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キヤノンEOS Kiss X2【第3回】
優秀な高感度画質とノイズ低減機能

Reported by 野下義光


装着レンズは今回の作例で用いたEF 35mm F1.4 L
 連載第1回で、妻が自分で撮った娘の写真を見るためにこのサイトにアクセスしちゃいました。そこで「買う気モード」であることがバレてしまい、鋭く厳しい視線を浴びていますが、めげずに頑張ろうと思います。

 今回はEOS 40Dとの高感度での画質比較です。結果は作例を見ての通り、ノイズについても全くの互角と言ってもいいくらい差は見受けられません。総合的には、画素数の多いEOS Kiss X2が若干有利に感じられます。

 しかしEOS Kiss X2は、ISO100〜1600の間で、ISO100 / 200 / 400 / 800 / 1600の1段ごとでしか設定できません。一方、EOS 40DはISO100〜1600の間で、ISO100 / 125 / 160 / 200……と1/3段ごとのきめ細やかな設定が可能です。さらにEOS 40Dは、ISO感度拡張機能でISO3200相当の”H”も設定できます。

 光量が十分にある状況ではISO100に設定しておけばいいのですが、光量が乏しい場合、1段ごとでは大雑把な使い勝手になります。例えばポートレートの撮影で、描写とボケが美味しいF2で撮りたい。シャッター速度は被写体ブレを防ぎたいので1/100秒を下回りたくない。1/100秒・F2で適正露出を得るにはISO250に……などと1/3段刻みでの設定が可能なら、微妙な組み合わせができます。


EOS Kiss X2の感度設定画面 EOS 40Dの感度設定画面

 例えば1段ずつだと、1/160秒・F2・ISO400ではシャッター速度は十分過ぎるが、ISO400ではノイズが目立ってしまう。1/80秒・F2・ISO200だと被写体ブレが目立ってくる。1/100秒・F1.8・ISO200ではレンズの描写が甘い。など、ベスト! と思える設定が行えません。微妙なところをこだわりたいという人には、EOS Kiss X2での感度設定に不満を覚えることでしょう。

 両機ともISO Autoも設定できます。Autoで設定される範囲はどちらもISO100〜800の間です。ISO800では露出アンダーになってしまうような場合でも、ISO800を越えることはありません。ISO AutoにおけるISO800以上の高感度域は、ノイズを覚悟の上あえて自ら設定する人ならまだしも、まだ万人には受け入れてもらえないだろうとのメーカーの判断でしょうか。ちなみにISO AutoであってもEOS Kiss X2は1段刻みで設定されます。


EOS Kiss X2の高感度撮影時のノイズ低減設定画面
 なお、EOS Kiss X2にも「高感度撮影時のノイズ低減」は惜しみなく搭載されています。EOS-1D Mark IIIで初搭載されたこの機能は、解像感の喪失やコントラストの低下を招くことなくノイズ感を低減する優れた機能です。ISO100の低感度であってもS/N比が悪くなるシャドー部には働きますし、露出を失敗してアンダーになった画像を後処理で救済する場合も有効です。

 筆者が去年EOS-1D Mark IIIの長期リアルタイムレポートを書いた当時、まだこの機能の有効性に気づいていませんでした。その後使い込むにつれて有効性に気づき、今ではよほど連写しなければならないような場合以外、常に設定を「する」にしています。

 「よほど連写しなければならないような場合以外は」というのは、処理にバッファメモリを使うのか、連続撮影可能枚数が減ってしまう欠点があるからです。


キヤノンのRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」はVer.3.3.0.0から画像情報に高感度撮影時のノイズ低減する・しないを表示できるようになった。これ以前のバージョンでは表示がなく、撮影時に設定したかどうかを調べる術はなかった
 EOS Kiss X2の連続撮影枚数は、RAWだと6枚ですが、JPEGならけっこうな枚数の撮影が可能で、仕様表ではJPEGラージファインで約53枚、JPEGスモールノーマルなら約2,290枚となっています。しかし、「高感度撮影時のノイズ低減」をオンにすると、すべての記録画質設定において一律で2枚に激減してまうのです。

 2枚連写してしまうと、次にシャッターを切るにはメディアへの書き込みをまたなければなりません。相性のよい速いメディアならともかく、遅いメディアだと相応にゆっくりしたテンポでしか撮れなくなってしまいます。EOS 40Dだと全ての記録画質設定において一律で6枚となってしまいますが、2枚よりはまだ余裕があります。

 とはいえ、連写さえしなければ特に問題ないので、低感度でも有効なこの機能は、積極的に「する」に設定したいです。連写とメディアについては、また次回以降に詳しく調べて報告しましょう。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


高感度撮影時のノイズ低減:「しない」


EOS Kiss X2・ISO100
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F4.5 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D / ISO100
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F4.5 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X・ISO200
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F6.3 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO200
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F6.3 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X2・ISO400
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F9 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO400
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F9 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X2・ISO800
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F13 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO800
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F13 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X2・ISO1600
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F18 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO1600
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F18 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

高感度撮影時のノイズ低減:「する」


EOS Kiss X2・ISO100
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F4.5 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO100
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F4.5 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X2・ISO200
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F6.3 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO200
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F6.3 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X2・ISO400
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F9 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO400
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F9 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X2・ISO800
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F13 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO800
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F13 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm

EOS Kiss X2・ISO1600
EF 35mm F1.4 L USM / 4,272×2,848 / マニュアル露出 / 1秒 / F18 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm
EOS 40D・ISO1600
EF 35mm F1.4 L USM / 3,888×2,592 / マニュアル露出 / 1秒 / F18 / 0EV / WB:白熱電球 / 35mm


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/eosd/kissx2/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポート(EOS Kiss X2)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2008.htm#eos_kiss_x2
  キヤノンEOS Kiss X2関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7809.html



野下義光
(のしたよしみつ)熊本県生まれ、千葉県育ち。国立木更津工業高等専門学校機械工学科卒業後、エンジニアとして大手コンピューター会社に5年勤務。その後、夢を捨てきれず写真界へ身を投じる。現在ジュニアアイドルを中心にWeb、DVDジャケ写などで活躍中。フルデジタルの写真集も多数手がけている。趣味はネットオークション(笑)

2008/05/01 13:48
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