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ソニーα350【第4回】
フリスビードッグ撮影に挑戦

Reported by 安孫子卓郎


 今回は、70-300mm F4.5-5.6 G SSMという高速な超音波モーター搭載レンズをお借りすることができたので、スポーツドッグ(フリスビードッグ)の練習にお邪魔して撮影しました。

 ジャンプしてフリスビーをキャッチする瞬間をライブビューで地面すれすれのアングルからとらえれば、迫力がすごいだろうと思っていたのですが、残念ながらそう甘くありませんでした。

 というのも、さすがのクイックAFライブビューも、走る犬を追いかけているとタイムラグが大きく、追いかけること自体が大変難しいのです。レンズのAFは高速に動作しますが、ボディ側が追いつかないようで、なかなか上手く捉えることができません。結局途中からは、走るところは光学ファインダーで、主に座っているところなどはライブビューで撮影することになりました。

 このタイムラグの現象は、ファインダー画像を撮影して出力するという方式ですから、簡単には解決しないかもしれません。もちろんイメージャーによるコントラスト検出式AFよりは明らかに使いやすいのですが、さすがにスポーツドッグの全力疾走をとらえるのまだ難しいようで、光学ファインダーの方が適していると感じました。逆にいえば、クイックAFライブビュー以外に光学ファインダーも使えるのがα350の長所です。いろいろな被写体に対応する意味でも、よい選択肢が残されているといえます。


背面右上がスマートテレコンバーターボタン

 α350には、「スマートテレコンバーター」という機能が搭載されています。コンパクトデジタルカメラで一般的になった、いわゆる切り出し系のデジタルズームと同じもので、トリミングして擬似的に望遠効果を出す機能です。ソニーのコンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」でいえば、「スマートズーム」に相当します。

 ライブビュー中に背面右上のスマートテレコンバーターボタンを押すと、ワンボタンでで1.4倍(画像サイズM)、さらに押すと2倍(画像サイズS)に拡大表示され、もう一度押すとフルサイズに戻ります。記録画素数は減るものの、想定外に望遠を必要とするシーンに出くわしたシーンなどで使えそうです。

 筆者はこの機能をイメージャーライブビューにおける拡大機能の代わりに使って、ピントの確認ができないものかと思いましたが、表示画像の一部を切り出しているものらしく、表示が荒くて精密なピントの確認には適さないようです。

 PCが苦手でトリミングができないという方もおられますし、一方ではブログが写真表現における重要なメディアとしての位置を占めつつある状況でもあります。とすれば、このような一部を切り出す機能も成り立たないことはないと思いますが、Sサイズでも2,288×1,520ピクセルで記録画素数が約350万画素もあり、ブログ用には少々大げさです。

 むしろ思い切って画素数をVGA程度に落として、直接ブログで使うのに適したサイズとし、現在コンパクトデジカメの超高感度撮影では、画素加算が盛んに行なわれていますが、それを低感度でも行ない、VGAだけどその代わり「ダイナミックレンジが4倍にも8倍にもなるブログモード」といった機能の方が、面白いのかも知れません。


今週のαレンズ

●70-300mm F4.5-5.6 G SSM


 ソニーのαレンズには、従来から普及価格帯の「70-300mm F4.5-5.6」がありますが、今回撮影に使ったのは従来製品とは光学系が異なり、さらにαレンズで少数派の超音波モーターを搭載して、高速なAFが行なえるようにした新レンズです。

 従来モデルより大型化して、さらに値段も倍以上になるますが、将来的にソニーが動体撮影の分野でシェアを取るためには、こうしたスペックのレンズも必須だと思います。

 また、レンズ自体のポテンシャルは相当に高く感じました。35mm判フルサイズに対応してることもあり、将来的にはこのレンズの性能を活かせるようなすごいボディの登場にも期待がかかります。また最短撮影距離も従来の70-300mmnの1.5mから1.2mに短縮されていますので、ネイチャー派の方にもおすすめです。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


70-300mm F4.5-5.6 G SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 300mm 70-300mm F4.5-5.6 G SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 300mm

DT 18-70mm F3.5-5.6 / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/160秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO200 / WB:曇天 / 18mm DT 18-70mm F3.5-5.6 / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F4.5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 18mm

70-300mm F4.5-5.6 G SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,600秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 230mm 70-300mm F4.5-5.6 G SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,250秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 200mm

70-300mm F4.5-5.6 G SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/1,000秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 300mm 70-300mm F4.5-5.6 G SSM / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/800秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:太陽光 / 300mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/dslr/products/body/DSLR-A350/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(α350)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#a350
  ソニーα350関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7906.html



安孫子卓郎
(あびこたくお) きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。

2008/06/03 00:06
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