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キヤノンEOS Kiss X2【第5回】
IS付きダブルズームで写真日記

Reported by 野下義光


バッテリーグリップBG-E5はカメラよりも先に購入済み。状況に応じて装着するか否かを考えるのは、オモチャの合体ロボットみたいで楽しいです
 さて、前回書いた通り結局買ってしまったEOS Kiss X2ダブルズームキットですが、買いはしたものの忙しくて箱から出す暇もありません。でも別件の撮影の終了後、この企画用にブツカットを撮影するために取り出しました。人物撮影のライティングをそのまま流用して撮影したので、ライティング云々についてのツッコミはご勘弁を(笑)。

 実は専用バッテリーグリップ「BG-E5」も買っていたのです。白状しますが、第3回の高感度画質の作例を撮りに出かけたときに、バッテリーを充電器ごとコンセントに挿しっ放しで持ってくるのを忘れてしまいました。取りに戻ってる時間もなかったので、通りがかった量販店で、まぁたぶんEOS Kiss X2も買うだろうと思ってカメラよりも先に買ったのです。純正電池をとも考えましたが充電器と電池を別途買うとけっこう割高ですし、単3電池でも使えることに魅力を感じてバッテリーグリップにしました。それ用にエネループも買って車に常備しているDC/ACコンバーターと単3/単4ニッケル水素充電器で充電して撮影に臨んだ次第です。

ところで、みなさんはGWどのように過ごされましたか? フリーにとっては喜ばしいことに(笑)、私はほぼ毎日仕事でした。でも1日だけ空いていたので、親子3人で国営のかなり大きな公園に出かけてきました。

 親子でお出かけといえば、やはりEOS Kiss X2をお供させないわけには行かないでしょう。メーカーが最も想定した使い方でしょうし、ファミリーフォトという編集部の意向もありましたので、思いっきり普通のお父さんをしてきました(笑)。

 EOS Kiss X2ダブルズームキットはいいですねぇ。何がいいかといえばとにかく軽い。この軽さで35mm判換算の焦点距離で約28mm相当から400mm相当の画角で撮影できるんだからすごいです。この時はまだキヤノンMJの広報機材でしたが、この日使ったEF-S 55-250mm F4-5.6 IS が好印象だったので、先日ダブルズームキットを選択しました。

 普段の業務ではEOS-1D Mark IIIにEF 70-200mm F2.8L ISというのが最大望遠です。一応EF 300mm F2.8 Lも持ってはいますが、2年前に3年振りに使ったのを最後に全く使っていません。重くて大きくて取り回しが悪いからです。で、今回EF-S 55-250mm F4-5.6 ISをEOS Kiss X2に装着してファインダーを覗いたら、400mm相当の望遠効果に今更ながらシビレました。その上、この軽さとコンパクトさです。もう1回シビレました。

 しかし! 十分軽いEOS Kiss X2ダブルズームキットではありますが、やはりレンズ交換の手間と荷物が増えることには閉口しました。全く純粋に写真の撮影目的に出かけるのであれば全然問題ないのですが、子連れで出かけたついでに写真も撮ろうかな? と思う場合はイマイチです。


ちょっとしたカメラバッグとライオン親子のぬいぐるみがオマケで付いてきました

 広い公園で子どものフットワークについていくにはズームレンズが便利です。ダブルズームキットの標準ズームEF-S 18-55mm F3.5-5.6 ISは、間近の撮影には便利ですが、急に駆け出されると望遠側が短すぎます。EF-S 55-250mm F4-5.6 ISは遠くを駆け回る姿を追うには便利ですが、間近では撮りにくい。また子どもがいる方ならよくわかると思いますが、小さい子どもを連れて出かけるのはけっこう大変で、ほかに必要な荷物も多いので交換レンズまでというのは非現実的でしょう。子どもが多ければなおさらです。ダブルズームキットもこれはこれでいいのですが、交換レンズを余分に持たなくても済む、EOS Kiss X2に似合う35mm判換算で28-200mm相当のレンズがIS付きで出てくれることを熱望します。

 それともうひとつ、このダブルズームキットには筆者が思う欠点があります。それはISが効くまでちょっとタイムラグがあることです。IS付きレンズはほかにEF 24-105mm F4 L IS、EF 70-200mm F2.8 L ISを使っていますが、この2本もやはりタイムラグがあります。でもこれらよりもダブルズームキットのレンズはタイムラグが長めに感じられました。

 レンズの取り扱い説明書にも記載されていますが、ISはシャッターを半押ししてISが効くまで間が必要です。シャッターを一気に押した場合、ピントはけっこう瞬時に合って即シャッターは切れますが、この間ではISがまだ効きはじめてなくISの恩恵には与れません。この仕組みを知らなかったり、半押しが苦手な初心者、つまり筆者の妻が使った場合は、ISが効いてないと思われるカットが多数ありました。また筆者自身が実験した場合もそうでした。

 ISを効かせるにはシャッターを半押ししてちょっと間を置く必要があります。でもそんなことしていたらシャッターチャンスを逃してしまうかもしれませんし、半押しでAFロックされた位置から被写体が移動してしまいピンボケになってしまうこともあり得ます。IS付きレンズでISを効かせるには、半押しを数秒ごとに繰り返しながら(半押しした後約5秒間ほどISは動作し続ける)シャッターチャンスを待ちつつシャッターを切るか、連写するということになります。しかし予期せぬシャッターチャンスにはそんな悠長なことはしていられません。

 ちなみに、ボディ内手ブレ補正を採用するメーカー各社に問い合わせたところ、シャッターを一気に押してもシャッター幕が開く前に手ブレ補正は動作スタンバイされるので、事実上タイムラグはないとのことでした。レンズ内手ブレ補正はレンズに内蔵するためそのレンズに最適化して設計されるので、手ブレ補正の効果はボディ内方式よりも勝るといわれていますが、タイムラグがあるゆえ全く効いてくれない場合もあります。レンズ内手ブレ補正はキヤノン、ニコンとも初心者には扱いにくく、チャンスに弱い欠点があると筆者は思っています。



 今回も全てカメラ任せで撮影しました。写真好きのお父さんが子どもを口実にデジタル一眼レフを買って、親子でのお出かけを日記代わりに写真を撮りつつ、合間を見て趣味の撮影もした。という感じです。三脚があればもう少し凝った撮影ができたかもしれませんが、子ども連れで交換レンズですらどうかな? という状況で、三脚まではとても無理でしょう。三脚なしでもカメラブレに関しては、ISの特性を理解して使うと十分防げるので、ISはやはり重宝しました。

 カメラ任せではありますが、撮影モードはちょっと工夫しました。動き回るシーンではかんたん撮影ゾーンのスポーツモードにし、連続撮影枚数を増やすため記録画質はJPEGミドルファインに設定。それ以外は応用撮影ゾーンのプログラムで撮影。AFエリア自動設定はイマイチ馴染めないので中央に固定、記録画質はJPEGラージファインという感じです。かんたん撮影ゾーンと応用撮影ゾーンでは設定が別個に記憶されるので、記録画質をそれぞれ違う設定にしても、変更しない限りはずっとそのままになります。


動き回る状況ではかんたん撮影ゾーンのスポーツモードを選択。連続撮影枚数を増やすために記録画質はJPEGミドルファインに設定しました
かんたん撮影ゾーンで記録画質をJPEGミドルファインに設定しても、応用撮影ゾーンでは別個に設定できます

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


背景に写っているのは娘の母親です。花粉症対策のため怪しげに写っています(笑)。写真日記としては、まぁこれもアリかなと思います
EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/320秒 / F6.3 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 250mm
全自動モードにセットして妻にEOS Kiss X2を託しました。ブレているカットも多少ありましたが、35mm判換算で400mm相当の超望遠の画角を難なく初心者でも撮れてしまうのがすごいと思います
EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 250mm

EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 208mm EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/640秒 / F9 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 250mm

EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/250秒 / F6.3 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 250mm EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 2,056×3,088 / スポーツ / 1/1,000秒 / F6.3 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 90mm

EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/400秒 / F7.1 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 250mm EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/160秒 / F10 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 55mm

EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 2,848×4,272 / スポーツ / 1/1,000秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 250mm EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/100秒 / F5 / 0EV / ISO200 / WB:オート / 96mm

EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / スポーツ / 1/125秒 / F5.6 / 0EV / ISO800 / WB:オート / 194mm EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS / 2,848×4,272 / プログラムオート / 1/60秒 / F4.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 18mm

EF-S 55-250mm F4-5.6 IS / 4,272×2,848 / プログラムオート / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO200 / WB:日陰 / 250mm


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/eosd/kissx2/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(EOS Kiss X2)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#eos_kiss_x2
  キヤノンEOS Kiss X2関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7809.html



野下義光
(のしたよしみつ)熊本県生まれ、千葉県育ち。国立木更津工業高等専門学校機械工学科卒業後、エンジニアとして大手コンピューター会社に5年勤務。その後、夢を捨てきれず写真界へ身を投じる。現在ジュニアアイドルを中心にWeb、DVDジャケ写などで活躍中。フルデジタルの写真集も多数手がけている。趣味はネットオークション(笑)

2008/05/15 13:46
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