最近のライブビュー搭載機の液晶モニターには、ホワイトバランスや露出補正などの変更を、事前にシミュレーションして表示する機能が搭載されています。α350のクイックAFライブビューでも、ホワイトバランスや露出の変更が液晶モニターに反映されます。
α350の場合は、メインの撮像素子で受けた画像ではなく、ファインダー画像に内蔵されたライブビュー専用の撮像素子による画像を表示しているので、撮影後のFIXされた色がわかるわけではありません。反映具合は「やや甘いかな」という気はしますが、他機種が採用するメイン撮像素子によるホワイトバランスの事前反映も、結局は撮影前のシュミレーションです。完成された最終画像の色が出てくるわけではないのは同じことなので、参考にする程度としては十分役立つことでしょう。
筆者は、ホワイトバランスは通常固定し、オートホワイトバランスはほとんど使いません。主な被写体が屋外にあり、自然光での撮影が多いためです。晴天の昼時の太陽光の色温度が5,300K付近にあり、時間帯や雲、影などによってさまざまに色温度が変化していることは、皆さんご承知の通りです。それを元に戻そうとする方も多いわけですが、自然界では、色のかぶった状態が普通の状態です。
夕日に染まれば赤くなる。赤く写るのが自然です。森の中では緑がかぶりますが、その色をわれわれは見ているのです。α350にかぎらず各社とも共通していますが、オートホワイトバランスにすると、被った色を抜いたような画像になります。室内の人工光源の場合や、ポートレートで特に肌色の再現にウェイトが置いている場合、そして商品撮影の場合などは、カスタムのホワイトバランスで白を白とすることは重要ですが、ネイチャーや屋外での撮影では、自然光の色かぶりを活かして撮影する方が、自然な色合いになると感じています。そのため、プリセットのホワイトバランス(太陽光、日陰、曇天、白熱灯、蛍光灯、フラッシュ)のうち、太陽光、もしくは曇天のホワイトバランスを多用しています。
α350のオートホワイトバランスは、効きがかなり強力です。最近のデジタルカメラは、あまり色を抜かず自然な雰囲気を保とうとするオートホワイトバランスが多いのですが、α350は結構強力に修正してくれます。室内や色の偏りが無い方がよい料理写真などでは、有用だと思いますが、理想的にはオートにも弱・中・強と効き方の設定が行なえて、強力に色補正してほしいときと、微妙な補正でとどめてほしいときの使い分けができると、一番ではないかと思います。
■ 今週のαレンズ
●Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM
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α350に装着。発売は2月。価格は25万2,000円
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ズーム全域で開放F2.8の標準ズームレンズです、フイルムの一眼レフカメラのαシリーズや、年内の発表が予告されている35mm判フルサイズのデジタル一眼レフカメラにも対応する、汎用性の高いレンズです。画質にもよい印象を持ちました。αレンズでまだ少数派の超音波モーター「SSM」が搭載されているのも売りでしょう。その代わり、35mmサイズ対応のためもあって、大きく重たく、また高価です。
APS-Cサイズ相当の撮像素子のため、レンズ表記の焦点距離から約1.5倍相当の画角になるα350で使用すると、広角をカバーするズームとしてはもの足りなさを感じます。ただ、犬猫の撮影用としては、36～105mm F2.8のレンズだと考えれば、こういう画角も有りでしょう。
ペットの場合はかなり近くで撮影することも多いため、もっとワイドが欲しくなると思いますが、外での撮影では望遠がある方が有利です。24～70mmと36～105mmのどちらがよいかは、一長一短で決められないものがあります。ただ955gという重さは、犬猫用の標準ズームとしては少々ヘビーです。APS-C専用にすることで、F2.8でも軽量な標準ズームレンズもラインナップにほしいところです。
- 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
- 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/2,500秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 70mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,250秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 24mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,600秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 24mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 24mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 24mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,600秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 60mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 24mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/2,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 70mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 24mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/640秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 70mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 70mm
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM / 3,056×4,592 / 絞り優先AE / 1/80秒 / F2.8 / 0EV / ISO800 / WB:蛍光灯 / 24mm
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DT 18-70mm F3.5-5.6 / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,250秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 18mm
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DT 18-70mm F3.5-5.6 / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:曇天 / 18mm
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■ ＵＲＬ
ソニー
http://www.sony.co.jp/
製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/dslr/products/body/DSLR-A350/
気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(α350)
http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#a350
ソニーα350関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7906.html
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安孫子卓郎
(あびこたくお)
きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。 |
2008/06/10 00:10
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