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オリンパス E-510【第3回】
「親指AF」と測距点の関係

Reported by 北村 智史


 最初に買ったデジタル一眼レフはキヤノンのEOS D60で、これが3点測距だったわけだが、その後買い替えたEOS 10Dが7点測距、EOS 20Dでは9点測距になり、ニコンD200は11点測距(測距点がカバーするエリアはキヤノンの9点測距とほぼ同じである)と、まあ時代を追ってスペックアップしてきたと言える。

 が、オリンパスはと言うと、3点測距である。しかも、左右の測距点の間隔が狭くて(EOS D60のよりもちと狭い)、正直なところ、積極的に測距点を使い分けようという気持ちになれないシロモノだったりする。

 下の図は、いくつかのデジタル一眼レフのファインダー上の測距点配置を重ね合わせたもので、赤色のラインがE-510(E-410も同じ)、水色がキヤノンEOS Kiss Digital X(EOS 30Dも同じ。ニコンD200もほぼ重なる)、薄い緑色がニコンD40X(D40も同じ)である。各機種とも視野率は95%なので、実画面に対するファインダー像の範囲はほぼ同じ。フォーサーズは画面比率が違うのでフレームがちょっとズレるが、まあこんな感じだろう。


エントリーモデルのAF測距点。赤=E-510/410、水色=EOS Kiss Digital X、薄緑=D40X/D40

 ご存知のとおり、オリンパスはレンズ交換式一眼レフから遠ざかっていた時期が長かったこともあって、AFについてはかなりのディスアドバンテージを負っている。測距点の数だけでなく、AFのスピードや精度、低輝度でのピント検出能力など、ほぼ全面的に他社に負けてしまっているのが実情なのだ。

 実は、前回と似たような感じのテストをやってみたのだが、条件がきびしかったためか、めまいがしそうなぐらいの結果だったので、今回は掲載しない。が、E-510よりも自前のE-410のほうが若干成績はよかった。もちろん、個体差の可能性は十分にあるが、前々回から言っていた、「ちょっとアマい気がする」が裏付けられたかっこうではあった。もっとも、E-410にしても、AFの性能は威張れるようなものでもないから、年内発売希望のアレにはもっといいAFが載ることを期待するしかない。

 それはさておくとして、AFまわりのセッティングについて、少し書いておくことにする。

 筆者はいわゆる“親指AF”をおもに使っている。知らない人がいるかもしれないので念のために書いておくと、“親指AF”は、背面のAEロックボタンなどでAF作動を行なうもの。右手親指でAF作動を行なうところから“親指AF”と呼ばれる。シャッターボタンを半押ししてもAFが動かないから、フレーミングを固定して撮りたいとき(ピントを合わせたいところに測距点が重なるとはかぎらないからね)などには便利だ。

 で、筆者がおもに使っているのは、“親指AF”+コンティニュアスAFのコンビネーション。E-510の場合、カスタムメニュー(スパナマークの1のほう)の「AEL/AFLモード」で、C-AF(コンティニュアスAF)を「mode 3」に切り替えると、背面の「AEL/AFLボタン」押しでAFが作動するようになる。

 このモードの便利なところは、ほとんどの撮影をこれだけでこなせることだ。例えば、子どもの写真を撮るとき。子どもが動いていれば、普通はコンティニュアスAFを使うが、フォーカスロックができないので、子どもの顔なり身体なりを測距点に重なるフレーミングでしか撮れない。立ち止まった子どもを、フレーミングをずらして撮りたければ、S-AF(シングルAF)またはMF(マニュアルフォーカス)に切り替えなくてはならない。


名前は「AEL/AFLボタン」だが、フォーカスロック機能がないような気がする。“親指AF”時には、これがAF作動ボタンになる セットアップメニュー(スパナマークの2のほう)で「AEL/AFLボタン」と「Fnボタン」の機能を入れ替えることができる。「AEL/AFLボタン」が押しづらい人には便利だ

 が、“親指AF”+コンティニュアスAFのコンビネーションだと、そういう切り替え操作はまったくなし。動く子どもを追いかけるときは「AEL/AFLボタン」を押しつづければいいし、止まっている子どもをフレーミングを調整して撮りたいときは「AEL/AFL」ボタンから指を離せばいいだけ。簡単だ。

 最初から止まっている被写体でも、「AEL/AFLボタン」を押して、指を離せばフォーカスロックとなるわけだから、S-AFと同様の使い方ができる。フォーカスモードを「C-AF+MF」にしておけば、必要に応じてピントの微調整も行なえる。

 AF性能がうんとよければ、手持ちのマクロ撮影にも便利だったりする。風で揺れる花の動き、身体の揺れによる撮影距離の変化をC-AFが吸収してくれるので、つねにピントが合った状態で撮影できることになる。が、オリンパスのAFだとかなりきつい。天気のいい野外ならある程度は追ってくれるが、温室などの薄暗い条件だともうだめ。はっきり言って、MFのほうが効率がずっといい。

 まあ、AFでだめなときは「AEL/AFLボタン」を押さなければいいだけなので、やっぱり切り替え操作はいらない。そういうわけで、筆者は“親指AF”+コンティニュアスAFのコンビネーションを愛用しているのである。

 ただし、E-510、E-410ともに変なクセがあって、“親指AF”+コンティニュアスAFのときに、「AEL/AFLボタン」から指を離してもAF作動が止まってくれないことがある。どうやら、いったんきちんと合焦しないとAFが作動しつづける仕様であるらしく、「AEL/AFLボタン」をちょんと押して、すぐにフレーミングを変えたりすると、背景にピントを合わせてくれたりするので注意が必要だ。こういう仕様だと言われればしようがないのだが、筆者的にはバグにしか思えない。


十字キーの右キーを押すとフォーカスモードを選択する画面になる。筆者は“親指AF”にC-AF+MFを組み合わせて使っている S-AFはスナップなど用にシャッターボタンAFにしている

C-AFは“親指AF”で、シャッターボタン半押しでAEロックがはたらく「mode 3」を使用 MFでも「mode 3」に設定すると、「AEL/AFLボタン」でAF作動(S-AF)が可能になる。つまりシングルAFの“親指AF”になる。なので、フォーカスモードの切り替えで、シングルAFのシャッターボタンAFと“親指AF”が使い分けられるわけだ

 ちなみに、E-510では、「AEL/AFLボタン」と「Fnボタン」の機能を入れ替えることができるので、「AEL/AFLボタン」が遠くて押しづらい人には便利だろう。

 それと、ストロボが必要なぐらいに暗い場所ではピントが合わなくなることも要注意点。シングルAF的に使えるといっても動作自体はコンティニュアスAFなので、どんなに暗くてもAF補助光が発光しないのである。筆者は、“親指AF”+コンティニュアスAFのコンビネーションを使いはじめたばかりのころに夜景をバックに子どもの写真を撮ろうとして、ピントが合わなくてうろたえたことがある。なので、暗くなったらシングルAFに切り替えるのを忘れずに。


作例

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します


AFのテスト用に撮ったカット。こちらはライブビューの拡大機能を使ってMFでピントを合わせている。前回も、AFだとアマい可能性があったので、ピントはMFで合わせていた
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/1,600秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 150mm
こちらはフォーカスリングを無限遠にしてからS-AFで半押しして合焦マークの点灯を確認してからシャッターを切ったカット。無限遠側から50コマ、至近側から50コマ撮ったが、全体的にこんな感じ。うーん、って感じだ
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/1,600秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 150mm

マクロ撮影でコンティニュアスAFを使うメリットは、撮影距離を変えてもピントが合いつづけるために被写体の大きさの調整が効率よく行なえること。このぐらいの倍率ならE-510のC-AFでもそこそこ追ってくれる
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm
中央の測距点で“親指AF”でピントを合わせ、フレーミングを調整してMF仕上げ、というのが筆者の基本パターン。測距点のカバーエリアが十分に広ければ、測距点を切り替えて撮ってもいいが、左右の測距点が中央からあまり離れていないので、切り替えて使うメリットはあまりなかったりする
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F2.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm

E-410もそうだが、オリンパスのデジタルESP測光は被写体の明るさや背景の影響を受けやすい。キヤノンやニコン(D40系除く)に比べて露出補正量は多めなように感じる
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/40秒 / F5.6 / +1EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm
これも感覚の問題かもしれないが、赤〜オレンジ系はゴージャスな色ノリになるのに対して、黄色系はあっさりめに出る傾向があるように思う
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/160秒 / F3.2 / -0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm

ヤシの実でつくったと思われるカメ。思わずつっつきたくなってしまう(つっつかないけどね)
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F2 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm
ハスの花芯。なんかクラーケンっぽい……って海賊映画の見すぎ?
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F4.5 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm

野外で風があると被写体は揺れるし、こっちの身体もじっとしていられるわけではない。風がおさまりそうになると息を止めて揺れが止まるのを待って撮るわけだが、ときどき酸欠になりかける
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/320秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm
50mmマクロの絞り開放の被写界深度は紙みたいに薄い。ピクセル等倍で見ると、ピントが合ってるんだか合ってないんだかわからないぐらいだ
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F2 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm

位置が低めで中腰がつらかったため、このカットだけライブビュー。ストラップを首にかけて腕で突っ張るようにすると、ブレを抑えやすい
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm
こういうのは透過光で撮るとキレイ。そろそろ円形絞りが欲しいです
ED 50mm F2 Macro / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 50mm


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e510/
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー(E-510)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm2007.htm#e_510


( 北村 智史 )
2007/08/06 00:46
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