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新MacBook ProでRAW現像を試す


 2008年10月にリニューアルしたアップルのMacBookおよびMacBook Proシリーズは、削りだしのアルミ筐体「ユニボディ」を採用するなどデザインを一新したほか、画面の再表示が高速になったLEDバックライト液晶ディスプレイや新型トラックパッドなど多くの新しい機能を搭載している。

 中でもパフォーマンスを重視した「MacBook Pro」シリーズは液晶画面が15.4型と大きなこともあって、もともとプロ写真家にも愛用者が多い。今回は、新型MacBook Proがどの程度高速になったのかを試してみることにした。昨今は、2,000万画素超のデジタル一眼レフカメラが登場し始め、PCの処理能力は一層高いものが要求されるようになっている。特に高負荷となるのがRAW現像で、ストレスを感じているユーザーも多いと思う。


デザインも一新した新MacBook Pro(MB471J/A) 比較に試用した旧MacBook Pro(MA601J/A)

 今回は、「Aperture 2」(アップル)、「Lightroom 2」(アドビ)、「SILKYPIX Developer Studio 3.0」(市川ソフトラボラトリー)の3ソフトを使用し、旧型のMacBook Pro(MA601J/A)と最新モデル(MB471J/A)でのRAW現像速度を比較した。


Aperture 2 Lightroom 2 SILKYPIX Developer Studio 3.0

 今回使用した新型MacBook Proは、Core 2 Duo 2.53 GHzでメモリは4GB。グラフィックにはディスクリート構成のNVIDIA「GeForce 9600M GT」を採用しているのが特徴だ。Aerture 2は画像処理にGPUを使用する「コアイメージ」に対応しているため、高速なグラフィックチップを搭載した新モデルの処理能力には期待がかかる。直販サイトでの価格は28万8,800円だ。

 一方比較用の旧型タイプは、Core Duo 2.16GHzでメモリは2GB。2006年5月発売のモデルだ。グラフィックはATI「Mobile Radeon X1600」となっている。なお、OSは共にMac OS X 10.5.6に揃えた。

  MB471J/A MA601J/A
CPU Core 2 Duo 2.53GHz Core Duo 2.16GHz
メモリー 4GB、DDR3 1,066MHz 2GB、DDR2 667MHz
HDD 320GB、5,400rpm 100GB、5,400rpm
グラフィックス NVIDIA GeForce 9600M GT
NVIDIA GeForce 9400M
ATI Mobile Radeon X1600
ビデオメモリ 512MB、GDDR3 256MB、GDDR3
ディスプレイ 15.4型LEDバックライト、1,440×900ピクセル 15.4型、1,440×900ピクセル


ベンチマークテスト

 ベンチマークテストは、キヤノン「PowerShot G10」(有効1,470万画素)のRAWファイル100枚のRAW現像時間を計測した。いずれのソフトでも現像パラメーターはデフォルトに設定し、バッチ処理でJPEGに出力した。JPEGの出力品質のみ、最高値に設定している。計測はそれぞれ5回行ない平均値を掲載した。MB471J/AのグラフィックスはGeForce 9600M GTにした。

 今回比較する2台は、MA601J/Aがメモリ2GB、MB471J/Aが同4GBとメモリ容量が異なっている。そのため、両機のメモリ容量を揃える意味と、メモリ容量による速度差を見るため、MB471J/Aのメモリを2GBに減らして計測した結果も参考値として記載した。ただし、MB471J/Aはメモリ4GBのパッケージのみのラインナップになっており、2GB搭載モデルは用意していない。また、メモリを減らしての使用はアップルのサポート外になるのでご注意いただきたい。

ベンチマーク結果
  MB471J/A
(メモリ4GB)
MB471J/A
(メモリ2GB)
MA601J/A
(メモリ2GB)
Aperture 2 6分57秒 7分31秒 12分06秒
Lightroom 2 8分16秒 8分31秒 14分10秒
SILKYPIX Developer Studio 3.0 25分13秒 25分26秒 35分21秒


(グラフが短いほど高速)

 テスト結果を見るとMA601J/AからMB471J/Aにすることで、Aperture 2が約42.6%、Lightroom 2が約41.6%、SILKYPIX Developer Studio 3.0が約28.7%の高速化となった。特にAperture 2とLightroom 2では4割超も高速化している。MA601J/Aに比べ、いずれのソフトも各操作に対するレスポンスの違いははっきり体感できる。

 ソフト別では、コアイメージ対応の強みを発揮したのか純正の組み合わせともいえるApertureが最も早かった。Lightroom 2もわずかな差だが健闘している。SILKYPIX Developer Studioは、ApertureとLightroom 2に比べて現像時間は長いが、それだけに、旧MacBook Proから処理時間が10分以上短くなった。なおメモリ搭載量に関しては、今回4GBと2GBに大きな差は無かったが、より大容量のメモリを積んだ方が、複数のソフトを同時に使用する場合に有利だ。

 4本指ジェスチャーが行なえる新トラックパッドや、ラッチレスの開閉機構など使い勝手の面でも進化している。また、LEDバックライトの液晶ディスプレイは、PCを開いてから短時間で通常の表示ができるため非常に快適だ。気になるユーザーは一度試してみると良いだろう。



URL
  アップル
  http://www.apple.com/jp/
  製品情報
  http://www.apple.com/jp/macbookpro/

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【新製品レビュー】アップル「Aperture 2」(2008/03/25)
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市川ソフト、汎用RAW現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio 3.0」を発売(2006/09/25)


URL
  新型MacBookとMacBook Proを試す(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1020/mobile428.htm
  アップル、MacBookシリーズについての製品説明会を開催(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1016/apple.htm
  アップル、MacBookシリーズをモデルチェンジ(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/1015/apple1.htm


( 本誌:武石 修 )
2009/02/17 00:12
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