう。

 今回は静止画をメインに撮影したので、手ブレ補正モードはモード2にセット。補正機能の効果をテストする意味で暗い場所で撮影したところ、1/2秒程度まで、ブレずに撮影することができた。もちろん、カメラを両手できちんと構えるなど、手ブレについては細心の注意を払って撮影しているが、手ブレ補正機能のないカメラでは100%手ブレする条件でも、シャープに写っていたことに驚かされた。また手ブレ補正機能は暗い場所だけでなく望遠撮影時も多大な効果を発揮することを考えると、余程のことがない限り、常時ONにして撮影すべきだ。


電源は単三電池2本

 単三電池が使えるメリットは、万が一旅先などで電池がなくなっても、新しい電池が容易に手に入ることだ。また最近では、長寿命なオキシライド電池なども登場し、電池を交換することなく、より多くの画像が撮影できるようになった。

 今回の撮影には、松下電器製のオキシライド電池を使用したが、およそ200カットの撮影ができた。公称値は235カットだが、これはCIPAが定める使用条件に則ったものだ。実際の撮影では撮影カット数がそれに達しないことも多く、十分な成績といえるだろう。また専用リチウムイオンバッテリを使用する上位機「DMC-FX7」の撮影可能カット数が120カットであることを考えると、LZ2の省エネ性能は高い。

 もうひとつの単三電池使用のメリットとして、市販のニッケル水素電池が利用できることが上げられる。この電池は値段が安く他の機器にも使い回しが可能。カメラを新しい機種に買い換えた場合でも、電池が無駄になることがない。単三なら電池と充電器はそのまま使い続けられるのだ。

 この場合、撮影可能枚数は公称で約390カット(松下電器製2,230mAh使用時)。オキシライド電池に比べ電池が長持ちする。電池が筒形で体積があるためカメラを薄くするには不利だが、経済性の点では最高の電池といえるだろう。


電源は単三電池2本を使用。オキシライド電池やアルカリ電池のほか、充電式ニッケル水素電池が使用できる 使用する電池の種類によって電池設定を切り替える必要がある

光学6倍ズームレンズ搭載

レンズはライカ社の設計ではなく、自社ブランド「LUMIX DC VARIO」
 LZ2に搭載されているレンズは、LUMIX DC VARIO LENS 6.1〜36.6mm F2.8〜4.5。非球面2枚3面を含む光学6倍ズームだ。35mm判換算では37〜222mmに相当する。望遠側の焦点距離が特に長い。またこれまで同社のデジタルカメラはライカの設計基準によるレンズを売り物にしてきたが、LZ2では自社ブランドに変更している。ライカの名前こそ冠していないが、撮影結果に著しい違いは感じられなかった。

 マクロモードを使用すると被写体に5cmまで近づくことができるが、これはレンズの焦点距離をワイド側にセットしたときの数値だ。望遠側では50cmまでしか近づくことができず、高倍率の接写はできない。またマクロモードを使用しないときの最短撮影距離は広角側で50センチ、望遠側で120cmとかなり長め。これは松下電器製デジタルカメラに共通した短所だが、この点は依然として改善されていない。


新開発のヴィーナスエンジンプラス採用

 LZ2の画像処理エンジンは、新開発の「ヴィーナスエンジンプラス」を採用している。「ヴィーナスエンジンII」の高画質・高速処理を受け継ぎ、さらに従来比50%という省電力化を実現している。レリーズタイムラグは最短で0.008秒。AFも5点、3点、1点、スポットに対応し、撮影状況に応じて選択ができる。


見やすい液晶パネル

 LZ2は光学ファインダーがなく、撮影時は背面の液晶モニターを見て撮影する方式だ。液晶モニターは2型TFTの微反射タイプで視認性は高い。再生時だけでなく、撮影時にヒストグラムが表示できるなど、高級機並みの機能も装備。表示される文字も大きく見やすいうえ、シーンモード選択時には、各シーンを説明する文章が表示されるなど、初心者に対する配慮も行き届いている。


表示+ヒストグラム 撮影ガイドライン 縦位置で撮影した写真は縦位置で表示

3点AF時のモニター表示 シーンモード選択画面 テキストによる説明

作例

※作例のリンク先は、撮影した画像データそのものです(ファイル名のみ変更してあります)。縦位置のものは、サムネールのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。

※クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは画像解像度(ピクセル)/露出時間/レンズF値/ISO感度/露出補正値/焦点距離(35mm判換算)です。



●手ブレ補正


1/2.5秒。手ブレ補正効果のお陰でブレていない
2,560×1,920 / 1/2.5(秒) / F2.8 / 200 / +0.66 / 37(mm)
1/10秒。このカットもブレずに済んだ
2,560×1,920 / 1/10(秒) / F3.2 / 200 / 0 / 69(mm)

1/25秒。パンチングメタルの穴ひとつひとつがシャープに写っている
2,560×1,920 / 1/25(秒) / F3.7 / 100 / 0 / 127(mm)
最望遠側の36.6mm(35mm判の222mm相当)で撮影。シャッタースピードは1/200秒だが、この焦点距離では手ブレ補正の利用価値は高い
2,560×1,920 / 1/200(秒) / F4.5 / 80 / 0 / 222(mm)

●ISO感度


【ISO80】2,560×1,920 / 1/8(秒) / F2.8 / 80 / 0 / 37(mm) 【ISO100】2,560×1,920 / 1/10(秒) / F2.8 / 100 / 0 / 37(mm)

【ISO200】2,560×1,920 / 1/20(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm) 【ISO400】2,560×1,920 / 1/40(秒) / F2.8 / 400 / 0 / 37(mm)

●ホワイトバランス

 オートでは画面全体に青みが強くなってしまった。曇りに手動セットして撮影したカットはやや赤みが強いが自然である。


【オート】2,560×1,920 / 1/200(秒) / F2.8 / 80 / 0 / 37(mm) 【曇り】2,560×1,920 / 1/200(秒) / F2.8 / 80 / 0 / 37(mm)

●カラーエフェクトモード


【OFF(ノーマル)】2,560×1,920 / 1/6(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm) 【クール】2,560×1,920 / 1/6(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm) 【ウォーム】2,560×1,920 / 1/6(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm)

【白黒】2,560×1,920 / 1/6(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm) 【セピア】2,560×1,920 / 1/6(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm)

●一般作例


輝度差の激しい条件だが、ダイナミックレンジは広く、白飛びやツブレも少ない
2,560×1,920 / 1/320(秒) / F5.8 / 80 / -0.66 / 42(mm)
広角側で撮影するとディストーションが目立つ
2,560×1,920 / 1/160(秒) / F2.8 / 80 / 0 / 37(mm)

マクロモードで撮影。広角側で最短5cmまで被写体に近づくことができる
2,560×1,920 / 1/100(秒) / F2.8 / 100 / 0 / 37(mm)
広角側ではそれほど高倍率の接写はできないが、パースペクティブを利用した効果を出すことができる
2,560×1,920 / 1/10(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm)

2,560×1,920 / 1/50(秒) / F3.5 / 80 / 0 / 98(mm) 2,560×1,920 / 1/500(秒) / F3.7 / 80 / 0 / 127(mm)

2,560×1,920 / 1/25(秒) / F2.8 / 200 / 0 / 37(mm) 2,560×1,920 / 1/125(秒) / F9 / 80 / 0 / 222(mm)


URL
  松下電器
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://panasonic.jp/dc/lz2/

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中村 文夫
(なかむら ふみお) 1959年生まれ。学習院大学法学部卒業。カメラメーカー勤務を経て1996年にフォトグラファーとして独立。カメラ専門誌のハウツーやメカニズム記事の執筆を中心に、写真教室など、幅広い分野で活躍中。クラシックカメラに関する造詣も深く、所有するカメラは300台を超える。1998年よりカメラグランプリ選考委員。

2005/03/17 00:47
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