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ペンタックスK100D【第4回】
K100Dで動きモノを撮る

Reported by 伊達 淳一


 *ist DS2とK100Dの比較で、大きな違いを見落としていた。それは連続撮影枚数だ。連写スピードは*ist DS2もK100Dも約2.8コマ/秒とほぼ同じだが、連続撮影枚数は*ist DS2がJPEGで8コマ、RAWで5コマ途切れず連写できるのに対し、K100DはJPEGで5コマ、RAWだと3コマと少なくなっている。搭載しているバッファメモリがK100Dのほうが少ないのだろう。

 K100Dでの連写は次のようになる。マニュアルフォーカスで露出は1/2,000秒、F6.3に固定、AWB、ISO400で撮影している。

※作例のリンク先は撮影画像です。




 もっとも、これまで*ist Dシリーズを使ってきて、テスト以外で連写をした記憶がない。というのも、*ist Dシリーズは連写しまくるほどAFも速くないし、レリーズタイムラグも遅い。だから、激しく動き回るものを撮影するのなんて所詮無理、と最初からあきらめていたのだと思う。おまけに、現在のペンタックスのレンズラインナップを見ると、望遠ズームの選択肢はDA 50-200mm F4-5.6 EDとFAJ 75-300mm F4.5-5.8 ALの2本だけというかなりお寒い状態。手頃な価格の大口径望遠ズームもないし、最近はレンズメーカーでもペンタックスマウントをラインナップに用意していない製品が増えている。まあ、そんなわけで、動きモノの撮影をあえてペンタックスのカメラでしようとは思わなかったのだ。

 しかし、これからデジタル一眼レフを買って子どもの運動会をバッチリ撮りたい、なんて考えている人も多いはず。そんな人たちの要望に果たしてK100Dは応えられるのか、気になっているに違いない。そこで、今回の長期リアルタイムレポートは、動きモノの撮影に挑んでみた。

 被写体に選んだのは、新江ノ島水族館のイルカショー。ここは4,000円で年間パスポートが買える。2回以上行けば元が取れてしまうので、新しいカメラを入手するとイルカのジャンプを撮りに足を運んでいるのだ。また、イルカの水槽と観客席が近いのも新江ノ島水族館の魅力。とはいえ、18〜55mmズームでは力不足もいいところなので、*ist D用に購入したシグマ AF 55-200mm F4-5.6 DCで撮影することにした。

 露出モードはシャッター優先AEが基本。ピクチャーモードの動体モードでも動体撮影に向いているが、イルカのジャンプや水しぶきをピタッと止めるには、1/1,000秒以上のシャッタースピードを切りたいところ。それには、動体モードよりシャッター優先AEにして、できるだけ高速シャッターに設定したほうが確実だ。

 天気は久々の晴れで、イルカの水槽にも日が差し込んでいるが、日陰になっている場所もあり、1/1,000秒以上のシャッタースピードを確保するには感度を上げる必要がある。画質を重視すればISO400程度にとどめておきたいところだが、K100DはISO800くらいまではまあなんとか常用できる画質なので、ここは思い切ってISO800で撮影することにした。

 連写となるとさすがにRAWでは連写枚数と記録レスポンスが遅くなりすぎるので、JPEGの“鮮やか”をチョイス。晴れていてコントラストが高いシーンなので、イルカが黒くなりすぎないようコントラストを1段下げている。

 AFモードはAF.Cに設定。被写体の動きに追従して、シャッターボタンを半押しにしている間は常に被写体にピントを合わせ続けるモードだ。AF測距フレームの選択は、普段は手動で選択しているが、今回はK100DのAFを試すのが目的なので、思い切ってカメラ任せの自動選択をチョイスしてみた。以上の設定で、がイルカショーの撮影に挑んでみた。


 新江ノ島水族館のイルカショーは何度も見ているが、最近、プログラムが変更されたようで、今回見たのは土日休日限定の「ドルフェリア」と新プログラム「スプラッシュ!」の2本。ボクが知っている「ハッピーテイル」とは内容がかなり異なっていて、ショーの流れがまったく読めない。つまり、ぶっつけ本番に近いわけで、K100Dにはかなり不利な条件となってしまった。

 第1回で書いたように、K100Dはレリーズタイムラグが長めだ。レリーズタイムラグとは、シャッターボタンを全押ししてからミラーが上がり、シャッターが開くまでの時間差のことで、一眼レフのフラッグシップモデルなら40〜60ms、中級機なら60〜80ms、エントリーモデルでも100ms前後というのが目安。ところが、*ist DS2のレリーズタイムラグは約150msと遅く、K100Dもまだ実測はしていないが、ほぼ同じくらいの遅れを感じる。

 被写体の動きが先読みできる被写体であれば、撮りたい瞬間よりも150msだけ早めにシャッターボタンを押せばいいが、イルカのジャンプのように突然、水面から姿を表すような撮影では、いつどこからイルカが飛び出してくるかわからないので、イルカが飛び出しそうな付近をファインダーで捉え、イルカが水面からジャンプした瞬間にフレーミングし直しつつ、シャッターボタンを全押しするしかない。つまり、事が起こってからシャッターボタンを押すしかないわけで、こうした撮影ではレリーズタイムラグが少なければ少ないほど、撮りたい瞬間を撮れる確率が高くなる。

 つまり、レリーズタイムラグが大きいK100Dでは、“ここだ!”と思った瞬間にシャッターが切れないので、どうしてもタイミングが遅れた写真になってしまうし、連写スピードも約2.8コマ/秒とあまり速くないので、せいぜい写真になるのは2コマくらいまで。後は水面に潜った際にできた水しぶきが写るだけだ。

 それでも、失敗にめげず数多くシャッターを切ることで、運良くイルカが水面から飛び出す瞬間を撮れることもあるし、ファインダーを覗いていない左目で水面下のイルカの動きをなんとか確認し、ジャンプする場所と瞬間を予測し、ひたすらシャッターボタン押しっぱなしにして連写すれば、案外モノになるカットも増えてくる。ISO800の高感度にして多少絞り込まれていることもあって、想像していたよりも動くモノにしっかりピントが合うことがわかった。

※画面下のデータは、記録サイズ / シャッタースピード / 絞り / 撮影モード / ホワイトバランス / 感度 / 露出補正 / AFモード / コントラスト / レンズ名称 / 撮影時焦点距離です。


3,008×2,000ピクセル / F6.3 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 73mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,000秒 / F9 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 103mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,250秒 / F8 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 68mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,000秒 / F6.3 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 95mm

3,008×2,000ピクセル / 1/640秒 / F9 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 85mm
3,008×2,000ピクセル / 1/640秒 / F8 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 95mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,000秒 / F7.1 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 200mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,250秒 / F6.3 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 63mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,250秒 / F5.6 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.7 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 85mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,250秒 / F5.6 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.7 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 180mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,250秒 / F7.1 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.7 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 95mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,250秒 / F6.3 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.7 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 103mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,250秒 / F8 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.7 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 55mm 3,008×2,000ピクセル / 1/1,000秒 / F7.1 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0.3 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA 55-200mm F4-5.6 DC / 180mm

 2回のイルカショーを撮り終わって、水族館を後にした。海の家で遅めのお昼ご飯を食べた後、久々の天気をムダにしたくなかったので、江ノ島方面に足を運んでみた。海水浴場でうかつに望遠ズームを付けたカメラを持ってウロウロしていると、あらぬ誤解を受ける可能性があるため、海水浴場からちょっと離れた浜を散策。

 すると、ウィンドサーフィンやジェットスキーを楽しんでいる人たちがいた。さすがに、55-200mmズームでは被写体が遠すぎるので、レンズをシグマ APO 70-300mm F4-5.6 DC MACROに交換。このレンズの希望小売価格は65,100円なのだが、実売価格は2万円前半から半ばとかなりの値引率。しかも、写りも良く、マクロ撮影モードにすると最大で1/2倍のマクロ撮影もできる(マクロが使えるのは200〜300mm域のみなので、ちょっと使い勝手は悪いけど……)。前回の浅草を撮影した際に、上野のヨドバシカメラで交換レンズ5%ポイントアップセールをやっていたので、思わず衝動買いしてしまったのだった。

 ウインドサーフィンは、ピクチャーモードの動体モードとサーフ&スノーで撮影してみた。3カットともシャッタースピードは1/500秒が切れており、この焦点距離と被写体の動きなら十分動きを止められている。感度はISO200と低めのままだ。

 一方、ジェットスキーは、可能な限り、高速シャッターを切りたかったので、イルカのジャンプと同様、シャッター優先AEにして撮影している。動きを予測しやすい被写体とはいえ、K100DのAFでここまで写るとは正直思わなかった。それだけにレリーズタイムラグ(もちろん、像消失時間もだが)の遅さは惜しい。秋の中級機は、せめて100msを切るレリーズタイムラグを実現してほしいものだ。


3,008×2,000ピクセル / 1/500秒 / F9 / ピクチャー:動体 / AWB / ISO200 / 0 / コンティニュアス / 標準 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 300mm
3,008×2,000ピクセル / 1/500秒 / F9 / シーン:サーフ&スノー / AWB / ISO200 / 0 / シングル / 標準 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 170mm

3,008×2,000ピクセル / 1/500秒 / F8 / ピクチャー:動体 / AWB / ISO200 / 0 / コンティニュアス / 標準 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 300mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,600秒 / F4.5 / シャッター優先AE / AWB / ISO200 / 0 / コンティニュアス / やや強 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 210mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,600秒 / F9 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0 / コンティニュアス / やや強 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 210mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,600秒 / F8 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0 / コンティニュアス / やや強 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 190mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,600秒 / F8 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0 / コンティニュアス / やや強 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 300mm
3,008×2,000ピクセル / 1/1,600秒 / F9 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 150mm

3,008×2,000ピクセル / 1/1,600秒 / F6.3 / シャッター優先AE / AWB / ISO800 / 0 / コンティニュアス / やや弱 / SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO / 150mm

 ところで、連写しまくるとどんどん残り撮影枚数は少なくなる。しかも、大半のカットはタイミングを逃したり、ピンぼけの失敗カットばかり。そこで、メモリーカードの空きを増やすため、撮影の合間に不要なカットを消去することも多いが、1コマ1コマ消去するのは面倒だし、うっかりゴミ箱ボタンを2回押ししてしまうと、「すべての画像が消去されます」という全画像消去のメニューが表示されてギョッとする。キャンセルがデフォルトになっているので、そのままOKを押しても無問題だが、精神衛生上良くないのだ。

 こんなときに知っておくと便利なのが「選択消去」。再生時に電子ダイヤルを回してインデックス表示に切り換え、ゴミ箱ボタンを押すと、選択したコマだけをまとめて消去できるのだ。な〜んて、偉そうに書いているけど、これまで気付かなかったんだな、これが。確認してみると*ist DS2でも同じように選択消去ができる。1コマ消去と全画像消去しかできないEOSデジタルよりも偉いぞ、ペンタックス!

 でも、どうせならインデックス画面でAE-Lボタンを押せば、選択したコマをプロテクトできるようにしてほしいところ。そうすれば必要なコマだけプロテクトして全消去すれば、プロテクトしたコマ以外はズバッと消せるからだ。消去するコマが多いときはこのほうが便利だ。


ゴミ箱ボタンを押すと“1コマ消去”だが、ここでもう一度ゴミ箱ボタンを押すと……
再生画像が消え、いきなり全画像消去の確認画面が現れる。かなりドキッとする

電子ダイヤルで再生画面をインデックス表示に切り換えてゴミ箱ボタンを押すと……
選択消去モードになり、削除するコマを十字キーとOKボタンで任意に選択できる

消去したいコマを選択してからゴミ箱ボタンを押せば選択したコマが消去される

 それと、先日、ペンタックスから「PENTAX PHOTO Browser用レンズデータの更新」と「PENTAX PHOTO Browser 3」、「PENTAX PHOTO Laboratory 3」へのアップデータ公開予告が発表された。*ist Dシリーズユーザーも、SILKYPIXエンジンのPPB3 & PPL3に“無償”でアップデートできるというものだ。有償アップデートとの噂も流れていただけに、無償アップデートはうれしいニュースだ。偉いぞ、ペンタックス(その2)!

 ただ、問題はレンズデータの更新だ。ペンタックスからニュースレターが届いてすぐに更新データをダウンロードしたのだが、なんとPPB3でJPEGの抽出ができなくなったのだ。ペンタックスに問い合わせてみると、公開当初にアップしたファイルが、本来のものと違っていたらしく、数時間後にアップデータ差し替えたらしい。さっそくレンズ更新データをダウンロードし直し、再セットアップしたら正常に戻った。バージョンも3.01ではなく3.02になっている。しかし、当初公開したデータに不備があったのなら、ちゃんとホームページに記載したり、メールマガジンで知らせてほしいものだ。その点は反省してほしいぞ、ペンタックス!


K100Dに4GBのSDHCカードを入れて電源を入れたら、無情なメッセージが……
 もうひとつ、おまけ。編集部から4GBのSDHCカードを送ってもらったので、試しにK100Dに入れてみると「カードが異常です」という無情なメッセージ。発売時期が時期だけにひょっとして密かにSDHCカードに対応しているかも、と淡い期待を抱いていたのだが、やはり現時点ではSDHCには未対応のようだ。今後のファームアップに期待したいところだ。



URL
  ペンタックス
  http://www.pentax.co.jp/
  製品情報
  http://www.digital.pentax.co.jp/ja/35mm/k100d/

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( 伊達 淳一 )
2006/08/04 01:12
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