デジカメ Watch

ニコンD700【第5回】
「メニュー切り替え」を設定してみた

Reported by 北村智史


 ニコン上位モデルの撮影メニューとカスタムメニューはそれぞれ4セットずつ登録できるようになっていて、被写体とか撮影条件とかに合わせて使い分けられる。それはそれでいいのだが、撮影メニューは19項目あるし、カスタムメニューにいたっては50項目もある。

 こんなにあったら覚えきれるはずはなくて、だからよく使いそうな組み合わせを4セット登録して切り替えて使うと便利だよという親心はありがたいものの、どのセットにどんな機能をどういうふうに組み合わせたかなんて筆者には覚えられっこない(覚えようという気がないのも問題なんですけどね)。

 まあ、そんなわけなので、D200を使っていたときも撮影メニューとカスタムメニューは1セットだけしか設定していなかったし、それでちっとも困らなかったし、一生困ることなんてないと思っていた。もちろん、D700を買ったばかりのころもそうだった。

 でも、最近ちょっと思い直して、撮影メニューとカスタムメニューのセットを2つに増やしてみた。というのは、普通に撮るときとブツ撮りのときとでセッティングを変えないといけない項目がいくつかあるのだが、ひとつひとつやっていると切り替え忘れたり戻し忘れたりする項目が出てしまう。だったら2セット目をこしらえて、まとめて切り替えられるようにしてしまおうと思ったわけだ。

 ところが、である。これが案外に面倒くさい作業である。まず第一に、自分がどういうふうにカスタマイズしているかを覚えていないものだから、そこのところを把握することからはじめないといけない。表計算ソフトのシートに撮影メニューとカスタムメニューの各項目、それからセットAの設定内容を書き出していく。それができたら、セットAの内容をベースにどの項目をどんなふうに変えればいいかを考えていく。ややこしくならないように、撮影メニューのセットAとカスタムメニューのセットAはペアにすることにして、片方をBに変えたらもう片方もBに変えるルールにした。

 幸いにして、どちらのメニューもセットに名前が付けられるようになっているので、セットAは「STANDARD」、セットBは「BUTSU-DORI」にした(安直ですが)。


撮影メニューの1ページ目。「撮影メニュー切り換え」、「撮影メニューのリセット」を別にして19項目ある こちらはカスタムメニューの画面。「a オートフォーカス」から「f 操作」まで全部で50項目ある。はっきり言って覚えきれません

撮影メニューもカスタムメニューもそれぞれ4セットずつ登録しておける。以前は面倒なので1セットだけだったが、最近思い直して2セットで運用している

 セットAとセットBの違いは、撮影メニューでは「画質モード」、「ホワイトバランス」、「長秒時ノイズ低減」の3項目、カスタムメニューでは「ダイナミックAFエリア」と「露出ディレーモード」の2項目。合わせて5項目である。

 5つの項目の設定の違いについてだが、ひとつめの「画質モード」は、自分の中での使い分けである。趣味で撮る分はRAWのみだし、本稿の作例用にはJPEGのL/FINEが必要。一応、RAWも残しておきたいのでセットAでは「RAW+L/FINE」にしている。

 一方、ブツ撮りのときはCamera Control Pro 2を使ってMacに画像を転送するようにしている。本番はRAWで撮るけれど、試し撮り(露出とかアングルのチェック、ゴミが付いていないかどうかなど)のときにはJPEGのL/BASICを使っている。ファイルサイズが小さい方が転送時間が短い分いらいらが少なくできるからだ。で、本番のときだけRAWに切り替えるという寸法。ついでに書くと、「画質モード」をRAWにしておくだけだと、JPEGに切り替えたときにその直前の設定(普段はL/FINEだからね)になるから、L/BASICを指定しているわけだ。

「ホワイトバランス」はセットAが「オート」で、セットBが「プリセットマニュアル(d-0)」。これは単純に、光源に合わせてのセッティングだ。最近のカメラのオートホワイトバランスはかなりお利口になってきているが、あまり一般的でない光源のときは外すときもある。D700もそういう傾向があるのか、ブツ撮りの照明に使っている蛍光灯だと白バックなのにコケてくれるのだ。もちろん、本番はRAWで撮るから現像時になおせばいいだけなのだけれど、見た目と気分の問題もあるので、プリセットマニュアルで合わせてある。

 撮影メニューの3つ目は「長秒時ノイズ低減」。取扱説明書には、これをオンにすると「連続撮影速度は遅くなり、連続撮影可能コマ数も少なくなります」と書かれている。ファインダー内の表示(シャッターボタンを半押しすると、連写できる残りコマ数が表示されるようになっている)も、RAW(14ビット・ロスレス圧縮)+L/FINE(サイズ優先設定)の場合、「長秒時ノイズ低減」オフだと15コマなのに、オンにすると8コマにまで落ちてしまう。

 ただ、実際にはどうかというと、サンディスクのExtreme IV(45MB/sバージョン)で試してみたところ、オフでは17コマ、オンでは16コマだった。連写スピードも5.24コマ/秒から5.10コマ/秒にちょっぴり落ちただけ(それでも公称値はクリアしているあたりがニコンらしさ)。CFの種類や画像形式の設定などによってはどうなるかはわからないが、筆者の環境では実用上差はないと言えそう。とりあえず、低速シャッターを切るときだけ「する」にするのがいいのかなぁと思っている。


「長秒時ノイズ低減」が「する」だと連写スピードと連写できるコマ数が減ってしまう。なので、普通は「しない」にしておく

 次はカスタムメニュー。「ダイナミックAFエリア」が、セットAは「51点(3D-トラッキング)」で、セットBが「21点」にしてある。が、これはそんなに意味はなくて、ほとんど“なんとなく”の世界である。もともと、動く被写体をあまり撮らないので「ダイナミックAFエリア」自体を使う機会がないし、3D-トラッキングの威力もよくわかっていない。

 ブツ撮りのときは、選択している測距点でうまくピントが検出できないことがあって、そういうときにまわりの測距点でカバーしてくれるといいかも、と思って21点にしてはいるが、AFだけでなんとかならないケースも多いし、最後はMFでの微調整が必要なこともあるから、やっぱりあまり意味はない。これも“親指AF”を常用しているからの話であって、普通の“人差し指AF”なら最初からMFに切り替えちゃったほうが効率がいい場合も多いだろう。

 最後の「露出ディレーモード」は、ミラーが跳ね上がってから約1秒後にシャッターが切れる機能。ミラーアップ付きの1秒セルフタイマーだと思えばいい。要はミラーの作動にともなう振動によって起きるカメラブレを軽減するためのもので、低速シャッターで撮るときには必須の機能である。


個人的に動きものをほとんど撮らないこともあって、使用頻度は非常に低いダイナミックAFエリアモード。それでも一応使い分けは考えてたりする 露出ディレーモードは平たく言えばミラーアップ付きの1秒(短い!)セルフタイマー機能。低速シャッターを使うときの強い味方である

レリーズモードダイヤルを見ればわかるとおり(見せやすいようにわざと中間に合わせてます)、セルフタイマーとミラーアップは併用できない。これ不便です マイメニューの一番上に「撮影メニュー切り換え」と「カスタムメニュー切り換え」を登録してある。なので、切り替え操作はらくちん

 レリーズ(ドライブ)モードの中にはミラーアップもあって、ブレを防ぐにはこちらを使ったほうがより効果的なのだろうと思いはするが、ニコンのはセルフタイマーとの併用ができない。ほかのメーカーはミラーアップ+2秒セルフタイマーとかが使えるので電子レリーズがなくても平気だったりするが、ニコン方式の場合、1回目の全押しでミラーアップ、2回目の全押しでレリーズとなるから、電子レリーズなしでは意味がない(シャッターボタン指で押したらブレちゃいますからねぇ)。

 で、仕方なしに「露出ディレーモード」+2秒セルフタイマーの組み合わせで撮っている。ほんとはミラーアップして2~3秒後にシャッター作動というのが理想なのだけれど、まあ、ないよりはずっといいし、という感じである。

 まあ、普通の人はブツ撮りなんかやらないだろうし、ブツ撮りをきちんとやってる人は大型ストロボ使ってるから、ミラーアップなんていらないだろうけれど、夕景とか夜景とかで低速シャッターを使うとき用のセッティングとしては悪くないと思う。

 とかなんとか書いてるうちに、またも字だらけになってしまった。本当はカスタムメニューの中身についても書きたかったのだが、そのあたりは次回にでも。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。


お台場海浜公園北口の駐車場から。しょうもない落書きがいっぱいあったりする
AT-X 17 AF PRO / 2,832×4,256 / 1/800秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天
オートホワイトバランスだと空がちょっとくすんだ感じになったので、晴天モードで。月の上のほうにゴミの写り込みあり
AT-X 17 AF PRO / 4,256×2,832 / 1/1,000秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:晴天

レインボーブリッジの遊歩道の入り口。周辺光量がほどよく落ちてくれてる分、空が濃くてきれい
AT-X 17 AF PRO / 2,832×4,256 / 1/1,250秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:晴天
芝浦まで渡ってしまうと帰ってくるのが大変なので、途中で引き返した。この日は交通量は多くなかったけれど、自動車が通るとけっこう揺れた
AT-X 17 AF PRO / 2,832×4,256 / 1/640秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天

ところどころにある橋脚灯。形がおもしろくて撮ってみた
Ai AF Nikkor 35mm F2 D / 2,832×4,256 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:晴天
ペンキのひび割れ具合がハナマルっぽい。ピントが合ってるところはすごくシャープ
Ai AF Nikkor 35mm F2 D / 4,256×2,832 / 1/320秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート

ファンクションボタン押しで水準器表示にしている。ファインダー内で水平の確認ができるので、手持ち撮影でも便利に使える
Ai AF Nikkor 35mm F2 D / 2,832×4,256 / 1/100秒 / F8 / +0.3EV / ISO200 / WB:晴天
画質が落ちるのがもったいないから感度を上げるのは好きではないが、ISO800でこの画なら積極的に使う気になる。手ブレ補正がないからってのもあるけど
AT-X 17 AF PRO / 2,832×4,256 / 1/15秒 / F8 / 0EV / ISO800 / WB:晴天

お台場の夜景の定番の場所。撮影メニューとカスタムメニューをセットBに切り替えて、画質モードだけRAW+L/FINEにすれば夜景モードである
トキナーAT-X100mm F2.8プロDマクロ / 4,256×2,832 / 2.5秒 / F8 / -1EV / ISO200 / WB:晴天
対岸は品川ふ頭のコンテナヤード。露出補正した状態でマニュアル露出に変えたとき補正の設定がそのまま残る仕様は、個人的に理解しがたい
AT-X M100 PRO D / 4,256×2,832 / 2秒 / F8 / -1.7EV / ISO200 / WB:晴天

最近はけっこうハデな屋形船もいて夜景のワンポイントになってくれたりしている
AT-X M100 PRO D / 4,256×2,832 / 3秒 / F8 / -1.7EV / ISO200 / WB:晴天
2秒のセルフタイマーに露出ディレーモードを併用。電子レリーズなしでも効果的にブレを抑えられる
Ai AF Nikkor 35mm F2 D / 4,256×2,832 / 6秒 / F8 / -1.7EV / ISO200 / WB:オート

夜になって風が出て冷え込んだせいか人気がなくて撮りやすかった。でも、すごく寒くて、シャッターが閉じるのを待つのが辛かった
AT-X 17 AF PRO / 4,256×2,832 / 8秒 / F8 / -1.7EV / ISO200 / WB:晴天
撮影メニューの設定内容
  A
(STANDARD)
B
(BUTSU-DORI)
記録フォルダー設定 100 ←
ファイル名設定 DSC ←
画質モード RAW+FINE BASIC
画像サイズ L ←
撮像範囲 DX自動切り替え ←
JPEG圧縮 サイズ優先 ←
RAW記録 14bitロスレス圧縮 ←
ホワイトバランス AUTO プリセット(d-0)
ピクチャーコントロール スタンダード ←
カスタムピクチャーコントロール ― ←
色空間 sRGB ←
アクティブD-ライティング しない ←
ヴィネットコントロール しない ←
長時間ノイズ低減 しない する
高感度ノイズ低減 標準 ←
ISO感度設定 200、感度自動制御オフ ←
ライブビュー 三脚モード、1コマ撮影 ←
多重露光 しない ←
インターバルタイマー撮影 しない ←

カスタムメニューの設定内容
  A
(STANDARD)
B
(BUTSU-DORI)
a1 AF-Cモード時の優先 レリーズ/フォーカス ←
a2 AF-Sモード時の優先 レリーズ ←
a3 ダイナミックAFエリア 51点(3D-トラッキング) 21点
a4 AFロックオン しない ←
a5 半押しAFレンズ駆動 しない ←
a6 フォーカスポイント照明 オート ←
a7 フォーカスポイント循環選択 する ←
a8 AF点数切り替え 51点 ←
a9 内蔵AF補助光の照射設定 する ←
a10 MB-D10のAF-ONボタン機能 AF-ON ←
b1 ISO感度設定ステップ幅 1段 ←
b2 露出設定ステップ幅 1/3段 ←
b3 露出・調光補正ステップ幅 1/3段 ←
b4 露出補正簡易設定 する ←
b5 中央部重点測光範囲 φ12mm ←
b6 基準露出レベルの調節 いいえ ←
c1 半押しAEロック しない ←
c2 半押しタイマー 16秒 ←
c3 セルフタイマー 2秒 ←
c4 液晶モニターのパワーオフ時間 すべて1分 ←
d1 電子音設定 電子音なし ←
d2 格子線の表示 する ←
d3 撮影設定変更画面ガイド表示 ガイド表示する ←
d4 低速連続撮影速度 7コマ/秒 ←
d5 連続撮影コマ数 100コマ/秒 ←
d6 連番モード する ←
d7 情報画面の表示設定 白文字 ←
d8 イルミネーター点灯 しない ←
d9 露出ディレーモード しない する
d10 MB-D10電池設定 LR6 ←
d11 電池の使用順序 MB-D10 ←
e1 ストロボ撮影同調速度 1/250秒 ←
e2 ストロボ時シャッタースピード制限 1/15秒 ←
e3 内蔵ストロボ発光 TTLモード ←
e4 モデリング発光 する ←
e5 オートブラケティングのセット AE・ストロボブラケティング ←
e6 BKT変化要素(Mモード) ストロボ・シャッタースピード ←
e7 BKTの順序 -→0→+ ←
f1 表示パネル照明スイッチの機能 照明と情報画面の点灯/消灯 ←
f2 中央ボタンの機能 中央リセット/拡大画面との切り換え ←
f3 マルチセレクターの半押し起動 しない ←
f4 上下左右機能入れ換え しない ←
f5 ファンクションボタンの機能 水準器表示 ←
f6 プレビューボタンの機能 プレビュー ←
f7 AE/AFロックボタンの機能 ライブビュー ←
f8 シャッタースピードと絞り値のロック しない ←
f9 コマンドダイヤルの設定 回転方向の変更「する」 ←
f10 ボタンのホールド設定 する ←
f11 カードなし時レリーズ レリーズ禁止 ←
f12 インジケーター表示の+/-方向 -/0/+ ←



■ URL
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(D700)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2009.htm#d700



北村智史
(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。最初に買ったデジタルカメラはキヤノンPowerShot S10。 ブログ:http://ketamura08.blog18.fc2.com/

2009/04/07 01:19
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