デジカメ Watch
最新ニュース

ニコンD300【第4回】
効果の高いセンサークリーニング機能

Reported by 大浦タケシ


 D300はニコンとしてはじめて撮像素子のゴミ除去機能、イメージセンサークリーニング機能を搭載している。デジタル一眼レフをリリースするメーカーとしては実質最後発といえるものだ。搭載が遅れた理由は知る由もないが、他社のパテントをクリアするなどの必要が生じたのだろう。基本的な仕組みは先発のメーカーのものとほぼ同様で、ローパスフィルターを振動させて付着していたゴミやホコリを払い落とす。D300では周波数の異なる4種類の振動を使用しているという。

 機能の駆動はセットアップメニューの中から設定が行なえる。電源ON時のみ、電源OFF時のみ、電源ONとOFFの3つから選択できる。個人的には、大した根拠があるわけではないが、撮影に入る直前となる電源ONで実行を選択している。余談となるが、このイメージセンサークリーニング機能の最上位機D3への搭載が見送られたのはなぜだったのだろう。

 D300では、そのほかにインテグレーテッドダストリダクションシステムを採用する。これは上記のイメージセンサークリーニング機能に加え、ゴミやホコリに対する総合的な対策となるものだ。

 まずローパスフィルターに帯電防止加工が施されホコリを着きにくいものにするとともに、そのユニット周辺にホコリを吸着する特殊な加工がなされている。ミラーボックス内で舞ったホコリに対し有効な施策といえるだろう。

 次にローパスフィルターと撮像素子の距離を確保することで、万一ゴミやホコリがローパスフィルターに付着しても影響が出にくいようになされている。

 また、シャッターユニットなどからのメカダストの発生を最小限に抑えるような工夫がなされるほか、RAWで撮影を行なった場合、同社の現像ソフトCapture NXを使いソフト的にゴミやホコリを軽減するようにもなっている。これはキヤノンのRAW現像ソフトDigital Photo Professionalにも同様の機能があるが、Capture NXのほうが搭載は先である。


D300には、イメージセンサークリーニング機構以外にも、ゴミ対策が施されている
あらかじめダストデータを取得しておけば、Capture NX上でゴミを取ることもできる

 さて、万全を記したともいえるD300のゴミ除去対策であるが、やはり気になるのがイメージセンサークリーニング機能を中心とするその効果だろう。実際使ってみた感じはというと、具体的な比較検証ができないので主観的なものになってしまうが、個人的にはその効果は高いと思っている。撮影した画像に大きく目立つゴミの着いていたトラブルは今まで1度のみ。それも自分で購入したD300ではなく、発売前のβ機を使っていたときにだ。もちろん細かく見て行けば、小さなゴミは付着しているだろうし、イメージセンサークリーニング機能が及ばないものもある。

 しかしながら、A4サイズ程度のプリントではほとんど問題は生じないレベルといっていいだろう。また、メインで使用しているキヤノンEOS 40Dのセルフクリーニングセンサーユニットと比較した場合でも、D300のほうが効果の高いように思われる。ゴミ除去機能は元祖ともいえるオリンパスのSSWFがその実力に1日の長が見受けられるといわれるが、ニコンもなかなか侮れないように思われる。


電源スイッチに連動したクリーニング機能では、電源ON、電源OFF、電源ONとOFFの3つから選択できる。好みやカメラを使用する環境から選択するとよいだろう。筆者は電源ON時に作動するようにセットしている 画面はメニューからクリーニングする際のもの。個人的にはこの方法からクリーニングをしたことがない。つまり、電源ON時のクリーニングだけでも効果は十分ということ

※作例下の撮影データは、記録解像度/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/レンズ/実焦点距離を表します。
※サムネールをクリックすると、等倍の画像を開きます。


4,288×2,848ピクセル / プログラムAE / 1/40秒 / F3.2 / -2.3EV / ISO1600 / WB:晴天 / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 22mm 2,848×4,288ピクセル / 絞り優先AE / 1/50秒 / F5.6 / 0EV / ISO200 / WB:オート / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 45mm

4,288×2,848ピクセル / プログラムAE / 1/400秒 / F10 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 17mm
2,848×4,288ピクセル / プログラムAE / 1/250秒 / F9 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 17mm

4,288×2,848ピクセル / 絞り優先AE / 1/60秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO200 / WB:オート / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 55mm 4,288×2,848ピクセル / プログラムAE / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO200 / WB:オート / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 55mm

2,848×4,288ピクセル / プログラムAE / 1/250秒 / F8 / -0.3EV / ISO200 / WB:オート / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 55mm 2,848×4,288ピクセル / プログラムAE / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO200 / WB:オート / AF-S DX 17-55mm F2.8 G ED / 50mm


URL
  ニコンD300関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2007/08/24/6897.html



大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2008/04/30 16:41
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.