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ニコン D80【第1回】
50mm F1.4で子猫を撮る

Reported by 安孫子 卓郎


Ai AF Nikkor 50mm F1.4 Dを装着したD80
 D80を使って、長期レポートをお届けすることとなった。D80といえば、キムタクをCMに起用するなど、相当力の入っている機種である。契約料はかなりの金額だろう。ニコンはD80に対し、この秋から春にかけて、ライバルに対抗できる主力販売機種という役割を期待しているのだろう。

 D80の特徴のひとつに、「D200の機能を低価格で提供する機種」というものがある。筆者はD200とD50を所有しているが、一見するとD200の低価格機というより、D50の画素数アップ機種という印象を受けた。悪い意味ではない。D50だって十分満足できる機種だし、撮影をしていての軽快さは「やっぱニコン、いいわ」というセリフを思わずいわせてしまうものがある。

 D80がエントリーではなく、中堅機に分類できる根拠はコマンドダイヤルが2つあることだろう。ライバルを見てもエントリー向けの機種はコマンドダイヤルが1つで、中級機以上になると2つになる。ボディを小型化すると2つのダイヤルが搭載できないという理由もあるが、上位クラスが採用する理由は、もちろん操作性の向上だろう。

 ただしニコンに限っていうと、筆者はコマンドダイヤル1つで十分と考えている。もともとニコンは操作として、露出補正は露出補正ボタンを押しながらという方式を採用してきた。ダイレクトにサブコマンドダイヤルで露出補正する方式にもオプションで変更可能だが、長年使い慣れているので、露出補正ボタンを押しながら回す方式が馴染んでいる。するとA(絞り優先AE)モードやP(プログラムオート)モードの場合、コマンドダイヤルが余ってしまい、むしろ使い分けの操作にとまどう方が多いくらいだ。マニュアル露出を多用するなら2つある方が便利だろうが、ニコンに限れば、コマンドダイヤル1つの方が使いやすいような気がする。他のメーカーについては、2つないと使いにくい機種もある。


前後にダイヤルを装備するのもD80の特徴。シャッターボタンの下がサブコマンドダイヤル 背面右上にコマンドダイヤルを装備

 さて、第1回目は手にしてから締め切りまでの時間が短いため、身近な被写体である家の猫を撮影してみた。それだけではおもしろくなかろうというわけで、増感のテストも兼ねている。

 レンズは「Ai AF Nikkor 50mm F1.4 D」。フィルム時代は標準レンズの定番だったが、デジタルに移行してからは、焦点距離的にやや長いレンズになってしまった。とはいっても、このレンズは買っておく価値のあるレンズだろう。なんといってもF1.4の明るさがあり、なおかつ低価格だからだ。画角が焦点距離表記の1.5倍相当になったので、マクロ的な使い方もできる。他の焦点距離ではF1.4のレンズは相当な高級品になってしまうのだが、50mmに限っては手ごろな価格で手に入る。

 F1.4なら室内で蛍光灯のみの照明であっても、ISO100で撮れないことはない。部屋の明るさ次第だが、おそらく1/30秒か、悪くても1/15秒くらいだろう。もちろん昼間に外光が入れば、もっとシャッタースピードを稼げるし、ISO400くらいまで増感すればたいてい撮影できるはずだ。これがセットなどで手に入れたF3.5〜5.6などのレンズであれば、50mmの位置でF5.6程度になり、F1.4より4段暗い。つまりF5.6のレンズだと、F1.4でISO100で撮れるケースで、ISO1600まで増感してやっと同じシャッタースピードになるという計算である。もし室内でペットや子供などをノーストロボで撮影したいと考えているのならば、この50mm F1.4、35mm F2。ズームでもテレ側F2.8のレンズは絶対に必要といって過言ではない。

 ただし、いくら明るいレンズであるといっても、ストロボ非発光、かつ絞り開放で撮影をする場合には、相手が止まっている必要がある。動かない場面限定ということだ。被写体ブレもあるが、被写界深度の薄さから、相手が動くことでピントの位置が合わなくなってしまい、ピンぼけになりやすいからだ。

 50mm F1.4の開放は極めて被写界深度が浅い。フォーカスロックをして構図を変えると、距離によってはコサイン誤差でピントが甘くなってしまう。絞り込むか、フォーカスポイントでAFを合わせるか、MFで撮影する方が安心だ。いずれにしても枚数を多く撮っておくことである。毎日撮れる被写体なら数枚でも良いが、滅多に撮れない被写体やポーズなどであれば、数十枚は押さえておくことをお薦めする。

 せっかく豊富にレンズがそろっているニコンなので、このレポートでは毎回レンズテーマを変えながら、それに見合う被写体を探したいと考えている。新しく発売されるAF-S DX 18-135mm F3.5-5.6 Gをはじめとする標準ズームレンズたち。手ブレ補正付きのAF-S VR Micro 105mm F2.8 Gなどのマクロレンズ。デジタル専用の魚眼レンズ。70-300mmもVR付きで新登場するので、入手できたらこれも紹介したいと思う。また、露出計は作動しないものの、MFフォーカスのニッコールレンズも試したい。


作例

 まずはISO感度別の作例。ホワイトバランスは蛍光灯(-1ステップ微調整)。オートよりやや黄色みが残るが、肉眼の印象に近い。オートは強力で、蛍光灯はすっかり補正して白が白になっているのだが、逆に見た目の印象からは遠ざかってしまった。また固定しているにもかかわらず、増感するにつれてホワイトバランスのばらつきが大きくなっている。

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
※一部の作例については、作例データの一部項目を別の行で強調表示しています。


ISO100
50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/13秒 / F1.4 / 0EV / WB:蛍光灯 / 50mm
ISO200
50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/30秒 / F1.4 / 0EV / WB:蛍光灯 / 50mm

ISO400
50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/60秒 / F1.4 / 0EV / WB:蛍光灯 / 50mm
ISO800
50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/100秒 / F1.4 / 0EV / WB:蛍光灯 / 50mm

ISO1600
50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/200秒 / F1.4 / 0EV / WB:蛍光灯 / 50mm
ISO3200
50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/500秒 / F1.4 / 0EV / WB:蛍光灯 / 50mm

 比較のため、ホワイトバランスオートで撮影した写真も1枚。こちらの色の方が正しい(白が白)のかもしれないが、見た目とは違っている。


50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/15秒 / F1.4 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 50mm

 50mmF1.4の開放のデメリットは、被写界深度が浅くてピンぼけになりやすいこと。しかし大きくボケるので雑然とした部屋でも背景がボケてくれるというメリットにもなる。


50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/100秒 / F1.4 / 0EV / ISO400 / WB:蛍光灯 / 50mm 50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/50秒 / F1.4 / -0.67EV / ISO400 / WB:蛍光灯 / 50mm

 夜に咲くカラスウリの花。ニコンのAFは暗いところに強い。これは補助光を切っておいての撮影。かなりギリギリだが、AFが働いている。


50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/25秒 / F1.4 / -0.33EV / ISO3200 / WB:オート / 50mm 50mm F1.4 / 3,872×2,592 / 1/50秒 / F1.4 / 0EV / ISO3200 / WB:オート / 50mm


URL
  ニコン
  http://www.nikon.co.jp/
  製品情報(D80)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d80/
  製品情報(50mm F1.4)
  http://www.nikon-image.com/jpn/products/lens/af/singlefocal/normal/ai_af_50mmf14d.htm
  レンズ交換式デジタルカメラ機種別記事リンク集(D80)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#d80


( 安孫子 卓郎 )
2006/09/05 15:37
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