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ペンタックス K10D【第6回】
値上げ前に手に入れておきたいアクセサリー

Reported by 中村 文夫


 ペンタックスから15日、一眼レフカメラ関連アクセサリーの価格改定が発表になった。生産コストの上昇が最大の理由だが、その影にはフィルムカメラ衰退による需要の激減という深刻な問題が隠れている。めったに売れない商品を常時在庫し管理するだけでも莫大な経費が掛かる。今回の値上げの責任の一端は、商品を買わなくなったユーザーにもあるといえるだろう。

 ざっくばらんな話、「営利を追求する企業である以上、赤字を出してまでユーザーサービスはできない」というわけだが、ペンタックスのエライところは、それでも売り続けること。赤字を出したくないのなら、製造を中止するのがいちばんの早道だが、アクセサリーの製造を中止すると、システムカメラとしての一眼レフの魅力が半減してしまう。営業的には苦しくても、アクセサリーの供給を止めないところに、日本で初めて35mm一眼レフを発売したメーカーとしての自負が感じられる。

 今回、値上げになる商品の中には、K10Dユーザーにとって重要な商品が、たくさん含まれている。そこで今回は、K10Dにお勧めアクセサリーというテーマで緊急レポートすることにしたい。


接写関連

 近距離にピントを合わせると、レンズが繰り出す。接写リングとは、レンズとボディの間に取り付け、レンズの繰り出し量を増やし、レンズ固有の最短撮影距離をさらに短縮する接写用アクセサリーだ。K10Dに使用できる接写リングは3種類。ただし使用できるレンズは絞りリングがあるレンズに限られる。絞りリングのないDAタイプでも装着は可能だが、絞りの連動機構の関係で、絞りの制御ができなくなる。

 私の一番のお勧めは、ヘリコイド接写リングKだ。26.5〜46.5mmの間で厚みが自由に調節でき、50mmレンズを正方向に取り付けると0.51〜1.06倍の接写ができる。

 このリングは自動絞り機構を内蔵していないので、K10Dに組み合わせたときの測光は絞り込み測光。分割測光は利用できない。撮影モードはグリーンボタンを利用したマニュアル露出だけでなく絞り優先AEが可能。絞りを絞るとファインダーが暗くなるので、絞り開放でピントを合わせてから絞りを手動で絞る。またカメラ側がデジタルプレビューに設定してあっても、光学プレビューと同じようにファインダーで被写界深度が確認できる。


ヘリコイド接写リングK。直進式ヘリコイドを内蔵する。絞りは手動絞り。接写リングKセットのように頻繁に付け替えなくて済むので、CCDのゴミも防げる smc PENTAX F 50mm F1.7をヘリコイド接写リングを介してK10Dに取り付けた状態

 次にお勧めするのは接写リングKセット。この製品はナンバー1から3までの厚みの違う(9.35mm、19mm、28.5mm)リングが3個セットになっていて、それぞれを組み合わせて倍率を調節する。リングを組み替えるという手間は掛かるが、ヘリコイド接写リングに比べると撮影倍率のレンジが広く、50mmレンズを正方向に取り付けると、0.38〜1.25倍の接写ができる。

 また28mmレンズにいちばん薄いナンバー1のリングを組み合わせると、約1/2倍の接写が可能。カメラバッグの中に1個だけ忍ばせておくと、レンズの最短撮影距離をもう少し縮めたいというときに重宝する。測光方式と撮影モードはヘリコイド接写リングKと同じだ。

 オート接写リングKセットは、接写リングKセットと同じく、厚みの違うリングが3個セットになっている。オートと名前が付いているので、AFやAEが使えると勘違いする人もいるようだが、このオートは自動絞りの意味。F値連動機構と自動絞りレバー用のメカを内蔵しているが、K10Dと組み合わせた場合の使い方は絞りリングにA位置のないレンズをボディに直接取り付けた場合と同じになる。要するに撮影モードをマニュアル露出にセットし、グリーンボタンを押して適正露出を得る。

 また説明書には同時に使用できるのは2コまでと記されている。これはリングの連結部で絞り連動メカに誤差が生じるためと考えられる。したがって接写リングKに比べると撮影倍率は低くなる。ただしK10Dの場合はレンズのF値をボディ側に伝える機構を利用しないので、あまり気にすることはないようだ。

 このリングは明るいファインダー像が見られるというメリットがあるが、値段が高くコストパフォーマンスは決して良くない。フィルムカメラと兼用するならともかく、K10Dにはオートでない接写リングKセットがお勧めだ。


接写リングKセット。組み合わせを変えて厚みを調節する。絞りは手動絞り。これに対してオート接写リングKセットは自動絞りが利用できるが、電子接点を装備していないのでK10Dでは開放測光は使用できない 28mmなど焦点距離の短いレンズと厚みの薄いリングを組み合わせると、最短撮影距離が短縮できるので便利

 リバースアダプターはレンズを逆向きに取り付けるためのアクセサリー。撮影倍率が等倍以上のときは、被写体とフィルム面(K10Dの場合はCCD面)にできる像の大きさが逆転するので、レンズを逆向きにしたほうが画質が良くなるという理屈だ。

 リバースアダプターKの値上げ率は何と7倍。これだけでも今すぐ買わずにいられないアクセサリーだ。使用するレンズのフィルター径に合わせて49mmと52mmの2種類が用意されている。

 レンズを装着したアダプターをそのままカメラに取り付けても構わないが、レンズの前枠をカメラに固定するので、ヘリコイドを回しても外側の筒が移動するだけ。ピント合わせはカメラを前後させて被写体までの距離を変えるしかない。当然、撮影倍率も固定。これでは不便なので、通常はヘリコイド接写リングと組み合わせて使うことが多い。またこのリングはフィルターネジを利用して取り付けるので、フィルター径を変更するステップアップ/ダウンリングを用意すれば、他社製レンズも含めてどんなレンズでも使用できる。


リバースアダプターK49/52mm。使用するレンズのフィルター径に合わせて2種類を用意。フィルターネジを利用してレンズを逆向きに取り付ける リバースアダプターKでレンズを逆向きに取り付けた状態。撮影倍率を変えるにはヘリコイド接写リングKが必要

・K10Dと組み合わせたときの注意点


 以上の接写用アクセサリーをK10Dに使用した場合、様々な制約が生じてしまう。もともとフィルムカメラ用として30年以上前に開発された製品なので、これは仕方のないことだ。

 これらのアクセサリーに組み合わせるレンズは、最初に説明したようにレンズに絞りリングがあることが前提になる。絞りリングのないレンズも取り付けは可能だが、ボディ側から絞りの制御ができず最小絞りでしか使えない。ヘリコイド接写リングKと接写リングKセット、さらにリバースアダプターKを組み合わせた場合は、常時絞りが絞られた状態になりファインダーが暗くなる。これに対し、自動絞り機構を備えたオート接写リングKセットの場合、測光時と露光時以外は絞り開放状態が保たれるが、撮影時に絞りを選ぶことができず、絶えず最小絞りで撮影しなければならない。

 撮影モードは、ヘリコイド接写リングK、接写リングKセット、リバースアダプターKでは、絞り込み測光による絞り優先AEとグリーンボタンを使ったマニュアル露出が利用可能。オート接写リングKセットではマニュアル露出を選び、グリーンボタンを押して適正露出を得る。測光モードは、いずれの場合も中央重点かスポットモード。また上記の方法で必ず適正露出が得られるとは限らず、場合によっては露出に誤差が生じることがある。撮影時は液晶モニターで撮影画像を確認し、露出を補正しなければならない。

 接写リングと組み合わせるレンズは、焦点距離が短ければ薄い接写リングで高倍率の接写が可能。これに対し焦点距離が長いと厚みのある接写リングを組み合わせないと高倍率が得られない。ズームレンズも装着できるが、単焦点レンズに比べると画質が落ちるうえ、ズーミングするとピント位置が移動することがあり使いにくい。要するに接写リングに組み合わせるなら単焦点レンズがお勧めだ。

 K10Dの手ブレ補正機構は、手動で焦点距離をインプットすれば対応可能。しかし接写の場合は被写界深度が極端に浅くなり、ほんの少しカメラが前後に動くだけで、ピントがずれてしまう。手ブレ補正機能は上下左右のブレしか補正できないので、接写リングを組み合わせたときの効果はそれほど期待できない。接写のときはできるだけ三脚を使用した方が良いだろう。

 ピント合わせはマニュアルフォーカスで、フォーカスレバーはAF.CかMFにセット。フォーカスインジケーションは作動しないことが多い。接写リングを取り付けると被写界深度が極端に浅くなるうえ、露出倍数の関係でAFセンサーに届く光が少なくなるためだ。

 正確なピント合わせのためには、ファインダーの視度が自分の視力に合っていることが重要で、もしカメラに内蔵されている視度補正機能で補正しきれないときは視度調整レンズアダプターMが必要だ。これも値上げの対象になっているので買うなら早めの方がいい。さらに、より高いピント精度を求めるなら、マグニファイヤーFBもあると便利だ。このほかゴム製のアイカップMや67用視度調整レンズが使えるアイカップMIIも値上げになる。


●接写関連アクセサリーを使った作例

※使用レンズはいずれもsmc PENTAX F 50mm F1.7。三脚使用、SRオフ、ピントリングはすべて最短。

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
  • 作例下の撮影データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
  • 強調のため一部の項目を1行目に抜粋した場合もあります。


・アクセサリーなし


最短撮影距離0.45mで撮影
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 1/6秒 / F16 / 0.3EV / ISO100 / WB:マニュアル

・ヘリコイド接写リングを装着


縮めた状態
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 1/2秒 / F16 / -0.3EV / ISO100 / WB:マニュアル
伸ばした状態
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 0.6秒 / F16 / 0.3EV / ISO100 / WB:マニュアル

・接写リングKセットを使用


1号のみ
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 1/4秒 / F16 / -0.3EV / ISO100 / WB:マニュアル
2号のみ
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 1/2秒 / F16 / 0EV / ISO100 / WB:マニュアル

3号のみ
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 0.6秒 / F16 / 0.3EV / ISO100 / WB:マニュアル
1号+2号+3号
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 0.6秒 / F16 / 0.7EV / ISO100 / WB:マニュアル

・リバースアダプターK+ヘリコイド接写リングK


縮めた状態
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 0.6秒 / F16 / 0.3EV / ISO100 / WB:マニュアル
伸ばした状態
F 50mm F1.7 / 3,872×2,592 / 0.8秒 / F16 / 1.3EV / ISO100 / WB:マニュアル

マウントアダプター

ねじ込み式のタクマーレンズとマウントアダプターK
 マウントアダプターKは、ねじ込み式のSマウント(M42)レンズをバヨネット式のKマウントボディに取り付けるためのアダプターだ。1975年の発売以来、1,000円(税別)という低価格を維持してきたが、ついに値上げのときが来た。往年のタクマーレンズを使う予定があれば、これも1コ押さえておくべきだ。

 マウントアダプターKは、ボディに取り付けるとロックされる。あくまでもボディ側のマウントをM42に変換するもので、レンズ側のマウントをKマウントに変換するアダプターではない。したがって1個用意すれば大丈夫。

 ペンタックスは、中判カメラ用レンズをKマウントのボディに装着するマウントアダプターも発売している。このアダプターには67レンズ用と645レンズ用の2種類があるが、これらも値上げの対象。中判カメラとK10Dを併用するなら、これもあると便利。なおペンタックスは中判デジタルカメラを開発中だが、もしこれが発売になれば、おそらく専用のマウントアダプターも用意されるはず。こちらに期待を掛けるなら、慌てて現行品を買う必要はないかも知れない。

 以上の3種類のアダプターをK10Dに組み合わせた場合の撮影モードは、絞り込み測光による絞り優先AEかグリーンボタンを利用したマニュアル露出。M42のタクマーレンズと67用レンズは、レンズ側の絞り切り替えレバーをMにセットして絞りを絞る。


645レンズ用アダプターK。中判の645用レンズをKマウントボディに取り付けるためのアダプター。絞りは手動絞り、撮影モードは絞り優先AEとグリーンボタンによるマニュアル露出が利用可能 中判の67レンズ用レンズをKマウントボディに取り付けるためのアダプター。絞りは手動絞り、撮影モードは絞り優先AEとグリーンボタンによるマニュアル露出が利用可能

そのほかのアクセサリー

 このほかレンズキャップ類も値上げになる予定。特にタクマーレンズ用リアキャップ(正式名称はレンズマウントキャップS)は値上げ幅が著しい。フロントキャップならサードパーティ製が安く手に入るが、リアキャップの代用品は少ないので、これも今のうちに買っておくべきだ。さらにレンズフード類も値段が上がるので要チェックだ。またK10Dには、通常のストロボ用接点がなく、シンクロコード式のストロボを使うにはホットシューアダプター2Pが必要だ。

 とりあえず今回価格改定されるアクセサリーのうち、K10Dに関係の深いものを列挙してみた。値上げは3月1日。欲しいものがあれば、早めに押さえた方が良いだろう。


筆者の選んだ「買っておきたい」アクセサリー一覧(単位円)

品名 お勧め度 旧価格 新価格
接写関連
ヘリコイド接写リングK ★★★ 11,550 21,000
リバースアダプターK49mm ★★★ 1,050 7,350
リバースアダプターK52mm ★★★ 1,050 7,350
接写リングKセット ★★ 16,800 31,500
オート接写リングKセット 22,050 47,250
ファインダー関連
マグニファイヤーFB ★★ 4,200 10,500
視度調整レンズアダプターM
(-5〜+3)
630 1,575
アイカップM 189 525
アイカップMII 840 1,575
67視度調整レンズ
(-5〜+2)
735 1,050
マウントアダプター
マウントアダプターK ★★★ 1,050 3,675
645レンズ用アダプターK ★★ 21,000 36,750
キャップ
レンズマウントキャップ(S) ★★★ 158 525
ボディマウントキャップ(S) 158 525
ボディマウントキャップK ★★ 315 525
レンズキャップF49/F52mm ★★ 315 420
レンズキャップF67mm ★★ 473 525
レンズキャップA77mm 578 630
そのほか
ホットシューアダプター2P ★★ 1,575 2,625
レンズフード類 1,050〜 2,100〜



URL
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp/
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp/
  製品情報(K10D)
  http://www.digital.pentax.co.jp/ja/35mm/k10d/
  アクセサリー価格改定表(PDF)
  http://www.pentax.co.jp/japan/news/announce/20070115-01.pdf
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(K10D)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#k10d
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  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm

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( 中村 文夫 )
2007/01/19 01:11
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