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パナソニック LUMIX DMC-L1【第6回】
シグマ30mm F1.4を使ってみる

Reported by 中村 文夫


30mm F1.4 DC HSMを装着したDMC-L1
 シグマからフォーサーズ用の30mm F1.4 DC HSMを借りることができたので、今回はこのレンズをLUMIX DMC-L1に組み合わせてレポートすることにしたい。

 このレンズは、APS-CサイズのCCD用大口径標準レンズとして開発された製品である。APS-Cよりサイズの小さなフォーサーズカメラに組み合わせた場合の画角は、35mm判に換算すると60mmに相当。標準レンズにしては焦点距離が長すぎ中望遠レンズにしては短い。あえて分類するなら準標準レンズといったところか。

 開放F値が1.4と明るいので、レンズの前玉が大きく鏡筒も太い。フィルター径は62mmで鏡筒の外径は76.6mm。ちょうどライカDレンズを短くしたようなサイズだ。したがってL1に取り付けるとレンズの大きさが目立つが、もともとL1はグリップが太いので、持ったときのバランスは良い。

 製品名のHSMが示す通り、このレンズは超音波モーターでAFを駆動する。シャッターボタンを押すと、ほとんど無音でヘリコイドが回転してピントが合う。ここまでは良いのだが、L1の光学ファインダーは像が小さく、フォーカシングスクリーンのマット面ではピントがあったかどうかが分かりにくい。特にこのレンズのように開放時の被写界深度が浅いレンズの場合は困りものだ。パナソニックは25mm F1.4という大口径レンズの発売を予告しているが、このレンズでも同じことが起こるのだろうか。


正面から見ると、レンズの口径の大きさがよく分かる。レンズの正面に何も表示がないので、まるで試作レンズのようだ L1に付属するLeica D Vario-Elmarit 14-50mm F2.8〜3.5(右)とシグマ30mm F1.4 EX DC HSM(左)

絞りをF2.8に絞った状態。絞り羽根の枚数は8枚

再考してほしい絞り優先AEの操作方法

 このレンズには絞りリングがなく、絞り優先AEやマニュアル露出を使うときは、ボディ側の操作で絞りを変更する。今回のレポートは、ほとんどこのレンズだけで作例を撮ったので、絞り優先AEを主体に撮影したが、絞りを変更する度に、FUNC1ボタンを押してから電子ダイヤルで絞りを選ぶという操作を強いられた。

 また、前にも指摘したが、絞り変更中は、ファインダー内のシャッタースピード表示が消えてしまう。この点、オリンパスE-330なら、電子ダイヤルを回すだけでF値が変わるし、ファインダー内にもシャッタースピードの表示が出る。レンズ側の絞りリングにこだわるのも良いが、絞りリングのないレンズを組み合わせたときの操作性について、もっと真剣に考えるべきだ。

 もうひとつ気になるのは露出のバラツキだ。特に絞り開放で撮影したときに露出不足になることが多い。恐らく絞りを変化させたときの測光値の補正情報が、ボディ側にうまく伝わってないことが原因と思われる。

 念のためにオリンパスE-330でも実験してみたところ、絞り開放でほんの少し露出不足になった。撮影データを見ると、L1は明らかに露出不足であるのに対し、E-330はデータ上は正常である。どうやらボディ側だけでなく、試用したレンズの個体差にも原因があるのかもしれない。


作例

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。


●絞りによる描写変化

 開放から絞りを1段ずつ絞って撮影。開放とF2のときの後ボケは自然だが、F2.8に絞ると、ハイライト部のボケに絞りの形が目立ち始め、二線ボケの傾向が出る。なお絞り開放の画像は露出不足になってしまった。シャッタースピードの変化を他の画像と比べてみると1/3段アンダーになっている。


30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/1,300秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm 30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/500秒 / F2 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/250秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm 30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/125秒 / F4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/60秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm 30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/15秒 / F11.0 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm 30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/6秒 / F16.0 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

 被写体を変えて、絞りのボケ味を検証。開放のボケ味は自然だが、F2.8を越えるとクセのあるボケになる。ボケ味を重視するなら開放からF2の間で使うと良いだろう。


30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/400秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm 30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/400秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/160秒 / F2.0 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm 30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/100秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

絞り開放で撮影。ピントが合っている部分はシャープだが、全体にコントラストが低くソフトな印象を受ける
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/800秒 / F1.4 / 0.66EV / ISO100 / WB:オート / 30mm
絞り開放で撮影。画面中央にある栗のイガやドングリの質感は、見事に再現されたが、周辺部の画像は甘く色収差も認められる
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/200秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

F2で撮影。前後のボケは自然だが、拡大してみるとランの花びらのフチが、ほんの少し二線ボケになっている
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/400秒 / F2.0 / 1EV / ISO100 / WB:オート / 30mm
絞り開放で撮影したら露出不足になった
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/640秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

0.7EVのプラス補正を行なった状態
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/320秒 / F1.4 / 0.66EV / ISO100 / WB:オート / 30mm
開放で撮影するときは、0.7〜1EV程度プラス補正すると良い結果が得られる
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/200秒 / F1.4 / 1.33EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

(参考)E-330で撮影

E-330で撮影(F1.4)
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/800秒 / ISO100 / WB:オート / 30mm
E-330で撮影(F2)
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/400秒 / ISO100 / WB:オート / 30mm
E-330で撮影(F2.8)
30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/200秒 / ISO100 / WB:オート / 30mm

他社レンズとの比較

比較のために使用した3本のレンズ
 ライカDレンズ(Leica D Vario-Elmarit 14-50mm F2.8-3.5)と、オリンパスのZuiko Digital 14-45mm F3.5-5.6を用意し、同じ被写体を撮影して比べてみた。

 3本とも焦点距離は30mm、F値は4.5で撮影。オートブラケットで撮影した画像から、明るさの近いものを選んだが、レンズの透過率の違いのためか、すべてシャッタースピードが異なる結果になった。

 シグマはこってりした色合いで、単焦点レンズを絞って撮影しているだけあって、全体にコントラストが高い。ただし周辺部の像に流れが認められる。これに対し、ライカは周辺部まできちんと描写されている。オリンパスは、拡大して見ると全体に像の甘さが目立つ。やはり高級タイプと廉価版のズームレンズでは、大きな差が出る。


30mm F1.4 DC HSM / 3,136×2,352 / 1/400秒 / F4.5 / 0.33EV / ISO100 / WB:オート / 30mm 14-50mm F2.8-3.5 / 3,136×2,352 / 1/320秒 / F4.5 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 30mm

14-45mm F3.5-5.6 / 3,136×2,352 / 1/250秒 / F4.5 / -0.33EV / ISO100 / WB:オート / 30mm


URL
  パナソニック
  http://www.panasonic.co.jp/
  製品情報(DMC-L1)
  http://panasonic.jp/dc/l1/
  製品情報(30mm F1.4 DC HSM)
  http://www.sigma-photo.co.jp/lens/digital/30_14.htm
  気になるデジカメ長期リアルタイムレポートバックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/backno/longterm.htm
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(LUMIX DMC-L1)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#l1


( 中村 文夫 )
2006/09/07 20:54
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