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ペンタックス Optio A10【第7回】
スーパーマクロで撮る

Reported by 中里 和人


 小さな物や接近して被写体を撮るには、スーパーマクロの機能を使うといい。レンズ前6~15cmで、約65.6×48.6mmの範囲の被写体を撮影できる。十字キーの→を押し、花マークとS字の組合わさったスーパーマクロのアイコンを選択して撮影に入る。

 東京本郷の路地裏に、ちょうど西日が差し込んでいた。緑の葉が逆光の中でキラキラ輝いて美しい。その葉をスーパーマクロでアップ目に撮影した。背景の路地や手前の葉影のコントラストも肉眼で見たようによく再現され、光り輝く葉の葉脈までがきれいに透けて描写された。拡大してみると、葉の周辺の細い毛までも写し出されていた(写真1)。

 次に撮影したのは、八王子をのどかに流れる浅川の土手で見かけたタンポポの綿毛。少し風が吹いていて、白くてふわふわした綿毛にピントを合わせるのに苦戦したが、土手の背景がほどよくボケて、綿毛の柔らかな質感が写っていた。少し拡大してみると風に舞う綿毛のデザインが見えてきた(写真2)。

※作例のリンク先は撮影画像です。
※キャプションのデータは画像サイズ / 露出時間 / 絞り / 露光補正値 / ISO感度 / ホワイトバランスモード / 35mm判換算焦点距離です。


写真1
3,264×2,448ピクセル / 1/250秒 / F5.6 / 0EV / ISO50 / AWB / 38mm
写真2
3,264×2,448ピクセル / 1/200秒 / F2.8 / 0EV / ISO50 / AWB / 38mm

 小鳥のさえずりにふと足を止めたのは町田にある小鳥店で、店の脇にかわいいメジロの絵の描かれた看板があった。

 手描きの絵は年季が入り少し剥げかけている。ほぼ原寸のメジロの絵を接写するように撮影してみた。モスグリーンの褪色した色が渋い調子で出てきた(写真3)。

 次に撮影したのは、自作「キリコの街」の35mmスライドフィルムの複写である。ライトテーブルにフィルムを1コマ置き接写してみた。物が小さいので、手持ち撮影だとカメラがブレやすく、画面にきちんとフレーミングするのに苦労したが、きれいな複写が得られた。拡大しても丸いタイルの質感が残っていた(写真4)。


写真3
3,264×2,448ピクセル / 1/60秒 / F2.8 / 0EV / ISO200 / AWB / 38mm
写真4
3,264×2,448ピクセル / 1/160秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / AWB / 38mm

写真5
3,264×2,448ピクセル / 1/125秒 / F2.8 / 0EV / ISO100 / AWB / 38mm
 最後は、埼玉の印刷所の部屋に置かれていた造花を、アップで撮影してみた。窓辺に差し込む柔らかな光を得て、花びらの布の質感もよく再現されていた(写真5)。

 今回は被写体が小さくフレーミングや手ブレに苦慮したものの、予想以上に接写能力があると実感した。


中里和人写真展「東亰」(とうけい)

5月31日~6月4日 11:00~19:00
6月3日(土)「スライドトークショー・東亰」
     ゲスト/上野雄次17時から(写真集付3000円)
埼玉県越谷市蒲生寿町17-31ギャラリー木土水
Tel.048-989-5999
東武伊勢崎線/日比谷線 蒲生(がもう)駅 徒歩2分
第二東京タワー予定地向島。そこには、今も旧くて新しい東京の原風景が眠っていた。



( 中里 和人 )
2006/06/02 14:07
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