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キヤノン EOS Kiss Digital X【第7回】
カミサン用レンズシステムを考える

Reported by 北村 智史


自分が欲しいレンズをプレゼントにしてしまうんである

今回使ったのはシグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC、EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM、EF-S 60mm F2.8 Macro USMの3本。EF-S 10-22mmはカミサンに内緒で買ったのがバレてヒンシュクを買ったシナモノ。フードがやたらとでかいのがタマニキズである
 前回の分の作例撮り用に借りたEF-S 60mm F2.8 Macro USMをカミサンに見せたら、いたく気に入ってしまった。ファインダーを覗きながら「寄れるねぇ、すごいすごぉい」などと大はしゃぎである。

 さすがに、EOS Kiss Digital Xを手に入れて間がないというのに、一般的サラリーマンなおとうさんの1か月分のお小遣いの額以上のシナモノをせがむのは気が引けたのであろう、“欲しい攻撃”は小規模かつ短時間で終わった。が、実はもうすぐカミサンは誕生日である。なので、プレゼントにかこつけて、自分が欲しいレンズを買ってしまおうと悪巧みをしていたりする。EF-S 60mm Macroを見せたのも、もちろんその一環である。

 キヤノンのマクロなら、すでにEF 100mm F2.8 Macro USMを持っているのだが、いわゆるAPS-Cサイズのデジタル一眼レフには、100mmという焦点距離は、長すぎて不便なケースも少なくない。それでEF-S 60mm Macro があればなぁと思っていたわけだ。

 ただ、筆者としては、あまり買いたくない部類に入るレンズなのである。と言うのは、焦点距離が短いからである。35mm判に換算すれば96mm相当と手ごろな中望遠だが、60mmは60mm。中望遠らしいボケ方はしない。近接域ではマクロレンズならではのボケ描写が楽しめるが、ある程度以上撮影距離が長くなると、やっぱ60mmだもんねぇ的ボケにしかなってくれないのである。それに、画面サイズが小さいので、ファインダー越しに被写体が、標準レンズに毛が生えたような感じにしか見えないのも楽しくない。

 その点、EF 100mm Macro だと、それなりに望遠らしいボケ方をしてくれる。写りだって、絞り開放からシャープだし、フルタイムMF対応のリングUSM搭載なので、“親指AF”との相性もいい。MFでのピント合わせが当たり前のマクロレンズの中で、積極的にAFが使える貴重な存在なのだ。

 問題は、大きさと重さ。等倍マクロでインナーフォーカス方式ということもあって、サイズは78.6×118.6mm(最大径×長さ)、重さは580gと大きくて重い。縦位置グリップ付きのEOS 30Dクラスなら悪くないが、電池とメディア別で510gしかないEOS Kiss Digital Xには重量バランスがよろしくない。撮っていてみょうにくたびれてしまう。こういう感覚的な部分は個人個人によって違うだろうが、EOS Kiss Digital Xと組み合わせるなら、筆者としてはEF-S 60mmのほうがずっといいと思うんである。

 EF 100mm Macroより焦点距離が40%短い分、長さも重さも約40%減(サイズは73×69.8mm、重さは335gである)。軽量級のEOS Kiss Digital Xにはちょうどいいバランスなのだ。それに最大撮影倍率はちゃんと等倍だし、EF100mmマクロ同様にインナーフォーカス方式、リングUSM搭載ときてる。撮っていてラクチンなのである。EF 100mm Macroを持てあます可能性の高い「ど」の付く初心者のカミサンにも、そこそこ使えるだろうという目算もある(一応、カミサンのことも考えているつもりである)。


EOS Kiss Digital X用のレンズシステムを考えてみたのである

 最初に買ったシグマ 18-125mm F3.5-5.6 DCとケンカしないということも大事なポイント。と言ったって、広角〜望遠域をカバーするコンパクトサイズの高倍率ズームと中望遠マクロである。お互いのいいところを消し合うようなことにはならないから、仲よくバッグに納まってくれる。

 これがEF 100mm Macroだと、18-125mm DCの望遠端と画角が近くてF値が明るいから、18-125mm DCが色あせる部分が出てきてしまう(100mm F2.8に比べたら125mm F5.6が見劣りするのは当然だ)。常用ズームとマクロというすみ分けはできる反面、18-125mm DCの望遠域を殺してしまうことになる。そういう組み合わせはうれしくない。

 それがEF-S 60mm Macroだと、望遠端の焦点距離がほぼ2倍だから、いい使い分けができる。18-125mm DCは望遠という優位性、EF-S 60mm Macroは明るさという優位性(18-125mm DCの60mmはF5かF5.6ぐらいである)、両方おいしくいただけるというわけ。システムを構築するうえではとても大事なポイントだ。

 この2本にEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USMを組み合わせれば、かなりばっちりなシステムになると思う。まあ、広角ズームはもともと選択肢がほとんどないから、あまり悩む余地もなかったりするが、このレンズも385gと軽いから(シグマの10-20mm F4-5.6 EX DC HSMだと470gになっちゃうのだ)、EOS Kiss Digital Xとのマッチングは悪くない。

 と言うわけで、今回はこの3本をバッグに詰めてお台場に行ってきた次第。35mmフィルム換算で16mm相当の超広角から200mm相当の望遠までカバーするズームに中望遠マクロを加えても1,615g。手持ちでパチパチやる分には軽快で楽しいシステムである。


今週のカミサン

 で、先日、ちょっと早めだが誕生日のプレゼントを買ってきた。例によってちょっぴりお友達価格である。包装もなしでもとの職場の紙袋入りという、無粋きわまりないプレゼントではあったが、それなりにカミサンはよろこんでくれた。

 が、少し浮かない顔もしている。ろくに貯金もない我が家の家計を考えれば、こういう出費が主婦にはうれしくないことぐらいはわかるが、表情に出されるとおもしろくはない。なので、突っ込んでみると、

「いや、そうじゃなくてさ……」

 言葉を濁すカミサンである。言いたいことはあるが、言いにくそうにしている。

「じゃあ、なんだよ」

 と、さらに突っ込んでみる。

「えっと……レンズ交換って、どうやればいいのかわかんなくて……あはは」

 あははじゃないって、もう。


作例

  • 作例のリンク先は、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたファイルです。
  • 写真下の作例データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/測光方式/露出モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ホワイトバランス/ISO感度/実焦点距離(カッコ内は、35mm判換算の焦点距離)を表します。

  • 浅草〜お台場間で運行されている水上バス「ヒミコ」は、かの松本零士プロデュースの逸品である。コクピット部分がいかにもって感じで好きだったりする
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / 絞り優先AE / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / WB:オート / ISO100 / 125mm(200mm相当)
    こちらはワンちゃん同伴可の水上バスである
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / 絞り優先AE / 1/500秒 / F8.0 / −0.3EV / WB:オート / ISO100 / 18mm(28.8mm相当)

    「ヒミコ」の全体像はこんな感じ。船という感じがしないのがおもしろい
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F8.0 / −0.3EV / WB:オート / ISO100 / 67mm(107.2mm相当)
    じっと見ているのは食べ物を持っている人である。何もあげるものを持ち合わせていないこちらはシカトである
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / 絞り優先AE / 1/320秒 / F8 / 0EV / WB:オート / ISO100 / 125mm(200mm相当)

    ピクチャースタイルを「風景」にして撮ったカット。ちょっとウソくさい青空だが、天気がよかったものでつい……
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/320秒 / F11 / −0.3EV / WB:オート / ISO100 / 18mm(28.8mm相当)

    お台場海浜公園の公衆トイレである(って、前にも載せた気がするが)。雲のように見えるのは、レンズが汚れてたせい。念のために書いておくと、「スタンダード」である
    キヤノン EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/250秒 / F11 / −1EV / WB:オート / ISO100 / 13mm(20.8mm相当)
    このトイレは上部が展望デッキっぽくなってる
    キヤノン EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/250秒 / F10 / −1.7EV / WB:オート / ISO100 / 10mm(16mm相当)

    お台場海浜公園の端にある駐車場。レインボーブリッジにつながる高架の部分である
    キヤノン EF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/250秒 / F10 / −0.7EV / WB:オート / ISO100 / 10mm(16mm相当)
    りんかい線の東京テレポート駅のところの歩道橋
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/320秒 / F11 / 0EV / WB:オート / ISO100 / 18mm(28.8mm相当)

    お台場もちょっと外れるとこんな感じ。がらんとした駐車場に高層マンションの取り合わせが淋しげ。個人的にはこういう風景の中で暮らしたくないと思ってしまう
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/250秒 / F10 / −0.7EV / WB:オート / ISO100 / 18mm(28.8mm相当)
    メガウェブの裏手あたり。こういうのもお台場である
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/500秒 / F11 / −0.3EV / WB:オート / ISO100 / 125mm(200mm相当)

    「まだ明るいし」と油断していたら、秋の日はつるべ落とし。夕陽に間に合わなかった
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/320秒 / F9.0 / −0.7EV / WB:太陽光 / ISO100 / 125mm(200mm相当)
    普通に撮ってるだけじゃつまらないから、手前にものを入れてみた
    シグマ 18-125mm F3.5-5.6 DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/50秒 / F5.6 / −0.7EV / WB:太陽光 / ISO100 / 125mm(200mm相当)

    日が暮れてシャッター速度が遅くなってくると、F2.8の明るさがありがたくなる。マクロらしい写真をちっとも撮ってないことに気付いたのが、この写真を撮っているときだったりする
    キヤノン EF-S 60mm F2.8 Macro USM / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/40秒 / F2.8 / −0.3EV / WB:太陽光 / ISO400 / 60mm(96mm相当)


    URL
      キヤノン
      http://canon.jp/
      製品情報
      http://cweb.canon.jp/camera/eosd/kissdx/
      レンズ交換式デジタルカメラ関連記事リンク集(EOS Kiss Digital X)
      http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#kdigix
      気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
      http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm


    ( 北村 智史 )
    2006/10/27 14:40
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