デジカメ Watch

【新製品レビュー】CAMEDIA C-70 ZOOM

〜軽量な高級700万画素コンパクト機
Reported by 根本 泰人

 オリンパスのCAMEDIA C-70は、710万画素/光学5倍ズームのモデルでは世界最小のボディを特徴とする。つまり持ち運びに便利なコンパクトタイプにおける超高画質の実現が最大のセールスポイントである。さらに撮影者の意図通りの撮影を可能とする各種機能を搭載したデジタルカメラであるという。

 画質面では、710万画素の性能を存分に引き出す新設計の光学5倍ズームレンズおよびオリンパス独自の画像処理エンジン「TruePic TURBO(トゥルーピックターボ)」の搭載がキーワードである。

 ただし外観はオーソドックスで、50代以上の方が、旅行などに使うことを主たる用途として想定して作られているそうである。

 今回その製品直前のカメラをテストしたので、その結果をご報告したい。なお試作機であったため、画質等については製品版では改良されて異なることもあるので、その点はあらかじめご承知おきいただきたい。


ボディ外観について

 現時点でこのクラス世界最小というボディは、たしかに少し前の300〜500万画素クラスのデジカメのサイズである。最大限サイズを小さくするため直方体を基本とした形状とし、さらに削れる部分はできるだけ削るという方針でデザインされているようだ。

 たしかにコンパクト化されているのだが、小型の銀塩フィルムコンパクトカメラ程度の大きさがある。また厚さが43.5mmもあり、電池を含めた重さは実測約256gなので、シャツの胸ポケットに気軽にいれて持ち歩くというわけにはいかない。

 このくらいのサイズと重さがあると、ボディの両側からしっかりした吊り紐で肩や首に下げたくなるが、ボディ右側にハンドストラップしか取り付けることができない。そしてハンドストラップでつり下げると、手に重く感じる。鞄の中にいれて持ち歩く分には十分小さくて良いが、カメラだけを携行する方法にもう一工夫欲しいところだ。なお、別売で革ケースなどが用意されてはいる。





 手にした時のホールディング感は良い。ボディ右手側前部のグリップが効果的で、しっかり手で握ることできる。自然と人差し指はシャッターボタンの位置に来る。各部を操作する際にも、撮影する際にも、カメラにはこのくらいの大きさと重さがあったほうが私は良いと思う。ただし、女性にはやや重く感じられるかもしれない。なお、ズームを望遠端に伸ばした時でも、大きくバランスが崩れるといったようなことはない。

 外装はプラスチックだが、暗めのチタンカラーときめの細かい梨地仕上げで落ち着いた印象で悪くない。全体から受ける印象は質実剛健な雰囲気だが、おしゃれな感覚は乏しい。画質にこだわるおじさん好みのカメラということになろうか。




各種機能と性能について

 最高級クラスのコンパクトデジカメであるから、機能は豊富で性能も良い。

 小型のボディにもかかわらず、光学5倍のズームレンズが内蔵されている。7.9〜39.5mm7群9枚構成で、非球面レンズを2枚使用している。35mm判換算で約38mm〜190mmである。さらにデジタル6倍のズームが可能だが、実際に使用してみると光学ズーム望遠端で約200mm相当であり、両手でしっかりもってもシャッター速度が1/100程度以下では、手ぶれする危険性が高い。このカメラには手ぶれ補正機能は内蔵されていないから、特に望遠時の撮影は慎重に行わないと、手ぶれでせっかくの高画素を生かすことができないことになりかねない。

 絞り開放値は広角端でF2.8、望遠端はF4.8である。最小絞りはF8.0までしか絞れない。絞り優先時には、1/3ステップで制御できる。なお、レンズバリアが内蔵されていて、キャップが不要なのはたいへん有り難い。

 撮影モードはプログラム(P)、絞り優先(A)、シャッター速度優先(S)、マニュアル(M)、シーン別、マイモード、動画(録音可)が可能である。些細なことではあるが、モードダイアルの並び順がPASMで、Pの隣がAになっているのは嬉しい。PSAMの順に並ぶカメラが多いのだが、個人的にはピントの合う範囲(被写界深度)を気にして絞り優先AEで撮影するケースが多く、気楽な撮影はプログラムで十分なので、PとAを頻繁に往復させることとなる。だからこのふたつのモードが隣り合わせだと操作がわずかでも速く、気分良く撮影できた。

 絞り優先では、開放F値からF8.0まで1/3EV単位で設定できる。したがって、広角端ではF4.0〜F8.0、望遠端ではF4.8〜F8.0となる。シャッター速度優先の場合、シャッター速度は1/2000秒から4秒まで、これも1/3EV単位で設定できる。どちらのモードでも液晶モニターのシャッター速度と絞り値の表示で、設定可能な側が緑色で表示され、露出がアンダーあるいはオーバーになる場合には赤色に変わるため、確認しやすい。設定は十字ボタンの上下側で行なう。

 シーン別はポートレート、記念撮影、スポーツ、風景、夜景の5つ。マイモードは、自分の好みの設定を4種類登録しておくことができる。


 連続撮影はHQモード撮影時で秒1.1コマで10枚までとあるが、SHQモードでためしたところ、4〜5コマ撮影するとメモリーカードに書き込みを開始し、連写はストップする。高速連写は約2.2コマ/秒だが、最高2枚までというのは連写といえるのか疑問だ。それよりもおもしろいのは、1分刻みで最長60分間隔、最大99枚までインターバル撮影が可能という機能があることだろう。花の開花や昆虫のさなぎからのふ化など、同じ被写体を長時間、一定の間隔で撮影する場合には必須の機能である。

 ISO感度は80、100、200、400の4段階で自動選択も可能。画質のコントロールは、画素数やクオリティとは別に、シャープネス、コントラスト、彩度をいずれも±5段階に設定できる。ホワイトバランスは、オートとプリセット7種、そして白い紙を撮影することで設定するワンタッチホワイトバランスが可能。さらにWB補正で微調整ができる。

 ノイズリダクション機能を設定すると、シャッター速度が1/2秒より遅い場合に機能する。処理時間がかかるため、通常の約2倍の撮影時間がかかる。なお、シーン設定で夜景を選択すると、ノイズリダクションが自動的にONとなる。

 ストロボのON、OFFが、ストロボ発光部のポップアップ動作によるのは非常に良い。ストロボのON、OFFをボタン操作で電子的に行なうカメラが大部分だが、今までもごく少数このような機械的なポップアップ動作で行なうカメラが存在した。例えば私が今も愛用し、このC-70の外観を撮影したニコンのCOOLPIX995がそうである。ボタン操作による電子的な操作でフラッシュのON、OFFを制御するカメラは、操作が煩雑で遅い。またきちんと確認しないと、ストロボを発光させたくない場合に発光したりして、あわてることがある。これに対して、このカメラのように機械的に発光部を出したり引っ込めたりすることで制御するカメラは、操作が速く、かつ間違いがない。

 写真撮影の経験が豊富になっていくと、室内でもストロボを発光させるよりは、室内光だけで撮影したほうが雰囲気が出て良い場合が多いことがわかってくる。そうは言っても暗すぎればフラッシュが必要となる。デジカメのよいところは、様々な設定で撮影してすぐに結果を確認できることだから、ストロボのONとOFF両方で撮影して結果の良い方を使えばよい。その時このC-70の方式は、両方の撮影が非常に速くできるのだ。

 なお、ストロボ発光時の赤目軽減やスローシンクロなどの設定は、上部右端のストロボ機能設定ボタンで行なう。ストロボは広角端で15cm〜3.8mだが、望遠端では60cm〜2.2mと、広角端より範囲が狭く遠くに届かなくなるので注意が必要である。ストロボ単体の露出補正も、モードメニューの中で可能。


 静止画の再生は、液晶モニターに画像と撮影日時や画質、フォルダー名の情報が表示され、しばらくすると画像だけになる。この後メニューで撮影情報の表示や、ヒストグラムの表示を行うことができる。一度設定すると、画像を変更してもその表示状態が維持される。画像の拡大は2〜5倍まで可能。また画面に同時に4、9、16のサムネイルを表示して一覧することもできる。カレンダー再生では、カレンダーの日付の上にその日に撮影した最初のコマの画像が表示される。撮影した日付がわかっている場合には、画像を素早く検索できるだろう。

 また、画像再生では画像サイズの変更およびトリミングができ、そしてストロボ撮影時の赤目補正も可能だ。さらにRAWデータで撮影した画像に対して、ホワイトバランスやシャープネス、コントラスト、彩度などの画像処理を行なってJPEGデータに変換することができる。ただしパラメーター変更の結果は処理を行なった画像を見ないと確認できない。RAWデータで撮影していて、急にJPEGデータが欲しいという場合の緊急用としての位置づけと考えれば、有用な機能ではある。


ピント合わせについて

 C-70はAF方式として、iESPというカメラが自動的にピント位置を判断するモードと、画面中心部のAFターゲットに合わせるスポットモードを選択できる。さらに143のポイントからピントを合わせたい箇所を自由に選択できる、AFターゲット選択も設定可能である。このポイントの選択範囲はフレーミングエリアの縦約75%、横約87.5%という広さで、ほぼ画面全体で好きな場所に設定できるのは素晴らしい。これらのモードの切り替えは、独立したAE/AFボタンで行なうことができる。

 シャッターボタン半押しでフォーカスロックも可能であるから、AF機能を使いこなすことで、ピント合わせはほとんどの状況でカメラにまかせられよう。

 また、AF動作を電源ON以後常時行なうフルタイムAFと、シャッターボタン半押しでAFが動作するモードを選択できる。フルタイムAFは、シャッターチャンスをつかまえやすいが、バッテリーの消耗は速くなる。この選択は、モードメニューの中で行なう。

 MFモードも可能で、OKボタンを1秒以上押すと、液晶モニター左端にMFインジケーターが表示され、ここでAFとMFを切り替えできる。MFでは、MFインジケーターと画面中心部を拡大したイメージを見ながら、十字ボタンの上下ボタンでピント位置を設定する。

 ところがここに問題があって、中央部に拡大されたイメージが荒すぎて、ピント位置がほとんどわからないのである。斜め線にはすべてジャーギーが出てしまい、シャープになったかどうか判別できない。例えば約70cmほどのところにある被写体にピントを合わせようとしても、広角端では50cmから2.5mくらいまでまったく同じように見える。望遠端ではもっと狭い範囲にはなるが。自分の感覚を信じるか、あるいは実測して距離を設定したほうが確実かもしれない。

 マクロ撮影を設定すると、広角側で8〜60cm、望遠側で60〜120cmの範囲で比較的早くピントが合うという。つまりマクロ撮影をOFFにしていても、この範囲のピントは時間がかかるが、一応合うのである。一般的なデジカメではマクロ撮影を設定しないと、近接撮影ができないものが大部分だが、このカメラはそうではない。なお、広角端で8cmまで近接した時の撮影範囲は、約90×66mmである。

 スーパーマクロモードでは被写体に2cmまで近接でき、約34×25mmの範囲を撮影できる。浅い被写界深度を活かしたクローズアップ撮影が楽しめると説明にはあるが、ピントが合う範囲が狭いということだから、慎重なピント合わせが必要である。なお、ズーム位置は望遠側に固定され、フラッシュは使用できない。


※作例のリンク先は、特に記載がない限り、撮影した画像データそのものです。縦位置のものは、サムネイルのみ回転していますが、拡大画像はあえて回転せずに掲載しています。クリックすると撮影したの画像が別ウィンドウで表示されます。

※キャプション内の撮影データは特記ない限り、画像解像度(ピクセル)/ISO感度/露出時間/絞り/レンズ焦点距離/画質/露出補正値です。


【マクロモード】
色づき始めたピラカンサの実。やや露出オーバー気味だが、ピントはよく合っている
3,072t×2,304 / ISO80 / 1/250 / F3.5 / 7.9mm / SHQ / 0
【スーパーマクロモード】
スーパーマクロモードでは、ピント面が非常に浅くなるので、撮影は注意深く行ないたい。AFでもピントはだいたい合っている。画像にはもう少しシャープ感が欲しい
3,072×2,304 / ISO80 / 1/250 / F3.5 / 7.9mm / SHQ / 0

【マクロモード】
日陰に咲く秋の美しい花。これもやや露出オーバー。こうした条件では自動露出まかせではなく、露出補正を行いたい。ピントは良く合っている
3,072×2,304 / ISO80 / 1/25 / F3.5 / 17.1mm / SHQ / 0
【マクロモード】
白い花が美しいが、やや露出オーバー気味になる傾向が幸いした。ピントも良い
3,072×2,304 / ISO80 / 1/400 / F8 / 17.1mm / SHQ / 0

光学ファインダーと液晶モニターについて

罫線を表示させたところ
 C-70には光学ファインダーと液晶モニターが備わる。光学ファインダーはズームにあわせて画角が変化するが、どの位置でもクリアに対象を観察できる。ただし光学ファインダーをそなえたコンパクトデジカメ共通の問題と言ってよいのだが、光学ファインダーには撮影に必要なデータがほとんど表示されず、脇に配置されたAFとフラッシュのインジケーターの光が間接的に見えるだけである。

 そして大きな問題として、このC-70も光学ファインダーに見えている部分と実際に写る画像に大きな違いがあり、実際に撮影される画像のほうがはるかに広い範囲が写り込んでいる。近距離ではパララックスのために中心がずれるが、光学ファインダーにはパララックスの補正機能はもちろんフレーム補正マークもない。さらにマクロモードになると、光学ファインダーと実際の撮影範囲がずれすぎて、役に立たなくなる。したがって光学ファインダーの使用はきわめて限定的とならざるを得ず、個人的にはコンパクトさを売り物にするデジカメには不要ではないかと思っている。

 たしかに液晶モニターは晴天下、特に太陽光がモニター部にあたるような環境では非常に見えにくくなるし、バッテリーの消耗の問題などから液晶モニターは万能ではない。また望遠時にはカメラを顔に押しつけて固定できる光学ファインダーを使用した方が、手ブレも少なくなるという説明はその通りではある。しかしこのC-70の液晶モニターは、マジックミラー効果を応用した「サンシャイン液晶モニター」により、晴天下では太陽光の光を背面で反射して液晶モニターを明るく見せる機能がついている。これによって晴天下でもくっきりとはいかないまでも、それなりに必要な情報や構図を確認できる程度にはきちんと見える。したがって、ますます光学ファインダーを必要としないだろう。

 このカメラの液晶モニターは2.0型約21万画素で、発色は鮮やかでコントラストも高く、画像はシャープに見え、気持ちがよい。なお太陽など強い光源を画面に入れると、縦方向にスミア(光の筋)があらわれるが、モニター上で見えるだけで撮影画像にはこれは写っていないので、心配はいらない。

 なお、撮影時の構図の決定には、罫線表示が便利である。モニター上に井桁状の点線が常時表示される。


記録画素数と圧縮率、データサイズについて

 CCDが710万画素となったため、記録画素数は9種類も選択できる。3,072×2,304、3,072×2,048(2:3)、2,592×1,944、2,288×1,712、2,048×1,536、1,600×1,200、1,280×960、1,024×768、640×480である。さらにこれに圧縮率の違いが加わり、最高画素の3,072×2,304の時のみ、RAW、TIFF、JPEG高画質(SHQ)、JPEG標準(HQ)が選択できる。それ以外の画素ではJPEGの高画質と標準の2つのみ設定可能であるが、全部で20種類もの選択肢があるわけだ。ここまで細かく設定できる必要があるのか、いささか疑問に感じる。

 データサイズはこれらの組み合わせと、画像の内容によって圧縮率が変動するわけだが、マニュアルにはサイズの目安の記載がないのは不親切である。一部実測した結果は、RAWは10,469KB固定、TIFはそのほぼ倍の20,751KB固定、SHQは4〜5MB弱、HQは約1.5MB前後とSHQの1/3程度、2,592×1,944の高画質が3MB前後、標準が1MB前後、2,288×1,712の高画質は2.7MB前後、2,048×1,536の高画質は1.8MB前後、標準は約700KB、1,600×1,200の高画質は約1.2MB、1,280×960の高画質は約700KB、標準は約200KB、1,024×768の高画質は約600KB、640×480の高画質は約150KB、標準は約60KBである。この結果は、他社の同クラスのカメラに比べてサイズが2〜3割大きいようだ。

 特に最高画素では、いずれもかなり大きなサイズになるのだが、現状では最大で512MBまでしか容量がないxDピクチャーカードではつらいところである。もしRAWやTIFFで大量に撮影する場合には、複数枚のxDピクチャーカードを用意しなければならないこととなる。実際今回は256MBのxDピクチャーカードを使用したが、SHQで50枚前後しか撮影できず、もしTIFFで撮影すると12枚しか撮影できないこととなる。

 もうひとつ、RAWで撮影するとその記録には実測値で約10秒必要である。データの記録中には次の撮影はできない。さらにファイルサイズが大きいTIFFデータでは、15秒を越える時間がかかってしまう。こうしたモードでの撮影を主にすることは、このカメラでは難しいと感じざるをえない。


操作性について

 電源ONにして撮影可能になるまで、実測で約1.5秒である。速いとは言えないが、いらいらするほどでもない。電源ON時には、ズーム位置は常に広角端になる。広角端から望遠端までは、約1.5秒ほどと速い。

 700万画素クラス世界最小といっても、銀塩のコンパクトカメラ並みの大きさはあるため、各部のボタンの配置には比較的余裕がある。各ボタンには適度の反発力があり、押し具合は良い。背面右にある円形のモードダイアルも適度なクリックがあり、親指で軽く回る。

 さて、このC-70は一般的なデジカメとボタンに割り当てられている機能やその配置がやや異なるため、マニュアルを良く読んでおかないと必要な機能を設定できないことがあるかもしれない。私は最初マニュアルをろくに読まず、気楽に撮影に出かけたのだが、いくつかの機能をどうしても設定できず、家に戻ってマニュアルを読んで操作を理解する必要があった。

 例えばピント調整をMFモードにするにはOKボタンを1秒以上長く押し続ける必要があるが、このカメラを渡されただけだとまずわからないだろう。それはその機能に関する表示がOKボタン上やその周囲にはまったくないためである。他のボタンにもAFとMFの切り替えに関する表示はないから、OKボタンを短く押すとメニューが開くので、その中のモードメニューの中にMF設定があると考えるのが常識的ではないだろうか。ところがそこにはMFの設定はないから、困ってしまうこととなる。

 また、OKボタンを押して表示されるメニュー画面には、モードメニューと同時にショートカットメニューが2〜3個表示されるが、そのショートカットメニューでしか設定できない機能(例えばモニターOFF)と、ショートカットメニューでもモードメニューからでも設定できる機能があり、これもメニュー全体の構造を理解していないと混乱するかもしれない。モードメニューからも変更可能なショートカットメニューの内容は、初期設定はISO感度とヒストグラム機能だが、これはユーザーが設定を変更可能である。

 モードメニューの中のメニューは、十字ボタンの上下のボタンで選択や設定を行ない、左右のボタンで処理する内容の確定や戻る(キャンセル)を行なうように統一されていて、画面の表示と矢印をみながら操作すれば、とまどうことはない。

 ただし、このC-70は画像メニューの中の画質モードの設定が特異である。ここは画素数や画像クオリティ(圧縮度)を設定するメニューであるが、画素数と画像クオリティを個別に設定するカメラが多い中で、このC-70はひとつのメニューの中ですべて選択するようになっている。それだけならそれほど混乱はないのだが、画質モードを最初に開くと、上からRAW、TIFF、SHQとHQが表示される。SHQは最高画素の低圧縮、HQは最高画素の高圧縮である。ところがSHQとHQはさらに右にメニューが展開し、画素全体を使う場合(3,072×2,304)と、35mm判銀塩フィルムと同じ画面比率3:2の画素数(3,072×2,048)を選択できる。


画質メニューへの入り口画面 画質メニューの1面目 ここでは710万画素の画質を選択

画質メニューの2面目からさらにSQ1を選択したところ。SQ1では、画素数と画質を個々に選択する
 ところが、最初の画面を下にめくると、続いてSQ1とSQ2というメニューが現れ、SQ1をさらに開くと2,592×1,944から1,600×1,200まで4つの画素数が選択できる。そしてそれぞれがさらに高画質と標準という異なる圧縮率を選択できるようになっている。SQ2では、同様に1,280×960から640×480の画素数を選択し、その後圧縮率を設定できる。


 以上の説明を読むとメニューで実際に操作するよりさらにわかりにくいと思うが、要するに画質設定の手順が最高画素数の時とそれ以下で、逆になってしまっているのである。最初操作した時は不思議なメニュー構造だと思った。すべての画素数を配置し、それぞれかあるいはまったく別個に画質クオリティ選択を設定すれば、とても明快である。多くのデジカメはそうなっている。このカメラでは、RAWとTIFFは圧縮率側に配置するか、画素数側に配置するか迷い、最初の画面をすべて最高画質で揃えて選択できるようにしようとして、このような配置になったのではないかと推測しているが、すっきりしない。

 ダイレクトモードと呼ばれている個別設定のボタンについても、例えばフラッシュのポップアップボタンが左端にあるので、フラッシュ機能の設定ボタンはポップアップボタンの側に持って行くか、右側に3個並ぶボタンの左端にするような関連性を持たせる配慮が欲しい。現在は一番右側にあるが、配置に違和感がある。

 またAEロックボタン(AEL)は、AEロックの代わりに別の機能を持たせることができるのだが、このカメラは評価測光まかせでは補正効果が十分ではない場合があり、特に逆光の時など頻繁にAELボタンを使うこととなり、このAELボタンに他の機能を割り当てることができなかった。個人的にはセルフタイマー&リモコンの機能ボタンの位置をAELとし、機能を自由に割り当てられるボタンは別に設定したほうが良いと思った。

 以上、各部の操作にはやや検討の余地があると思うが、どのカメラでも多かれ少なかれ操作上の癖はあるので、マニュアルをしっかり読んで操作を覚え早く馴れるようにしたい。


測光および露出補正について

 '84年、日本カメラグランプリの記念すべき第1回目の最終選考に残ったカメラは、ニコンFAとオリンパスOM-4であった。ニコンFAは世界初のマルチパターン測光(評価測光)を搭載し、どのようなシーンでも自動的に適正露出となることが最大のセールスポイントで、対するオリンパスOM-4はファインダーの中でスポット測光点を多数設定でき、撮影者の意志で高度な露出決定ができることがセールスポイントだった。最終投票の結果は、たった一票差でニコンFAが初代カメラグランプリを獲得することとなった。

 その後カメラの測光システムは、マルチパターン測光が主流となっていったことからわかるように、このグランプリの結果は将来の方向性を正しく予見していた。オリンパス自身、その後ESP測光と名付けたマルチパターン測光方式を開発し、このC-70にも搭載されている。

 しかしこのカメラには、当時のOM-4をルーツとするオリンパス独自の多数点スポット測光方式も搭載されているのである。この唯一オリンパスのカメラにのみ搭載される測光システムは、高級単独露出計に搭載される機能と同等で、高度な測光が必要な場合には有効であるという。だがデジカメの場合、撮影した結果とヒストグラムをみて、それを直ちにフィードバックして撮影し直したほうが、良い結果を簡単に速く得られるように思うのだが、まあ、これはオリンパスのスポット測光へのこだわりということで理解はできる。

 問題はむしろESP測光で、完全逆光時の補正が弱い。これは高輝度な光源が入った場合の、露出制御アルゴリズムの問題だろう。ニコンのマルチパターン測光では、ニコンFAの時代から約17EV以上の輝度があるパターンのデータを無視し、それ以外のパターンで測光値を決めている。これが例えば太陽が画面に入っても、画面が暗くなりすぎずに写る秘訣なのだそうだ。ニコン以外の他社では、この高輝度部カット処理が不完全で、逆光時の補正が弱いカメラが多い。私は良く知らないが、これはニコンの特許に関係することなのかもしれない。

 作例を見てわかるように、太陽光が入る画面に入る場合には、スポット測光で太陽の影響を避けるか、画面に太陽が入らないようにして測光しAELで露出を固定してから構図を決めて撮影するといった処置が必要である。


ESP測光で太陽を画面の中に入れて撮影すると、太陽光の影響で露出が大幅にアンダーになってしまう。レンズのゴーストも発生する
3,072×2,304 / ISO80 / 1/2000 / F5.6 / 7.9mm / HQ / 0
縦位置の例
3,072×2,304 / ISO80 / 1/1250 / F4.5 / 7.9mm / SHQ / 0

 なお、測光方式の切り替えは、AE/AFダイレクトボタンで操作するので、切り替えは簡単である。また露出補正は1/3EV単位で+−2.0EVまで補正でき、操作は十字ボタンの左右を押すことでマニュアル撮影を除くどのモードでも迅速にできる。

 さらに自動的に露出を変えながら最大5枚の撮影ができる、オートブラケット機能も搭載している。これは連写モードのひとつのメニューになっている。

 露出の確認手段のひとつとして、撮影時あるいは撮影後の画像の輝度成分の分布をヒストグラムとしてモニター上に表示することができるが、通常のグラフ表示に加え、ダイレクトモードを選択すると画面内の露出オーバー部分を“赤色”で、露出アンダー部分を“青色”で、液晶モニターの画像上に直接表示することができるのはユニークである。

 白とびや黒つぶれをリアルタイムで把握でき、コントラストが強い被写体を狙う場合の露出決定に役立つとメーカーの解説にはあるのだが、実際に画像を見てみると画像の状態がまったく判別できなくなってしまうことが多いように思った。撮影時の場合は、シャッターボタンを半押しすると通常の画像表示にもどるので、交互に見比べて判断するようにすると良いだろう。


ヒストグラム表示の選択画面 グラフ形式のヒストグラム表示。グラフ左右の赤と青の領域はつぶれてしまう部分

ダイレクト形式のヒストグラム表示。赤い部分はハイライトが飛んでしまうエリア、青いところは黒つぶれしてしまうエリア

撮影結果およびレンズ性能について

 いろいろな条件下でテスト撮影した結果をパソコンのモニターで観察すると、さすがに700万画素ということもあり、きめ細かな画像である。ホワイトバランスはオートでもあまり破綻はなく、色再現性もナチュラルである。標準の設定ではコントラストとシャープネスはやや弱い感じだが、これはカメラの設定で撮影時に好みに設定すればよい。後処理をする場合には、もっと弱い感じでもよいくらいだ。

 カメラ任せでもピントも良く合う。露出も通常はカメラまかせで良いが、先に露出のところで指摘したようにESP測光では逆光時の補正が不足するので、あらかじめ露出補正を行なうか、スポット測光で露出をきめたほうが良い。デジカメなのだから、撮影結果を見て調子が良くなければ露出を変えて撮り直せばよい。

 夜景の撮影もノイズリダクションをON にしただけでも意外にきれいに撮れるが、それよりもシーン別設定の夜景モードを設定した方が、カメラが露出時間を長めに設定するため、よりきれいな画像が撮影できる。


【通常モード】通常のプログラムオートのままで夜景を撮影。ノイズリダクションOFFだが、ノイズの影響はあまり感じられず比較的きれいな画像を得られるのは、このカメラの美点。ただし照明光の影響を受けて、実際よりもかなり暗く写っている
3,072×2,304 / ISO80 / 1/5 / F2.8 / 7.9mm / SHQ / 0
【夜景モード】左の画像と同じシーンを、夜景モードに設定して撮影。露出時間が倍以上長くなり、露出が十分与えられたため、実際の夜景に近い雰囲気で撮れている。またノイズリダクションも働くため、とてもきれいである。夜景モードは積極的に使いたい
3,072×2,304 / ISO80 / 1/2 / F2.8 / 7.9mm / SHQ / 0

 撮影にあたっては、これも繰り返しになるが、手ブレを起こさないようにしっかりカメラを保持するように心がけることである。このカメラは基本的な性能は良いので、もし撮影結果が芳しくなかったら、手ぶれなどカメラ以外の要因を疑ったほうが良い。

 レンズの描写性能だが、全ズーム域で絞り開放から良好な描写である。

 もっとも使用頻度が高いと考えられる広角端では、絞り開放から画面周辺部までシャープで安定した画質を示す。ただしややたる型の歪曲収差が認められ、周辺部に直線状の被写体がくると目だつことがある。

 望遠端ではやや問題が認められた。ひとつは開放F4.8での四隅の周辺減光である。空などの均質な明るさの被写体を撮影すると、四隅が若干暗くなる。これを完全に解消するにはF8.0(最小絞り)程度まで絞る必要がある。この口径食(ビネッティング)による周辺減光の問題は、画像処理ソフトで後処理することでほぼ解消することもできるが、そうした手法を持たないユーザーにとっては気になることもあるだろう。

 また望遠端絞り開放では、四隅の端で像がわずかに流れるように見えることがある。だが画面全体としては平均的に高い解像力があり、シャープな描写である。若干の糸巻き型の歪曲があるが、これもあまり目立たない。さらに良い点は各焦点距離で色にじみがほとんど認められないことで、色収差の補正は素晴らしい。

 望遠端の描写性能がより良くなれば、文句なく優れた性能のレンズと言えると思う。


【広角端】広角端の画像。画面全体にシャープ
3,072×2,304 / ISO80 / 1/500 / F4 / 7.9mm / SHQ / 0
【望遠端】望遠端絞り開放の画像。非常にシャープ。中央部の時計を拡大すると、左側の縁に沿って青白い色のにじみがでるカメラがとても多い。このカメラではほとんど色にじみが認められず、非常に優秀。ただし四隅の周辺光量の落ちがやや目立つ
3,072×2,304 / ISO80 / 1/640 / F4.8 / 39.5mm / SHQ / 0

【広角端】広角端の画像。露出がわずかにオーバーなこともあり、コントラストがやや不足。もう少し画像に締まりが欲しい
3,072×2,304 / ISO80 / 1/500 / F4.5 / 7.9mm / SHQ / 0
【望遠端】望遠端絞り開放の画像。シャープだが、コントラストがすこし不足。やはり四隅の周辺光量の落ちがやや目立つ。歪曲は糸巻き型
3,072×2,304 / ISO80 / 1/640 / F4.8 / 39.5mm / SHQ / 0

プリント時の画質について

 撮影結果をプリントするには用途によっていろいろな方法があるが、もっとも簡便な方法として今回は手持ちのエプソンPX-G900プリンターと、簡便に印刷するソフトとしてプリンター付属のエプソン・フォトクイッカー3.5を使用し、カメラで撮影した結果に手を加えることなく印刷することとした。撮影時の設定は各種パラメーターは初期設定のままとし、印刷用紙はエプソンの純正写真用紙と、コニカミノルタのフォトライクQPペーパーを使用した。フォトクイッカーの印刷モードは高精細である。

 フォトクイッカーはデフォルトではPRINT Image Matching IIになっているが、このC-70で撮影した画像はExif Printも設定できる。この2つのプリント結果を比較すると、前者は明るめでコントラストがやや低く、後者は暗めでコントラストがやや高いという結果になった。今までモニターしてきたデジカメでは、この両者ではプリントの差がほとんど認められなかったのであるが、C-70の撮影画像が持つパラメーターはこの2者の設定の間に違いがあるようだ。私の好みであるが、Exif Printのほうがきれいなので、今回はこちらを標準結果として評価した。

 まずL判〜2L判で印刷してみたが、700万画素ではオーバークオリティということもあり、非常にシャープな画質のプリントがコンスタントに得られる。2L判なら約200万画素の1280×960まで画素数を落として撮影しても、プリントは良好である。

 次にA4サイズで印刷してみたが、SHQやHQではこれも非常にシャープなプリントが得られた。ただ、同じ画素数クラスのデジタル一眼レフからのプリントに比べると、ハイライトはやや飛び気味だし、暗部がつぶれがちで階調の再現域がやや狭く感じる。画像処理ソフトで、明度の分布などを見ると帯域が少し狭い画像が多かった。このためデジタルカメラで撮りました、という感じが抜けない印象なのである。ただし、これは撮影時の設定を変更したり、画像を後処理することで改善できる可能性がある。

 なお今回はA3ノビサイズのプリントはテストできなかったが、A4サイズでこのクオリティであるから、適切な鑑賞距離で観察すれば十分シャープなプリントになると予測できる。

 今回は約700万画素ということで、画質に対する期待も大きい分、評価が厳しくなったかもしれない。また最初にも述べたように、本機は試作機であるため、製品版では改良されている可能性もある。


圧縮率とプリントの品質

 圧縮率の変化がプリントのクオリティにどのように影響するかを調べるため、今度はTIFFとSHQモードとHQモード(いずれも710万画素)で撮影し、プリントした画質を比較してみることにした。RAWもテストしてみたかったが、画像変換用のソフトが付属してこなかったので処理できなかった。またマニュアルにはオリンパスのホームページでフォトショップ用のプラグインが提供されているとあるが、まだC-70には対応していないようで、画像の読み込み変換がうまくできなかったので結果的にあきらめた。

 風景や花の接写などでこの3種類のモードで撮影した結果を、さきほどと同様Exif PintでA4縁なしフルサイズにプリントしてみたが、結果としてはこの3種類のモードの印刷の差は非常に少なかった。

 さらにPhotoshop CS上で3〜400%に拡大して、細部の画質を比較検討してみた。その結果は、TIFF、SHQ、HQと圧縮率が高まっても、細部の画質は同等で区別がつかなかった。これでは印刷ではほとんど差が現れないという結果になったのも当然である。

 つまり最高画素で撮影した場合、A4判程度のプリントをプリンター出力するなら、HQで実用上十分であるといえると思う。むしろこの3つのモードのデータサイズの大きな違いを考えると、HQが実用的と言えるのではないか。


画素数とプリントの品質

 先に書いたとおり、このC-70は記録画素数を9段階に設定できる。ここでは3,072×2,304(約700万画素)以外の2,592×1,944(約500万画素)、2,048×1,536(約300万画素)、1,600×1,200(約200万画素)でA4サイズに出力すると、どの程度の品質のプリントが得られるか検証することにした。先ほどと同様にカメラの設定は標準設定のままで撮影し、圧縮率は高画質、Exif PintでA4縁なしフルサイズにプリントしてみた。

 その結果500万画素は700万画素とほとんど差がないきわめて良好な結果であった。これは当初から予想されたとおりである。約300万画素でも十分に鮮明なプリントが得られる。300万画素級のコンパクトデジカメで、この画質に達しないカメラも現にあるから、これはとても良いと言える。しかし約200万画素では、斜め線にジャギーがあらわれてギザギザになるなど、明らかにプリント画質が劣化する。

※すべて広角端7.9mm、AWB、ほかの設定は補正なし、ISO80、F4、1/640


TIFF画像(3,072×2,304)。ダウンロードはこちら SHQ(3,072×2,304 高画質)

HQ(3,072×2,304 標準) 2,592×1,944 高画質

2,288×1,712 高画質 2,048×1,536 高画質

1,600×1,200 高画質 1,280×960 高画質

1,024×768 高画質 640×480 高画質

ISO感度とノイズ

 受光素子単位の面積が小さい高画素モデルでは感度を高くできず、無理をするとノイズが多くなるという問題が生じる。このC-70では、ISO80、100、200、400の4段階の設定が可能である。

 今回はノイズが出やすい比較的厳しい条件下で、テストを行なった。作例画像をみると最低感度のISO80でも、写真パネルの茶色のマットの部分にノイズがほんのわずか認められる。1S0100はISO80とほとんど差がない。ISO200と感度が高くなるとノイズがやや現れてきて、ISO400ではかなりざらざらした感じになってしまう。しかし私が今までテストしたコンパクトデジカメの中では、もっともノイズが少ない結果である。

 最高感度で日中の風景を撮影すると、画面全体にノイズが乗ってプリントが汚くなるカメラも少なくないが、このC-70は暗部にわずかにノイズが乗る程度できれいなプリントが得られているのは立派だ。

 ただし、やはり画質にこだわるならISO80〜100に固定して撮影したい。

※すべて広角端7.9mm、AWB、ほかの設定は補正なし、F2.8固定


ISO80 / 1/4秒 ISO100 / 1/5秒

ISO200 / 1/10秒 ISO400 / 1/20秒

ISO400 / 1/1000 / F8 / AWB / 他の設定補正なし
 光量が不足気味の画像であるため、ISO80にもわずかにノイズが出ている。高感度になるにしたがいノイズがはっきりしてくるが、他のカメラに比べて比較的少ない。

 右の画像は、ISO400で日中に撮影。影の部分に少しノイズが認められるが、全体的にはきれいである。ノイズがひどいカメラではこの条件でも画面全体がノイズでざらざらしてしまうが、このカメラはたいへん優秀。


パノラマ撮影について

 以前キヤノンPowerShot G6をモニターした時、パノラマ撮影の楽しさを書いたことがある。このC-70にもパノラマ撮影機能が装備されているが、不思議なことにオリンパス製のxDピクチャーカードを使用しないと、メニューでパノラマを選択できないとマニュアルに注意書きがある。試しに富士写真フイルム製xDピクチャーカードを使用してみたが、たしかにパノラマ撮影の選択ができない。特殊なデータ等を付加するためなのか、自社製カードのみを使用可とする理由はわからないが、同梱されていたオリンパス製ピクチャーカードで撮影してみた。


広角端6枚の画像を合成。右端の一枚がややおかしいのは、撮影の際にカメラをやや傾けたためらしい

 シーンモードでパノラマ撮影を設定すると、液晶モニターにパノラマ撮影用の特殊なフレーム枠が表示される。撮影の際にはその水平線と重なり枠を参考にして、左から右に順に撮影を行う。ただし、G6のスティッチアシストモードでは前回撮影した端の画像が次回の撮影の際に表示されるため、重なりの部分を確認しながら確実に撮影できたが、このC-70はそうしたすぐれた芸はなく、自分で重ねるべき画像部分を覚えておかなければならない。

 撮影後はパソコンに画像を移し、オリンパス製ソフト「Olympus Master」で処理することになる。ただし画像データは単に一連の番号がついたJPEGファイルが形成されただけのように見え、通常の画像データと特に変わった点は認められないのだが。したがってオリンパス製の画像処理ソフトを使用しなくても、パノラマ画像は他の専用ソフトを使えばきれいに生成できる。今回オリンパス製ソフトがなかったため、手元のアークソフト製パノラマメーカー3を使用して合成処理したが、実にきれいなパノラマ画像が得られた。パノラマ撮影モードを使用して付属のソフトで処理するのでなければ、パノラマ撮影のためだけにオリンパス製xDピクチャーカードを購入する必要はないだろう。

 なおパノラマ合成する際、合成画像の画素数が大きすぎると合成処理時間が長くなったり、パソコンのメモリー不足が生じる場合もあるので、オリンパスのマニュアルにはSQモードで500万画素以下にするようにという記述があるのは親切である。


動画について

動画のダウンロードはこちら
 このカメラは動画の画像サイズとして320×240と640×480が選択でき、いずれも秒30コマか15コマで記録できる。ただし640×480で秒30コマの場合のみ最大20秒までで、残りのモードではメモリーカードの空き容量いっぱいまで録画可能。15コマでは、撮影対象によってはコマ落ちしたように見えるが、30コマではなめらかな動画となる。音声を同時に記録すると、データサイズがわずかに増加する。

 動画の再生は通常、2倍速、20倍速が可能で、逆再生、コマ送りもできる。撮影後にインデックスを作成したり、簡単な編集も可能である。

※動画を再生するにはQuick Time Playerが必要です。


xDピクチャーカードについて

本体とバッテリー、xDピクチャーカード
 メモリーカードはどんどん小型化する一方で様々な規格が乱立し、デジタルツールを多種使うユーザーは機器に互換性がない場合余計な出費を強いられることとなる。このC-70はxDピクチャーカードを使用するが、現在このメディアを使用するデジカメはオリンパスとフジのみである。他社はコンパクト機にはSDカードを採用しているところが多い。

 xDピクチャーカードはSDよりコンパクトであるが、電気接点の露出面(コンタクトエリア)がとても大きく、取り扱いに注意が必要である。これは以前オリンパスとフジが採用していた、スマートメディアも同様であった。注意書きには、コンタクトエリアに指紋等がつくと読み取りができなく場合があるから、そこには触るなとある。しかしXDピクチャーカードのこの構造では、コンタクトエリアに触らないようにするためには非常に神経を使う。CFカードはそもそも接点が表面に現れていないので触れることはないし、SDメモリーカードはコンタクトエリアが小さい上にひっこんでおり、さらにガードが設けられているため接点部分を誤って持ってもトラブルになりにくい。これに対してxDピクチャーカードのコンタクトエリアには、大きな問題がある。

 ところでスマートメディアは現在市販品が急速に減り、価格も他のメディアよりも相対的に高いと思うのだが、xDピクチャーカードも将来そのようなことにならないのであろうか? 今も他のメディアに比べて、割高ではないだろうか。きわめて私的な意見だが、xDピクチャーカードを使うというだけで、この二社のデジカメには手を出しにくい気分になってしまうのである。


付属品について

 バッテリーの容量は3.7V 1,090mAhで、コンパクトな直方体である。本体底部から挿入し、電池室とXDメモリーカード室は一体である。電池室の蓋は外側にスライドさせると、スライドさせた方向とは直交する方向にバネで開く。

 バッテリーの持ちであるが、説明書にもホームページの仕様表にも記載がない。他メーカーのカメラでは、CIPA規準での撮影枚数が示されていることが多い。ひとつの目安となるので、この情報は提示して欲しいと思う。

【11月12日追記】製品情報の「Q&A」で質問に「バッテリ」などと入力すると、C-70 Zoomの情報を含む「電池寿命(撮影可能枚数)一覧表」にアクセスできる。それによると、C-70 ZoomはCIPA規格準拠で約160枚となっている。

 バッテリー充電器はやや肉厚だがコンパクトではある。問題は取り外し可能な付属の電源コードであろう。大電流を必要とする大型電子機器用の非常に太いケーブルが付属してくるのである。旅行の際に一式を携行すると、なんとカメラ本体や充電器よりもこの電源コードが一番かさばってしまうのには困る。なんとかこの電源コードを細くてしなやかな物に変更して欲しい。さらに言えば、他メーカーの充電器に見られるように電源コードをなくして、充電器にプラグが一体化して格納できるほうが便利ではないだろうか。


バッテリー室をあけたところ バッテリー充電器と付属の電源コード

その他

 このカメラは、操作音の設定ができる。ダイレクトボタンなどを操作した時の音以外に、シャッター音の設定もある。ただし最近では、いろいろな音が選択できるカメラが増えているが、このC-70は音量のみである。個人的な好みの問題だが、このC-70のシャッター音の音質は気に入らなかった。


最後に

 700万画素級のデジカメも、ここまで小さくなると常時携帯することができる。しかしメモ用と言っては失礼な高画質が得られる高性能モデルであるわけだ。旅行特に携行する荷物を極力小さくしたい海外旅行のお供には最適なカメラと言えるが、しかし付属のバッテリー充電器のコードがかさばるとか、付属のストラップだけではカメラを常時携行しにくいことなど、もう少し配慮が欲しい。

 画質は良好だし、個人的にはストロボのON、OFFが機械的に操作できる点など非常に気に入った部分がある。しかし大容量のものが割高なxDピクチャーカードを使うという点で、私としては購入意欲をそがれる。これが気にならない人には、おすすめできよう。


作例

広角端の画像。画面中央部にAFが合焦したが、手前から比較的奥までピントがあっている。草の葉が細かいところまで良く解像していている
3,072×2,304 / ISO80 / 1/500 / F4 / 7.9mm / SHQ / 0
高速で移動してきたモーターボードを狙ったが、ピントはきちんと合った。露出がややオーバー気味でフラットな感じで、さらに四隅の周辺減光が目立つ。望遠端では開放で撮影するケースが非常に多いため、この周辺減光は意外と気になるかもしれない
3,072×2,304 / ISO80 / 1/400 / F4.8 / 39.5mm / SHQ / 0

ズームの中間画角での撮影。こうした細かな模様のものでも、ピントは良く合っている
3,072×2,304 / ISO80 / 1/80 / F4.8 / 18.7mm / SHQ / 0
コントラストの強い被写体だが、無難な露出におさまった。白い建物の上にある影のところに、JPEGのノイズのようなものが認められるのが気になった
3,072×2,304 / ISO80 / 1/1000 / F4.5 / 7.9mm / SHQ / 0

広角端の近接撮影で、絞り開放だがピントのあって見える範囲が深い。手持ちで撮影してるので、手プレの不安があったが大丈夫だった
3,072×2,304 / ISO80 / 1/25 / F2.8 / 7.9mm / SHQ / 0
夕焼けをプログラムモードで普通に撮影
3,072×2,304 / ISO80 / 1/80 / F2.8 / 7.9mm / SHQ / 0


URL
  オリンパス
  http://olympus-imaging.jp/
  製品情報
  http://olympus-imaging.jp/lineup/digicamera/c70z/



根本 泰人
(ねもと やすひと)クラシックカメラの収集が高じて有限会社ハヤタ・カメララボを設立。天体写真の冷却CCD撮影とデジタル画像処理は約10年前から、デジカメはニコンE2/E900から。趣味は写真撮影、天体観測、ラン栽培、オーディオ(アンプ作り)等。著書「メシエ天体アルバム」アストロアーツ刊ほか。カメラ雑誌、オーディオ雑誌等に寄稿中。 http://www.otomen.net
http://www.hayatacamera.co.jp

2004/11/12 00:13
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