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オリンパス E-510【第1回】
低価格で写りの良いダブルズーム

Reported by 北村 智史


ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6を装着したE-510(左)とZUIKO DIGITAL ED 45-50mm F4-5.6
 オリンパス「E-410」と「E-510」が発表されたのはこの3月。さんざん待たせたあげくに「第二章」の幕開けとうたうにはしょぼくないか、などとささやかれたものの、試用したE-410は思いのほか出来が良かったもので、ついその気になってしまった。

 手ブレ補正内蔵のE-510にもひかれたが、発売日が早かったこともあって、E-410を選んだ。というのは、年内発売希望のアレのサブにするには小型軽量なほうがいいだろうとの考えもあったし、カタチも好みだったからだ。発表当時、3万円程度と言われていたE-510との実売価格の差も大きかった。

 が、フタを開けてみたら、価格差は2万円に縮まっているし、いろいろとうらやましい機能も追加されている。ほいほい買い替えたり買い足したりできるほどおカネがあるわけではないので我慢するけれど、待っときゃよかったなぁ的気持ちもあったりする。それぐらい、E-410を買った身には口惜しいカメラに仕上がっているのがE-510なのである。

 というところまでが、デジカメWatchでE-510の「新製品レビュー」を書いた時点のお話。その後、「E-410もほめてくださいよぉ」などと言われつつ、ブログに書いた怒濤の6月をようやく乗り切れそうな雰囲気になってきたところで、編集部から、長期レポートやりませんか、とのお達しである。

 実を言うと、レビューでE-510についてあれやこれやといっぱい書いてしまったので、大きなネタは残っていない。この状況で長期レポートをやるのは少々しんどい気もしないではない。8回も話がつづくかどうか今から心配だったりするのだが、使っているうちに見えてくることもあるだろうし、途中で挫折しないように頑張ってみようと思う。

 初回と言うこともあるので、とりあえず、ダブルズームキットの2本で撮ってみた。レンズ2本で28mmから300mm相当までカバーできて、重さはたったの400g。ボディーとセットで870gの軽さは幸せである。

 あちこちに書いているが、この2本はキットで買えば実質3万円という低価格なわりには、写りがいい。開放F値の暗さは泣き所だが、手ブレ補正内蔵のE-510との組み合わせなら、それなりにカバーできてしまう。

 今回は天気がいまいちよくなくて、絞り開放でもシャッター速度が1/30秒以下になるケースが多かったから、手ブレ補正なしのE-410だと感度の上げ下げが忙しかっただろうが、E-510だと低感度のままで撮れる。心強いかぎりである。

 反面、手ブレ補正があるからと安心して、シャッター速度を確認しながら撮るという基本がどっかにいってしまいがちなのが危険でもある。40-150mmの望遠端で撮っていて、「なんかブレるなぁ。おかしいなぁ」と思いながら撮影データを見ると、シャッター速度が1/10秒とかだったりして、みょうにへこんでしまう。

 便利なのはいいが、それにあぐらをかいて油断してはいけないのである。気をつけなきゃね。

 この手ブレ補正機構の効き目がどれぐらいなのかも、一度きちんとテストしてみたいと思っているので、そのうちに。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


トンボは飛び立っても同じ場所に戻ってくる性質を持っているので比較的撮りやすいが、1m以内(40-150mmの最短撮影距離は0.9m)に近づくと今度はピントが大変だったりする
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 150mm
アメンボである。AFだとなかなかピントが合わなくて、10コマぐらい撮って、なんとか見られそうなのが2コマ。これはそのうちのマシなほう。ちょっとアマいけど
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/100秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 150mm

モンシロチョウ(たぶん)。なわばり争いなのか、求愛ダンスなのかは不明。こういうときは感度を上げなきゃいけません 枯れ葉に覆われた地面に、木漏れ日が落ちていた。もうすぐ梅雨明けなのに、秋っぽい
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/40秒 / F4 / -1.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 40mm

標準ズームの14-42mmのほぼ最短撮影距離で撮影。露出はちょっと明るすぎ。やっぱりダイナミックレンジが狭い
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 42mm
開放がF4-5.6だと背景はあまりボケてくれない分、望遠端で撮るケースが増えてしまう。普通なら感度を上げないときつい条件でも手ブレ補正があるからなんとかなってしまう
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/50秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / WB:晴天 / 150mm

ISO100で絞り開放、1/25秒。手ブレ補正がなければ撮る気にもなれなかっただろう
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/25秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 150mm
ピントが合ってないわけではないが、なんとなくアマい気がするのはどうしてだろう。このあたりもテストしてみる必要があるかもしれない
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/125秒 / F11 / -0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 48mm

人慣れしているらしく、このぐらいまで近づいても逃げない。口を開いているのは威嚇しているのではなくて、暑いかららしい
ED 40-150mm F4-5.6 / 3,648×2,736 / 1/200秒 / F5.3 / 0EV / ISO100 / WB:晴天 / 119mm
14-42mmの望遠端の絞り開放。普通はけっこうアマさが目立つ条件だが、シャープ感は十分に高い
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/20秒 / F5.6 / -1.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 42mm

こちらは広角端。こういう条件で、倍率色収差が目に付かないのは立派。葉っぱの輪郭が溶けてるのは気になるけど
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F4.5 / +0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 14mm
でかい倒木が放置されていたりする。これが都心の風景とは思えない
ED 14-42mm F3.5-5.6 / 3,648×2,736 / 1/60秒 / F5.1 / -0.7EV / ISO100 / WB:晴天 / 31mm


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e510/
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(E-510)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#e510


( 北村 智史 )
2007/07/23 00:39
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