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【新製品レビュー】コダック EasyShare DX7590 ズームデジタルカメラ
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~光学10倍ズームを搭載した有効500万画素機
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Reported by
根本 泰人
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コダックのコンパクトデジタルカメラはイージーシェアシステム(Easy Share System)と呼ばれており、文字通り簡単に友人などと写真が共有できるシステムだという。その中で光学10倍ズームを備えた500万画素高画質モデルが、このDX7590である。コダックのコンパクトデジタルカメラのフラッグシップというべき位置づけにあると思う。
このイージーシェアシステムのデジカメは、複雑な操作や設定を必要とせずに簡単に撮影でき、撮影した画像はプリンタードックを使用すれば、パソコンを経由しなくてもワンボタン操作できれいなL判プリントが得られることが特徴であるという。今回はプリンタードックも試用してみた。
製品情報
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/digital/digitalcamera/dx7590/
■ ボディ外観について
サイズは99.6×79.9×81.2mm(幅×奥行き×高さ)で、重量340g(電池、メモリカード除く)である。一般的な高倍率ズームデジタルコンパクトカメラの形状で、右手側のグリップが大きくしっかりと握ることができる。私にはほどよい大きさだったが、手の小さい女性には握る部分が厚いという意見があった。重さについては、特に気にはならなかった。
レンズのすぐ上のファインダー部前面に外部測距センサーや外部調光用らしい窓が見えるのは、他のデジカメでは例がないように思う。このカメラ前側からみた造形は、少し変な言い方かもしれないがグロテスクな印象がある。背面からみると2.2型の大型液晶が目を引く。
さすがにこの大きさでは胸ポケットに入るはずもなく、肩や首からしっかりと提げるための吊り環が、ボディ両サイドにあるのは適切である。付属ストラップはもう少し幅広のしっかりとしたものが良いように思う。
付属のキャップはレンズ先端にしっかりと取り付く。なおキャップをしたままで電源ONにすることも可能である。
■ 基本性能と各種機能について
DX7590は総画素数536万画素の1/2.5型CCDが撮像素子で、画像サイズは最高が500万画素(2576×1932)である。
撮影レンズは10倍光学ズームで6.32~63.2 mm、35mm判フォーマット換算で38mm~380mmである。開放F値は広角端F2.8、望遠端F3.7。
このレンズのシュナイダー・クロイツナッハ(Schneider-KREUZNACH)、バリオゴン(Variogon)というネーミングに反応する人は、かなりのカメラ好きのはずである。シュナイダーはカールツァイスと並ぶドイツの名門レンズメーカーで、特に大判カメラ用レンズであるスーパーアンギュロンやジンマー、テレクセナーといった名称はプロで知らない人はいないはずだ。
ライカにもクセノンやスーパーアンギュロンを供給していた時代があり、そのほかドイツ製クラシックカメラにはクセナーやクセノン付きはほんとうにたくさんある。このようにシュナイダーのレンズのきわめて高い性能と素晴らしい描写力には、昔から定評と信用があるのだ。そのシュナイダーのズームレンズにはバリオゴンという名称がつけられており、今回のこのレンズもドイツ製とのことである。2枚の非球面ガラスレンズを採用してフレアを大幅に減少させ、コントラストも改善しているという。私など、名前だけでもよく写りそうに感じてしまうのであるが。
●ピント合わせ
このカメラがユニークなのは、測距システムを2系統持つことだ。コダックはハイブリッドAFと呼んでいるが、カメラ前部のレンズすぐ上に外部測距センサーが設置されている。このセンサーでの測距情報と、撮影画像のコントラスト検出によるAF(TTL-AF)の2つの情報から、ピント合わせが制御される。このAFシステムの性能に自信があるのか、このカメラにはマニュアルフォーカスモードはない。
AF範囲モードの設定はメニューの中で、マルチAF、センターAF、セレクタブルAF(左、中央、右の3カ所)を設定できる。またAF作動モードとしては、シングルAFとコンティニュアスAFが可能。特別にアクセサリーレンズを装着した時のAFの設定も可能。
撮影可能距離は広角端で0.6 m~無限遠、望遠端では2.0 m~無限遠とやや遠い。また広角側のマクロでは0.12 m~0.7 m、望遠端のマクロでは1.2 m~2.1 mとなる。マクロ/無限遠設定は、設定ボタンを押すだけでセットされる。
それからAFの動作については、常時AFが動作するコンティニュニアス作動と、シャッターボタン半押しの時だけAF作動するシングルAF作動を選択できる。
●測光モード
測光はTTL-AEマトリックス測光で行なわれ、測光方法としてマルチ測光、中央重点測光、スポット測光が可能。マルチ測光では逆光補正などが自動で行なわれるわけだが、このカメラはそうした補正が上手な方ではないため、難しい条件では撮影結果をモニターしてマニュアル操作で補正をかけ直して撮影するか、ブラケティング撮影したほうが良いだろう。
ブラケティング間隔は0.3、0.7、1.0EVの3つの設定が可能で、±3コマをまとめて撮影する。
●カメラでの画質調整項目
ホワイトバランスは、オート、昼光、白熱灯、蛍光灯、晴天日陰のみ。今回のテストでは、通常はオートで問題を感じることはほとんどなかった。
※作例のリンク先は、特に記載がない限り、撮影した画像データそのものです。縦位置のものは、サムネイルのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影した画像が別ウィンドウで表示されます。
※作例は個人での鑑賞用です。写真などの著作権は著作者に帰属します。無断転用、無断転載は著作権法違反となります。
【ホワイトバランスによる色調の変化】(6.3mm、F4、ホワイトバランス以外デフォルト設定)
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【昼光】1/800(秒)
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【白熱灯】1/1,250(秒)
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【蛍光灯】1/1,000(秒)
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【晴天日陰】1/1,000(秒)
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カラーモードとしては、ヴィヴィッド、ナチュラル、シック、白黒、セピアの5種類。ヴィヴィッドは彩度が高く色鮮やかな再現、シックは落ち着いた印象の再現となるそうだ。実際の画像を見るとヴィヴィドとシックの間にはかなり彩度に違いがあることがわかる。これは好みで設定すればよい。
【色調変化】(6.3mm、1/800(秒)、F4、AWB、カラーモード以外デフォルト設定)
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【ナチュラル】
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【ヴィヴィッド】
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【シック】
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【白黒】
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【セピア】
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シャープネスは、シャープ、標準、ソフトの3段階。画像をみるとわかるように、シャープネスはエッジの強調され方がかなり変化する。画像を拡大すると、標準でもかなりシャープ感が強くエッジが荒い感じなので、画像データを後で処理したい場合にはソフトに設定したほうがいいように思う。しかし撮影画像に手を加えずに直接プリンターで出力する際には、これくらいシャープなほうが見映えがするのも事実だ。
【シャープネスの変化】(6.3mm、1/800(秒)、F4、AWB、シャープネス以外デフォルト設定)
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【標準】
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【シャープ】
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【ソフト】
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●電子ビューファインダー(EVF)と液晶モニター(LCD)
液晶モニターは2.2型と比較的大きく、15.3万画素(640×240)の微反射低温ポリシリコンTFTで、コダックの宣伝では高解像度、インドア/アウトドアモニターとある。室内ではよく見えるのは当然として、戸外ではやはり直射日光があたる環境では厳しく、さらに逆光ではほとんどなにも見えない時がある。こういう状況では、EVFに切り替えたほうが良いことは言うまでもない。
この液晶モニターは、撮影時のモニター画像の見え方がはっきりしないことが気になった。全体にぼんやりした画像で、ピントが合ったかどうか確認することは困難であった。したがって合焦インジケーターを信用して、シャッターボタンを押すしかない。小型の液晶モニターを搭載したデジカメでも、撮影時にピントが合ったことを確認できるものもあるので、このモニター画像は個人的には気に入らない。ではモニターの性能が悪いのかというと、撮影した画像をレビューモードで表示させると、なるほど高解像度というだけはあって、くっきりした鮮明な画像を見ることができる。この落差はかなり大きい。なお撮影時、各種の撮影情報は鮮明に読み取ることができる。
31万画素というEVFは、撮影時の画像イメージは液晶モニターよりくっきりした感じであるが、やはりピントが合ったかどうかを正確な判断することは難しいようだ。ただしこちらも各種撮影情報は、鮮明に読み取れる。撮影した画像をレビューした場合、液晶モニターのようななめらかなトーンの再現までは望めないが、撮影結果の確認は十分可能だ。高倍率のため光学ファインダーを搭載することは困難であったろうし、撮影に必要な情報が表示されず、フレーミングも正確にできないような光学ファインダーを搭載しなかったことはたいへん良い。
■ 各種情報の表示について
液晶モニター/EVFに表示される撮影時の情報は豊富である。P、A、S、M、Cモードでは画面中央部にAFフレーム、画面左端にズーム表示、画面上部には左から日付、マクロ/遠景、フラッシュ、連写、画素数、撮影可能コマ数、記録場所。画面右端には上からAFモード、フォーカスゾーン、露出パターン、ホワイトバランス、ISO感度、バッテリー警告、撮影モード。画面下には左から絞り値、シャッター速度、露出補正、フラッシュ露出補正。モニターサイズが大きいので、見にくい印象はない。これらの情報は電源ボタンの右下にあるiボタンを押すとすべて消え、画像とAFフレームのみとなる。再度iボタンを押すと撮影情報の表示が復帰する。
さらにシャッターボタンを半押しすると、情報表示の内容が変わり、画面上部には低照度時のフラッシュ使用警告、右端には低速シャッター時に手ぶれ警告、AFとAEの動作状況を示すインジケーター、そしてISO感度、画面下には左から絞り値、シャッター速度、露出補正、フラッシュ露出補正が変わらずに表示される。それぞれ適切な情報が表示されていて、撮影しやすい。
オートモードやポートレート、スポーツ、シーンモードでは、大幅に表示が簡略化されて、AFフレーム、フラッシュ制御、画素数、残撮影コマ数、AFモード、撮影モードと露出補正だけになる。こうしたモードは比較的初心者向けであるから、これで十分であろう。それでもシャッターボタンを半押しすると、シャッター速度と絞り値が表示されるのはある程度撮影条件がわかっている人には便利であり、良いと思う。
以上のように、このカメラは撮影情報の表示については、とても良く整理されていると言えよう。
■ 外部ボタンの操作性について
ボディ上部にはシャッターボタンとフラッシュ部オープンボタン、フラッシュ制御ボタン、マクロ/無限遠ボタン、連写モードボタンがある。
電源ボタンはファインダー接眼部すぐ右の小さいボタンで、わざと押しにくい形状にしてあるのだと思うが、私は頻繁にON/OFFする癖があるため、この電源ボタンが押しにくいのにはいささか困った。
電源を入れると、モードダイアルのジョイスティック周囲部が緑色に光る。同時に外部液晶モニターがONの場合には液晶モニターが点灯、EVF(電子ビューファインダー)がONの場合にはEVFが点灯する。液晶モニターとEVFの切り替えは、ファインダー左端のボタンで行なう。EVFは視度補正機構が内蔵されているのは親切である。
電源を入れてから撮影可能になるまでの時間は実測で約2.5秒。最近のデジカメとしては遅い部類である。常にズームの広角端にセットされる仕様なので、望遠端側で使用機会が多い場合には、電源OFFでなくパワーセーブモードで設定を維持したほうが良い。ズームは広角端から望遠端まで一気に変化させると、約2.2秒かかる。ズームレバーの操作は非常に軽く、好みの問題だがもう少し反力があってもいいように思う。
●各種モード設定の操作
撮影モードの設定は、液晶モニター右の大きなモードダイアルで行なう。適度なクリックで親指で軽く回る。モードを変更すると、液晶モニター/EVFに日本語でモードの説明が約3秒間表示される。シャッターボタンを押すと即座に表示が消えて撮影体制に入れるし、あるいはメニューの中で表示しないように設定できるので、説明が煩わしい人は設定を変更すればよい。
モードダイアルの並び順がPASMで、Pの隣がAになっているのは良い。個人的にはピントの合う範囲(被写界深度)を気にして絞り優先AEで撮影するケースが多く、気楽な撮影はプログラムで十分なので、モードダイアルはPとAを頻繁に往復させることとなる。だからこのふたつのモードが隣り合わせだと操作が速い。PSAMになっているカメラも少なくないが、私はPASM派である。
モードダイアルの中心にあるのがジョイスティックで、上下左右で各種の選択を行ない、プッシュするとOKを入力する。ジョイスティックの操作感は特に問題ない。このジョイスティックとは別に、ボディ前部シャッターボタンすぐ下にジョグダイアルがあり、これの回転と押し込みで例えば絞り値や露出補正値などを設定する。問題はこのジョグダイアルの厚さが薄い上にエッジが鋭く、回転させる時にはあまり気にならないが、押し込む時に指の腹が痛い。これは早急に改善して欲しいところである。
一番下のメニューボタンを押すと、メニュー画面が表示される。カメラの基本的な設定は、メニュー画面の項目の中の設定メニューの中で行なう。メニューの構造は単純で、上下一列に並んだ項目をジョイスティックの上下動作で選択し、同じくジョイスティックを押すことで確定する。メニューに表示される内容は、撮影モードによって多少変化する。
ひとつ気になったことは、メモリーカードのフォーマットがメニューの後のほうに位置することである。メモリーカードのフォーマットは意外とよく使う機能なので、メニューでの位置をもっと上の階層にするか、外部ボタンの2箇所同時押しで可能にするなどの操作性の改善を望みたい。
もうひとつ、セルフタイマー(10秒)もメニューの中で設定する。マクロ撮影などで三脚を使用した際、手ぶれを防ぐため頻繁に使う機能なのだが、一度設定しても撮影のたびにリセットされてしまい、毎回いちいちメニューの中で操作するのはとても面倒であった。これも改善して欲しいところである。
オートモードやシーンモードでは、メニューで設定できる項目はセルフタイマー、画素数、画質、プラケティング間隔、AF作動、カラー、メモリー記録場所の設定のみとなっている。元々初心者向けに機能を限定しているモードであるから、これで十分であろう。
このカメラは操作音をいろいろ変化させることができる。デフォルト以外にクラシック、ジャズ、SF、シャッター音のみ、である。起動時の音などが変化するが、私にはあまり良い印象のものがない。
撮影した画像の表示は、右下のレビューボタンを押すことで可能となる。画像の送りはジョイスティックで行なう。このときジョイスティックを下に押すと、9コマ同時表示のサムネイルモードになる。また表示した画像の拡大はズームレバーで行なえる。拡大画像の位置の変更はこれもジョイスティックで行なう。以上の操作は簡単で速い。
画像の削除は画像を表示したところで、左下の削除ボタンを押すことで1枚ずつ、あるいは全画像を消すことが可能である。
以上、このカメラはデジタルカメラを使ったことがある人にとって、特に複雑な操作がないことは美点のひとつではないかと思う。
ところで、コダックのこのシリーズのカメラに特徴的なのが、モードボタンのすぐ左上に赤い色で目立つシェアボタンである。これは画像撮影時あるいはモニター時に、このボタンをセットすると、印刷を自動的に行ったり、知り合いにメール転送したりすることができるというものである。コダックのEasyShareは文字通り簡単に友人と写真が共有できるという意味だから、簡単に印刷したり簡単にメールで送れるという機能のためのボタンを用意したわけである。
シェアボタンを押すと、プリント指定、全画像プリント指定、プリント指定の取り消し、Eメール指定、お気に入り指定が可能で、この指定によって後にEasyShareソフトウェアで処理が行われる。プリンタードックに装着した場合には、プリント指定した画像が印刷される。
●シーンモード
DX7590では14種類のシーンモードが用意されている。設定はモードダイアルでシーンを選ぶと、モニターにそれぞれのシーンを示すアイコンが表示され、そのジョグダイアルでアイコンを選択していく。アイコンを選ぶと同時に、モードの簡単な説明がモニター上にされるので、選択すべきシーンを迷うことはないだろう。
ただし実際にどのような制御が行なわれるかまでは説明してくれないのが残念である。マニュアルには、シーンごとにF値の範囲や露出制御、感度設定などかなり詳しい情報が掲載されている。シーンモードは数が多いからすべての設定状況を記憶するのはたいへんであるし、いちいちマニュアルを持って歩くのは面倒である。モニターも大きく表示スペースには余裕があるので、設定の詳細がモニターに表示されてくれればカメラに詳しい人には大変役立つ。そういう説明が不用な人もいるだろうから、簡単な説明と詳細な説明を選択できればシーンモードを積極的に使いこなす場合重宝である。
【プログラムモードとシーンの夜景モードでの違い】
※キャプション内の撮影データは、レンズ焦点距離/F値/露出時間/ISO感度/ホワイトバランスです。
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【プログラムモード】6.3mm / F2.8 / 1/8秒 / 80 / AWB
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【夜景モード】6.3mm / F2.8 / 1/2秒 / 100 / AWB
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通常のプログラムモードでは、露出はF2.8で1/8秒以下にはならないため、露出不足である。これに対して夜景モードでは露出時間が伸びるのできれいに撮れている。ただしこのときピントは無限遠、測光は中央部重点、ISO100、ホワイトバランスは昼光に固定される。
【通常撮影のマクロと、シーンモードのマクロの違い】
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【通常マクロ】6.3mm / F5.6 / 1/640秒 / ISO80 / AWB
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【マクロモード】6.3mm / F2.8 / 1/200秒 / ISO100 / AWB
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プログラムモードでマクロボタンによって接写を設定した場合と、シーンモードでクローズアップモードを設定した場合、露出制御などが大きく異なるので注意が必要である。プログラム撮影では被写体が明るければ絞りこまれピントが合う範囲も広くなる。シーンモードのほうでは、絞りは常に開放、測光は中央部重点測光、ISO100固定である。どちらが撮影対象に向いているかは、撮影後モニターで確かめるようにしたい。
●ストロボの制御
このDX7590はストロボのON/OFFをストロボ発光部のポップアップ動作で行なう。これは非常に使いやすい。前回のオリンパスC-70のレビュー記事で詳しく書いたのだが、ボタン操作による電子的な操作でストロボのON/OFFを制御するカメラは、操作がめんどうで時間がかかる。またきちんと確認しないと、ストロボを発光させたくない場合に発光したりして、あわてることがある。これに対し、機械的に発光部を出したり引っ込めたりすることで制御するカメラは操作が速く、かつ間違いがない。このDX7590は、ボディ上部ストロボ右脇のボタンを押すことで発光部がポップし、同時にストロボが使用可能となる。
ストロボの制御は一般的なもので、オート、強制発光、赤目防止、発光禁止であるが、わざわざ発光禁止モードを設けなくても発光部を機械的に収納してしまえば自動的に発光禁止になる。わざわざこのモードを用意する必要はあるのだろうか。外部ストロボを使用する際に内蔵ストロボの発光を禁止したい場合も、発光禁止モードにしなくても内蔵ストロボを収納してしまえば外部ストロボが単独発光することを確認した。なお外部ストロボ接点は一般的なJIS接点である。耐圧が500Vまでとあるのはプロ仕様という感じがする。
シーンモードで撮影状況を設定すると、それに対応してストロボの制御が変わる。例えば風景、夜景、博物館、花火などのシーンモードでは、当然ストロボは発光禁止に設定される。
ストロボの到達距離は、広角端で0.6~4.9m、望遠端では2~3.7mとマニュアルに記載があるが、不思議なのはISO140の時となっていることだ。このカメラでは通常の撮影モードではISO140にマニュアルセットすることはできないのだが?(ただしシーンモードの幾つかは、ISO140に自動セットされる)。やはり設定できるISO感度(例えばISO100)での情報を提示して欲しいと思う。
【ストロボ撮影の例】
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ストロボ光が良く回っていて、発色も自然だ
6.3mm / F2.8 / 1/60秒 / 80 / AWB
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逆光で手前側が暗い
13.7mm / F3.2 / 1/80秒 / 80 / AWB
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ストロボをたいて日中シンクロを行なった
13.7mm / F3.2 / 1/80秒 / 80 / AWB
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■ 記録画素数と圧縮率、データサイズについて
このカメラの最大画素は500万画素(2,569×1,920)で、それ以外に35mm判フィルムフォーマットに縦横比3:2を合わせた440万画素(2,576×1,716)、400万画素(2,304×1,728)、310万画素(2,048×1,536)そして180万画素(1,552×1,164)の5段階に設定できる。画質のクオリティは、高画質と標準の2つのみ。非常に細かく画素数の設定ができるデジカメも少なくないが、実用上はこのDX7590の設定で不自由を感じることはないと思う。簡素で良い。
実際のデータサイズであるが、500万画素は高画質約1.7MB、標準約950KB、440万画素では高画質約1.5MB、標準約850KB、400万画素では高画質約1.3MB、標準約750KB、310万画素では高画質約1.1MB、標準約640KB、180万画素では高画質約750KB、標準約480KBであった。高画質モードは標準モードの約80%増しということになる。
画像データファイル名であるが、一般のデジカメでは頭4文字がメーカーやカメラによって異なる英文字、次の4文字が4ケタの数字でこの部分が連番になるという命名規則になっているものが大部分であるのに対し(例:DSCN1234.jpg)、このDX7590は頭3桁がデータを格納するフォルダー名の頭3桁の数字と同じで、アンダーバーに続いて4桁の連番数字がつけられる(例:000_1234.jpg)。
このため複数のメモリーカードを他メーカーのデジカメと同時に使用したりすると、フォルダーが複数生成されデータファイルの頭3桁が異なってしまうため、後で1カ所にまとめた時名前でソーティングすると撮影順に並ばない。もちろん撮影した日時でソーティングすればきちんと整列するが、デフォルトは名前になっていることが多いだろうから、最初戸惑ってしまう。いろいろな操作をファイル名で行なうケースが多いと思うので、ファイル名の命名規則については再考して欲しいと思う。
■ 使用するメディアと内蔵メモリーについて
このカメラは一般的なSDメモリーカードを使用する。それとは別に内蔵メモリーとして32MBを保有しているため、画像保管場所としてオートと内蔵メモリー指定が可能である。オートではSDメモリーカードがあればSDに、なければ内蔵メモリーに記録する。内蔵メモリーは32MBでも500万画素標準画質で17コマ程度撮影可能なので、SDカードがいっぱいになってしまった場合などの緊急用に役立つこともあるだろう。
【お詫びと訂正】記事初出時、「内蔵メモリーからメモリーカードにデータを移す機能がない」と記述しましたが、正しくは可能でした。お詫びして訂正させていただきます。
■ 撮影結果およびレンズ性能について
このカメラの画像処理プロセスは、人間のカラー知覚を解析し高度な画像処理を受け持つコダックカラーサイエンスチップの採用が特徴だという。
標準設定ですべてカメラまかせで撮影した画像をパソコンのディスプレイで観察すると、鮮やかでシャープ感が強く、くっきりとした鮮明な画像である。いままでテストしたコンパクトデジカメの画像の中では、もっとも見栄えがするもののひとつだと思う。実際自分で後処理をする場合、このような感じに仕上げることを目標とすることが多いので、このDX7590の画像は、最初から完成度が高いという言い方をしてもよいだろう。もろちんもう少し調整したいと感じる画像もあるが、仕事などで数を撮らなければならない場合、ここまできれいな撮影結果がえられれば十分という人も多いはずだ。
ただし自分の好みの画像に細かく調整したい場合には、彩度が低くシャープネスも弱くコントラスも低い画像のほうが最終結果が良いので、それは撮影の際カメラの設定を変更した方が良い。標準設定の画像を強拡大すると、シャープネスの効きが強いため画像細部のエッジが荒れていると感じるし、コントラストも強目なので特に暗部がつぶれがちである。
ひとつ気になるのは、空などではJPEG圧縮が強い時に見られるのと同じようなパターンのノイズが認められることである。これはサイズの小さいプリントではわからないが、A4サイズ以上に大きくすると目につくようになる。エッジ部にもこのノイズが認められる場合がある。全体の調子は整っているだけに、この点をぜひ改善してより完成度の高い画像にして欲しい。
なおマルチパターン測光による露出はほぼ適正であるが、逆光時の補正は弱めである。暗部の再現を望む場合には+の補正を行なったほうが良い。
●作例
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露出はわずかにアンダー気味だが、空の青さや草の緑が強調されて美しい。画面全体にシャープだが、拡大すると草の葉が分解せずJPEG圧縮で細部のディテールが失われているようだ。空にもJPEG圧縮によると思われるノイズが認められる
6.3mm / F4 / 1/800秒 / 80 / 0 / AWB
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画面全体にたいへんシャープで美しい
6.3mm / F3.2 / 1/400秒 80 / 0 / AWB
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マルチパターン測光では1EVほど露出アンダーになったので、中央部重点測光に切り替えたら明るめに整った。このように色味が単色に揃っている場合、露出が狂うことが良くあるので、撮影結果をモニターで確認しながら補正する。ズームの広角よりだが、画像はシャープ
17.5mm / F4.5 / 1/1,000秒 / 80 / 0 / AWB
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マルチパータン測光でも中央部十分測光でも、白い花はかなりアンダーになってしまった。中間のズーム域だが、相変わらずシャープでキレが良い。AFでもピントが良く合っている
28mm / F6.3 / 1/800秒 / 80 / 0 / AWB
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絞り優先モードでF8に絞り、被写界深度を十分にとって撮影したため、画面全体にたいへんシャープ。マルチパターン測光で露出も適正。コントラストがやや高めだが、見映えがする
6.3mm / F8 / 1/250 / 80 / 0 / AWB
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プログラムモードでは、望遠端は少しでも高速シャッターを切るため絞り開放になる場合が多いが、このレンズは開放でもとてもシャープで安心して撮影できる
63mm / F3.7 / 1/640 / 80 / 0 / AWB
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カメラまかせで撮影しているが、コントラストが高くシャープで鮮明な撮影結果である。暗部はつぶれ気味。空の部分にJPEG圧縮によると思われるノイズが認められ、A4サイズでプリントすると気になる
6.3mm / F5.6 / 1/800 / 80 / 0 / AWB
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非常にシャープ感の強い画像である。彩度が高いので、空も木の葉も鮮やか。空の部分にJPEG圧縮によると思われるノイズがやはりあらわれている
9.8mm / F3.1 / 1/320 / 80 / 0 / AWB
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レンズの性能であるが、広角端でも望遠端でも開放から周辺部まで鮮鋭である。周辺減光は広角端では認められず、望遠端ではごくわずかに四隅が落ちるが目立たない。また歪曲収差もとても少なく、広角端でたる型、望遠端で糸巻き型になるが、ほとんど気にならないのは立派である。残存する色収差による望遠端の色にじみも非常に少なく、空の境界にほんの少し紫色のにじみが現れる程度である。逆光時でもゴーストやフレアの発生も少ない。
このシュナイダー製のバリオゴンズームレンズは、10倍ズームとしてたいへん優秀な性能を持つと言ってよい。DX7590から得られる鮮明な画像は、レンズの性能の良さも効いていることは間違いない。
なお望遠端付近では手ブレによる画質劣化のおそれが高い。プログラムモードでは絞りを開放とすることで、できるだけ高速シャッターを切るように設定されている。絞り開放でもこのレンズの描写性能は大変良いので安心だが、シャープゆえにわずかな手ブレでも目立つことになるので、しっかり構えて撮影したい。特に望遠端では、EVFにしてカメラを顔面に押しつけて撮影することで、かなり手ブレをおさえることができる。将来的には他社のように手ブレ補正機能を搭載して欲しい。
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【広角端】10倍ズームの画面の変化はダイナミック。広角端でも望遠端でも、たいへんシャープ
6.3mm / F4 / 1/640 / 80 / 0 / AWB
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【望遠端】望遠端では四隅がわずかに暗くなるが、さほど気にならない
63mm / F3.7 / 1/800 / 80 / 0 / AWB
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【広角端】写真がすっきりしないのは、撮影日の透明度が悪かったため
6.3mm / F8 / 1/100 / 80 / 0 / AWB
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【望遠端】画像は十分シャープだが、空と建物の境界にほんのわずがだが紫色のにじみが認められる
63mm / F3.7 / 1/500 / 80 / 0 / AWB
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●画素数、圧縮率とプリントの品質
撮影結果をプリントするには用途によっていろいろな方法があるが、もっとも簡便な方法として今回は手持ちのエプソンPX-G900プリンターと、印刷ソフトとしてプリンター付属のエプソン・フォトクイッカー3.5を使用し、DX7590で撮影した結果に手を加えることなく印刷した。プリント用紙はエプソンの純正写真用紙と、コニカミノルタのフォトライクQPペーパーを使用した。フォトクイッカーの印刷モードは高精細である。フォトクイッカーはこのDX7590で撮影した画像はExif Printで処理する。
500万画素、高画質で撮影したさまざまな画像データを、L判、2L判、A4判と印刷してみたが、L判~2判ならモニターで見た場合と同様にコントラストがはっきりし、たいへんシャープなプリントで実に見映えがする。このプリントは多くの人にとても高い満足感を与えると思う。気軽に撮影してきた写真が、特に手を加えずにこれだけきれいにプリントできれば、私には十分満足できる。銀塩フィルムで撮影し同時プリントに出したとして、現像所の技術力の差があるからこれだけきれいなプリントを常時得られるか疑問である。それに対しDX7590で撮影してプリントした結果のほうが、確実に安定しているのではないだろうか。
A4判でプリントしても同様に鮮明な印象であるが、拡大率があがる分、細部に不満が出てくる。ひとつは特に空で目立つのだが、JPEG圧縮に起因すると思われるノイズがはきり現れてくる。また、画像処理をしている時にシャープネスをかけすぎると現れてくる建物などのエッジの部分の荒れが見える。このため細部の解像度については今ひとつという印象を受ける画像がある。全体として画面がきれいに整っているので、こうしたところがかえって気になる。
さて、画素数とプリントの品質であるが、L~2L判では180万画素~500万画素のいずれで撮影しても、差はほとんどわらなかった。A4判になると細部の解像度などに差があらわれ、やはり500万画素が良いが、細部があまり鮮明でない画像では180万画素から500万画素の間で差があまりないものもあった。
また圧縮率とプリントの品質であるが、いずれの画素でも標準と高画質の差はほとんどわからなかった。
【高画質】すべて6.3mm / F8 / 1/400秒 / 80 / 0 / AWB
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【500万画素/2,576×1,932ピクセル】
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【440万画素/2,576×1,716ピクセル】
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【400万画素/2,304×1,728ピクセル】
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【310万画素/2,048×1,536ピクセル】
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【180万画素/1,552×1,164ピクセル】
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【標準】すべて6.3mm / F8 / 1/400秒 / 80 / 0 / AWB
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【500万画素/2,576×1,932ピクセル】
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【440万画素/2,576×1,716ピクセル】
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【400万画素/2,304×1,728ピクセル】
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【310万画素/2,048×1,536ピクセル】
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【180万画素/1,552×1,164ピクセル】
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●ISO感度とノイズ
このカメラは、オートではISO80~160の範囲で制御され、マニュアルでは80/100/200/400/800の5段階の設定が可能ということだが、このISO800は180万画素でのみ設定可能とのことで今回はテスト撮影を行なわなかった。露出制御の下限制限(1/8,F2.8)により室内での撮影では画像が暗すぎてしまったため、今回は日中撮影した画像である。
ISO80と100では画像は比較的きれいであるが、青空などを拡大するとJPEG圧縮処理によると考えられるノイズが認められる。これはこのカメラではISO80でも比較的はっきりわかるため、A4サイズにプリントすると気になることがある。ISO200になると画面全体にJPEG処理のものとは異なるノイズが現れ、ざらついてくる。ISO400になるとノイズの影響でかなり画質が悪くなる。
以上の結果から、このカメラではISO80か100のいずれかで使用することをお勧めする。オートモードではISO160までに制限されているのは、画質の点から適切な処置であると言える。なおISO感度変化に対する露出値の変化はリニアである。
【ISO感度】(すべて6.3mm、F8、AWB、他すべてデフォルト値)
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【ISO400】1/1,000秒
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【ISO200】1/500秒
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【ISO100】1/250秒
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■ 動画について
動画は高画質のVGA(640×480画素)では12コマ/秒、標準のQVGA(320×240画素)では20コマ/秒。VGAモードでは動きの速い対象はコマ落ちして見える。なめらかな動画を撮影したいなら、QVGAモードを使いたい。なお、どちらでも同時にモノラル録音が可能で、また撮影可能時間はメモリーカードの残量いっぱいまでとなる。
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VGA(12コマ/秒)
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■ EasyShareソフトについて
付属してくるイージーシェアソフトウェアは、DX750から画像データを読み込み、画像管理(マイコレクション)、ホームプリント、オンラインプリントオーダー、Eメール転送などの機能がある。またサポート用のイージーシェアセンター(インターネットでホームページに接続)およびカメラと接続してその中のお気に入りアルバム名などの設定をソフトで行なうコダックカメラセンターという機能もある。
今回は画像を読み込んで印刷することしか行なわなかった。操作は直感的にできるが、コレクションした画像をまとめてプリントする場合など、操作がやや複雑である。このイージーシェアソフトを通して、エプソンのPX-G900にプリント出力してみたが、得られたプリントはフォトクイッカーを使用した場合とほとんど同じであった。
■ プリンタードックシステムについて
コダックは印刷にパソコンいらずのシステムとして、プリンタードックシステムを用意している。これはLサイズ(89x127mm)専用の連続階調染料熱転写式プリンターに、カメラを直結するシステムである。ケーブルを必要とせず、プリンタードックの上にカメラを直接載せる。印刷だけではなく、同時に内蔵バッテリーの充電も行なうようになっているのは、便利である。
準備としては、プリンター本体にインクリボンを装填しておくことと、用紙トレイに専用プリンター用紙を入れて、本体に装着すること、あとは電源アダプターを接続するだけである。消耗品のインクリボンと用紙はセットになっていて、40枚の印刷が可能である。
操作は非常に簡単で、カメラ背面のモニターに表示される画像を選択し、プリントボタンを押すだけである。枚数の増減も簡単にできるが、印刷の際に色調などの調整は一切できない。また、1枚の写真を印刷する以外に、1枚に2コマや4コマ、9コマのインデックスプリントが可能である。カメラであらかじめプリント指定を行なっておけば、いっぺんに印刷することもできる。
1枚のプリントができあがるまでの時間は、プリントボタンを押してから印刷完了するまで、実測で毎回1分53秒ほどである。コダックは90秒でプリントと宣伝しているが、実際にはもう少々時間がかかる。これは今回のDX7590が500万画素で、画像データ量が多いことが関係しているかもしれない。
プリンターの動作は、プリント用紙をトレーから吸い込み、背面に一時排出する。その後カメラから画像データをダウンロード(ここまでで約50秒ほどかかる)、その後イエロー、マゼンタ、シアンの順にインクリボンから転写し、最後に表面を特殊ラミネートする。動作時には紙を送り出す音や転写時のチリチリとした音がやや耳につくが、騒がしいと言うほどではない。
プリンター用紙は両端にミシン目が入っていて、印刷後両端を切り離すと縁なしプリントが仕上がるようになっている。大量に打ち出すと、この切り離し作業が意外と面倒ではある。
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プリンタードックとPX-G900の同一画像データのプリント結果の比較。左がPXG900、右の縁がついたままのプリントがプリンタードック
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印刷されたプリントの画質であるが、DX7590からのプリントは非常に良好である。元々500万画素のデータであるから、完全にオーバースペックであることもあり、シャープさは申し分ない。ややコントラストが高めでとても鮮明であるし、発色もたいへん良い。トーンも良く出ている。きれいに撮影されている画像ならば、多くの人はこのプリントを見て満足するのではないだろうか。ランニングコスト次第だが、Lサイズのプリントで良ければ、このプリンタードックシステムの満足度はとても高いことだろう。簡便にこれだけの品質のプリントがすぐに手にはいるなら、仕事でも便利に使えそうで、私も手元に欲しいと思った。
バッテリーを内蔵できて100V電源がなくてもある程度の枚数プリントできるようなシステムになると、さらに活躍できる場があるのではないかと思う。同時にもっとコンパクトにして欲しい。
プリントのクオリティを比較するため、コダックEasyShareソフトを通して、撮影した画像をそのまま実際に手元のエプソンPX-G900で印刷してみた。その結果は、PX-GG900のほうが暗部が締まり色が濃い目である。プリンタードックのプリントはやや明るめである。しかし全体的な傾向としては、予想以上によく似たプリントで、いずれもたいへんきれいなプリントである。
なお、このプリンタードックを使用してL判のプリントをすることが目的ならば、500万画素にする必要はなく、180万画素の標準画質でもきれいなプリントが得られる。
■ 付属品について
電池は3.7V1700mAhリチウムイオン電池で、ボディグリップ部に内蔵する。マニュアルには275~325ショットの撮影が可能とある。充電は専用充電器で、裏側のプラグコネクターを変えると各国のコンセントに対応できるようになっている。ただプラグは折り畳んで収納することはできず、意外とかさばる。いちいち取り外すのは面倒だし、なくしてしまう心配もある。長大な太いケーブルが付属するよりはよほどましだが、もう一工夫欲しいところだ。
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専用充電器(前面)
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専用充電器(裏面)
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■ 最後に
このコダックDX7590は、プリンタードックを併用して手軽に高品質のL判プリントを出力するという目的は十分に達成していると言える。本当に簡単な操作で、きれいなプリントをすぐに手にすることが可能だ。L判で十分というユーザー層には、ランニングコスト次第ではあるが、大いにお勧めできるものだろう。
しかし500万画素のデジカメとしてA4以上のサイズのプリントを得る場合、細部の質感の荒さやノイズの問題をもっと改善して欲しいと思う。コントラストや発色など画像の調整の方向性は多くの人に好かれるものであると思う。
また光学10倍ズームということを考えると、手ブレ防止機能の内蔵は次のモデルでは必須だと思う。
■ URL
コダック
http://wwwjp.kodak.com/JP/
製品情報
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/digital/digitalcamera/dx7590/
■ 関連記事
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2004/12/16 00:22
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