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しょっぱなから後ろ向きで失礼。背面液晶表示こそ、D40ならではの機能
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ニコンデジタル一眼の末っ子「D50」の長期レポートを担当したのが、2005年の夏のこと。あれから約1年半、満を持して発売された後継機「D40」の実機を手にすると誰もが「小さ~い」と驚く。D50も末っ子らしく小型軽量のボディを与えられていたのだけど、それは当時の兄弟D70sなどと並べてみると小さく見えるという性質の小ささだった。D40は何かと比較しなくても、それだけで小さく感じられる。
あるいは、「かわいい」と言う人もいる。世に小さいデジタル一眼はほかにもあるけれど、「かわいい」という感想につながることはあまりないように思う。EOS Kiss DigitalやK100Dが鋭角や直線が目立つ外観なのに対し、D40は曲線、曲面が多く、鋭くとがった部分がない(ジウジアーロがデザインしたというグリップ部の赤い逆三角形を除けば)。各種ボタン類までごていねいに丸くデザインされている。その結果、全体として丸っこく、コロコロとした雰囲気になっている。
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D40本体とキットレンズ「AF-S DX 18-55mm F3.5-5.6 II」の箱。これまでのニコンデジタル一眼の梱包デザインを踏襲している
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本体を開封。コストダウンの表れなのか、梱包財は簡素
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D40とD50(右)。D40の低さが目立つが、幅や奥行きも小さくなっている
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アルティザン・アーティストのACAM-104を装着。D50でも使っていたのでずいぶん年季が入ってしまった。新調しなければ
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さすがに背面の2.5型液晶モニターは四角いままで丸くはならなかったのだけど、そこにデフォルトで表示されるのは絞りをあらわす大きな丸いグラフィックで、薄い暖色系の色遣いもあいまって、やはり印象はやわらかい。
この絞りのマークは設定したF値のほか、絞りの周りのグラフでシャッター速度も表現される。慣れると見やすいのかも、と期待していたのだけど、使い始めて1週間ほど経った今でもとくに見やすいという印象はなくて、その右に表示される数値をつい見てしまう。筆者のようなユーザーには、以前のニコンデジタル一眼の右肩のモノクロ液晶と同じ表示で、かつ数値も大きく表示される「クラシックデザイン」が用意されている。こちらは数字ばかりでややとっつきにくい印象になるけれど、筆者には非常に見やすい。
デフォルトのデザインから絞り表示を除いて、壁紙を表示することもできるのだけど、見た目が煩雑になるのが怖くてまだ試していない。表示する壁紙によってはメリットがあるのだと思うが、いいアイデアを思いついていない。
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左の絞りマークが印象的なグラフィック画面。絞りマークの周囲のグラフがシャッター速度を表す
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こちらはクラシックデザイン。P/S/A/Mモード時はとAUTOモードなどのデジタルイメージプログラム時で表示を使い分けられる
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D80でも採用されている「メニュー表示切り換え」。「シンプルメニュー」ではメニュー数が減って、初心者でもわかりやすい。デフォルトはすべてのメニューが表示される「フルメニュー」
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「マイメニュー」ではどの項目を表示するかを設定できる。人に貸すときに、変えられたくない項目を消しておくなんて使い方もできるだろう
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他社ではファインダーの下にセンサーを設けて、接眼すると背面液晶モニターの表示が消える仕組みを用意している機種があるが、D40にはそのような機構はない。たしかにモニターのバックライトがファインダー像に悪さをしそうに思えるけど、D40を使っていて気になることはない。表示を消したければシャッター半押しで消えてくれるし、パラメータを確認したければシャッターボタンから指を、ファインダーから目を離すだけ。誤動作だってありえないとは言えないセンサーに消灯を頼るよりは、ユーザーの意思で消灯、点灯をコントロールできるD40のほうが、筆者には好ましい。
まずは箱から出して、D50でも使っていたアルティザン・アーティストのストラップ「ACAM-104」を装着。本体に付属するストラップは頑丈なのだが、D40には太すぎて硬すぎるように思える。ACAM-104は本来ライカM5用となっているが、一眼レフにもちゃんと装着できる。幅25mmと細めで扱いやすいうえに、長さが1,200mmあるので、筆者のように体幹の太い人間でも斜め掛けできる。D40のような小型デジタル一眼にはぴったりだと思う。なお同社ではACAM-105という一眼レフ用ストラップもラインナップしているが、こちらは幅が30mmとなる。
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D40(左)には発光禁止モードが新設された
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さて今週はとりあえず、露出、感度、ホワイトバランス、フォーカスモードなどがすべて自動制御されるAUTOモードで撮影した。このお気楽なモードこそもっともD40らしいと思うのだが、AUTOモードは安全志向の制御をするので、被写体がちょっと暗いとすぐに内蔵ストロボがポップアップして発光してしまう。
遠景撮影時など、ストロボを発光させたくないときには、D40から新設された「発光禁止モード」が非常に役に立った。これならお気楽さはそのまま、無駄な発光で電池を消耗しないし、意図とかけ離れた写真が撮影されてしまうことも少ない。モードダイヤルではAUTOポジションのすぐ隣が発光禁止になっているから、切り替えも簡単。初心者にD40を使ってもらうときは、とりあえずこの2つのポジションを教えておけばなんとなかりそうだ。
※作例のリンク先は撮影した画像です。等倍の画像(3,008×2,000ピクセル)を別ウィンドウで開きます。
※すべて、D40のデフォルト値のJPEG/NORMALで撮影しています。
※画像下のデータは露出モード/ シャッター速度 / 絞り / 露出補正値 / 感度 / 実焦点距離 / ホワイトバランスです。
■ 作例
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AUTO / 1/500秒 / F5.6 / 0EV / ISO280 / 35mm / オート
こんな遠景でもAUTOではストロボが発光してしまう
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発光禁止 / 1/200秒 / F7.1 / 0EV / ISO200 / 35mm / オート
こんなときは発光禁止モードで
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AUTO / 1/400秒 / F10 / 0EV / ISO200 / 32mm / オート
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AUTO / 1/500秒 / F11 / 0EV / ISO200 / 18mm / オート
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AUTO / 1/400秒 / F10 / 0EV / ISO200 / 31mm / オート
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AUTO / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO200 / 31mm / オート
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AUTO / 1/320秒 / F9 / 0EV / ISO200 / 46mm / オート
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■ URL
ニコン
http://www.nikon.co.jp/
製品情報
http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d40/
ニコンD40関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2006/12/05/5182.html
( 本誌:田中 真一郎 )
2006/12/20 13:04
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