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【Photokina 2006】
シグマSD14とDP1をさわってみた

~SD14はAFやレリーズなどレスポンスが向上

 会場でも大きな注目を集めているSD14とDP1を操作できる機会を得たのでレポートしてみたい。


カメラ部のデキが格段に向上したSD14

 まずはSD14だが、手にしたときの質感はSD10よりもかなり上がった印象で、なかなか高級感がある。重量は700gと決して小型軽量ではないものの、中級機としては標準的な重さと言えるだろう。

 デザインは社内で行われたそうだが、従来モデルのSD10に比べると、グッと精悍になったと感じた。

 SD14を構え、シャッターを半押ししてまず驚いたのがAFの速さ。SD10より格段にスピードアップされ、かなり小気味よく合焦してくれるのだ。SD10では中央1点だけだったAFフレームも5点にグレードアップしているのもうれしい。今までのSD10だとAFに関しては明らかに他社に後れをとっていたけれど、AFスピードに関しては一気に他社並みのレベルに追いついたと思う。残念ながら実写はできなかったのでAF精度に関しては不明だが、それはまたの機会に試してみたい。

 なお、ファインダーはSD10までの視野外部分が半透明にマスキングされたタイプから、ファインダー倍率の向上に伴って、撮影視野のみが見える一般的なタイプに変更されている。従来の視野外部分が半透明にマスキングされたタイプはフレームインする被写体を確認できるというスピードファインダー的なメリットもあったが、やはり一般的には視野のみが確認できるファインダーの方が高倍率化できるし、受け入れやすいのだろう。


Photokina 2006会場で初お目見えしたシグマSD14 上面に2つのダイヤルがあるところなどはSD10と同じながら、背面の操作系はやや変更されている

記録メディアはCF 電池はSD10までの単3電池×4本から専用リチウムイオン充電池へ変更された

 というわけで、シャッターを半押ししてAFを試しただけでも、十分に「SD10とは別モノだ……」と感じさせてくれたが、シャッターを切ってみてさらにビックリしてしまった。レリーズタイムラグがものすごく短く、非常に鋭いレスポンスを見せてくれたからだ。その反応の良さは1回シャッターを切っただけでも体感できるほどだ。

 また、シャッター音も最高級機を思わせるほど音の収束がよく、連写したときのミラーショックも非常に少ない。今回からシャッターユニットがグレードアップされ、シャッターの耐久性能が10万回に向上したそうだが、ミラー作動のショック吸収等、シャッターユニット以外の機構もかなり性能が底上げされているようだ。

 ちなみにSD14ではCPUを3つ搭載し、それぞれセンサー用、画像処理用、カメラ制御用と使い分けているが、こういったCPUの分業化もカメラレスポンスを向上できた理由の一つらしい。


十字キー上の「ISO/解像度/WB」ボタンを押すとこの画面が現れ、対応する十字キーボタンで各項目をトグル式に選択する 日本語のメニューを表示させたところ、メニューはタブ切り替えではなく、一直線に続くタイプ

設定一覧を表示させたところ。CFの使用状況がバー表示されるのは分かりやすい
再生モードで撮影画像情報を表示させたところ

最大まで拡大再生してみたところ。拡大率は十分に高い 拡大再生で情報表示させると、拡大した部分だけのヒストグラムが表示される。十字キーを操作すればこのままの状態で拡大位置のスクロールも可能。画像の1部分ごとのヒストグラム確認が容易に行える

コンパクトデジカメの新しい可能性を感じさせてくれるDP1

 SD14と同じ1,406万画素のCMOSを搭載したコンパクトデジカメがDP1である。一眼レフ用の大型撮像素子を使ってコンパクト機を作るというアイデアは、誰しもが考える魅力的なコンセプトだが、残念ながらいままでどこのカメラメーカーも手を出さなかった。それをあえて開発したシグマの英断には拍手喝采を送りたい。

 DP1の外観はまだファイナルではなく、これからもまだまだ変更が加わる予定だというが、現状でもなかなか魅力的。せっかくのアルミ合金なのにプラスチックに見えてしまう外装など、改良の余地はまだまだありそうだが、これから仕上げ方法の変更なども検討されるという。

 APS-Cサイズ撮像素子ということで、ボディの大きさは決して小さくはないが、かと言って、コンパクトデジカメと呼べないほどデカくもなく、十分に常時携行できるサイズだと思う。

 撮像素子が同じということで、SD14との画質差があるのかどうか気になるところだが、シグマの山木社長によると、DP1内部の画像処理がこなれてくれば、SD14と同等かそれ以上の画質を得られる可能性もあるとのこと。これまでコンパクトデジカメは撮像素子の絶対的なパフォーマンスから、画質面ではデジタル一眼レフより不利であったが、DP1は違う。デジタル一眼レフと同等の画質を持ったコンパクト機がどんな可能性を見せてくれるのか、発売が本当に楽しみな1台である。


シンプルなデザインにまとめられたDP1の外観。まだまだ変更が加わる可能性がある 現状ではストラップ取り付け金具が1カ所しかないが、これは2カ所にして両吊りで携行したいという要望がすでに寄せられているという

ストロボはヒンジを支点に開閉するタイプではなく、ストロボ全体が真上へリフトアップするタイプ。文字通りポップアップストロボである
SD14にはできない動画記録も可能。モードダイヤル横の、穴が円周状に並んでいる部分はスピーカー

電源はリチウムイオン充電池。記録メディアはSDメモリーカード 試作機は実際に可動し、撮影できるレベル。操作系を含めまだまだこれから変更もありそうなので、現状の試作機に対してのインプレはあまり意味がないけれど、現状でも操作性に大きな不満は感じなかった


URL
  シグマ
  http://www.sigma-photo.co.jp/
  Photokina 2006
  http://www.koelnmesse.jp/photokina/

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( 河田 一規 )
2006/09/30 14:12
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