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キヤノン EOS Kiss Digital X【第4回】
18-125mmは18-55mmとここが違う

Reported by 北村 智史


買ったレンズはネタにするのである

 第1回でレンズはシグマの18-125mm F3.5-5.6 DCにしたって書いたのに、第2回、第3回で純正のEF-S 18-55mm F3.5-5.6 II USMを使っているのはなぜ? と知り合いに突っ込まれてしまった。

 どうしてそういうことになったのかと言えば、作例がのっけから他社製レンズというのも、キヤノンさんに対して申し訳がなかろう、というわりと単純な理由である。

 なので今度は、シグマさんに義理立てするというのではないが、18-125mm DCをメインにやらせてもらうことにした。カミサン用とは言え、せっかく買ったレンズだし(って、ニコンマウントのはずっと使ってるけど)、写りをチェックしてみようと思うのだ。


カミサン用にはほどほどの望遠が手ごろである

シグマの18-125mm F3.5-5.6 DC。ちゃんと花形フードが付属しているのはえらいと思う。キヤノンさんはLレンズ以外は基本的にフード別売である。レンズケースは付属のも多いけど
 まずはおさらい。純正のEF-S 18-55mm F3.5-5.6 II USMとスペックを比較してみる。

 EF-S 18-55mmのいいところは、軽さと安さである。税込みの実売価格は単品でも25,000円ほどだし、ボディとのキットで買えば実質2万円。安さは文句なしである。それに重さがたったの190gしかない。ボディとセットにして電池とメモリカードを入れた状態では世界最軽量(ただし、オリンパスのZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6が国内デビューするまでの暫定王座である)。カミサンのようなエントリーユーザーにとっては無視できない魅力だと思う。実際、カミサンもEF-S 18-55mmを付けたEOS Kiss Digital Xを持つと、「軽くて幸せ〜」と言う。ピント駆動もUSM(超音波モーター)だから作動音も静かである。

 ただし、望遠端は88mm相当までしかない。コンパクト機の3倍ズームにも負けてしまうのだから物足りないに決まっている。だからこそ、シグマの18-125mm DCを選んだわけだ。

 その18-125mm DCは、お値段は実売で37,800円。EF-S 18-55mmに比べるとぐっとお高くなる。が、その分、望遠もぐっと伸びる。35mmフィルムに換算して、88mm対200mmという違いは、はっきり言ってかなり大きい。

 重さは385gとほぼ2倍にはなるが、数字としてはEF 135mm F2.8(390g)やEF-S 10-22mm F3.5-4.5 USM(385g)、EF 24-85mm F3.5-4.5 USM(380g)あたりとほぼ同じ。持ち歩きが嫌になるような重さではない。EF-S 18-55mmが軽いものだから、重く感じるだけである。

 レンズ駆動が超音波モーターではないので、ピント合わせで音がするのは楽しくないが、EF-S 18-55mmもマイクロUSMなので、フルタイムMFが使えないというところは同じである。もっとも、“ど”が付く初心者のカミサンが、フルタイムMFのありがたみを理解するのは当分先になると思う。AFでうまくピントが合わないケースがあることや、MFのほうが便利なケースがあることにわかってからじゃないと、フルタイムMFは役立てられないだろうからだ。

 それはさておき、近接能力はEF-S 18-55mmのほうが上。最短撮影距離は0.28mで、最大撮影倍率が0.28倍。一方、18-125mm DCは0.5mの約0.19倍(カタログ上の表記は1:5.3である。念のため)。広角側での寄りが好きな人にはこの差は無視できるものではない。まあ、カミサンの場合は望遠のほうが優先事項なので、この点には目をつぶることにした(と言うか、黙ってるだけだったりするが)。

 もちろん、常識的に考えれば、200mm相当なんてケチくさいことは言わずに300mm相当まで狙うところではある。が、“ど”の付く初心者のカミサンが使って手ブレ写真のオンパレードになるよりは、「望遠が物足りないよぉ」とグチられるほうがマシ。と思っていたら、シグマさんたら、18-200mm DCに手ブレ補正を積んできた。お値段も発売時期もまだ未定だけど、筆者的には18-125mm DCを買ったばかりの時期に発表というのは口惜しかったりする。


キヤノンEF-S 18-55mm F3.5-5.6 II USMとの大きさ比較。サイズはひとまわり、フィルター径はワンサイズ大きくて、重さはほぼ2倍の385g 望遠端にするとこれだけ伸びる。ま、焦点距離が2倍以上なんだから当然ではある

撮り比べである

 さて、お次は実写である。おやっ、と思われる方もおられるだろうから先に書いておくと、広角端の画角はEF-S 18-55mmと18-125mm DCとで微妙に違っている。ちょっぴりだが、EF-S18-55mmのほうが画角が広いんである。

 公称の画角はEF-S 18-55mmが74度20分〜27度50分。18〜125mmDCは69度18分-11度24分(シグマは小数点表記だったりするので、これも換算値である)だが、シグマはシグマ用のデータを載せていて、35mmフィルム比1:1.7のSDシリーズでの数値なので、キヤノンに付けたときよりも画角が狭くなっている。なので、スペック上では比較できない。

 同じ18mmでもあくまで公称値だから、多少の誤差と言うか、公称値とのズレがあるのは普通だし、実用上で大きな違いがあるわけでもない。正確な焦点距離の測り方を知らないので、EF-S 18-55mmが公称値より広いのか、それとも18-125mm DCが公称値より狭いのかは不明である。まあ、少しでも広いほうがお得な気分にはなれるが、あまり気にしないほうが精神衛生上いいと思う。

 ピントの微妙なズレもあるので厳密なことは言いにくいが、全体的には18-125mm DCのほうがシャープさは上に思える。広角端は絞り開放では18-125mm DCのほうがアマく見えるが、F5.6まで絞ると改善されるので逆転である。歪曲収差は、この写真ではわかりづらいが、どちらもタル型で、低価格のズームレンズとしては悪くないレベル。周辺光量の落ち具合もそれほど大きくはない。

 EF-S 18-55mmの望遠端の55mm時(中間の焦点距離は見当でセットしているせいで、18-125mm DCのは51mmになってしまっているが、ご勘弁いただきたい)は、EF-S 18-55mmは絞り開放でアマさが気になってしまう。開放から1段絞るとよくなるが、18-125mm DCは絞り開放でもけっこうシャープだし、1段絞るともう少しシマリが出る。

 18-125mm DCの望遠端は、ややイトマキ型の歪曲。絞り開放では若干周辺光量が落ちているが、1段絞ると改善される。EF-S 18-55mmの望遠端よりもシャープさは高い。

 正直なところ、それほど期待せずに(と言っても、デジタル専用設計だから、それほど悪くはないだろうと思ってはいたけどね)便利さ優先でニコン用を買ってみたら、お値段以上によく写ってくれたものだから、カミサン用にも同じレンズを買った次第。

EF-S 18-55mmと撮り比べてみて、勝ったかなと思えるレベルだったのがちょっとうれしい筆者である。シグマやタムロンの18-200mmと比べたらどうかはわからないけれど、手持ち専用ファミリー写真専用レンズと割り切って使う分には大満足レンズである。


今週のカミサン

「あのね、ヤフオクでね、ミッキーのストラップ売ってるんだ……」
 カミサンはディズニーファンである。
「欲しいのか?」
「80年代の、ちょっとレアものらしいんだけど……」
 言いにくそうにしているのは安くないシナモノな証拠である。
「いくらするの?」
 恐る恐る聞いてみる。
「1万円ちょっと」
「1万円ちょっとぉ?」
「えっと、1万……5,000円」
 それは“ちょっと”とは言わないってば。それにそんなに高いの買ったら、もったいなくて使えませんってば。

 と言うわけで、却下させていただきました。


比較作例

  • 作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。

・EF-S 18-55mm F3.5-5.6 II USM


18mm 24mm

28mm 34mm

55mm

・18-125mm F3.5-5.6 DC


18mm 23mm

30mm 34mm

51mm 67mm

109mm 125mm

 全体的に18-125mm DCのほうがシャープさが高い傾向で、お値段から考えれば結構お買い得感が高い。歪曲収差は似たようなレベル。

共通データ:3,888×2,592ピクセル / 評価測光 / 絞り優先AE / 0.3EV / ISO100相当 / WB:オート


一般作例

 丸の内で9月から10月1日まで開催されているカウパレードのウシたち。ビルの中やら歩道やらにいろんなペイントがほどこされた実物大の牛のオブジェが飾られていて、なかなかおもしろいイベントになっている。もとはスイスのチューリッヒで、地元のアーティストたちがはじめたものらしい。
  • 作例データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/測光モード/撮影モード/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離(カッコ内は35mm判での画角に相当する焦点距離)を表します。



シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F8.0 / 0.7EV / ISO100 / WB:オート / 18.0mm(29mm相当)
シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/100秒 / F8.0 / 0.7EV / ISO400 / WB:オート / 30.0mm(48mm相当)

シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/200秒 / F8.0 / 1.0EV / ISO400 / WB:オート / 77.0mm(124mm相当)
シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 18.0mm(29mm相当)

シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/50秒 / F4.5 / 0EV / ISO400 / WB:オート / 18.0mm(29mm相当) シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/100秒 / F6.3 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 38.0mm(61mm相当)

シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/200秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO400 / WB:オート / 125.0mm(202mm相当)
シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/60秒 / F5.0 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 18.0mm(29mm相当)

シグマAF18-125mm F3.5-5.6DC / 3,888×2,592 / 評価測光 / プログラムAE / 1/60秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 44.0mm(71mm相当)


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  製品情報
  http://cweb.canon.jp/camera/eosd/kissdx/
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( 北村 智史 )
2006/09/29 00:00
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