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ソニーα350【第3回】
超広角ズームで動く犬を撮る

Reported by 安孫子卓郎


 α350は、一般的なライブビュー搭載デジタル一眼レフカメラと異なり、撮像素子と別に設けられたイメージセンサーがライブビューを生成する仕組みを採用しています。光学ファインダーとライブビューで共通の位相差検知式AFセンサーを使うのは、ほかの製品群と同じですが、ライブビュー専用センサーを搭載する点では、現行製品で唯一の製品になります。となると、イメージャー式のライブビューに加えて、ときに位相差を併用するほかのカメラでも十分ではないか、と思っておられる方も多いかもしれません。

 この連載では、クイックAFライブビューと可動式液晶モニターの使い勝手の良さから、これまで屋外における猫の撮影を中心としてきました。実は、クイックAFライブビューが威力を発揮するのは、猫よりもむしろ犬です。

 猫の場合、撮影するときの大部分は、寝ているか座っているかでしょう。ずっと動き回っていることは少なく、動いたとしても突然逃げたり、塀によじ登ったりということが多いことから、動いている場面を撮るのはなかなか難しいものです。こうした素早い突然の動きに対応しようと思うのならば、ライブビューより光学ファインダーの方が適しているでしょう。

 ところが犬はその逆です。家の中や玄関先では寝ていても、撮影しようと散歩に出かけたり、ドッグランに出かけたりすれば、ほぼ必ず動いています。じっとしているのは「待て」をかけたときくらいです。そうなると、同じライブビューでも合焦まで時間がかかりがちなコントラスト検出式や、ミラーダウンによるブラックアウトを伴う位相差検出式AFでAFロックをかける方法では、難しい場面が多くなってきます。散歩に出かけた犬やドッグランで走る犬を撮影するのならば、合焦までが速く、AFロック時にブラックアウトがないクイックAFライブビューが圧倒的に便利でしょう。

 今回は、知人の経営するCafe Story Farmにお邪魔して、犬たちを撮影してきました。

 今年、山梨県甲斐市にオープンしたカフェですが、乗馬クラブの元敷地を利用して、7匹の犬と1匹の馬が走り回って、一緒に遊べる場所となっています。もちろん犬連れOKですし、人間だけで食事に利用することもできます。

 動き回る犬たちを撮影するときには、いくつかの方法があります。今回は、使用するレンズが超広角ズームレンズの「DT 11-18mm F4.5-5.6」でしたので、その特徴を活かして一緒に走り回りながら撮影してみました。犬も動くし人も動きます。手ブレも被写体ブレも流し撮りもごっちゃに混じったような撮影です。

 AFはC-AFにして、構図のほぼ中央に犬を置き、多少のことは被写界深度でカバーしてしまおうという作戦です。当然日の丸構図といいますか、シンプルな構図の写真になりますが、ここはシャッターチャンスや躍動感を重視しました。こんなときはシャッター速度優先AEにして、動きを止めて写したいのなら1/500秒以上。ほどほどの躍動感を求める場合は1/125~1/250秒。さらに大きな動きを求めているなら1/60秒以下と、変化をつけて撮影するとよいでしょう。


今週のαレンズ

●DT 11-18mm F4.5-5.6


α350にDT 11-18mm F4.5-5.6を装着
 焦点距離11mmといえば、35mm判に換算すれば16.5mm相当という超広角レンズです。

 フィルムでの撮影が主流だった頃は、広角といっても値頃なのは20mm程度まで。18mmや15mmなどのレンズはかなり特殊な分野の製品で、値段も高くて手が出なかったものです。しかしデジタル専用だと、こんな超広角(しかもズームレンズ)がほどほどの値段で手に入るようになりました。当時から考えると、ずいぶんと贅沢な話です。約360gの重量も、画角を考えると驚くほど軽量といえます。

 開放F値がF4.5~5.6ということで明るさに不安を覚えるかもしれませんが、広角になるほど手ブレは少なくなりますので、望遠レンズのF4.5~5.6よりもデメリットはずっと少ないと言えるでしょう。

 一眼レフカメラを持っての犬の散歩は、天気の良い日を選ぶことと思いますので、日中屋外であればほとんど問題ありませんし、α350ならボディ内手ブレ補正もあります。超広角ズームレンズがここまで気軽に、しかも使い勝手の良いライブビューで利用できるとは、動く愛犬を迫力ある構図で撮影したい人にはうれしい話です。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/500秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 18mm DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/500秒 / F4.5 / 0EV / ISO125 / WB:太陽光 / 11mm

DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/500秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 11mm DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/250秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 11mm

DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 11mm DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/250秒 / F6.3 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 11mm

DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/500秒 / F5 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 11mm DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 11mm

DT 11-18mm F4.5-5.6 / 4,592×3,056 / シャッタースピード優先AE / 1/250秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 18mm DT 18-70mm F3.5-5.6 / 4,592×3,056 / 絞り優先AE / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO250 / WB:太陽光 / 70mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報
  http://www.sony.jp/products/Consumer/dslr/products/body/DSLR-A350/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(α350)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#a350
  ソニーα350関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7906.html
  Cafe Story Farm
  http://7.pro.tok2.com/~abiko/cafestoryfarm/



安孫子卓郎
(あびこたくお) きわめて頻繁に「我孫子」と誤変換されるので、「我孫子ではなく安孫子です」がキャッチフレーズ(^^;。大学を卒業後、医薬品会社に就職。医薬品営業からパソコンシステムの営業を経て脱サラ。デジタルカメラオンリーのカメラマンを目指す。写真展「デジタルカメラの世界」など開催。現在パソコン誌、写真誌等で執筆中。

2008/05/27 00:06
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