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ソニー α100【第3回】
キットレンズで原宿・表参道をスナップ!!

Reported by 吉住 志穂


 α100発売から18日目……。第3回のテーマは「カラフルな被写体に溢れた原宿・表参道でズームレンズ1本勝負!」です。レンズの性能を見るとともに、画像仕上げに関する機能をチェックしましょう。

 α100は、本体のみ(DSLR-A100)、標準ズームレンズのDT 18-70mm F3.5-5.6が付属する「ズームレンズキット」(DSLR-A100K)、さらに75-300mm F3.5-5.6を加えた「Wズームレンズキット」(DSLR-A100W)の3つの販売形態から選べます。ただし、現状ではWズームキットはブラックボディのみのセットになっています。

 現在、α100の売れ筋はズームレンズキットということです。このズームレンズキット用として、あるいは軽量、コンパクトな標準ズームレンズの量販品として設定されているのが、今回作例に使用したDT 18-70mm F3.5-5.6です。35mmフィルムカメラに換算すると、風景や室内などに便利な広角27mmから、ボケが活かせる望遠105mm相当の画角をカバーする、汎用性のあるレンズと言えます。


ズームレンズキットに付属するDT 18-70mm F3.5-5.6。単体でも購入可能 コニカミノルタのDT 18-70mm F3.5-5.6と設計は同じとききました。しかしコーティングが変わったようで、レンズの映り込みの色を見ると、ソニー製(右)は青く、コニカミノルタ製(左)は緑に見えます

 重量的にも235gと、αシリーズの全ズームレンズの中でもっとも軽く、軽量、コンパクトなα100のボディにマッチしたレンズと言えるでしょう。ただ、軽くて使いやすいだけではなく、非球面レンズとEDガラスを併用して、ズームの全域で抜けの良い画像を得られる設計となっています。また、最短撮影距離も38cmと近接撮影もできるため、かなり使い勝手が良いレンズといえます。

 ちなみにレンズの名称の前の「DT」とはデジタル専用レンズを表しており、αマウントとはいえ、同じマウントではあってもフィルムシリーズのα機には使えません。銀塩αのユーザーは注意が必要でしょう。

 当然このレンズに手ブレ補正機能は付いていませんが、α100はボディ内に手ブレ補正機能「スーパーステディショット」を備えているため、このような普及価格のレンズでも、手ブレを軽減できる点は大きなアドバンテージとなります。スナップ撮影の場合は手持ち撮影になることが多く、この機能があることで暗いシーンでも安心して撮影することができます。

 望遠側での歪みが見られませんが、中心部から離れると僅かな色収差とにじみが出始め、広角側ではタル型の収差が見られます。色収差やにじみ、周辺光量落ちも望遠側より多めに出ますが、拡大してやっとわかる程度のわずかなものです。

※作例のリンク先ファイルは、JPEGで撮影した画像をコピーおよびリネームしたものです。
※写真下の作例データは、使記録解像度(ピクセル)/露出時間/絞り値/露出補正値/ISO感度/ホワイトバランス/実焦点距離を表します。一部の作例ではISO感度を別の行で記しています。
※使用レンズはすべてDT 18-70mm F3.5-5.6です。


広角端
3,872×2,592 / 1/160秒 / F3.5 / 1.3EV / ISO100 / WB:オート / 18mm
望遠端
3,872×2,592 / 1/80秒 / F5.6 / 1.3EV / ISO100 / WB:オート / 70mm

 α100はα Sweet DIGITALに比べ、さらに機能の整理と集中がなされています。それを象徴するのが左側のファンクションダイヤルです。α Sweet DIGITALでは、ファンクションボタンと左側のダイヤルに設定機能が分かれていたのに対し、α100は左のダイヤルにその機能が集中しています。今回はこの中にある画像仕上げ機能について説明しましょう。

 多くのカメラには、撮影モードの中にシーンモードがあります。走る人、山、星=夜景などの絵文字(アイコン)で表示されるモードですね。このモードでは、シャッター速度と絞りの組み合わせ以外に、ホワイトバランス、彩度、コントラストも変わるので、フィルムカメラ以上に、その場の撮影状況に応じた画像が得らます。

 一般的にシーンモードを選ぶと、ISO感度やホワイトバランスは設定できるのですが、絞りやシャッターはカメラまかせになり、自分の意思では操作できません。しかし、α100の「画像仕上げ機能」は、このシーンモードに近い画像の変化をP、A、S、Mという一般の撮影モード時にも与えてくれるのです。


色んな機能が集約された左のファンクションダイヤル 画像仕上げ「スタンダード」の画面例

 買った時の標準的な状態では、バランスのよい「スタンダード」に設定され、多くの撮影状態に対応します。以下、空・新緑・紅葉などをより鮮やかに表現する「ビビッド」、人の肌を柔らかに美しく見せる「ポートレート」、鮮やかでシャープな「風景」、明暗の差をはっきり出してメリハリが付く「夜景」、「モノクロ」などがあります。また「モノクロ」以外の各モードでは、一般的なsRGBの色空間となっていますが、「AdobeRGB」を選ぶとAdobeRGBの色空間を持たせることができます。


スタンダード
3,872×2,592 / 1/20秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm
ビビッド
3,872×2,592 / 1/20秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm

ポートレート
3,872×2,592 / 1/15秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm
風景
3,872×2,592 / 1/20秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm

夕景
3,872×2,592 / 1/20秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm
夜景
3,872×2,592 / 1/20秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm

モノクロ
3,872×2,592 / 1/20秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm
Adobe RGB
3,872×2,592 / 1/15秒 / F9 / 1.3EV / ISO400 / WB:オート / 60mm
※一般的なsRGB対応機器では正しい色が表示されません。可能なら対応モニタ―、またはプリンタで出力してください

 さらに画面仕上げは、背面の十字キーを使って「コントラスト」、「彩度」、「シャープネス」を調整することもできます。それぞれ、+2~-2の5段階で調整でき、コントラストはプラス側にすると明暗差のある画像に、マイナス側にすると白トビや黒ツブレを緩和します。後述するゾーン切り替えを設定している際は、コントラストは0に固定されます。

 彩度をプラス側にすると鮮やかな色合いになります。マイナス側にすると落ち着いた色合いになります。画像仕上げがモノクロのときは設定できません。シャープネスはプラス側にすると輪郭が強調され、マイナス側にすると柔らかな印象に仕上がります。


コントラスト標準
3,872×2,592 / 1/4秒 / F10 / 0EV / ISO100 / WB:曇り / 70mm

コントラスト+2
3,872×2,592 / 1/3秒 / F10 / 0EV / ISO100 / WB:曇り / 70mm
コントラスト-2
3,872×2,592 / 1/4秒 / F10 / 0EV / ISO100 / WB:曇り / 70mm

彩度標準
3,872×2,592 / 1/10秒 / F14 / 0EV / ISO100 / WB:曇り / 50mm

彩度+2
3,872×2,592 / 1/10秒 / F14 / 0EV / ISO100 / WB:曇り / 50mm
彩度-2
3,872×2,592 / 1/10秒 / F14 / 0EV / ISO100 / WB:曇り / 50mm

シャープネス標準
3,872×2,592 / 0.4秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 50mm

シャープネス+2
3,872×2,592 / 0.4秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 50mm
シャープネス-2
3,872×2,592 / 0.4秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:昼光 / 50mm

 前回比較したISO感度に加え、今回はゾーン切り替えの違いを比較してみましょう。

 α100には明るいところが多い被写体での白トビ、暗いところの多い被写体での黒ツブレを緩和するものとして、ゾーン切り替えという機能を持っています。ファンクションダイヤルとFnボタンでISO/ゾーン切り替え画面を表示し、十字ボタンで「Lo80」または「Hi200」を選びます。Lo80を選んだ場合はISOが80になり、画面の中の黒ツブレを抑え、より細かなディテイールを再現することができます。感度が低いので画像は滑らかです。その代わり白トビが起こりやすいので注意しましょう。

 一方Hi200はISO200になるのですが、明るい部分の白とびを抑えることができます。逆に、暗い部分ではノイズが多く出る可能性があるため、黒っぽい部分が多い被写体では注意が必要な設定といえます。


Lo80
3,872×2,592 / 1/6秒 / F10 / 0.3EV / WB:曇り / 70mm
Hi200
3,872×2,592 / 1/15秒 / F10 / 0.3EV / WB:曇り / 70mm

ISO100
3,872×2,592 / 1/8秒 / F10 / 0.3EV / WB:曇り / 70mm
ISO200
3,872×2,592 / 1/15秒 / F10 / 0.3EV / WB:曇り / 70mm

ISO400
3,872×2,592 / 1/30秒 / F10 / 0.3EV / WB:曇り / 70mm
ISO800
3,872×2,592 / 1/60秒 / F10 / 0.3EV / WB:曇り / 70mm

ISO1600
3,872×2,592 / 1/125秒 / F10 / 0.3EV / WB:曇り / 70mm

 同じシーンを撮り比べると、Lo80は全体的に明るくなりますが、暗い部分のダイナミックレンジが押し広げられ、つぶれてしまいがちな暗部のトーンが出ています。Hi200はほんのわずかに暗くなり、明部のトーンが出ていますが、通常のISO200との大きな差は見られませんでした。

 このようにα100ではデジタルカメラならではのさまざまな画像調整ができます。それぞれを上手く使いこなし、自分のイメージに合わせた作品づくりをしましょう。


今週の作品


3,872×2,592 / 1/1.25秒 / F10 / 0.3EV / ISO1600 / WB:曇り / 70mm 3,872×2,592 / 1/30秒 / F7.1 / 0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 70mm

ゾーン切替:Hi200
3,872×2,592 / 1/40秒 / F8 / 2EV / ISO200 / WB:昼光 / 70mm
3,872×2,592 / 1/80秒 / F5.6 / 1EV / ISO200 / WB:曇り / 70mm

3,872×2,592 / 1/10秒 / F5.6 / 0.7EV / ISO100 / WB:昼光 / 60mm 3,872×2,592 / 1/13秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 50mm

3,872×2,592 / 0.4秒 / F5 / -2EV / ISO100 / WB:昼光 / 18mm 画像仕上げ:モノクロ
3,872×2,592 / 1/13秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / WB:昼光 / 40mm


URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/
  製品情報(α100)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#alpha
  製品情報(DT 18-70mm F3.5-5.6)
  http://www.ecat.sony.co.jp/alpha/lens/lens.cfm?PD=24675
  レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ機種別記事リンク集(α100)
  http://dc.watch.impress.co.jp/static/link/dslr.htm#alpha
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( 吉住 志穂 )
2006/08/07 00:13
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