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キヤノン EOS-1D Mark III【第1回】
ようやく届いた「3代目」

Reported by 野下義光


筆者が購入したEOS-1D Mark III(2台)。発表翌日に予約したのが仇となり、予約店に入荷したのは6月末。購入価格は1台44万8,000円(ポイント類を含まず)
 今や100%デジタルで仕事をしている筆者が、初めて購入したデジタルカメラが初代「EOS-1D」。デジタルカメラに関しては全くの白紙の状態でしたが、EOS-1Dでその初歩を学びました。

 その後、唯一最大の不満点であった画素数の少なさを一気に約2倍とし、随所改良されフルモデルチェンジした「EOS-1D Mark II」で完全にデジタルに移行しました。それから3年、新主力機として購入したのが「EOS-1D Mark III」です。

 もっとも、EOS-1D Mark IIとEOS-1D Mark IIIの間には「EOS-1D Mark II N」が存在したことを覚えておられるでしょう。単体で見ると魅力のあるカメラでしたが、「主力機は同型機を2台」という私の方針では費用対効果として厳しいこともあり、EOS-1D Mark IIからの買い替えを見送った経緯があります。

 筆者が「仕事カメラ」に求める機能・性能は、第1にタフであること。この点、初代もMark IIも期待を裏切りませんでした。砂浜に直置きしたり一瞬海に水没させたりなどの過酷な環境でも、動画素材用に最高速連写で数百コマ連写し続けたりと、どんなに酷使しても、初代は20万ショット、MarkIIは2台とも25万ショットで退役させるまで全くの故障知らずでした(EOS-1D Mark IIは2台とも20万ショット前後の頃に耐久オーバーでシャッターユニットを交換しましたが)。

 第2はレスポンス。シャッタータイムラグはもちろん、AFの高速性、メディアへの書き込み、余裕のバッファ、そして連写。どれもポートレートを常にテンポ良く撮り続けるには欠かせません。

 画質ももちろん重要です。ただ画質については、下位機種の「EOS 30D」などでも手抜かりはなく、EOS-1D Mark IIと同等です。でも上記2点はEOS 30Dでは得られないポイントだと考えています。


 1D系にはフルサイズの撮像素子で高画素モデルの「EOS-1Ds Mark II」がありますが、これもタフさはおそらくEOS-1Dシリーズと同等、連写性能も一般的には必要十分でしょう。しかし、RAWでしか撮らない筆者にとっては、いかんせんバッファの容量やメディアへの書き込み速度が不十分で、かなりゆっくりしたテンポでの撮影を努めてもすぐにバッファフルになり、撮影の中断を余儀なくされるところが不満です。そのため購入には至らず、ポスターなど大きく使用される媒体の撮影時のみ、レンタルで使用してきました。

 EOS-1D Mark IIもまだまだ当分は現役で使用できる機能・性能を有しています。ではなぜEOS-1D Mark IIIに買い換えたのか? それは飽きたからです(笑)。というのは半分冗談で、本当はフルモデルチェンジで搭載された新機能・新性能が、今まではなし得なかった新たな表現が得られる力を秘めているからです。もちろん撮る者の心と技も重要ですが、機材の機能・性能は心と技と相互作用しつつ別次元として重要です。その辺は使い込みながら、追々解説したいと考えています。

 さてここからやっと本題です。今回は届いたEOS-1D Mark IIIの設定を筆者好みにセッティングしてみました。実は別件でデモ機を借り受ける機会があり、購入前からけっこうあれこれ試して使い込んできました。更に初代やMarkIIでの経験も踏まえた上でのセッティングです。今後も変更を行なう可能性もあるので、その際にはご報告します。


主な同梱物。このほか、ACやUSBなどのケーブル類に別売のワイヤレストランスミッターを保持するパーツ。個人的には一生使わないACアダプターが必ず同梱されるのは1D系の伝統!? オプションにしてその分安くして欲しかった 電池も充電器も刷新!! 2個の電池が順番に充電される。でも相変わらずデカい。上に写っているのは使わない際の充電器のカバー(失くしそう)

視度調整つまみがアイキャップの中に引っ込んで不用意に動かなくなった。うれしい
電源スイッチを入れるといきなりセンサークリーニング。この機能の詳細は次回以降に

購入後に施したセッティングの一部

ピクチャースタイルは今のところ試した範囲ではニュートラルが筆者好み 画像サイズは基本的にRAWを選択

適正露出を判断する情報としてハイライト警告表示は「する」に、ヒストグラムはMark IIで慣れたRGBにセット オートパワーオフは初代1D時代にあれこれ試して15分に落ち着いた

Mark IIIになって初めて秒単位まで時刻合わせが可能になった。2台のボディで撮ったデータを撮った時刻順に並べ替えるので、秒単位で合わせられるのは便利。従来はいちいちPCと接続して同期を取っていた シャッター速度の上限・下限が設定できる。通常は「しない」だがスタジオなどで大型ストロボを使用する場合は「する」に。本当は上限も下限も1/60秒にして固定したいのだが、なぜか高速側の最低は1/250秒、低速側の最高は1/60秒までしか設定できない

話題!? の高輝度側諧調優先は今のところ悪影響は見当たらないので「する」に。詳細はテストして次回以降に 注目の新機能。まだ試してなく、下手にいじると全てがピンボケになる恐れがあるのでとりあえず「しない」に。これも精査してみます

最速化にするとレンズ毎にタイムラグが異なって違和感があるので初代1Dから「しない」にしている


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/eosd/1dmk3/
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(EOS-1D Mark III)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#1dmk3


( 野下義光 )
2007/07/18 00:01
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