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ペンタックス K10D【第1回】
ハイパーモード復活! まずはボディのみを購入

Reported by 中村 文夫


 早いものでペンタックスのデジタル一眼レフも、第1号機の*ist Dから数えてK10Dで7機種目。*ist Dを第1世代とすると、記録メディアをCFからSDメモリーカードに変更した*ist DSが第2世代。ファインダーにペンタミラーを採用した普及機の*ist DLが第三世代で、ボディ内手ブレ補正機構を採用したK100Dが第4世代。そして今回のK10Dが第5世代ということになる。

 ペンタックスはデジタル一眼レフ市場では後発組に属するが、*ist Dを発売した2003年から3年余りという短い間に、よくここまで進歩したものだ。

 私が今回購入したのはK10Dのボディのみ。DA 18-55mm F3.5-5.6 AL付きのレンズキットとの価格差は約1万5,000円。こちらの方がお買い得だが、来春発売予定の超音波モーターを内蔵したDA★ 16-50mm F2.8が気になるので、とりあえず購入は見送り。それから専用バッテリーグリップも頼まなかった。縦位置で撮影するとき、私はグリップを下にしてカメラを構えるので、縦位置用電子ダイヤルにそれほど魅力を感じない。単三電池に対応していれば買っていたかも知れないが、このグリップに使えるのは専用リチウムイオン電池だけ。ただでさえ大きなボディに予備電池とリモコン収納用グリップを付けても意味がない。


K10D(左)とist Dの比較 K10DとEOS 20D(右)。K10Dは*ist Dより大きくなったが、他社の同クラスと比べるとそれほどでもない

Z-1P(左)とK10D。モード設定の方法は違うが、前後のダイヤルでシャッタースピードとF値を操作する方法は、まったく同じ。液晶パネルの表示も共通点が多い 使用頻度の高い設定をユーザーポジションに記憶させる機能もZ-1Pで始まったものだ

Z-1P(左)とK10Dの背面。Z-1PのIFボタンは、K10Dのグリーンボタンに相当。K10Dではグリーンボタンがシャッターボタンの脇に移ったが、個人的には背面が使いやすい。カスタムファンクションでAE-Lボタンと機能が入れ替えられると有り難いのだが

K10DのレンズマウントはKAF2マウント。これから登場する超音波モーター内蔵レンズのためにマウントの内側に電源供給用接点が追加された。この接点はZ-1の時代にパワーズームの電源用として使われていたもので、パワーズームを内蔵したレンズを組み合わせれば、K10Dでもパワーズームが利用できる K10Dにパワーズームを内蔵したFAズームを装着した状態。ズームリングの回転角によってパワーズームのスピードが3段階に変化する。鏡筒側面にあるPA、ASの文字があるスイッチはインテリジェントズームのセット用。Z-1の時代は、焦点距離を任意の位置に一瞬で合わせるズームクリップ、被写体の大きさを一定に保つ像倍率一定機構、自動露光間ズームがセールスポイントだったが、これらの機能はK10Dで作動しない

 それからリチウムイオン電池だが、K10Dの電池はコニカミノルタのα DIGITAL用と共通のようだ。むろんメーカーサポートは受けられないので、あくまでも自己責任で使用してほしい。試したところ、今のところトラブルなく無事に動いている。

 私がK10D購入に踏み切った最大の理由は、ハイパーモードが格段に使いやすくなったことだ。もちろん1,000万画素や防塵防滴構造をはじめ、さまざな新機能も大きな魅力だが、やはり旧くからのペンタックスユーザーとしては、ハイパーモードの復権には拍手を贈らずにいられない。このモードは*ist Dの時点で再現されていたが、後ダイヤルが右手親指の位置より外側にあるため、あまり使っていなかった。だがK10では、ふつうにカメラを構えると、右手親指の位置にダイヤルが来るので、銀塩カメラのZ-1とまったく同じ感覚でハイパープログラムが利用できるようになった。また新たに追加されたSvやTAvモードについては今のところ未知数だが、しばらく使ってみてメリットを探すつもりだ。

 先週末にカメラが届いたばかりなので、まだほとんど使っていない。とりあえず第1回目となる今回は、発売前にβ機で撮影した分も含めて作例を紹介することにしたい。


今回の撮影に使用したレンズ。K10Dのレンズマウントは基本的にKマウントのなので旧いレンズも使用可能。さらにMFレンズでも、手動で焦点距離をインプットすれば、手ブレ補正が利用できる。

作例

  • 作例のリンク先のファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです(最終カットのみPhoto Laboratory 3.10でJPEGに現像)。
  • 作例下の撮影データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


SMC-PENTAX 15mm F3.5
30年以上も前に設計された超広角レンズだが周辺部までシャープに写っている。
3,872×2,592 / 1/80秒 / F3.5 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 15mm(β機)
SMC-PENTAX 85mm F1.8
このレンズも旧い設計の大口径中望遠レンズ。開放で撮影しているのでコントラストが低くフレアっぽさも残っているが、発色が穏やかで落ち着いた描写になった
3,872×2,592 / 1/60秒 / F1.8 / 0EV/ ISO100 / WBオート / 85mm

SMC-PENTAX 85mm F1.8
同じレンズをF4まで絞って撮影。ハイライト部のボケ方にクセがあるが、全体にコントラストが上がりシャープになった。シャッター速度が遅いにも関わらず、手ブレ補正のお陰でブレず済んだ。
3,872×2,592 / 1/10秒 / F4 / -0.5EV / ISO100 / WB:オート / 85mm
SMC-PENTAX FA★ズーム 80-200mm F2.8 ED(IF)
つい最近まで現役だった大口径望遠ズーム。かなりトップヘビーだが、パワーズームを使用するとバランスを崩すことなく手持ち撮影ができる。パワーズームについては賛否両論あるが、このような大きなレンズには有効
3,872×2,592 / 1/750秒 / F6.7 / 0EV / ISO100 / WB:太陽光 / 200mm

SMC-PENTAX レフレックスズーム 400-600mm F8-12
反射光学系を採用しているので非常にコンパクトだがF値が暗く、手持ち撮影向きとは言い難い。だがK10Dの手ブレ補正機構を利用すれば手持ち撮影が可能。ただしシャープな像を得るためには、慎重にピント合わせを行なう必要がある
3,872×2,592 / 1/1,250秒 / F12 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 600mm(β機)
トキナーAT-X 400mm F5.6+SMC-PENTAX A リアコンバーター2×
満月だったので、手ブレ補正の効果を確かめる意味で手持ち撮影に挑戦した。400mmの望遠レンズに2倍のリアコンバーターを装着。合成焦点距離は800mmで、35mmフルサイズに画角を換算すると1,200mm相当になる。手ブレ補正の焦点距離を手動で800mmにセット。開放F値が暗いのでピント合わせに苦労したが、効果は想像以上だった
3,872×2,592 / 1/1,250秒 / F8 / ISO400 / WB:― / 800mm(RAWからPhoto Laboratoryで現像。色温度5000K、シャープネスやや強、コントラストやや強)

【12月10日】ハイパー操作系の記述について、一部に誤解を与える表現があったため、修正および追記を行ないました。



URL
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp/
  製品情報
  http://www.digital.pentax.co.jp/ja/35mm/k10d/feature.html
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(K10D)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#k10d


( 中村 文夫 )
2006/12/08 01:37
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