デジカメ Watch

【西川 和久のポートレート インプレッション】
富士写真フイルム FinePix F10で撮ってみました!

Reported by 西川 和久

桝本 奈生@ネットアージュ
 今回は「FinePix F10」の登場だ。目玉は何と言っても630万画素でもISO1600に対応する、5世代目の1/1.7型スーパーCCD ハニカムHRを搭載していることだろう。最近のコンパクト型はISO50〜100スタートで、一応ISO200や400は付いているものの、オマケ程度であり実際はレンジが狭くノイジーなので用途を選ぶ。ISO400で常用可能か!? 非常に興味のあるところだ。

 掲載した写真は前半の6枚だけコントラストを若干強調する目的でPhotoshopのトーンカーブを少し触っている。予めご了承頂きたい。


FinePix F10の仕様

 仕様の詳細はメーカーの製品情報をご覧頂きたいが、大雑把なところでは、有効画素数630万画素の1/1.7型スーパーCCD ハニカムHR搭載、35mmフィルム換算36-108mm/F2.8-F5.0のフジノン光学3倍ズームレンズ、ISO感度80〜800(オート)/80/100/200/400/800/1,600/、ワイド端で約7.5cm〜80cm、テレ端で約30cm〜80cmまで寄れるマクロ、スイッチ一つでISO1600/AWB/内蔵ストロボOFFのモードにできるナチュラルフォトモードを搭載、2.5型液晶ディスプレイ、充電式バッテリーNP-120を使って約500枚撮影可能など。特にISO感度に関しては、これまでに無かった特徴を持つ。もし本当であれば、銀塩の世界に一歩近づいたことになる。

 掲載した写真はカットによってISO感度を変更した。他の設定は全てAWB/画質:6M(2,848×2,136ピクセル)ファインで撮影している。ISO感度に関しては各写真のキャプションを参考にして欲しい。また、冒頭にも書いたように、前半の6枚だけ、若干コントラス強調を施している。しかし、リサイズやシャープネスなどは一切行なっていないので、ノイズ感や輪郭などはオリジナルと見比べる限り同じである。


ISO200(F4.3 1/420秒)
81mm相当。全く問題無いレベルである。ただ、この範囲であれば従来のF700以降と同じ感じだ
ISO80(F2.8 1/340秒)
ワイド端。ISO80と100に関しては、ISO200で絞り切れないようなドピーカン用だと思われる。写りはそれほど変わらない

ISO400(F5.0 1/450秒)
テレ端。問題のISO400は階調や色乗りはいいものの、輪郭のシャープさが少し劣る。加えてテレ端は甘めか!?
ISO400(F7.1 1/400秒)
81mm相当。同じISO400でもこちらの方が若干シャープだ。80mm近辺はレンズの美味しいところなのだろう

ISO400(F5.0 1/420秒)
ワイド端。やはりISO400では少し輪郭が甘くなる。とはいえ、一般的なコンパクト機を考えれば超優秀だ
ISO80(F4.0 1/250秒)
ワイド端。試しにISO80へ戻してみた。エッジはシャープになる。この写りなら文句無し。いい感じだ

ISO400の結果は!?

 ご覧のように600万画素モードで使う限り、少しノイズっぽくなり輪郭が甘くなるなど結構微妙だ。用途によるとも言えるだろう。画面で等倍表示したいのであればNG、リサイズして表示したり、2L以下のサイズでプリントするのであればOKだ。また、筆者のサイトでは3枚(ISO80/400/1600)、300万画素モードで撮った写真を掲載しているが、ワンランク落としたこの解像度であればISO400でも問題無い。つまり、ユーザーがどのような使い方をするかによってISO400の評価が別れる。読者の方々の判断にお任せたい。しかし、数あるコンパクト型の中では比較にならない程優秀なISO400であることはおわかり頂けたと思う。筆者が使うなら、普段は300万画素モードでISO200、風景や集合写真のような細かい被写体を撮るときに600万画素モード/ISO200へ切り替え、この時少し暗いようであればISO400へ変更するといった感じだろうか。

 実際の使用感は良い。起動、書き込み、再生、バッテリー駆動時間、AFの速度、どれをとってもストレスは全く無い。これだけ速度に文句が無いデジカメは珍しいとも言える。唯一不満があるとすれば、マクロモードのAFが遅めなことだ。これがもうひと呼吸速くなればパーフェクトである。

 さて、後半の6枚に関しては全く画像を触っていないオリジナルのままだ。ISO1600を使ってもギリギリ写せるような意地悪なシーンも入っている。この写りを見て、やはりノイズが多いと思うか、コンパクトとしては驚異的な画質と思うか、基準は人それぞれと言ったところだろう。


ISO1600(F2.8 1/20秒) ISO1600(F2.8 1/42秒)

ISO1600(F2.8 1/160秒) ISO800(F2.8 1/60秒)

ISO800(F2.8 1/100秒) ISO1600(F2.9 1/14秒)

 いかがだろうか? 少なくとも従来のコンパクト型とは次元が違う写りであることはおわかり頂けたと思う。何よりもこれまで内蔵ストロボを使わないと撮れなかったシーンをノーストロボで撮れ、周りの雰囲気がそのまま生かせるのは嬉しい限りだ。手ブレ補正機構ではどうにもならなかった被写体ブレも回避できる。今回同社が発表している内容は決して間違ったものではない。逆にカメラとしては当たり前の主張なのだ。

 考えてみれば、一般的なデジカメはここ数年非常に厳しい進化をとげてきた。年々画素数を上げなければならず、コストを抑えコンパクトにするためイメージャの面積は狭く、そして感度が低くなったので手ブレを防ぐ補正機構など、言い方は悪いが、マイナス面を目立たなくする技術ばかりが先行したように思う。しかし、このF10を機に、そろそろ次の段階へ入ってもいいような気がする。つまり感度優先型だ。少なくともISO400で常用できない限り、銀塩には追いつけず、携帯電話のデジカメ機能に追いかけられることとなる。以降、競合他社もこの傾向になることを願いたい。


結論

 さて、ここまではプラス面を強調してきたが、唯一、気に入らない点がある。右の写真を見て頂ければわかると思うが、意味不明の巨大なアタッチメントの存在だ。これが無いとUSB経由の画像転送はもちろん、充電すらできないのだ。

 もっと小型のF440でさえ個別のコネクタを持っていたのに、何故F10でこのような形式をとったのか? 筆者としては全く理解できない。何をするにしても、ACアダプタに加えて、このアタッチメントが必須になる。次モデルでは改善して頂きたいと思う。




西川 和久
(にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、いろメロ待受@DWANGOのグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中! http://www.cfc.co.jp/knishika/index.html

2005/02/28 00:41
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