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ソニー α100【第4回】
名滝を撮りながら露出機能をチェック!!

Reported by 吉住 志穂


 α100発売から32日目……。発売開始から約1カ月経ちました。今回のテーマは写真の基礎ともいえる「露出」関連についてチェックします。α100のAEがどのような露出を決定するのか検証しながら、搭載されている露出関連の機能について解説します。

 まず、美しい写真に仕上げるためには適正露出を得ることが重要です。デジタル写真ではレタッチ作業で補正できるとはいえ、後からの補完作業だということには変わりありません。むしろ、撮像素子の再現性の特性を考えると、フィルムの写真以上にデリケートな露出の選択が求められるといえるでしょう。露出が合っていないと、RAW現像時に露出を補正しても明部や暗部が再現できない場合があるので、露出は細かく合わせましょう。


測光方式はスタンダードな3種類

 カメラが算出する「適正な露出値」はカメラ内部の測光素子から得られる明るさの情報をもとに、絞りとシャッターの値を決めています。この情報を得る方式、つまり測光する方式としてα100は、「多分割測光(40分割ハニカムパターン測光)」、「中央重点平均測光」、「スポット測光」の3つ備えています。

 出荷時に設定されているのは多分割測光で、六角形の「ハニカム」と呼ばれる蜂の巣状の測光エリアが中央に39個と、それを囲む1個の測光エリアで構成され、画面全体を40個のエリアで測ります。α Sweet DIGITALが14分割ハニカムパターン測光だったのに対し、測光素子の数が格段に増え、より露出決定の精度が高くなりました。画面内の明るさを判断してコントラストや明るさを微調整する新機能「Dレンジオプティマイザー」を搭載するためにも、より精度の高い測光が必要になったのでしょう。


左から多分割測光、中央重点平均測光、スポット測光
 中央重点平均測光は中央の測光エリアを重点的に測り、さらに周囲のエリアの情報を加味して画面全体の明るさ決めています。

 スポット測光はファインダー内の中央部にある円の部分(スポット測光サークル)に入った被写体のみを測光します。スポット測光を備える機種は多く、サークルの径は機種によって違います。α100は他機種に比べ標準的な大きさです。

 また、ハイエンドクラスのカメラは画像の白トビを防ぐため、コントラストの高い被写体を測光した際、アンダー気味の露出が選択されます。一方、入門機や中級機のカメラでは、明るく写る傾向があります。逆光で人物を撮影したときにそのままの露出では顔が黒くなってしまうので、それをなるべく軽減するためです。

 「Dレンジオプティマイザー」のスタンダードがプラス補正したように写るのは、逆光時の失敗を防ぐという点で同じ考え方であると思います。この点は初級者にはとても使いやすいのではないでしょうか。ただし、おおよその露出のカンを持っている人にとっては、明るめの露出が選ばれるので、ヒストグラムを見ながら上手く使い分けてください。


●測光方式による違い

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、使用レンズ/記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。
※一部の作例については、作例データの一部項目を別の行で強調表示しています。



  • 輝度差小――輝度差が少ない場合は多分割測光も中央重点平均測光も同じ露出になりました。スポットではスポット測光サークル内の黒い岩の部分のみを測ったので明るくなっています。


多分割測光
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/1.7秒 / F16 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 300mm
中央重点平均測光
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/1.7秒 / F16 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 300mm
スポット測光
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 2.5秒 / F16 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 300mm


  • 輝度差大――多分割測光では画面の中に太陽のような、突出した明るさのものがあっても、大きくデータが狂わないようにしています。中央重点平均測光では全体的に測っているのですが、1点の強い光を受け、実際よりも暗く写ってしまいました。一方、多分割測光では強い光をイレギュラーなものと認識し、カメラ内で露出を計算しているので、ほぼ適正に近い露出になりました。


多分割測光
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/250秒 / F14 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 20mm
中央重点平均測光
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/1,600秒 / F14 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 20mm

スポット測光
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/1,000秒 / F14 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 20mm

多分割測光ではAF位置で露出が変わる

 画面の全体を測って明るさの情報を得ているのは、多分割測光も中央重点平均測光も同じですが、多分割測光の場合はオートフォーカス機能と連動して、被写体が中央にない場合、つまり中央以外のAFセンサーでピント合わせを行なった場合、ピントを合わせたエリアを重点的に測光する仕組みになっています。露出とピントを連動することで、より失敗の少ない撮影が可能になっています。

 ●AF位置による測光の違い


滝にピントを合わせた例
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/160秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 85mm
岩にピントを合わせた例
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 85mm

露出補正でイメージに近づける

 このように工夫を凝らした測光機能を使って明るさを測り、失敗の少ないようにカメラが露出値を決めているのですが、必ずしも自分の希望どおりの明るさに写るわけではありません。あくまで「一般的に適当」な明るさに近づけるものです。撮る側のイメージによっては、もっと明るくしたい、暗くしたいといったこともあります。

 そうした場合は、露出補正を行ないましょう。露出補正とはカメラが出した明るさに対して、より明るく(+)、より暗く(−)する機能で、カメラ背面の+/−(露出補正)ボタンを押しながら、コントロールダイヤルを回して操作します。補正できる範囲は±2EVまでで、1/3段ステップで設定できます。露出補正操作は最も良く使う機能のため、操作位置や操作性が重要になりますが、α100ではカメラをホールドした状態のまま操作できるため、手持ちの撮影でもとても使いやすく感じています。


背面右上の露出補正ボタン(左)とAELボタン(右)。AELボタンを押すと、多分割や中央重点平均測光時にも一時的にスポット測光に切り替えられるモードがあり、カスタムメニューから選択できます 露出ブラケットはドライブモードで設定します

 露出の失敗を少なくするために設けられたのが、連続露出補正機能、つまり露出ブラケット機能です。露出を少しずつ変えて3カット撮影する便利な機能で、「連続ブラケット」と「1コマブラケット」の2種類が搭載されています。

 連続ブラケットはシャッターを押している間3コマずつ撮影するもの。対して1コマブラケットでは、シャターを押すごとに露出が変化するものです。どちらも0.3EV、もしくは0.7EV幅の補正ができますので、少し変化を付けたいといった場合は0.3EV、もうやや大きく変化をさせたいのなら0.7EVの補正幅を選ぶといいでしょう。ブラケット機能は撮る度に補正ダイヤルを回して設定せずに補正ができるので、各コマごとに露出補正を行なう場合にはとても便利です。

 露出ブラケット機能の設定は、ドライブボタンを押すと背面の液晶モニターに表示されます。その中に「1コマブラケット」と「連続ブラケット」のアイコンがあり、それぞれ補正幅を設定できるという分かりやすいもの、ぜひ使って効果を試してみてください。0.3段と0.7段は十字キーの上下で変えることができます。

 補正順は基準値→−→+に撮影されます。カスタムメニューから、−→基準値→+に順番を変えることもできます。

 ●露出ブラケットの例


-0.3EV
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/3秒 / F16 / ISO100 / WB:オート / 60mm
基準値(±0EV)
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/2.5秒 / F16 / ISO100 / WB:オート / 60mm

0.3EV
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/2秒 / F16 / ISO100 / WB:オート / 60mm

 「AEロック」は露出を固定するもので、シャッターを半押してピントが合うと、その状態のまま露出も固定されます。これがシャッターボタン連動のAEロックです。α100にはもうひとつのAEロックの機能用として、背面にAELボタンが設けられています。このAELボタンを押している間、同じように露出が固定されます。


付属のアイピースカバーはストラップに取り付け可能
 一般にシャッターボタンでのAEロックで十分ですが、露出を決めた後でフレーミングし、改めてシャッターを切るという撮り方もあるため、独立して設けられています。

 セルフタイマー撮影時やバルブ撮影時など、ファインダーを覗かずに撮影する際、露出が狂うことがあるので注意しましょう。ファインダーから測光素子に直接光が差し込み、測光値を狂わせたためです。ファインダーを覗かずに撮影する場合、本機にはアイピースシャッターがないため、ストラップについているアイピースカバーを装着しましょう。

 下の作例は、左がファインダーを覗いた状態でシャッターを切ったもの、右が同じ状況でファインダーから目を離して撮影したものです。右の写真が極端に暗くなったのは、測光素子にファインダーからの光が入って測光値が変わったためです。

 ●ファインダーへの入射光による測光誤差


ファインダーを覗きながら撮った例
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/2.5秒 / F16 / -0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 26mm
ファインダーから目を離して撮った例
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/30秒 / F16 / -0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 26mm

今週の作品

 盛夏の被写体として人気のある滝。清らかな流れを見ていると、暑さもふっと忘れてしまいます。今回は東北と北海道の名瀑を巡りました。α100で撮影した清涼感たっぷりの名瀑風景をお届けします。


玉簾の滝
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/5秒 / F16 / -0.7EV / ISO100 / WB:昼光 / 18mm
十二滝
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1秒 / F16 / 0.7EV / ISO100 / WB:昼光 / 100mm

米の粉の滝
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/5秒 / F16 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 40mm
銀河の滝
75-300mm F4.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/1.7秒 / F16 / 0.3EV / ISO100 / WB:オート / 210mm

駒止滝
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1/30秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 70mm
奈曽の白滝
DT 18-70mm F3.5-5.6 / 3,872×2,592 / 1秒 / F20.0 / -0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 50mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報(α100)
  http://www.sony.jp/products/di-world/alpha/
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  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#alpha
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( 吉住 志穂 )
2006/08/21 00:00
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