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オリンパス E-410【第4回】
三鷹から武蔵小金井――グリップレスボディとの付き合い方

Reported by 安孫子 卓郎


今回は主にシグマの30mm F1.4 EX DC HSMを使用した。フォーサーズには貴重な明るい単焦点レンズの1つ
 三鷹駅を出て、北側を西に向かう。南でもいいのだが、こちらの方が玉川上水があり、緑が多いからである。玉川上水そのものは次第に線路から離れて行くが、武蔵境あたりまでは小公園が連なっており、緑をたどりながら歩くことができる。

 単純な「歩く会」などでは、1日に20kmも30kmも歩く企画もよくあるが、今回の私の企画は直線で平均5km程度。わき道にそれつつ写真を撮りながらなので、毎回3時間近くかかっている。大通りを歩いても面白くないのでこのような歩き方をしているのだが、時間がかかる割には運動にならず、ダイエット効果が少ないのが難点だろうか。

 このあたりは、中央線の高架工事区間。踏切が長くなって開かずの踏切が増えたと、かつてワイドショーでとり上げられた区間である。工事が始まったのが2003年の11月ころ。発売されたばかりのE-1で撮影したことを覚えているが、それから4年もたつというのにまだ工事中である。区間が長いということもあるだろうが、なんともはやのんびりした工事に思えてしまう。もっとも、現在は遮断区間が短くなり、踏み切りの間隔も以前に戻っているようだ。

 東小金井まで行くと、駅舎が立替中なのにびっくり。考えてみれば、線路が2階になればホームも2階に上がる。理屈で考えると当然なのだが、予想していなかったのでアクリル張りの工事中のホームを見てびっくりしてしまった。後で気がついたが、武蔵境でもホームを作っていた。もともと改札は2階にあったのだが、ホームの工事に伴って3階ができていた。

 軽量のE-410なので歩くのも楽だが、ふと気がつくと結構手が疲れている。最近では珍しくグリップがないカメラなので、ふとそのせいかとも考えてみたが、原因がわかった。撮った後が問題なのだ。


いわずもがなだが、ホールディングの基本は右手ではなく左手。グリップがなくても問題ない 重い望遠レンズでも同じ。左手で鏡胴を支え持つ

 カメラの構え方、もう皆さんにはいわずもがなと思うが、左手でレンズを支えるのが基本。重たいレンズの場合はほとんどすべてを左手で支え、右手はレリーズのためにそっと添える感じにする。軽量レンズだと、E-410なら右手1本でももててしまうが、片手で持つとレリーズのときに押し下げる力がそのままカメラに伝わり、カメラブレを起こす原因になってしまう。従って軽量のレンズでも、左手をカメラの下に添えてレリーズショックを吸収するように構えるわけだ。

 基本に従って撮影していれば、右手が疲れるはずはない。ふとみると、撮影後に左手をはずして、右手でカメラを持っていることに気がついた。撮影中はグリップがなくても平気なのだが、撮影の合間はグリップのあるカメラと同じように右手でカメラを持って移動しているので、このときに力が入り、右手が疲れているようだ。今回は意識して、撮影後に右手を外して左手でカメラを持つようにしてみたところ、ぐっと楽になった。E-410のユーザーはおためしあれ。

 今回の使用レンズはシグマ「30mm F1.4 EX DC HSM」。売れないといわれる単焦点レンズだが、単焦点に飢えていたフォーサーズユーザーには好評で、発売直後に初回生産分は売り切れてしまったようだ。

 最短撮影距離が40cmと、30mmにしては長い。APS-Cサイズ用として発売されたときはその点が気になって購入せずにいたが、フォーサーズでは35mm判換算での画角が焦点距離60mm相当になる。寄れない感じがAPS-Cサイズ用より緩和されるため、ちょっとお得に感じるのもうれしい。ここのところはライカDレンズの25mm F1.4に話題を奪われているが、半分程度の価格で購入できるのは魅力。「単焦点も1本」と考えている方にはおすすめだ。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランスを表します。


シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴れ シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/4,000秒 / F2 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴れ

シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F4.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴れ

シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/640秒 / F4.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/400秒 / F3.5 / -0.3EV / ISO100 / WB:晴れ

シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/4,000秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ

シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/4,000秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ

シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/4,000秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ シグマ 30mm F1.4 EX DC HSM / 3,648×2,736 / 1/4,000秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ




E-410に似合うレンズを探せ(その4)

 ――インダスター「50-2 50mm F3.5」(M42マウント)――



 とにかく小さいレンズを、ということで選んだのが、このレンズである。もともとZenit用に作れられたM39マウントのIndustar 50をM42にしたものが50-2。直径49mm、長さ27mmで重さが65g程度と、大変小さく軽い。35mm一眼レフ用に作られた絞りとヘリコイドのあるレンズとしては、知る限り最小ではないかと思う。

 値段も5,000円前後で流通量も豊富。遊び用には楽しいレンズなのだが、安いだけあって写りもそれなり。コントラストも低いため、今回は仕上がり設定をVividにして、さらにコントラスト、彩度、シャープネスをそれぞれ+1にしてある。

 このような方法でレンズの性能を補えるのがデジタル一眼レフカメラのありがたいところでもあるが、逆に甘さをそのまま活かすというのも一法である。「こんなに安くてこんなに悪いレンズでこれだけの写真が撮れるんだ」と、楽しむのが、お得な考えではないかと思っている。仮に写真のできが悪くても、「レンズが悪いからね」と言い訳もできるから、ダブルでお得といえるかも。


インダスター 50-2 50mm F3.5 / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ インダスター 50-2 50mm F3.5 / 3,648×2,736 / 1/3,200秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ

インダスター 50-2 50mm F3.5 / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ インダスター 50-2 50mm F3.5 / 3,648×2,736 / 1/500秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ

インダスター 50-2 50mm F3.5 / 3,648×2,736 / 1/2,000秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO100 / WB:晴れ インダスター 50-2 50mm F3.5 / 3,648×2,736 / 1/1000秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:晴れ


URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/
  製品情報
  http://olympus-esystem.jp/products/e410/
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(E-410)
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( 安孫子 卓郎 )
2007/05/30 01:29
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